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***とある元旦の風景 「ヘイ、ボーイズ! あけましておめでとうだぜー! ……って何だ、お前らだけか」 「みんな実家とかに行ってるぜ。シロは和兄ぃが連れてったし。エルマーは叔母ちゃんとこだって。そいつはまあ……」 「ちょっと家とか帰りたくないんだよねー、って女の子の家で言えたらいいのになー」 「非リアの集いかここは。お、なんだなんだ、ちゃんとしたおせち食ってんじゃん」 「ミナ姉ぇが置いてった」 「えー、なんでオレのとこ来ないの?」 「知らねえよ」 「まあいいや。お前らやることないなら初詣でも行こうぜー」 「えー、んなめんどくせえ」 「おごってやるからさー」 「わざわざ着物なんて着ねえでもいいだろ」 「気分だよ気分!」 「わー将馬くん、和服似合わないねー」 「いや、なんとなくサマになってるぜー。不平浪士って感じで」 「なんだそりゃ。お前らも大概だろ、七生ちゃん、ヤーさんにしか見えねえぞ」 「サングラスが悪いんじゃないかなー」 「なんだよー、三太っちなんかどう見ても羽目外した新成人じゃんかー」 「髪染め直せば?」 「やだよー」 「あ、おみくじやってる。引こうぜ引こうぜー」 「200円って高えな」 「ケチなこと言いなさんな。こういうとこで惜しまず払うから、神社さんにもバイトの巫女さん雇う余裕が生まれるわけで」 「かわいいよねー巫女さんの衣装」 「んなもん普通にオプションでつけられる店あるだろ」 「それとこれとは違うの! 神社にいてこそ巫女さんなの!」 「シチュエーション効果って大事だよねー」 「あ、オレ大吉。やったぜー」 「小吉かあ」 「こっちも大吉だな」 「えー、なんでボクだけ小吉なのさー」 「そりゃ」 「なあ」 「なんだよー!」 「ただいまー、留守番ありがとう。お正月どうだった?」 「いつも通りだった」 「そうかあ」 ***男子組 翠川和輝(みどりかわ かずき):一人暮らしの大学生。家はいろいろ大変らしいが、一人暮らしで私学に通っているあたりよくわからない。 拾ってきた犬を飼っている。管理人が率先して餌をやっているので特に問題はないようだ。 部屋は角部屋で、家電も新品を入れているためか、よく他の住人が部屋にだべりにくる。 お金を出す人。 「みんな、何の話してるの?」 清武義人(きよたけ よしひと):いつもアパートをきれいにしてくれる人。本業は普通のサラリーマン。和輝の飼い犬にぶつぶつ言っているが、よく風呂に入れたりブラッシングしてあげていたりする。 困った時は助けてくれるいい人。頼りになるかどうかは別の話。 「燃えるゴミは火曜と金曜ですよ! 週二回もあるのにどうして溜めるんですか!」 駒城未明(こまき みめい):大学二年生。姉夫婦と同居するのが嫌で一人暮らしを始めたが、そんなに家と遠いわけじゃないので、たまに子供を預けて行かれたりする。 よく和輝の部屋でだべっている一人。食事係。 ボーイズトークについていけずに切れることもあるが、なんだかんだ仲間意識はあるらしい。 「いい加減にしないと包丁投げますよ」 八十島七生(やそしま ななみ):なぜか管理人。投資目的でアパートの建物を買ったはいいが、なんだかんだで価値が暴落したので仕方なく普通に貸しアパートをやっている。あんまりちゃんと管理していない。たまに相場で儲けると住人に焼き肉とか奢ってくれる。 「カベ破った? いいじゃん、部屋広くなるぜー」 向将馬(むかい しょうま):中卒16歳。風俗店で下働きをしていたが、一番人気の姫に惚れて一緒に逃げようとしたため命の危険に陥る。ちょうど店に摘発が入ったため、なんとか逃げ切れたが、彼女とは連絡が取れない。でも未練はないらしい。 よく和輝の部屋でだべっている一人。みんなに勉強を教えてもらっていたりする。代わりにろくでもないことを教えてくれる。 三太と話を弾ませて未明に怒られたりする。 「女なんて追うもんでもねえよ」 エルマー・オールドリーフ(Elmer Oldleaf):大学二年生。イギリスからの留学生で日1英3のクォーター。専攻が日本文学なのもあるが、姉と引き離す必要ができたとかが日本に来た主な理由。 