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A:美羽がいた
「お、兄貴おっかえりー」
「あん、何だ居たのか美羽」
「む、居たのかとはなんだよー。せっかく兄貴の帰りを待ってて
やったのに」
「ん~? なるほどなるほど、お前も可愛いとこあんだなー」
「可愛い? 恐ろしいの間違いじゃなくて?」
「ひゃい?」
「やっと帰ってきたか。待ちわびたぞ、下郎」
あっれっれー、なんかうしろにオニがみえるよー、なにかなーあれ。
誰がどう見てもレンさんです、本当にありがとうございました。
何にありがとうございましたって、俺の人生に。なんか後ろに修羅背負ってらっしゃるんですもの。
「ひ、ひとつお聞きしてもよろしいでせうか?」
「何だ」
「何でそんなに怒ってらっしゃるのでせう?」
「今朝のこと、よもや忘れたとは言わせんぞ」
ハイ、すっかり忘れてました。
って、ちょ、ま、まだその件で怒ってらっしゃったー!?
「ま、待て待て待て!! ユリアから事情じゃないの!?」
「知るか。姫様はお前を探しに外へ出て、先ほど帰って来た途端
疲れて御休みになられた」
「んで、寝言で『ヒロトさん……』とか呟くもんだからさー。
有罪じゃね? コレって」
「さて、何か言い残すことは?」
正直色々ありすぎて何を言えばいいかわからないんですが。
例えば、今晩『がき☆つか』がやるから録画しといて、とか。
明日の朝には『アラシの語欲!』がやるから見たいなー、とか。
あ、あと『仮免ライダー電脳』もやるんだよなー。
「ってか、その後ろの剣はなんですか?」
「フ、冥土の土産に教えてやる。これは、お前がこの世の最後に
見る物だ」
「メイドが冥土の土産って誰がそんな上手いことをアッ―!」
血だらけで簀巻きのまま外に野晒しは大変きつうございました。
おかげで夕飯食べ損ねてしまいましたですよ? あぁ、お腹がすいたなぁ。
鳩ラッシュ、僕疲れたよ、なんだか眠いんだ……
結局、許されたのは夜が更けてユリアの目が覚めてからでしたとさ。とほほ……