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お見合い推薦文(杏ちゃん)

「どっかにいい旦那さん落ちてないかなぁ」
「落ちてはないと思うよ……」
       どっかの畑でカカシを眺めながら 61707002

「あ、りんくちゃ! オイラもお見合いに出てみることにした!」
「ええ!!??」

結城杏から、そんな衝撃の事実を聞いたその10分後。
扇りんくは、三度ペンをとっていた。

もちろん、結城杏のお見合い推薦文を書くためである。

「杏ちゃんがお見合いかぁ……」

別に、それが嫌だとか、お見合いをさせたくないとか、そういうことではない。
ただただ、意外だっただけで。

とうもろこし大好き。
畑一筋。
ついでににゃんばいんラブの杏である。

「しかもその動機が、農作業のお手伝い探し……」

思わず苦笑がもれた。
しかし、同時にとても杏らしいと思う。
黒の人は肉体労働が得意そうだから、きっといいパートナーになれるのではないだろうか。

扇りんくは、ひとしきり笑った後、姿勢を正して机に向かいなおした。



杏ちゃんは、すごくいい子です。
毎日欠かさず畑に出て、作物を育てています。
普段は、だから顔に泥がついたりもしていますが、杏ちゃんの可愛さはそんなことでは損なわれません。
働いている杏ちゃんは、とてもいい顔をしています。
でも、畑と、私たちの暮らしている寮は少し距離があるので、ご飯のときは少し寂しそうです。
それに、あの広大な畑を一人で管理するのは、やっぱり大変だと思います。

だから、杏ちゃんにはぜひ、素敵なパートナーをみつけてあげたいんです。

杏ちゃんはいつも元気に、私たちのためにとうもろこしを作ってくれます。
杏ちゃんの作った野菜は、とっても美味しいんですよ。
杏ちゃんの野菜を、ぜひ黒の方たちにも食べさせてあげたいんです。

だから、みなさん。
杏ちゃんに清き一票をよろしくお願いします。



「できた…!」

扇りんくは、一生懸命したためたその文を、くるくる丸めてカバンに入れた。
おもむろに立ち上がる。

「あれ? りん姉、どこ行くんだ?」
「杏ちゃんのところ~」

そのまま一気に駆け出す。
この文が、せめて大切な友達の助けになりますように、と祈りながら……

END