あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの使い魔・ブルー編-02

何十回もの試行の末に召喚にようやく成功したと言うことと、
召喚した男が平民だったと言う状況に於いて、
その平民が言った言葉を受けて、ルイズが返した言葉は、かなり短かった。

「はぁ?」

解りやすく言えば、「よくわかりません」と言ったところだ。

~~~~

「ここは……トリステインとか言ったか?聞いたことがないが」
「……はぁ。何処の田舎から来たか知らないけど、説明してあげる」

ルイズの言葉に対し、ブルーは沈黙すると言う方法で肯定する。
ルイズは続けた。

「ここはトリステインよ。そしてここは彼の高名なトリステイン魔法学院」
「それはコルベールとか言う男から聞いた」

沈黙。

「……そう言われても、他に説明のしようが無いわよ」
「そうか。……所でシップの発着場は何処にある?」
「シップ?」
「キングダムに帰らなくてはならない」
「キングダム?」
「知らないのか?」
「……はぁ?そんなところ聞いたこと無いわよ。どこから来たのよあなたは」 
「キングダムと言ったはずだが……」

再び沈黙。

「……へ、平民の言うことなんかいちいち憶えてないわよ!」

言っていることが無茶苦茶である。
まぁ、ここでの貴族の平民に対する態度などこのぐらいが普通のようだが。

「どこから来たのかとかは取り敢えず今は良いわ!帰るわよ!」

歩き出すルイズ。それを見送るブルー。
ちなみに、ルイズは自分の部屋に着いて初めてブルーが付いてきてないことに気付いた。

~~~~

「大体解った」

ブルーは今ルイズの部屋に居た。
あの後取り敢えず一番近くにある建物であったここに来たら、
さっきのルイズとか言う少女にこの部屋に無理矢理連れ込まれた。
そして、色々と話を聞いていたわけである。

「ここはハルケギニア。
 そして、俺は『サモン・サーヴァント』によって召喚された」
「そうよ。私の使い魔としてね」
「……何で俺がお前の使い魔をやらなければならない?」
「私だって平民が使い魔なんていやよ」

ルイズはその言葉を放った後、ため息をついた。

「だけど、召喚しちゃった以上は仕方ないわ。
 私の使い魔をやってもらうわよ」
「俺が使い魔をやらない、と言ったらどうするんだ?」
「あなた、行くところあるの?」
「…………」

ブルーが、ルイズから説明されたことの中には、当然それもあった。
ハルケギニアは、未開のリージョンか何かは知らないが、シップが通っていない。
そもそも、他のリージョンとの関わりがない。
当然トリニティの管理下にないわけだから、クレジットを使うことは出来ない。
つまり、ブルーはここでは拠りどころを持たないのである。

「良いだろう。ただ、帰れる方法が見つかったら帰らせてもらうぞ」
「駄目よ。あなたは私の使い魔なの。勝手に帰ったりしてもらっちゃ困るわ」
「もう一回やればいいだろう」
「無理よ」
「何でだ?」
「一回使い魔を呼び出したら、
 その使い魔が死ぬまでもう一回唱えることは出来ないの」
「死ねば良いんだな?」
「うん……って、え!?」
「なら大丈夫だ」
「いや、大丈夫じゃないでしょ?」
「お前の知らない術だ」