日本語は普通に喋れる。話し方はゆっくり。 バイオリンが弾けるが、アパートでは弾かないようにしている。 よく和輝の部屋でだべっている一人。和輝の飼い犬や将馬に枕にされる。 「…………重い」 荒木三太(あらき さんた):大学二年生。講義にはほとんど出ないが、サークル活動は熱心。バンドのボーカル/ギター。 エルマーをバンドに誘っているが、どう見ても音楽性が合わない。 実家は旧家らしいが、あまり寄りつきたくないらしい。でも仕送りはしてもらっている。 よく和輝の部屋でだべっている一人。猥談を始めては未明に怒られる。 「将馬くんはナイトだな~」 都川尚志(とがわ なおし):大学一年生(一浪している)。単位を落とさない程度には講義に出ている。 一応プロの役者の端くれ。小劇団に所属している。 公演の度に兄が初日から千秋楽までほぼ欠かさず舞台を見に来る上に毎回同じところで泣くので、ちょっとうんざりしている。 よく和輝の部屋でだべっている一人。将馬と三太の会話に混ざって、下らない話を深い話に持っていったりするスキルの持ち主。かと思えば普通に下らない話もする。 「日々を普通に生きることが芸に繋がるのさ」 ***女子組 黒江彩(くろえ あや):大学六年生。たいていいつも飲んでいる。 アザレアガーデンの住民。 よく御名が部屋に来て掃除をしていったり煮物と聖書を置いていったりしてくれる。 「あーもーめんどくさい、勝手にやってー」 長久手真璃(ながくて まり):高校二年生。コスプレイヤー。裁縫の腕は壊滅的で、双子の弟が作ってくれる服を主に着ている。小道具も大抵は借り物。 やたらと写真移りがよく、レタッチいらず。ネットアイドル的な人気を誇っているらしい。 猫を飼っている。 「まじかる☆しゅーと!」 真白夕未(ましろ ゆうみ):旧姓駒城。大学二年生(高校時代に一留している)。一児の母。 実家で二世帯同居。 両親もまだ定年前のため、弟に息子を預けて夫婦でデートに行ったりすることもある。 「では宜しく。お金は出すからちゃんとしたもの作りなさい?」 二之江御名(にのえ みな):女子校の非常勤講師。敬虔なクリスチャン。彩の幼馴染で、やたら世話を焼いている。 聖地巡礼(本来の意味で)に行った時、たまたま世界旅行中だった七生と知り合った。 ツツジ荘の住民にもやっぱり煮物と聖書を差し入れてくれる。 「神の子は言われた、隣人を愛せよと」 船渡唯(ふなと ゆい):高校一年生。学校は制服だが、女子制服がとても似合わない。 薙刀部所属。 男女問わず友達が多い。一方、恋愛には興味がない。 将馬の中学時代の同級生。 「やっぱり購買より学食だよなー」 小手毬有花(こでまり ゆうか):町工場で働く機械工。年齢不詳。アザレアガーデンの住民。 やたらと多趣味で、色々なことに手を出している。 真璃とはレイヤー仲間。衣装はちゃんと自分で縫う。 「やりたいことがいっぱいあって困るのだー」 新屋透子(あらや とうこ):中学二年生。御名の教え子。 ミッションスクールですっかりキリスト教に染まった素直な子。 刺繍や織物など、洋裁が趣味。真璃や有花と知り合ってはいけないと思う。 「はい、先生!」 ラヴィニア小川(Lavinia おがわ):アザレアガーデンの持ち主の奥様。英国出身。 旧姓オールドリーフ。エルマーの叔母にあたる。 メシマズ嫁疑惑。 「日本料理は調味料が多いんですねえ」 ***それぞれの関係性 和輝→未明:■友情/憐憫 「苦労するよね」 未明→和輝:■友情/隔意 「いい人なんですけどね」  学部は違うが同じ大学の生徒で、共通講義などは一緒に受けることもある。  アパートでほぼ寝食を共にしているので仲はいい。互いの事情もだいたい知っている。  未明から見れば和輝はやはり『お坊ちゃん』に見えるようだ。 和輝→将馬:■庇護/憐憫 「苦労してるよね」 将馬→和輝:■信頼/不安 「あざーっす」  和輝は、若くして天涯孤独の将馬に同情し、できることがあれば助けてあげたいと思っている。  将馬のほうも、和輝の人の良さはわかっているので何かと甘えている。一方、金使いの荒さに不安を覚えることもあるようだ。