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第百四十八話「ウルトラヒーロー勝利の時」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百四十八話「ウルトラヒーロー勝利の時」
ウルトラダークキラー
悪のウルトラ戦士軍団 登場



 本の支配者ダンプリメによって連れさらわれてしまったルイズを救出するため、ダンプリメの
待ち受ける七冊目の世界へと突入した才人とゼロ。しかしダンプリメが繰り出してきたものは、
六冊の本の世界で現れた怪獣たちの怨念を結集させて作り出した恐るべきウルトラダークキラー
だった! すさまじい暗黒の力を持つ強敵相手にも果敢に立ち向かっていくゼロだったが、
ウルトラダークキラーは悪のウルトラ戦士軍団を召喚しゼロを追い詰めてしまう。本の世界の
中で孤立無援のゼロは、このまま敗れ去ってしまうのか……。
 そう思われたがしかし、ゼロの窮地に現れたのは、ダンプリメに囚われたはずのルイズ
であった! 更に彼女に続くようにやってきたのは、本の世界の四つの防衛チーム、そして
本の世界のウルトラ戦士たち! 彼らは物語を完結に導いたゼロを救うために駆けつけて
くれたのだった!
 今ここに、長い本の世界の旅の、本当の最後の決戦が幕を開く!

「ヘアッ!」
「ダァーッ!」
「ジェアッ!」
「テェェーイッ!」
「トアァーッ!」
「シェアッ!」
 ゼロの救援に駆けつけたウルトラ戦士たちが、悪のウルトラ戦士軍団との大乱闘を開始した。
ウルトラマンはカオスロイドUとがっぷり四つを組み、ウルトラセブンとカオスロイドSのアイスラッガー
同士が衝突。ジャックはウルトラランスを手にダークキラージャックのダークプラズマランスと
鍔迫り合いをして、エースがダークキラーエースと組み合ったまま横に倒れ込み、タロウのスワロー
キックがカオスロイドTの飛び蹴りと交差、ゾフィーはダークキラーゾフィーとチョップの応酬を
繰り広げている。
「ヂャッ!」
「デヤァッ!」
「デュワッ!」
「ゼアァッ!」
「デェアッ!」
「シュアッ!」
 ティガの空中水平チョップとイーヴィルティガの飛び蹴りが交わり、ダイナはゼルガノイドと
熾烈な殴り合いを演じ、ガイアはウルトラマンシャドーの繰り出すメリケンパンチの連発を見切って
かわした。コスモス・フューチャーモードはカオスウルトラマンカラミティの拳を受け流し、
ジャスティス・クラッシャーモードの拳打がカオスウルトラマンのキックと激突。マックスは
マクシウムソードを片手にダークメフィストのメフィストクローを弾き返した。
 十二人のウルトラ戦士が悪のウルトラ戦士と互いに一歩も譲らぬ勝負を展開しているところに、
四つの防衛チームの援護攻撃が行われる。
「ウルトラマンたちを援護するぞ! 他のチーム諸君も協力頼む!」
 ムラマツからの呼びかけにシラガネが応答。
「是非もないことです。砲撃用意!」
「一緒に戦えて光栄です、フルハシ参謀!」
「俺の名前はアラシだよ! フルハシって誰だよ!」
 シマからの通信にアラシが突っ込みながら、ジェットビートルとウルトラホーク一号から
ロケット弾が連射され、カオスロイドとダークキラーたちを狙い撃つ。
「ウオオォォッ!」
 ウルトラ戦士と戦っているところに飛んできたロケット弾の炸裂にダメージを負う悪の戦士たち。
カオスロイドUが光線を撃って反撃するも、ビートルはそれを正面から受け止めて飛び続けている。
「俺たちも後れを取るな! コスモスたちを助けるんだ!」
「はい隊長!」
「行くぜショーン! ウィングブレードアタックだ!」
「All right!」
 フブキ率いるテックライガー編隊と、コバとショーンのダッシュバード1号2号も攻撃開始。
ライガーのビーム砲がカオスウルトラマンたちとイーヴィルティガ、ゼルガノイドを撃ち、
ダッシュバードのウィングブレードアタックがシャドーとダークメフィストの脇腹を斬りつけた。
「シェアァァッ!」
 防衛チームの援護攻撃によって悪の戦士たちが牽制されると、ウルトラ戦士たちの一撃が
均衡を崩す。ウルトラ戦士の強烈なウルトラキックが悪の戦士たちを纏めて薙ぎ倒す!
