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ソーサリー・ゼロ-6

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二一八

 ルイズは君を従えて教室をあとにし、食堂へと向かう。
 君たちのあいだに会話はない。
「……笑いたきゃ笑いなさいよ」
 ルイズが低く小さな声で、沈黙を破る。
「そうよ、わたしは魔法をまともに成功させたことなんて、一度もない。爆発以外の結果が出たのは、あんたを召喚して契約したときだけ」
 さらにルイズの言葉は続く。
 トリステイン王家にも近しい名門貴族の令嬢である自分だが、幼いころから魔法を使えないことで嘲笑われ、家族にも責められてきた。
 この魔法学院に入学した後も、いっこうに才能は開花せず、このままでは退学を強いられるかもしれない。
 しかし、あきらめずに修練を続ければ、いつかは必ず四つの系統のいずれかを身につけ、一人前の魔法使いになれるはずだと言う。
 この少女はただ高慢で我儘なわけではなく、しっかりとした芯の通った性格のようだ。

「変ね、昨日知り合ったばかりの平民相手に、こんなこと話しちゃうなんて」
 話を終えたルイズに君は、主人の愚痴を聞くのも≪使い魔≫の仕事なのかと答えて、
「下僕が生意気言わないで」とルイズに叱られるが、
彼女もいくらか鬱憤が晴れた様子だ。
「今度はちゃんと食堂に来なさい、これは命令よ!」
 いつもの高飛車な調子に戻り、振り返って君がついてくるのを確認しながら食堂に足を踏み入れる。
 教室の後片付けの次は、給仕でもやらされるのだろうか?一九六へ。


一九六

 今朝、トリステイン魔法学院の食堂を外から眺めた君は、まるで神殿だとの感想を抱いたものだが、こうして内側から見てみるとむしろ
王宮のようだと思う。
 金糸や銀糸で刺繍がなされたテーブルクロスが掛けられた、信じられぬほど長大なテーブルが平行に三卓並び、数えきれぬほどの椅子が
用意されている。
 テーブルごとに集まっている生徒たちのマントの色が、それぞれ違うことに君は気付く。
 マントの色には茶・黒・紫があり、どうやらこれで階梯の区別をつけているようだ。
 フレスコ画の描かれた高い天井を見上げたのち視線を下げると、中二階らしき場所に教師役の魔法使いたちの姿が見える。
 学院内のすべての魔法使い、数百人の術者が、ここに集まっているようだ。

 「感謝してよね、この『アルヴィーズの食堂』にあんたみたいな平民を連れてきてあげたんだから」
 食堂の壮大な規模と豪華絢爛ぶりに眼を丸くする君に、ルイズは得意げに語りかける。
 本当は朝食のときこうして、君に貴族と平民の圧倒的な貧富の差を、見せつけるつもりだったのだろう。
 朝は君が火狐を調べることを優先させたため、彼女のあては外れたのだが。

 卓上にさまざまな山海の珍味が並び、ワインが注がれる。
 いくら育ち盛りの少年少女たちとはいえ、とても平らげられるとは思えぬ量だ。
 この文字通りの貴族趣味に、君は驚きや羨望を通り越して怒りすら覚える。
 君は、混沌の都カレーを出てからこの一週間ちかく、粗食に耐えてきたのだ。
 狂えるバク地方には、まともな料理を出してくれる宿や、安心して口にできる動植物など存在しなかったのだから。

”偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ”

”今日もささやかな糧を我に与えたもうたことを感謝します”

 さらに食前の祈りの文句が君の機嫌を悪くするが(これでささやか!)、ルイズは君の険しい表情を気にした様子もなく、
椅子にすわったまま君のほうを振り向く。 
 次は給仕をさせるつもりか、それとも、平民は口にすることもできない珍味の自慢でもするつもりなのだろうか?
「あんた、朝ご飯抜いたでしょ」
 ルイズの問いかけに、君は曖昧にうなずく。
「わたしはこんなに食べきれないから、これ、外に持っていっていいわよ」と言うと、
鴨のソテーの切れ端やリンゴのシロップ漬け、ミートパイなどが載った銀の皿を君に押し付ける。
「朝ご飯も食べないで働いて、あんたがお腹空かして倒れでもしたら、恥をかくのは、わたしなんだからね!」
 彼女も根っからの暴君というわけではないようだ。
 ここは素直に好意にあずかることにし、君はルイズにむかってやや大仰に礼を言うと、皿を片手に食堂を出ようとする。