「あいつ社会に出てやってけるのか?」 和輝→エルマー:■連帯感/恐怖 エルマー→和輝:■親近感/悔悟 「……道を違えないで欲しい」  和輝はエルマーから、姉との間にあったことをぽつぽつ聞き出していて、なんとなく理解はしている。それだけに、身につまされる部分があるらしい。  エルマーは、和輝の妹に対する感情が、自分と姉の間にあった感情のようにはならないで欲しいと願っている。 和輝→三太:■好奇心/食傷 「面白い人なんだけど……」 三太→和輝:■友情/嫉妬 「いいなー」  二人とも上流家庭の出。三太は家の事情が複雑なので、妹と素直に仲の良い和輝が羨ましい。 和輝→彩:好奇心/■隔意  和輝にとって彩は同じ大学の上級生。よく構内で酒を飲んでいるのを見て引いている。 和輝→御名:■誠意/不安  「シスターの人」という認識。煮物を差し入れてくれたり、いい人なんだけど、宗教にのめり込んでいる人には何となく不安を感じる。   義人→七生:信頼/■猜疑心 「それでいいんですか!?」  七生のいーかげんな管理姿勢に大いに不安を抱えている。一方で、住民を悪いようにはしないだろうと信じてはいる。 義人→御名:■誠意/不信感 「いつもありがとうございます。あ、聖書は間に合ってますから!」  煮物は受け取るが聖書は受け取らない。   未明→義人:■連帯感/食傷 「助かるんですけどね」  掃除をしてくれるのにはとても感謝しているが、何かとうるさいのには閉口することもある。 未明→七生:誠意/■不信感 「大丈夫なんでしょうか。人生とか」  いい人なんだろうとは思いつつ、やはり不信感が先に立つ。 未明→将馬:同情/■隔意 「やっぱり、世界が違うっていうか」 将馬→未明:■信頼/侮蔑  未明は将馬に、和輝に対するものとは逆の方向の隔たりを感じている。境遇には同情している。  将馬のほうは、未明の性格を割と面白がってからかっている節がある。 未明→エルマー:■連帯感/不安 エルマー→未明:■同情/厭気  未明から見ると、エルマーは「姉に苦労させられる」仲間。なんだか大変そうなので心配している。  エルマーは、未明と姉の関係を、エルマー自身の姉との関係とはだいぶ違うものと見ているので、連帯感というよりは単に大変そうなので心配している。自分の事情を全部話したら、嫌われるだろうと思っている。 未明→三太:友情/■嫌悪 「馬鹿話は人のいないところでして下さい」 三太→未明:■親近感/食傷 「ごめんごめーん」  未明からすると三太は結構苦手なタイプ。将馬や尚志とは仲が良いみたいなので、あまり邪険にはしたくないと思っている。  三太は「家族環境で苦労する」点で未明に親近感を持っているが、自分の家の事情は未明のいるところで話せるような話ではなかったり。 未明→尚志:■尊敬/嫉妬 「色々すごいですよね……」 尚志→未明:■誠意/不安 「損な性格してるよね」  未明は尚志が出ている芝居を観に行くこともある。同い年でプロの仕事をしている尚志に対して、憧れも嫉妬もあるようだ。  尚志から見ると、未明は生き辛そうな性質に見えるらしい。 未明→夕未:慕情/■隔意 夕未→未明:■幸福感/無関心  姉弟の関係はだいたいそのまま。 未明→御名:■誠意/厭気  差し入れしてくれるので経済的には助かるのだが…… 七生→御名:■好奇心/隔意 御名→七生:■誠意/不安  変人同士(?)なんとなく仲はいいようだ。 将馬→エルマー:■幸福感/厭気 「たまに邪魔」 エルマー→将馬:■慈愛/不安  将馬はよく和輝の部屋で寝転がっているエルマーを枕にして寝ている。適度に硬い脇腹がちょうどいいとか。  エルマーは将馬に英語を教えたりして面倒を見ているが、どこか軌道を外れた性格に不安を覚えることもあるらしい。 将馬→三太:■友情/不信感 三太→将馬:■感服/憐憫 「かっこいいよねー」  仲良し。だべっていると話がどんどん酷い方向にエスカレートする。  もっとも、三太は深い話をするのを避けている節があり、将馬もそれになんとなく気付いている。 将馬→尚志:■信頼/無関心 尚志→将馬:■庇護/脅威 「まっすぐ進んでくれるといいんだけど」  大人のようで大人じゃない子供と、大人になりたい大人。  