オープニング~尊い閃光

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オープニング Ver1.0 07/07/09 【大翔】「あっちぃ…。」  寝苦しくなり、布団を跳ね除ける。  クーラーは点けて寝たはず、にしては暑い。 暑すぎる。 【大翔】「…止まってるじゃねぇか。」  多分、止めたのは美羽だろう。 俺を蒸し殺す気か!  時計を見れば、午前二時半。  もう一度クーラーを点けて寝たとしても、余裕で起きられる  ………はず。 【大翔】「あれ?」  机の上にあるはずのリモコンが無い。 代わりに一枚のメモが置いてある。  ―兄貴のために無駄にする電気代はありません。   リモコンは預からせてもらいます。―  あぁ、我が愛しのリモコンは、悪名高き魔女に攫われてしまったようだ。  くそう、起きたら朝飯抜きだ。 【大翔】「しゃーない、窓開けるか。」  何もしないままこのサウナ状態の部屋に居続けるのは、自殺行為以外の何モノでもない。  青いカーテンを開き、毎日やっているように、窓のロックに手をかける。  いつも通り。  そう、いつも通りだ。  だけど、今日は一つ違った。 【大翔】「なんだよ…あれ…。」  目の前には、不思議な光景が広がっている。  町並みは、いつもと変わらない。  そこにあったのは、一筋の光。  まるで空から天使が降りてくるかのような、淡い光。  その光は、正に天から地上へと降り注いでいた。 【大翔】「あの方角…確か教会かなんかがあった場所らへんだよな。」  記憶が正しければ、そこで合っているはず。 【大翔】「教会に天使の光…か。」  俺の中の好奇心が疼く。  行って何があるのか確かめろと、囁きかけてくる。 【大翔】「よし、善は急げだ。」  寝ていたままの格好から、ジーンズとTシャツというラフな格好に着替える。  しかし、問題が一つ。  妹達を起こすワケにはいかない。  むぅ…どうしたもんか。  数秒悩んで結局、稀代の大怪盗よろしく抜き足差し足忍び足。 【美羽】「こぉらぁっ! 何やってんだ馬鹿兄貴ぃ!」  びくぅ!  早い! 気付くの早すぎるよ美羽!  ざんねん ひろと のぼうけんは ここで おわってしまった!?  と思ったが 【美羽】「ぐぅぅ…むにゃむにゃ。」  寝言のようだ。  ええい、明日は昼飯も抜きにしてやろう。  無事に玄関に到着。  靴を履き、中から施錠されていた鍵を開ける。  そして慎重にドアを開け、するりと外へ出る。 【大翔】「んー、流石にあっついなぁ。」  部屋の中より幾分涼しいとはいえ、それでも蒸すような熱気が伝わってくる。  何かあれば楽しそうだな、くらいの気持ちで歩き出す。  徒歩5分もかからないような場所にある教会だし、何より今は人が居ない。  いわゆる廃教会ってやつになってしまっているが、昔はそれなりに礼拝なんかがあったらしい。  真夜中に一人で街を歩くのは、実は初めてだった。  必要性がなかったとかじゃない。  俺には美羽と美優という、大切な妹がいるから。  二人を心配させたりするわけにはいかない。  俺が、二人を守ってやらなくちゃいけないんだから。    俺と美羽の両親は、失踪したと言われている。  多分戻ってこないだろうとも。  だから、今まで俺が家族を守ってきた。  血の繋がった妹の美羽。  血の代わりに、絆で繋がった妹の美優。  そしてこれからも、俺は二人を守っていく。 【大翔】「さってと…ここか。」  既に光の柱は消えてしまっているが、位置はここで間違いない。  彫刻も何も無い簡素な教会だが、屋根には十字架が掲げられ、無人の割には綺麗な姿を保っている。  目の前には、大きな扉。  教会の周辺には何の変哲も無いのを確認して、その扉に手をかける。  ぎぎぎぎぎぃ…  何も無い。  いや、長椅子や十字架などの教会に普段あるものは存在している。  ただ、期待していたようなものは何もなかった。 【大翔】「見間違いってことは無さそうだけど…ま、こんなもんか。」  もしかしたら、神様や天使がいるんじゃないか。  なんて妄想もしてみたが、結局は何も無かった。  そう、これが日常なんだ。  何の変哲も無く、普通に笑って、普通に怒って、普通に泣いて、普通に普通に生きていく。  これでいい。  これが、一番なんだ。 【大翔】「帰るとすっかな。 あんま長居するのもなんだし。」  十字架に架けられた聖人を一瞥し、身を翻す。  どくん 【大翔】「え…?」  どくん 【大翔】「なんなんだよ…」  急に動悸が襲い、視界が歪む。 【大翔】「なっ………」  何かが、来る。  立っているのがやっとなくらいだ。  なのに、妙に意識ははっきりしている。  唐突に十字架が光り、小さな教会の中を眩しく照らす。 【大翔】「くはっ…かはっ…」  今度は、開放感。  さっきまでの動悸も視界の歪みも嘘だったかのように元に戻る。  そして  彼女達は、そこにいた。 【???/レン】「貴方は、こちらの世界の方か?」   メイド服のような物を着た少女が尋ねてくる。  こちらの世界?  どういうことだ? 【???/レン】「早急に、貴方達に伝えねばならないことがある。」  もう一人の金髪の少女がメイド服の少女の前に一歩進み、澄んだ声で何かを唱えるように告げる。 【???/ユリア】「この世界は、崩壊の危機にあります。」  神様でも魔王でも天使でも悪魔でも怪物でも無い。  そこに居たのは、まるで御伽噺の世界から抜け出したかのようなお姫様だった。