 そして助けに来てくれた彼らの奮闘は、ゼロのエネルギーだけではなく気力も通常以上に
回復させたのだった。
『俺たちが旅で出会った人たちが、俺たちを助けてくれてる! こんなに勇気づけられる
ことはないぜ!』
『ああ! 俺たちもまだまだ負けてられねぇぜッ!』
 ゼロはウルトラ念力で弾かれたゼロツインソードDSを手元に戻すと、再びウルトラダーク
キラーに猛然と斬りかかっていく。
『おぉぉぉらッ!』
 ダークキラーは腕のスラッガーで防御するが、ゼロはそのままダークキラーを突き飛ばして
姿勢を崩させた。先ほどまではダークキラーのパワーの方が上回っていたが、その関係は気が
つけば反転していた。
 デルフリンガーがゼロと才人に告げる。
『すげえぜ相棒たち! すんげえ心の震えだ! この震えがお前さんたちの力になってる! 
力が湧き上がって止まらねえ……こいつぁ俄然面白くなってきたぜぇ!』
 ゼロも仲間のウルトラ戦士たちの奮闘ぶりに背中を押されるように、ウルトラダークキラーを
少しずつ押し込んでいく。その様子を見上げながら、ダンプリメは依然狼狽していた。
「こんな……こんなことはあり得ない! 別の本の登場人物が、異なる本の世界に入り込んで
くるなんて! 一体何がどうすれば、そんなことが起こると言うんだ!?」
 立ち尽くして混乱ぶりを言葉に示すダンプリメに、ルイズが肩をすくめた。
「本のことなら何でも知ってるとか豪語した割には、そんな簡単なことも分からないんじゃ
ないの。呆れたものね」
「何!? ……まさか、ルイズがッ!?」
 ダンプリメは一つの可能性に行き着いてルイズにバッと振り向いた。ルイズは得意げにほくそ笑む。
「そう、わたしが連れてきた訳よ! まぁ正確には、これまでの記憶を頼りにそれぞれの物語の
本へ助けを呼びかけたら、応じた彼らがわたしの元に来てくれたんだけど」
「何だって! そんなことが……。いや、そもそもルイズ、君がどうしてここにいるんだ! 
何故サイトのことを覚えてる!? 記憶は念入りに封印したはずなのに……!」
 そのダンプリメの疑問にも、ルイズは自信満々に返した。
「聞こえたのよ! この世界で、サイトのわたしを呼ぶ声が! 気持ちが! それが心に
伝わったから、わたしは全てを思い出したの!」
「気持ちが……!?」
 ハッと気がつくダンプリメ。
「そうか……! 本の世界はいわば『想い』の世界。現実の世界よりも、精神と精神のつながりが
強くなる。それでそんな現象が……! ルイズを本の世界に連れ込んだのは失敗だったのか……!」
 ルイズは堂々とした態度で、ダンプリメにまっすぐ伸ばした人差し指を向けた。
「あなたがわたしのサイトの記憶を封印したのは、サイトからわたしを奪い取るだけじゃなく、
わたしとサイトの絆を恐れたからでしょう! それがあると、自分が勝てる自信がないから!」
「うッ……!?」
「だけど残念だったわね。どんなに知識豊富でも、現実での体験を持たないあなたでは、
わたしたちの現実の世界で育んできた絆を消し去ることは初めから不可能だったのよ!」
 ルイズが堂々と言い切っている中で、ウルトラ戦士たちと悪のウルトラ戦士軍団の決着の時が
迎えられようとしていた。
「ヘアァァァッ!」