尚志は将馬の力になりたいと思っているが、将馬は意識的にか無意識にか、そこまでは踏み込ませない。 将馬→御名:■好意/隔意 「美人だけどなあ」  『どうやっても自分のものにならない女』は、将馬のストライクゾーンだったりする……。 将馬→唯:友情/■無関心 唯→将馬:連帯感/■不安 「元気でやってるならいいけど」  元クラスメイト。たまに話をする程度だったが、唯は結構気にかけていたらしい。 エルマー→七生:■誠意/不信感 「……悪い人ではないと思うのだが」  日本で世話になっている人なので信頼している……が、何しろ七生である。 エルマー→三太:■好奇心/隔意 三太→エルマー:■好奇心/不安 「いえーい!」  音楽仲間。と言っていいのかどうか。 エルマー→御名:幸福感/■隔意 「……すまない、家はプロテスタントで」 エルマー→ラヴィニア:■慕情/悔悟 ラヴィニア→エルマー:■慈愛/不安 「何かあったら言ってくださいね」  ラヴィニアはエルマーの叔母。エルマーの事情も知っている。  残念ながらアザレアガーデンは女性専用マンションであった。 (英語) 「あなたたちはね、ほんの少し運が悪かったんですよ」 「……運?」 「そう。あなたが悪いわけでも、お姉ちゃんが悪いわけでもなくて」 「…………」 「人を愛して愛されることは、とても幸せなこと。今は……そう、あなたたちは離れていたほうがいいのでしょうけれど。どうか、怖がらないでくださいね。誰かを好きになることを」 「目の届くところにいて欲しいという気持ちもあるのですけれど、今のあなたは、なるべく家から遠いところにいた方が良いかもしれませんね。でも、何かあったらすぐに言ってくださいね。叔母さんはあなたの味方ですよ」 「…………」 「そうでなくても、いつでも遊びに来て構いませんよ。お茶はいつも用意してありますし、そこの通りのパン屋さんのスコーンはそれは美味しいんですよ。英国のものとは違いますけれど……。友達を連れて、遊びにいらっしゃい」 「……(将馬と三太は論外……和輝と未明と尚志くらいか……?)」 「叔母さんの手料理もご馳走しますよ」 「それは……その……申し訳ないので……(客人に)」 「まあ、遠慮はいけません。あなたはもっと人に甘えていいんですよ」 「……(そういう話ではなくて)」    三太→彩:■好意/恐怖 「きれいだなー」 三太→御名:■好意/恐怖 「きれいだなー」 三太→真璃:■好奇心/恐怖 「かわいいなー」 三太→有花:■好奇心/恐怖 「かわいいなー」  女の子は好きだけど怖い。 三太→尚志:■友情/劣等感 「いいなー、役者ってモテるよねー」 尚志→三太:■友情/不安  仲はいいのだが、話をしていると何となく双方煙に巻かれた感じになるらしい。 尚志→御名:■連帯感/不安  尚志も教会に通っていたりするので、不信感は持っていない。ただ、御名の神への傾倒の仕方には、ちょっと不安もあるようだ。 彩→御名:誠意/■食傷 「うっとーしーってば」 御名→彩:■純愛/不安 「ちゃんと野菜を……」  二人は幼馴染。一方的に愛を注ぐ御名と、うざがる彩の構図。 真璃→和輝:■憧憬/不安 「かっこいー!」  犬の散歩中の和輝と、猫を連れて散歩する真璃はよく公園で顔を合わせる。  和輝はご近所の王子様的な存在らしい。 真璃→尚志:■尊敬/脅威 「かっこいー!」  芝居を観に行ったことがある。「私もステージに立ちたーい!」 真璃→唯:■憧憬/隔意 「かっこいー!」 唯→真璃:■好奇心/隔意 「オタクっていうの?」  先輩後輩。お互い学校では有名人。 真璃→有花:■連帯感/脅威 「私がピンクで、ありかさんもピンク!」 有花→真璃:■友情/嫉妬 「写真のレタッチもそれはそれで楽しいよ~」  コスプレ仲間で、ちょっとしたライバル的存在らしい。 夕未→七生:■信頼/不信感 「弟を宜しく」 御名→透子:■庇護/不安 透子→御名:■信頼/恐怖  真面目な先生と真面目な生徒。  