その言葉に、ルイズが反応する。

「術って何よ」
「お前らも使っていただろう」
「空を飛んでいたこと?あれは魔法よ」
「同じものだ」

そう言うと、ルイズは驚いたような表情を見せ、黙り込んだ。
いや、「えっ」と位は言ったかも知れない。
なにやら汗も浮かべている。

「……ってことは……あなたは魔法……じゃなくて術を使えるの?」
「使える」
「そ、そう……」

何故か、それきりルイズは黙り込んでしまった。
声をかけても反応しないので、
ブルーは渡された毛布にくるまり、床に寝ることにした。
色々と文句はあるが、野宿よりはマシである。

~~~~

ルイズは落ち込んでいた。
途中で数えるのを止めた程『サモン・サーヴァント』を失敗したこともだし、
成功した最後の『サモン・サーヴァント』ですら爆発が起きたこともだ。
さっきまではそれで平民を召喚したことも含まれていたが、
今では、その召喚した平民が魔法を使える事が彼女をより落ち込ませていた。

(私が使えないのに……何で平民のあいつが使えるのよ……って、
 魔法が使えるなら平民じゃないわよね……)

と、そこまで行って、ようやく調子を取り戻す。
ある考えに思い至ったからだ。

(そうよ、ブルーは魔法が使えるのよ。並の使い魔に出来る事じゃないわ。
 むしろこれは誇るべき事じゃないかしら?)

だが、ブルーが適当なことを言っている可能性がある。
確かめるべきと、後ろにいるはずの使い魔の方を向く。

「ねぇブルー、ちょっとあなたの術を――」

言い切る前に、言葉を止める。
聞かれない言葉に意味はない。
そして、今現在ルイズの言葉を聞いている者は居なかった。
ルイズがそれを聞かせようと思った相手は、既に寝ている。
それを見て、ルイズが思うことは一つだった。

「こ……」

要するに、この自分の思い通りの逆を行くような使い魔に、罰を下すことだった。

「この犬っ!使い魔が主人より先に寝るんじゃないのっ!」

言っていることが相変わらず滅茶苦茶である。
ともかく、その後起きたブルーとルイズの戦闘は、
ブルーの閃きによる当て身投げでルイズが昏倒するまで続いた。

~~~~

ブルーが目覚めて、初めて目にしたものは、
頭にこぶを作って目の前に転がっていたルイズであった。

殴り合いは得意ではないが、『塔』を使い、消耗していた以上、
術をほいほい使うわけにはいかなかった。
なので、『活力のルーン』をかけた後、何故か殴りかかった来たルイズを凌ぎながら、
とっさに閃いた投げ技で昏倒させたのである。

窓からは日が差し込んでいた。
陽の光を浴び、完全に目が覚めると同時にあることに気付いた。

(術力がそれほど回復してない?)

ブルーはそれを、ちゃんとした休憩を取れてないせい、と考えた。
何しろ昨日から食事は取ってないし、
睡眠は途中で中断されたあげく、慣れない格闘戦をしたのだから。
まぁ、術力が回復しきって無くてもおかしくはない。

(使えて超風が一発……と言うところか)

まぁ十分危ないが。
考えをまとめ終えると、
取り敢えず目の前の少女を起こすことにした。
だが、ここで少し悩んだ。

(どうやって起こしたものか)

叫ぶのは何か性に合わない。
耳元で囁くのはもっとだ。
蹴ったり水をかけるのは問題外だろう。

取り敢えず、比較的術力の消費が少ない『ライトシフト』を使ってみることにした。
場を明るくするだけの空術だったが、果たして成功したようだ。

「朝だぞ」
「……ふぁい?あぁ、朝なの……って、誰よあんた!」

ルイズは寝ぼけながらも怒鳴った。

「……大丈夫か?」

ブルーはその様子を見て心の底からその言葉を言った。

「あぁ、使い魔ね。そうね、昨日召喚したんだっけ……」

ルイズは起き上がると、欠伸をした、そしてブルーに言う。

「服」
「……本当に大丈夫か?」

ルイズは服を着たままである。
それに気付くと、顔を赤くした。

「い、いつもはこの服のまま寝たりしないのよ!」

何でこの服のまま寝てるのかとか、
何で床で寝ていたのかとか、
昨日のことが少し思い出せないんだけどとか、
その他色々なことを喚いていたルイズが落ち着いた後、
二人で部屋を出ると、似たようなドアが壁に三つ並んでいた。
そのドアの一つが開いて、中から燃えるような赤い髪の女の子が出てきた。
ルイズより背が高く、むせるような色気を放っていた。

普通の男子ならちょっと視線がそっちに行ったり、
胸元をさりげなく見たりもするのかも知れないが、
元スーパーモデルのバニーガール姿を見た感想が

(頭の悪そうな女だな)

となるブルーである。別に何の興味も抱かなかった。
彼女はこっちを見て、それからルイズの方を向き、口の端をつり上げ言った。

「おはよう、ルイズ」
それに対し、ルイズは露骨に嫌そうな顔をしながらも、
「おはよう、キュルケ」

と返す。それを聞いてからキュルケと呼ばれた少女は
ブルーの方を指さして、馬鹿にするような口調で言った。

「あなたの使い魔って、彼?」
「そうよ」
「あはは!本当に人間なのね!凄いじゃない!」

その時点でブルーのの持つキュルケへの印象は、
かつての彼女と同じく、頭の悪そうな女だな、となる事になる。

「『サモン・サーヴァント』で平民を呼んじゃうなんて、さすがはゼロのルイズね!」

いつもならルイズはこういう類の言葉に大して、
素直に恥と思って落ち込むか、
気にしない振りをしてどうでも良いような態度を取るか、
あるいは癇癪をおこして喚くかのどれかであるが、
今回は違った。