 ウルトラマンのスペシウム光線とカオスロイドUのカオススペシウム光線、セブンのワイド
ショットとカオスロイドSのカオスワイドショット、ジャックのスペシウム光線とダークキラー
ジャックのキラープラズマスペシウム、エースのメタリウム光線とキラープラズマメタリウム、
ゾフィーのM87光線とダークキラーゾフィーのキラープラズマM87ショット、ティガのゼペリオン
光線とイーヴィルティガのイーヴィルショット、ダイナのソルジェント光線とゼルガノイドの
ソルジェント光線、ガイアのクァンタムストリームとシャドーのシャドリウム光線、コスモスの
コスモストライクとカオスウルトラマンカラミティのカラミュームショット、ジャスティスの
ダグリューム光線とカオスウルトラマンのダーキングショット、マックスのマクシウムカノンと
ダークメフィストのダークレイ・シュトロームが真正面からぶつかり合う! 両陣営互角の光線の
ぶつかり合いは激しいエネルギーの奔流を生み出し、それが天高く飛び上がっていく。
 そのエネルギーは、わずかに上回った光の戦士たちの力に押されて悪のウルトラ戦士軍団へと
降りかかった!
「ウワアアアアアァァァァァァァァァァァァァッ!!」
 十二人の悪の戦士たちは爆発的なエネルギーによって一網打尽。ガラスのように砕け散った
空間とともに消滅していき、完全に無に還っていった。
「やったわッ!」
 ぐっと手を握って喜びを示すルイズ。悪のウルトラ戦士軍団に打ち勝った光の戦士たちは
ゼロの元へ駆けつけ、ともにウルトラダークキラーと対峙した。
 いくらダークキラーが絶大な闇の力を有していようとも、これだけの数の勇者たちを相手にして
勝機などあるはずがない。ゼロがダンプリメに投降を勧告する。
『ダンプリメ、これ以上の戦いは無意味だ! 大人しく身を引きな! お前がどんなに本の
世界を自由に出来ようと、どんなに闇の力を集めようとも、ここにある心の光を屈させることは
出来ねぇんだ! それを学べただけでも儲けもんだろ!』
 ダンプリメはしばし無言のまま、何も答えずにいたが……やがて長く長く息を吐いた。
「そうみたいだね……。残念だけど、僕の負けだ。ルイズのことはあきらめる他はないね……」
 降伏を受け入れたダンプリメであったが……彼にとっても予想外のことがすぐに起こった。
『そうはいかぬ……!』
 それまでうなり声を発するばかりであったウルトラダークキラーが、唐突に口を利いたのだ!
「えッ!?」
 しかも自らの生みの親であるダンプリメに手を伸ばし、その身体を鷲掴みにして捕らえたのだ! 
肉体への配慮もないほどの強い力で締められ、ダンプリメは苦悶の表情を作る。
『何ッ!』
 ダークキラーの行動の変化に驚くゼロたち。ダンプリメはダークキラーを見上げて問う。
「ウルトラダークキラー、何のつもりだ……!? ぼ、僕は君を作ったんだぞ……!?」
 するとダークキラーは、次のように言い放った。
『この身体に渦巻く恨みを晴らすまで、戦いをやめることは許されぬ……! 貴様にも
つき合ってもらうぞ……!』
「何だって……!? ボクの制御が、効いていない……!?」
 ここに来てゼロたちは察した。ウルトラダークキラーは溜め込んだ怨念が多すぎたため、
ダンプリメの制御を離れて独り歩きを始めてしまったのだ!