オープニング Ver1.0 07/07/09 【大翔】「あっちぃ…。」  寝苦しくなり、布団を跳ね除ける。  クーラーは点けて寝たはず、にしては暑い。 暑すぎる。 【大翔】「…止まってるじゃねぇか。」  多分、止めたのは美羽だろう。 俺を蒸し殺す気か!  時計を見れば、午前二時半。  もう一度クーラーを点けて寝たとしても、余裕で起きられる  ………はず。 【大翔】「あれ?」  机の上にあるはずのリモコンが無い。 代わりに一枚のメモが置いてある。  ―兄貴のために無駄にする電気代はありません。   リモコンは預からせてもらいます。―  あぁ、我が愛しのリモコンは、悪名高き魔女に攫われてしまったようだ。  くそう、起きたら朝飯抜きだ。 【大翔】「しゃーない、窓開けるか。」  何もしないままこのサウナ状態の部屋に居続けるのは、自殺行為以外の何モノでもない。  青いカーテンを開き、毎日やっているように、窓のロックに手をかける。  いつも通り。  そう、いつも通りだ。  だけど、今日は一つ違った。 【大翔】「なんだよ…あれ…。」  目の前には、不思議な光景が広がっている。  町並みは、いつもと変わらない。  そこにあったのは、一筋の光。  まるで空から天使が降りてくるかのような、淡い光。  その光は、正に天から地上へと降り注いでいた。 【大翔】「あの方角…確か教会かなんかがあった場所らへんだよな。」  記憶が正しければ、そこで合っているはず。 【大翔】「教会に天使の光…か。」  俺の中の好奇心が疼く。  行って何があるのか確かめろと、囁きかけてくる。 【大翔】「よし、善は急げだ。」  寝ていたままの格好から、ジーンズとTシャツというラフな格好に着替える。  しかし、問題が一つ。  妹達を起こすワケにはいかない。  むぅ…どうしたもんか。  数秒悩んで結局、稀代の大怪盗よろしく抜き足差し足忍び足。 【美羽】「こぉらぁっ! 何やってんだ馬鹿兄貴ぃ!」  びくぅ!  早い! 気付くの早すぎるよ美羽!  ざんねん ひろと のぼうけんは ここで おわってしまった!?  と思ったが 【美羽】「ぐぅぅ…むにゃむにゃ。」  寝言のようだ。  ええい、明日は昼飯も抜きにしてやろう。  無事に玄関に到着。  靴を履き、中から施錠されていた鍵を開ける。  そして慎重にドアを開け、するりと外へ出る。 【大翔】「んー、流石にあっついなぁ。」  部屋の中より幾分涼しいとはいえ、それでも蒸すような熱気が伝わってくる。  何かあれば楽しそうだな、くらいの気持ちで歩き出す。  徒歩5分もかからないような場所にある教会だし、何より今は人が居ない。  いわゆる廃教会ってやつになってしまっているが、昔はそれなりに礼拝なんかがあったらしい。  真夜中に一人で街を歩くのは、実は初めてだった。  必要性がなかったとかじゃない。  俺には美羽と美優という、大切な妹がいるから。  二人を心配させたりするわけにはいかない。  俺が、二人を守ってやらなくちゃいけないんだから。    俺と美羽の両親は、失踪したと言われている。  多分戻ってこないだろうとも。  だから、今まで俺が家族を守ってきた。  血の繋がった妹の美羽。  血の代わりに、絆で繋がった妹の美優。  そしてこれからも、俺は二人を守っていく。 【大翔】「さってと…ここか。」  既に光の柱は消えてしまっているが、位置はここで間違いない。  彫刻も何も無い簡素な教会だが、屋根には十字架が掲げられ、無人の割には綺麗な姿を保っている。  目の前には、大きな扉。  教会の周辺には何の変哲も無いのを確認して、その扉に手をかける。  ぎぎぎぎぎぃ…  何も無い。  いや、長椅子や十字架などの教会に普段あるものは存在している。  ただ、期待していたようなものは何もなかった。 【大翔】「見間違いってことは無さそうだけど…ま、こんなもんか。」  もしかしたら、神様や天使がいるんじゃないか。  なんて妄想もしてみたが、結局は何も無かった。  そう、これが日常なんだ。  何の変哲も無く、普通に笑って、普通に怒って、普通に泣いて、普通に普通に生きていく。  これでいい。  これが、一番なんだ。 【大翔】「帰るとすっかな。 あんま長居するのもなんだし。」  十字架に架けられた聖人を一瞥し、身を翻す。  どくん 【大翔】「え…?」  どくん 【大翔】「なんなんだよ…」  急に動悸が襲い、視界が歪む。 【大翔】「なっ………」  何かが、来る。  立っているのがやっとなくらいだ。  なのに、妙に意識ははっきりしている。  唐突に十字架が光り、小さな教会の中を眩しく照らす。 【大翔】「くはっ…かはっ…」  今度は、開放感。  さっきまでの動悸も視界の歪みも嘘だったかのように元に戻る。  そして  彼女達は、そこにいた。 【???/レン】「貴方は、こちらの世界の方か?」   メイド服のような物を着た少女が尋ねてくる。  こちらの世界?  どういうことだ? 【???/レン】「早急に、貴方達に伝えねばならないことがある。」  もう一人の金髪の少女がメイド服の少女の前に一歩進み、澄んだ声で何かを唱えるように告げる。 【???/ユリア】「この世界は、崩壊の危機にあります。」  神様でも魔王でも天使でも悪魔でも怪物でも無い。  そこに居たのは、まるで御伽噺の世界から抜け出したかのようなお姫様だった。

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