***とある元旦の風景 「ヘイ、ボーイズ! あけましておめでとうだぜー! ……って何だ、お前らだけか」 「みんな実家とかに行ってるぜ。シロは和兄ぃが連れてったし。エルマーは叔母ちゃんとこだって。そいつはまあ……」 「ちょっと家とか帰りたくないんだよねー、って女の子の家で言えたらいいのになー」 「非リアの集いかここは。お、なんだなんだ、ちゃんとしたおせち食ってんじゃん」 「ミナ姉ぇが置いてった」 「えー、なんでオレのとこ来ないの?」 「知らねえよ」 「まあいいや。お前らやることないなら初詣でも行こうぜー」 「えー、んなめんどくせえ」 「おごってやるからさー」 「わざわざ着物なんて着ねえでもいいだろ」 「気分だよ気分!」 「わー将馬くん、和服似合わないねー」 「いや、なんとなくサマになってるぜー。不平浪士って感じで」 「なんだそりゃ。お前らも大概だろ、七生ちゃん、ヤーさんにしか見えねえぞ」 「サングラスが悪いんじゃないかなー」 「なんだよー、三太っちなんかどう見ても羽目外した新成人じゃんかー」 「髪染め直せば?」 「やだよー」 「あ、おみくじやってる。引こうぜ引こうぜー」 「200円って高えな」 「ケチなこと言いなさんな。こういうとこで惜しまず払うから、神社さんにもバイトの巫女さん雇う余裕が生まれるわけで」 「かわいいよねー巫女さんの衣装」 「んなもん普通にオプションでつけられる店あるだろ」 「それとこれとは違うの! 神社にいてこそ巫女さんなの!」 「シチュエーション効果って大事だよねー」 「あ、オレ大吉。やったぜー」 「小吉かあ」 「こっちも大吉だな」 「えー、なんでボクだけ小吉なのさー」 「そりゃ」 「なあ」 「なんだよー!」 「ただいまー、留守番ありがとう。お正月どうだった?」 「いつも通りだった」 「そうかあ」 ***男子組 翠川和輝(みどりかわ かずき):一人暮らしの大学生。家はいろいろ大変らしいが、一人暮らしで私学に通っているあたりよくわからない。 拾ってきた犬を飼っている。管理人が率先して餌をやっているので特に問題はないようだ。 部屋は角部屋で、家電も新品を入れているためか、よく他の住人が部屋にだべりにくる。 お金を出す人。 「みんな、何の話してるの?」 清武義人(きよたけ よしひと):いつもアパートをきれいにしてくれる人。本業は普通のサラリーマン。和輝の飼い犬にぶつぶつ言っているが、よく風呂に入れたりブラッシングしてあげていたりする。 困った時は助けてくれるいい人。頼りになるかどうかは別の話。 「燃えるゴミは火曜と金曜ですよ! 週二回もあるのにどうして溜めるんですか!」 駒城未明(こまき みめい):大学二年生。姉夫婦と同居するのが嫌で一人暮らしを始めたが、そんなに家と遠いわけじゃないので、たまに子供を預けて行かれたりする。 よく和輝の部屋でだべっている一人。食事係。 ボーイズトークについていけずに切れることもあるが、なんだかんだ仲間意識はあるらしい。 「いい加減にしないと包丁投げますよ」 八十島七生(やそしま ななみ):なぜか管理人。投資目的でアパートの建物を買ったはいいが、なんだかんだで価値が暴落したので仕方なく普通に貸しアパートをやっている。あんまりちゃんと管理していない。たまに相場で儲けると住人に焼き肉とか奢ってくれる。 「カベ破った? いいじゃん、部屋広くなるぜー」 向将馬(むかい しょうま):中卒16歳。風俗店で下働きをしていたが、一番人気の姫に惚れて一緒に逃げようとしたため命の危険に陥る。ちょうど店に摘発が入ったため、なんとか逃げ切れたが、彼女とは連絡が取れない。でも未練はないらしい。 よく和輝の部屋でだべっている一人。みんなに勉強を教えてもらっていたりする。代わりにろくでもないことを教えてくれる。 三太と話を弾ませて未明に怒られたりする。 「女なんて追うもんでもねえよ」 エルマー・オールドリーフ(Elmer Oldleaf):大学二年生。イギリスからの留学生で日1英3のクォーター。専攻が日本文学なのもあるが、姉と引き離す必要ができたとかが日本に来た主な理由。 日本語は普通に喋れる。話し方はゆっくり。 バイオリンが弾けるが、アパートでは弾かないようにしている。 よく和輝の部屋でだべっている一人。和輝の飼い犬や将馬に枕にされる。 「…………重い」 荒木三太(あらき さんた):大学二年生。