『だから言っただろうが……!』
『仕方ねぇな……。今助けてやっから、変に暴れるなよ!』
 才人が吐き捨て、ゼロがダンプリメを救出しようとツインソードを構える。しかし、それを制して
ダークキラーが警告した。
『我とこの者の肉体はリンクしている……。いや、最早我がこの者を支配している! 我を殺せば、
この者もまた消滅することになるぞ……!』
『何ッ! くッ、闇の力ってのは陰険なことしやがるもんだな……!』
 散々迷惑を掛けられたとはいえ、戦う意志を放棄した者を死なせてしまうのは目覚めが悪い。
ゼロが戸惑うと、ダンプリメが自嘲するように笑いながら呼びかけた。
「いいさ、やってくれ……」
『!』
「これぞ自業自得という奴だよ……。こんなことになってしまうなんて、我ながら馬鹿なことを
したものだ……。どうせボクは本の中にしか居場所がない異端。せめて一人でも側にいる人が
欲しかったけれど……やはり、本の中の人間なんていない方がいいんだろう。ひと思いに
バッサリとやってくれ……」
 すっかりと己の死を受け入れたダンプリメ。その言葉に、ゼロは大きく肩をすくめた。
『ますますしょうがねぇ奴だなぁ。そんなこと聞かされたら……』
 ゼロに同意する才人。
『ああ。ますます死なせる訳にはいかなくなったぜ!』
「!? だけど、ボクを犠牲にしないことには……!」
 才人たちの言葉に動揺を浮かべたダンプリメに、ルイズが自慢げに告げた。
「安心しなさい、ダンプリメ。ウルトラマンゼロは、命を護る時にはいつだって奇跡を
起こすんだから! そうでしょ?」
『ああ、その通りだッ! おおおおおッ!』
 気合いの雄叫びとともに、ゼロの身体が赤と青に激しく光り輝き出した!
『ぬおぉッ!?』
 思わず腕で顔を覆うダークキラー。ゼロの輝きは空間をもねじ曲げ、何もない空に影を
映し出す。
 そして閃光の中から現れたのは……!
『教えてやるぜダンプリメ! 強さと、優しさって奴をッ!』
 ストロングコロナゼロとルナミラクルゼロ……二つの形態が、同時にこの場に現れていた! 
ゼロが二人に増えているのだ!
「嘘……!?」
『馬鹿なッ!? どういうことだ……! どうしてそんなことが出来るのだぁぁぁッ!!』
 ゼロの起こした奇跡に冷静さを失ったダークキラーは、正面から二人のゼロに飛び掛かっていく。が、
『でやぁッ!』
『ぐおぉッ!?』
 ストロングコロナゼロの鉄拳が返り討ち。そしてルナミラクルゼロが手中のダンプリメを
救出し、彼らの後ろに降ろした。
 ストロングコロナゼロはよろめいたダークキラーに対して灼熱の攻撃を用意。ルナミラクル
ゼロはダンプリメへ光の照射の準備をした。
『受けてみな! これが優しさと……!』
『真の強さだぁぁぁぁぁぁッ!!』
 ストロングコロナゼロの放ったガルネイトバスターがウルトラダークキラーを押し上げ
天空に叩きつける! 更にウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウ、ゾフィー、
ティガ、ダイナ、ジャスティス、マックスの必殺光線もダークキラーに押し寄せられる!
