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「ねーニミー、あんた冒険してて死んだらどうする?」
「ふむ。場合によるなあ。使命を果たしたと思えばそれで構わぬし、やり残したことがあるなら戻ってもこよう」
「あんたそういうとこ敬虔なんだかなんだかわかんないわよねー」
「神は寛容にして慈悲に富む。貴様の存在と生き様が良い例であろう?」
「うっさいなー、勝手に人を神の子呼ばわりすんなっつーの」
「その謙虚さは美点よなあ」
「湖飛び込んで目と耳と頭と舌洗ってこい」
「しかし何だ。私が戻って来なんだら嫌か?」
「せーせーするわね」
「そうか。ならば出来る限り戻って来よう」
「……あっそ」


「これでも心配していたのだぞ? 貴様が捕らえられたと聞いた折には」
「なんであんたが……つーか、その話広まってんの?」
「いや、ダフネから母経由で耳に挟んだだけだが。良いではないか、今さら故郷に向ける顔などもあるまいに」
「あんたが言うか」
「まあな……。里のために一命を賭けて尽くしたかったが、他人の心ばかりはどうにもならぬものだ」
「客観的に見て、あっちの気持ちもよくわかるんだけど」
「私と結婚して子供さえ産ませてくれれば、いくらでも真実の恋人とやらに愛を注いでくれてよかったのだが」
「それだからあんたねー……」
「ところで貴様のほうはどうなのだ。クロイスとダフネに孫の顔など見せる予定は」
「やめろ気持ち悪い」


「うわ。何あんた、何しに来たのよ」
「冒険者になりに来た」
「……はぁ?」
「元婚約者どのは、真実の愛を見つけられたそうな」
「は。そりゃ、また、ごくろーさま」
「しかし、私の知らぬ間に、随分と立派になったものだな。たまには帰らぬか? ダフネ達が寂しがっていたぞ」
「なーによ。別にいーじゃないの、こっちもあっちも元気なんだから充分でしょ」
「そう言うとは思った。まったく、変わらぬ女だ」
「ナイトメアだもんさー。あんたらエルフも大概変わんないけど」
「ふふ。ともあれ、そういう訳で、これからは同業だ。よろしく頼む」
「……しょーじき遠慮したいわ。あんた真っ先に死にに行きそうだし」
「流石、よく判っておられる」
「……いや実際、神官死んだら結構まずいからやめといてよ?」
「判っておる。死ぬのは皆が倒れた後だ。『待て! 私の命をやる、だから皆の命を助けてくれ!』と、こう」
「……それ聞く奴がいると思う?」
「相手が聞くかは問題ではない。相手に身を投げ出すその精神こそが崇高なる法悦の……」
「……やっぱ、あんたと一緒に冒険すんのは遠慮しとくわ」