講義にはほとんど出ないが、サークル活動は熱心。バンドのボーカル/ギター。 エルマーをバンドに誘っているが、どう見ても音楽性が合わない。 実家は旧家らしいが、あまり寄りつきたくないらしい。でも仕送りはしてもらっている。 よく和輝の部屋でだべっている一人。猥談を始めては未明に怒られる。 「将馬くんはナイトだな~」 都川尚志(とがわ なおし):大学一年生(一浪している)。単位を落とさない程度には講義に出ている。 一応プロの役者の端くれ。小劇団に所属している。 公演の度に兄が初日から千秋楽までほぼ欠かさず舞台を見に来る上に毎回同じところで泣くので、ちょっとうんざりしている。 よく和輝の部屋でだべっている一人。将馬と三太の会話に混ざって、下らない話を深い話に持っていったりするスキルの持ち主。かと思えば普通に下らない話もする。 「日々を普通に生きることが芸に繋がるのさ」 ディーン・ステフェンセン(Dean Steffensen):年齢不詳。「北欧のほうからやってきた」らしい。例によって七生の謎の世界的交友関係によりアパートに流れ着く。 外見はいわゆるサンタクロースによく似ており、買い物に出ただけで周囲の子供が騒ぎだす。 見た目より若いらしい。色々と謎。 「ワタシ怪しくありまセーン」 ***女子組 黒江彩(くろえ あや):大学六年生。たいていいつも飲んでいる。 アザレアガーデンの住民。 よく御名が部屋に来て掃除をしていったり煮物と聖書を置いていったりしてくれる。 「あーもーめんどくさい、勝手にやってー」 長久手真璃(ながくて まり):高校二年生。コスプレイヤー。裁縫の腕は壊滅的で、双子の弟が作ってくれる服を主に着ている。小道具も大抵は借り物。 やたらと写真移りがよく、レタッチいらず。ネットアイドル的な人気を誇っているらしい。 猫を飼っている。 「まじかる☆しゅーと!」 真白夕未(ましろ ゆうみ):旧姓駒城。大学二年生(高校時代に一留している)。一児の母。 実家で二世帯同居。 両親もまだ定年前のため、弟に息子を預けて夫婦でデートに行ったりすることもある。 「では宜しく。お金は出すからちゃんとしたもの作りなさい?」 二之江御名(にのえ みな):女子校の非常勤講師。敬虔なクリスチャン。彩の幼馴染で、やたら世話を焼いている。 聖地巡礼(本来の意味で)に行った時、たまたま世界旅行中だった七生と知り合った。 ツツジ荘の住民にもやっぱり煮物と聖書を差し入れてくれる。 「神の子は言われた、隣人を愛せよと」 船渡唯(ふなと ゆい):高校一年生。学校は制服だが、女子制服がとても似合わない。 薙刀部所属。 男女問わず友達が多い。一方、恋愛には興味がない。 将馬の中学時代の同級生。 「やっぱり購買より学食だよなー」 小手毬有花(こでまり ゆうか):町工場で働く機械工。年齢不詳。アザレアガーデンの住民。 やたらと多趣味で、色々なことに手を出している。 真璃とはレイヤー仲間。衣装はちゃんと自分で縫う。 「やりたいことがいっぱいあって困るのだー」 新屋透子(あらや とうこ):中学二年生。御名の教え子。 ミッションスクールですっかりキリスト教に染まった素直な子。 刺繍や織物など、洋裁が趣味。真璃や有花と知り合ってはいけないと思う。 「はい、先生!」 ラヴィニア小川(Lavinia おがわ):アザレアガーデンの持ち主の奥様。英国出身。 旧姓オールドリーフ。エルマーの叔母にあたる。 メシマズ嫁疑惑。 「日本料理は調味料が多いんですねえ」 ***それぞれの関係性 和輝→未明:■友情/憐憫 「苦労するよね」 未明→和輝:■友情/隔意 「いい人なんですけどね」  学部は違うが同じ大学の生徒で、共通講義などは一緒に受けることもある。  アパートでほぼ寝食を共にしているので仲はいい。互いの事情もだいたい知っている。  未明から見れば和輝はやはり『お坊ちゃん』に見えるようだ。 和輝→将馬:■庇護/憐憫 「苦労してるよね」 将馬→和輝:■信頼/不安 「あざーっす」  和輝は、若くして天涯孤独の将馬に同情し、できることがあれば助けてあげたいと思っている。  将馬のほうも、和輝の人の良さはわかっているので何かと甘えている。