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ゼロの使い魔・ブルー編-04

ミスタ・コルベールは今、学院長室に向けて疾走していた。
春の使い魔召喚の儀式の際に、召喚された青年。
彼の左手に刻まれたルーンについて調べた結果、
それについて記された本を見つけることが出来たのだ。
彼はその勢いのまま、学院長室に突入した。

「オールド・オスマン!」

まず最初に見たものは、華麗な浴びせ蹴りを繰り出していたミス・ロングビルと、
それを見事なまでに顔に喰らっているオスマンの姿であった。

コルベールは目をこすった。

そして改めて見てみると、ミス・ロングビルはいつもどうり机に座っていたし、
学院長にも何らおかしいところはない。
見間違いだったのだろう。
コルベールはそう思うことにし、そしてそれを思考の外にはじき出した。
彼が口を開くより先に、オスマンが言う。

「何じゃね?」
「大変です!」
「君の様子を見れば解る。だから何がじゃ。
 えーと、ミスタ……コ、コ……」
「コルベールです!」

そう言いながら、手に持っていた本を学院長に手渡す。

「『始祖ブリミルの使い魔』?これはまたずいぶんと
 古くさいものを引っ張り出してきたもんじゃな。
 で、これがどうしたんだね?」

そう言われると、コルベールはオスマンの手から本を奪い取るような形でとり、
あるページと、それに挟んでおいたスケッチを学院長に示す。

「これを見てください!」

それを見ると、オスマンは飄々とした態度を翻し、真剣な表情に変える。

ルイズの爆破の後片付けが終わったのは、昼休みの前だった。
二人とも体力はあまりない方だから、休み休みやっていたのだ。
術を使えば良かったのかも知れないが、
術力の消費を抑えるのと、爆発で所々にちょっと気になるヒビがあったので、
『フラッシュフラッド』で押しながす案は速攻で捨てた。

片付けを終えた二人は、食堂に向かっていた。
ブルーはルイズの二つ名の所以について考えていた。
『ゼロ』。魔法が成功しない。

「つまり、魔法がろくに成功しないから『ゼロ』と呼ばれている訳か?」

ルイズがその言葉を聞き、一瞬動きを止め、その後普段より低い声で返す。

「……そうよ」
「何で失敗するんだ?」
「知らないわよ」
「考えたことはないのか?」
「あるわよ!今だってそうよ。でも、結局何故なのか解ったことはないわ」

ブルーは、考え込み、
暫くすっかり忘れていた概念を思い出すと、それをルイズに告げようとした。
何故忘れていたかというと、その概念が自分に当てはまらなくなったからである。

「もしかしたら――」
「うるさいわね!」
「いや――」
「黙ってなさい!」

ルイズは怒ったらしい。
言いたいことを伝えきる前に、怒鳴り声で遮られてしまう。
これでは話しようがない。
そんな様子で二人とも黙り込んだまま、食堂に着いた。

そんなに量がない昼食をルイズよりかなり早く食べ終わると、
ブルーは一つのことを考えながら食堂の外をぶらついていた。
術力があまり回復しない。

朝は軽く流した考えだったが、
少ないとはいえ取った朝食でも、精々『盾』が数回使える程度しか回復しなかった。

「何故だ?」

やっぱり食事が悪いのだろうか。
そんなことを考えていると、突然声をかけられる。

「どうなさいました?」

そちらを見やると、大きな銀のトレイを持った少女が心配そうにブルーを見ていた。
ブルーは素っ気なく返す。

「何でもない」
「あなた、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったって言う……」
「……知ってるのか?」
「ええ、噂になってますし、その格好凄い目立ってますし」
「そうか」
「顔色が悪いみたいですけど、大丈夫ですか?」

どうやらこの少女は自分を心配しているらしい。
トレイを持っていると言うことは、食堂で働いているのだろうか?
上手くやれば食料を少し分けて貰えるかも知れない。
その瞬間、ブルーの脳裏にあるアイデアが到来する。

   \  __  /
   _ (m) _  ピコーン
      |ミ|
   / `´  \
     ( ゚∀゚)
    ノヽノ |   同情を誘う
     < <

これを『閃き』、と言う!

「いや、ろくな食事が取れてないだけだ」
「そうですか……なら、何か食べていきますか?
 余り物で作った料理ですけど」
「感謝する」

なかなかに外道である。


あの少女はシエスタと言うらしい。
その後ブルーはデザートの配膳を手伝うことになった。
流石に悪いと思い、自分から申し出たのだ。
銀のトレイに、ケーキが並んでいる。
それを運ぶだけなのだから、食事に対する労働としては悪くはない。
ケーキを配るのはシエスタがやってくれる。

突然、シエスタが別の方向に歩き出す。
そして落ちていた瓶を拾い上げると、

「あの、落とされましたよ?」

と、グループを作っていた少年達の内、
金色の巻き髪をした少年に話しかける。
その少年がポケットから瓶を落とすのはブルーも見ていたのだが、
その少年はこう答えた。

「それは僕のじゃない。何を言っているんだ?」

が、その瓶を見た彼の友人と思わしき生徒達が続けて言う。

「あれ?あの香水はもしかしてモンモランシーのじゃないのか?」
「そういや、その色はモンモランシーが作ってるやつと同じだな」
「それが君のポケットから落ちてきたと言うことはだギーシュ、君はモンモランシーと付き合ってるんだな!」

なにやら妙な展開になってきた。
その後、茶色のマントの少女がギーシュと呼ばれた少年にむかって歩いて行き、
幾つか言葉を交わした後、その少女が平手打ちをギーシュの頬にかまし、去っていく。
つぎに、去り際に上げた大声に反応したのか、遠くの席の巻き髪の少女も立ち上がり、
頬をさすっているギーシュに近寄る。

「モンモランシー、誤解だ。
 彼女とはちょっとラ・ロシェールの森まで遠乗りをしただけ――」

ギーシュが大きな声で言うが、
その言葉はモンモランシーとか言う少女の裏拳によって遮られる。

「ぶげぅ」

のけぞるギーシュに、モンモランシーは逆の手でもう一度裏拳。
いわゆる一つのスパークリングロールである。
体勢を崩したところに強烈な2打目を喰らい、
ギーシュは飛んだ。虹の如き軌道を描いて。

「うそつき!」

そして、そう言ってから去っていった。
かなり顔が腫れているギーシュを心配した友人達に助け起こされると、
近くでおろおろし、去ろうとしていたシエスタに、
格好を付けた風――顔が酷いことになっているので、全く様になっていないが、
そんな気障ったらしい仕草で話しかけた。

「待ちたまえ、君の軽率な行動のおかげで、二人のレディが傷ついた。
 この責任はどう取ってくれるのかね?」

一番傷ついてるのはお前だろう。
そう思いながらもブルーは何も言わなかった。
ただ、歩んでギーシュの方に向かうだけ。
そして、一言だけ言った。


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