西暦二〇三〇年。
核融合の制御に成功した人類は、
極小ブラックホールによるエネルギープラントの開発を行っていた。
だが、北海道旭川市に建設された実験プラントが事故によって暴走し、
北海道もろとも跡形もなく消失してしまう。
僅かに生き残った道民は、未知のウィルスに感染したという偽りの情報により、
隔離政策が施行され、本土に疎開することも許されず、
配給で食いつなぐ生活を強いられていた。
事故より一〇年が経ち、
ブラックホールの特異点から人外なる異形のモンスター、
バグリーチャーが出現する。
バグリーチャー殲滅に苦戦する自衛隊は新兵器(ゼロ&ゼロワン)を開発し、
起動テストを行うべく北海道に上陸する。
学徒自衛官の大翔、陽菜を中心とした新兵器開発チームによって、
起動テストが行われる。
そのテストの最中に、道民の少女美羽と美優は、
不思議な光る球体を発見する。
それは銀河の中心よりやってきた精神生命体ユリアが宿った生命維持カプセルで、
闘争本能を持たない彼女の種族は、
バグリーチャーによって絶滅の危機に窮していた。
その彼女の目的はバグリーチャー殲滅兵器。
実験チームと邂逅する美羽たち一家は、
バグリーチャーの襲撃によって否応なく戦闘に巻き込まれる。
美優がバグリーチャーに襲われそうになったとき、
大翔が駆ける殲滅兵器ゼロが現れる。
多勢に無勢で窮地に陥る大翔を助けるべく、美羽はユリアの導きにより、
まだ起動実験を行っていないゼロワンに搭乗し、
バグリーチャーを殲滅させる。
その後、反体制レジスタンスの罠にはまって武装解除を余儀なくされる開発チーム。
そんなとき、運悪く現れたバグリーチャーにレジスタンスと自衛官達は混乱する。
美羽の養父シャクシャインによってその危機を脱したものの、
養父シャクシャインは戦闘による過酷な運動によって病を悪化させ絶命してしまう。
悲しみに暮れる美羽たちを余所に、新兵器の最後の実験が行われた。
ブラックホールに高レベルの放射性産業廃棄物を投棄して、
その回転エネルギーを取得すると言う実験に、
新兵器ゼロのパイロットである大翔が挑む。
その実験時に狙いすましたかのように現れるバグリーチャー。
ゼロが動かせない今は、
美羽とユリアが乗ったゼロワンで迎撃するしかなかった。
マシンとシンクロしたユリアのサポートでバグリーチャーを殲滅する美羽。
そうして。
巨大バグリーチャーの前に立ち塞がるゼロワン。
死んだシャクシャインと本当の両親の導きにより、
巨大バグリーチャーを撃破する美羽とユリア。
実験は成功。
北海道は日本の電力産業の要となり、世界のゴミ処理場と化した。
全てが終わり、ユリアは当初の目的通り、
ゼロワンを接収して母星へと帰還する。
ゼロのパイロットだった大翔は、
自衛隊を辞め死んだシャクシャインの変わりに、
美羽と美優の面倒をみる決意を固める。
最終更新:2007年09月16日 10:50