 一方でルナミラクルゼロとガイア、コスモスが光の粒子をダンプリメに浴びせる。
『ぐおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!』
「……これは……?」
 怒濤の必殺光線の集中にウルトラダークキラーの全身が焼かれる。しかしダンプリメの
身体に変化はない。浄化の光によって闇の力を清められ、ダークキラーの呪いが解かれているのだ。
『こ、これが……光……!!』
 ウルトラダークキラーは戦士たちの光に呑まれ、完全に消滅。そしてダンプリメは生存し、
ぼんやりとウルトラ戦士たちを見上げた。ルイズはゼロたちの完全勝利に、当然とばかりに
重々しくうなずいた。
 ゼロと才人は、自分たちを別の本からはるばる助けてくれたウルトラ戦士たち、防衛チームに
礼を告げる。
『みんな、本当にありがとう。お陰で勝つことが出来た』
『俺たち、今までの旅のこと、あなたたちと出会ったこと、ずっと忘れないから! いつかまた、
みんなの本を読んであなたたちの世界に触れるよ!』
 二人の言葉にウルトラマンたちは満足げにうなずき、天高く飛び上がってそれぞれの世界に
帰っていく。防衛チームもゼロたちに敬礼した後、ウルトラ戦士たちの後について帰還していった。
『ありがとーう! さよーならー!』
 大きく手を振って見送るゼロ。そうしてルイズが笑顔でゼロと才人に呼びかける。
「さぁ、わたしたちも帰りましょう! みんなが待つ、わたしたちの世界に!」
『ああ!』
 ダンプリメはゼロたちの様子、ルイズの輝くような笑顔の横顔を見つめ、ふぅとため息を吐いた。
「はは……これは敵わないなぁ……」
 自嘲するダンプリメだったが、その表情にはどこか満ち足りたものがあった……。

 こうして、図書館に誕生した本の中の生命体から端を発する、現実の世界では知っている者が
ほとんどいない大バトルの旅は無事に終わりを迎えた。才人とルイズが五体無事に現実世界に
帰ってくると、シエスタたちは嬉し涙とともに激烈に迎えてくれたのだった。
 リーヴルは事件終結後、経緯はどうあれ異形の存在にそそのかされ、手先としてラ・ヴァリエール
公爵家息女のルイズに危害を加えたとして、王立図書館司書の座の辞任をアンリエッタに申し出た。
……しかし、アンリエッタはそれを却下した。
 彼女の下した裁きはこうだ。ダンプリメは外の世界のことを、善悪の判断をよく知らない
子供のようなものだ。それをしつけ、正しき方向に導く役割の人間が必要だと。それは図書館の
ことを誰よりも知っているリーヴル以外の適任はいないとして、彼女にダンプリメの世話役を
厳命したのであった。どんな形であれ、リーヴルが元のまま図書館にいられることに才人たちは
安堵したのだった。
 そして肝心のダンプリメは、すっかりと心を入れ替えた。もう誰かを本の世界に引きずり込む
ような真似はきっぱりとやめ、代わりに光の力の研究にバリバリと精を出すようになったという。
ゼロたちの戦いぶりにそれほど影響されたのだろうか……。もしかしたら、いつの日かダンプリメが
ウルトラ戦士になる力を得る日が来るかもしれないが、それはまた別の話なのであった。
 そして才人とルイズは、先に帰ったシエスタたちに後れる形で、魔法学院へと帰還していた。
「おぉー、遂に学院に帰ってきたなぁ! 何だか久しぶりに感じるぜ。時間にしたら、ほんの
一週間ぐらいしか離れてないはずだけど」
 あまりにも密度の濃い旅だったので、才人が懐かしさまで覚えてしみじみとつぶやいた。
しかしそこにルイズが告げる。
「だけど、またすぐに離れなくちゃいけないみたいよ。姫さまからのお達しがあったの」
 懐から、アンリエッタからの密書を指でつまみ出すルイズ。
「今度はロマリアに行かなくちゃいけないみたい。国際世情もまた不穏になってきてるそうだし、
今度も長くなるかもね」
 と言うと、才人がうんざりしたかのように長い息を吐いた。
「マジかよぉ……。あっち行ったりこっち行ったりはもうお腹いっぱいなのに」
「何言ってるのよ。図書館から一歩も出てなかったんでしょ?」
「いやぁそう言うならそうだけど、そういう意味じゃなくてだな……」
 言い返そうとした才人だったが、すぐ苦笑いして肩をすくめた。
「まぁいいか。そんなことぶつくさ言っててもしょうがないもんな。今度もいっちょ頑張りますか!」
「ええ、その意気よ。なかなか分かってきたじゃない」
 顔を上げたルイズは才人と目が合い、思わずクスッと笑い合った。
「これからもよろしくね。この世界のヒーローにして……わたしの使い魔」
「お安い御用だよ。伝説の担い手の、俺のご主人様」
 おかしそうに笑うルイズの表情には、とても満ち足りたものがありありと浮かんでいたのであった。


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