一方、金使いの荒さに不安を覚えることもあるようだ。「あいつ社会に出てやってけるのか?」 和輝→エルマー:■連帯感/恐怖 エルマー→和輝:■親近感/悔悟 「……道を違えないで欲しい」  和輝はエルマーから、姉との間にあったことをぽつぽつ聞き出していて、なんとなく理解はしている。それだけに、身につまされる部分があるらしい。  エルマーは、和輝の妹に対する感情が、自分と姉の間にあった感情のようにはならないで欲しいと願っている。 和輝→三太:■好奇心/食傷 「面白い人なんだけど……」 三太→和輝:■友情/嫉妬 「いいなー」  二人とも上流家庭の出。三太は家の事情が複雑なので、妹と素直に仲の良い和輝が羨ましい。 和輝→彩:好奇心/■隔意  和輝にとって彩は同じ大学の上級生。よく構内で酒を飲んでいるのを見て引いている。 和輝→御名:■誠意/不安  「シスターの人」という認識。煮物を差し入れてくれたり、いい人なんだけど、宗教にのめり込んでいる人には何となく不安を感じる。   義人→七生:信頼/■猜疑心 「それでいいんですか!?」  七生のいーかげんな管理姿勢に大いに不安を抱えている。一方で、住民を悪いようにはしないだろうと信じてはいる。 義人→御名:■誠意/不信感 「いつもありがとうございます。あ、聖書は間に合ってますから!」  煮物は受け取るが聖書は受け取らない。   未明→義人:■連帯感/食傷 「助かるんですけどね」  掃除をしてくれるのにはとても感謝しているが、何かとうるさいのには閉口することもある。 未明→七生:誠意/■不信感 「大丈夫なんでしょうか。人生とか」  いい人なんだろうとは思いつつ、やはり不信感が先に立つ。 未明→将馬:同情/■隔意 「やっぱり、世界が違うっていうか」 将馬→未明:■信頼/侮蔑  未明は将馬に、和輝に対するものとは逆の方向の隔たりを感じている。境遇には同情している。  将馬のほうは、未明の性格を割と面白がってからかっている節がある。 未明→エルマー:■連帯感/不安 エルマー→未明:■同情/厭気  未明から見ると、エルマーは「姉に苦労させられる」仲間。なんだか大変そうなので心配している。  エルマーは、未明と姉の関係を、エルマー自身の姉との関係とはだいぶ違うものと見ているので、連帯感というよりは単に大変そうなので心配している。自分の事情を全部話したら、嫌われるだろうと思っている。 未明→三太:友情/■嫌悪 「馬鹿話は人のいないところでして下さい」 三太→未明:■親近感/食傷 「ごめんごめーん」  未明からすると三太は結構苦手なタイプ。将馬や尚志とは仲が良いみたいなので、あまり邪険にはしたくないと思っている。  三太は「家族環境で苦労する」点で未明に親近感を持っているが、自分の家の事情は未明のいるところで話せるような話ではなかったり。 未明→尚志:■尊敬/嫉妬 「色々すごいですよね……」 尚志→未明:■誠意/不安 「損な性格してるよね」  未明は尚志が出ている芝居を観に行くこともある。同い年でプロの仕事をしている尚志に対して、憧れも嫉妬もあるようだ。  尚志から見ると、未明は生き辛そうな性質に見えるらしい。 未明→夕未:慕情/■隔意 夕未→未明:■幸福感/無関心  姉弟の関係はだいたいそのまま。 未明→御名:■誠意/厭気  差し入れしてくれるので経済的には助かるのだが…… 七生→御名:■好奇心/隔意 御名→七生:■誠意/不安  変人同士(?)なんとなく仲はいいようだ。 将馬→エルマー:■幸福感/厭気 「たまに邪魔」 エルマー→将馬:■慈愛/不安  将馬はよく和輝の部屋で寝転がっているエルマーを枕にして寝ている。適度に硬い脇腹がちょうどいいとか。  エルマーは将馬に英語を教えたりして面倒を見ているが、どこか軌道を外れた性格に不安を覚えることもあるらしい。 将馬→三太:■友情/不信感 三太→将馬:■感服/憐憫 「かっこいいよねー」  仲良し。だべっていると話がどんどん酷い方向にエスカレートする。  もっとも、三太は深い話をするのを避けている節があり、将馬もそれになんとなく気付いている。 将馬→尚志:■信頼/無関心 尚志→将馬:■庇護/脅威 「まっすぐ進んでくれるといいんだけど」  大人のようで大人じゃない子供と、大人になりたい大人。  