「ブルーは平民じゃないわよ」
「は?」
「魔法が使えるもの」

その言葉を聞いて、キュルケは考え込み、
なにやら悩み込み、時折唸り、最終的にひとつの聞くべき事を導き出し、
ルイズの肩を掴み、しっかりとルイズの目を見据え、それを言った。

「ルイズ?」

いきなり真剣になったので、
少々戸惑いつつもルイズは返した。

「なによ」
「大丈夫?」

流石にこれにはルイズも怒った。
ブルーに言われたのは、まだまっとうな理由があったから我慢できたのである。
もっともその分がたまっていて、殆ど同じ事を言ったキュルケに対して
それが噴出しただけなのかも知れないが。

「なによ!さっきから人の顔を見たら大丈夫とか私の何処がおかしいように見えるの!」
「あっはっは!良かった。いつものルイズみたいね」
「どういう意味よ~!」

その反応を楽しんでから、キュルケは最初に言いたかったことを言うことにした。

「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。誰かさんと違って、一回も失敗せずにね」
「あっそ」
「どうせ使い魔にするのなら、こういうのが良いわよねぇ~?フレイム!」

キュルケは、勝ち誇った声で使い魔の名を呼んだ。
キュルケの部屋からのっそりと、真っ赤で巨大なトカゲが現れた。
周囲に熱気が広まる。

「ふむ」
「あら、余り驚かないのね?見たことあるの?」
「いや」

そのトカゲは大きさはトラほどで、しっぽが燃えさかる炎で出来ていた。
それ自体は黒竜や朱雀と対峙した事があるブルーに特に印象を残さなかったが、
口から時折漏れ出す炎が、ブルーにある竜を思い出させたりもしていた。

「サラマンダー?」

ルイズが尋ねた。

「そうよ。見てこの尻尾。
 ここまで鮮やかで大きな炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ?
 好事家に見せたら値段なんて付けられないわね」

その自慢を聞きながらも、
ルイズは特に嫉妬の類の感情を浮かべることはなく、
素っ気なく返した。

「それはよかったわね。火のメイジのあなたにはぴったりじゃない。『微熱』のキュルケ」
「……つれないわね?」

いつもならムキになるか、興味ない振りで返すであろうルイズが、
全くもって興味を示さないので、問いかけた。

「どうでもいいもの」

その返答を聞いて、本気でどうでも良さそうだったので、
キュルケはその隣にいる使い魔の青年に話しかけることにした。

「……ああ、そう。所であなた、お名前は?」

ブルーを見つめながらにっこりと笑って、聞いた。
普通の男なら思わず積極的になってしまいそうな雰囲気であったが、
普通は普通。彼は彼である。
彼に積極的にさせるには、それだけで評議会の議員になれるぐらいの
人的魅力のある人物でないと無理であろう。
なので、いつも通りに返答する。

「ブルーだ」
「ブルー?……変な名前」

それに対しても何も言わない。
キュルケはなんだかつまらなくなっていたので、さっさとその場を立ち去ることにした。

「じゃあ、お先に失礼」

そう言うと、髪をかき上げ、颯爽とキュルケは去っていった。
サラマンダーも、キュルケの後を追い、去る。
それを見送ってから、ルイズはブルーに言った。

「ねぇ、ブルー?」
「何だ?」
「あなたの魔法……術だっけ。見せてもらって良い?」

その問いかけに対し、ブルーは術力が少ないことを考えてから、ルイズに返す。

「……別に良いが、それほど派手なのは使えないぞ」
「それでも良いから」

そう言うと、ブルーは空に印を刻み始めた。
どうやっているか不思議だが。

「……ルーン文字?」
「そうだな、ルーンを用いて使う印術だ」

ブルーが印を刻み終えると、それが別れ、光を放ち、ブルーを覆い隠す。
暫く、というほどでもなく少し経って光が収まると、ブルーの姿が消えていた。

「……姿が消えるの?」
「姿を消す『保護のルーン』だ。他人に干渉するような行動をすると効果は切れる」

いつの間にか後ろに立っていたブルーが言う。
素直に驚きながら、ルイズが言う。

「……私達の使う魔法とは違うのね」
「違うのか?」
「私達の魔法は……まぁ、授業でやると思うから、その時聞けばいいわ。
 それより一つ言っておきたいことがあるんだけど」
「……まだ何かあるのか」
「あんな事言っておいて何だけど、その術とかいうのは出来るだけ使わない方が良いと思うわ」
「理由は?」
「アカデミーって言う、魔法ばっかり研究してる機関があるのよ。
 私達の知らない魔法なんて知られたら、解剖とかされるかも」
「なるほど」

そんな話をしながら、二人は食堂へと歩き始めた。


新着情報

取得中です。