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ゼロの守護月天 5

「た、たたた、大変です!オールド・オスマン!!」
ついさっきまで図書館に篭り、調べものをしていたコルベールが慌てて学院長室に駆け込んできた。
「なんじゃね、騒々しい」
ミス・ロングビルがいないので暇をもてあそんでいたオスマンが、重々しくうるさい乱入者を迎え入れる。
 そんな態度などお構いなしに、コルベールは持ってきた本をオスマンに見せ付ける。
「これは『始祖ブリミルの使い魔たち』ではないか。こんな古い文献を持ち出して来おって。一体なんの騒ぎじゃ?ミスタ・・・なんだっけ?」
オスマンは首をかしげる。
「コルベールです!お忘れですか!!」
「そうそう、そんな名前じゃったな。それで、なにがそんなに大変なのじゃ?
まさかその本にラクガキでもされてたとかいう、くだらないことではあるまいな?」
 本にラクガキがされることが、まるで学院では当たり前のことのような茶化しを入れつつもジロリとコルベールを眺める。
「いえ、そんなことではありません。まずはこれを見てください」
コルベールはシャオの右手に刻まれたルーンのスケッチを手渡した。
それを見た瞬間、オスマンの飄々とした表情が『真剣』という文字を表したかのような表情に変わる。
「詳しく説明するんじゃ、ミスタ・コルベール」


「まず、先日の『春の使い魔召喚』でミス・ヴァリエールが月の精霊を召喚しました。」
 雰囲気を豹変させたオスマンに、多少の落ち着きを取り戻したコルベールが説明を始める。
「うむ、その話は聞いておるよ。長い歴史を持つこの学院でも精霊が召喚されたのは始めてのことじゃからな」
「次に先ほど見せたスケッチですが、あれはその月の精霊の右手に現れたルーンです。
わたしはこの見たことのないルーンが気になり、先ほどまで調べておりましたらこの本のページにたどり着きました」
まるで世紀の大発見をした学者のように、再びコルベールの呼吸が荒くさせ、スケッチと同じルーンの描かれたページを開く。

「なるほど。始祖ブリミルの使い魔『ヴィンダールヴ』に行き着いた、というわけじゃな?」
オスマンはスケッチと本の二つに書かれた同じ模様のルーンをじっと見つめた。

『ヴィンダールヴ』
偉大なる始祖ブリミルの使い魔で、ありとあらゆる幻獣を操る『神の右手』とも伝えられている伝説の使い魔。
それがシャオの右手に現れたルーンなのである。

「そうです!あの少女の右手に刻まれたルーンは、伝説の使い魔『ヴィンダールヴ』に刻まれていたものとまったく同じであります!」
コルベールは、汗で光るあまりにも広すぎるデコをハンカチで拭きながらまくし立てる。
オスマンはその事実をかみ締めながら、どこか苦々しい口調で言う。
「う~む。しかし、これだけで判断するのは早計かもしれんな」
「と、言いますと?」
オスマンの感想に疑問を抱くコルベール。
「判断するには材料が少なすぎるのじゃよ。早すぎる判断は時として取り返しのつかないことになりかねん」
オスマンの回答に、コルベールはハッとした表情になる。
かつて自分が少ない情報だけで判断し、とある村で取り返しのつかないことを思い出したからだ。

 二人が黙り込んでいると、コンコンとドアをノックする音が響いた。
「失礼します」
ミス・ロングビルが入ってくる。
「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいて大騒ぎになっています。
止めに入ろうとした教師もいるのですが、生徒たちに邪魔されて止められないそうなので『眠りの鐘』の使用許可を求めています」
ミス・ロングビルの通達にオスマンは呆れた様子で言う。
「まったく、ヒマをもてあました貴族ほどたちの悪いもんはいないわい。で、誰が暴れているのだね?」
「一人はギーシュ・ド・グラモンなのですが、もう一人はメイジではありません」
「なんじゃ?そうなるとグラモンとこのバカ息子は平民と決闘をしているのか?」
オスマンはさらに呆れる。
貴族が平民相手に決闘など、恥さらしにも程があるからだ。
ちなみに、ギーシュの決闘相手だが本編では平民と言えば平民なのだが、このSSではちょっと違う。
ミス・ロングビルは少し戸惑いながら言う。
「いえ、それが・・・、先日ミス・ヴァリエールの召喚した月の精霊とです」
「なんと!こうしちゃおられんの」
オスマンはそう言うと杖を振り、大鏡にヴェストリの広場を映し出す。

 大鏡に映し出された光景。
それは青銅のゴーレム『ワルキューレ』のヘッドバットを喰らうルイズの姿であった。

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