尚志は将馬の力になりたいと思っているが、将馬は意識的にか無意識にか、そこまでは踏み込ませない。 将馬→御名:■好意/隔意 「美人だけどなあ」  『どうやっても自分のものにならない女』は、将馬のストライクゾーンだったりする……。 将馬→唯:友情/■無関心 唯→将馬:連帯感/■不安 「元気でやってるならいいけど」  元クラスメイト。たまに話をする程度だったが、唯は結構気にかけていたらしい。 エルマー→七生:■誠意/不信感 「……悪い人ではないと思うのだが」  日本で世話になっている人なので信頼している……が、何しろ七生である。 エルマー→三太:■好奇心/隔意 三太→エルマー:■好奇心/不安 「いえーい!」  音楽仲間。と言っていいのかどうか。 エルマー→御名:幸福感/■隔意 「……すまない、家はプロテスタントで」 エルマー→ラヴィニア:■慕情/悔悟 ラヴィニア→エルマー:■慈愛/不安 「何かあったら言ってくださいね」  ラヴィニアはエルマーの叔母。エルマーの事情も知っている。  残念ながらアザレアガーデンは女性専用マンションであった。 (英語) 「あなたたちはね、ほんの少し運が悪かったんですよ」 「……運?」 「そう。あなたが悪いわけでも、お姉ちゃんが悪いわけでもなくて」 「…………」 「人を愛して愛されることは、とても幸せなこと。今は……そう、あなたたちは離れていたほうがいいのでしょうけれど。どうか、怖がらないでくださいね。誰かを好きになることを」 「目の届くところにいて欲しいという気持ちもあるのですけれど、今のあなたは、なるべく家から遠いところにいた方が良いかもしれませんね。でも、何かあったらすぐに言ってくださいね。叔母さんはあなたの味方ですよ」 「…………」 「そうでなくても、いつでも遊びに来て構いませんよ。お茶はいつも用意してありますし、そこの通りのパン屋さんのスコーンはそれは美味しいんですよ。英国のものとは違いますけれど……。友達を連れて、遊びにいらっしゃい」 「……(将馬と三太は論外……和輝と未明と尚志くらいか……?)」 「叔母さんの手料理もご馳走しますよ」 「それは……その……申し訳ないので……(客人に)」 「まあ、遠慮はいけません。あなたはもっと人に甘えていいんですよ」 「……(そういう話ではなくて)」    三太→彩:■好意/恐怖 「きれいだなー」 三太→御名:■好意/恐怖 「きれいだなー」 三太→真璃:■好奇心/恐怖 「かわいいなー」 三太→有花:■好奇心/恐怖 「かわいいなー」  女の子は好きだけど怖い。 三太→尚志:■友情/劣等感 「いいなー、役者ってモテるよねー」 尚志→三太:■友情/不安  仲はいいのだが、話をしていると何となく双方煙に巻かれた感じになるらしい。 尚志→御名:■連帯感/不安  尚志も教会に通っていたりするので、不信感は持っていない。ただ、御名の神への傾倒の仕方には、ちょっと不安もあるようだ。 彩→御名:誠意/■食傷 「うっとーしーってば」 御名→彩:■純愛/不安 「ちゃんと野菜を……」  二人は幼馴染。一方的に愛を注ぐ御名と、うざがる彩の構図。 真璃→和輝:■憧憬/不安 「かっこいー!」  犬の散歩中の和輝と、猫を連れて散歩する真璃はよく公園で顔を合わせる。  和輝はご近所の王子様的な存在らしい。 真璃→尚志:■尊敬/脅威 「かっこいー!」  芝居を観に行ったことがある。「私もステージに立ちたーい!」 真璃→唯:■憧憬/隔意 「かっこいー!」 唯→真璃:■好奇心/隔意 「オタクっていうの?」  先輩後輩。お互い学校では有名人。 真璃→有花:■連帯感/脅威 「私がピンクで、ありかさんもピンク!」 有花→真璃:■友情/嫉妬 「写真のレタッチもそれはそれで楽しいよ~」  コスプレ仲間で、ちょっとしたライバル的存在らしい。 夕未→七生:■信頼/不信感 「弟を宜しく」 御名→透子:■庇護/不安 透子→御名:■信頼/恐怖  真面目な先生と真面目な生徒。  

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