 そのとき、喧騒のなかで、聞き覚えのある女の声を耳にする。
 確か、シエスタとかいう奉公人の少女の声だが、なにかに脅えているような声色だ。
 君は、シエスタになにが起きたのかを確認しにいくか(二三一へ)?
 それとも久々のまともな食事を優先するか(八五へ)?


二三一

 シエスタは、背の高い少年にしきりに頭を下げて、許しを乞うている。
 その顔は青ざめ、離れたところから見ていても、がたがたと全身が震えているのがわかる。
 相手の少年は癖の強い金髪、生白い肌、高慢な目つきをした、いかにも苦労を知らぬ貴族の坊ちゃまといった風体だ。

 近くに居る生徒からだいたいの事情を聞くが、あきれるほどばかばかしい話だ。
 自身の放埓な女性関係がぶざまに破綻した責任を、たまたま近くにいた、立場の弱い者に押し付け、 無力な少女を死ぬほどおびえさせるとは。
 君は貴族の横暴に再び怒りを覚えるが、ここであまり目立つのも考えものだろう。
 君は、彼らのあいだに割って入り、少年に対して道理をもって諭すか(二六六へ)?
 それとも、腹いせにこの少年に喧嘩を売るか(七へ)?
 見知らぬ世界での厄介ごとは避け、おとなしく食堂から出るか(八五へ)?



 金髪の少年は、シエスタの必死の謝罪に溜飲を下げ、彼女を解放しようとしているが、そこに君が進み出る。
 驚くシエスタををよそに、君は少年の女性関係における失敗を嘲り、力に劣る者に責任転嫁したことを罵倒し、人の上に立つ資格などない
弱虫だと嘲笑う。
 さらに続く、汚い卑語だらけの君の挑発に、周囲の生徒たちからくすくすと笑いが漏れる。
「ギーシュ! 残念だが、そいつがまったく正しい!」と、
野次る者まで出てくるありさまだ。
 ギーシュと呼ばれた少年は整った容貌を歪ませ、白い肌を真っ赤に染め、
「き、きさま……いや、君は確か≪ゼロのルイズ≫が召喚した平民だったな」と、
吐き捨てるように言う。
 貴族をここまで侮辱してただで済むと思っているのかと唸るギーシュに君は、お前が貴族なら自分は至高神タイタン様だと切り返す。
「き、きさま、決闘だ! 今すぐ『ヴェストリの広場』まで来い!」と唾を飛ばして叫ぶと、
ギーシュはマントを翻し野次馬を押し退けながら、食堂を出ていく。

 ギーシュの姿が見えなくなると、シエスタはあいかわらず震えながら、
「ミスタ・グラモンは本気で怒っていました! 殺されてしまいます!」と悲痛な声をあげる。
 君は心配するなと優しく答える。

 命のやりとりなら、カントパーニ門をくぐってから今日まで、嫌というほど経験してきたのだから。二八へ。


二八

 学院の西側、本塔の日陰になった『ヴェストリの広場』まで来た君は、周囲を取り囲む生徒たちの数に驚く。
 決闘の噂は、電光石火の速さで娯楽に飢えた少年たちのあいだに広まったようだ。
 人垣をかき分けて広場の中央に出ようとした君は、背後から呼び止められる。
「あ、あんた! 使い魔の分際で、なに、勝手な真似してるのよ!」
 食堂からここまで走ってきたためか、怒りのためか、あるいはその両方か、息を切らせつつルイズは怒鳴る。
「ちょっとは剣も使えるみたいだけど、そんなのじゃメイジには絶対に勝てないんだから!」
 ルイズによれば、平民が貴族を侮辱し、結果として決闘を行うというのは、この世界では起こりえぬ大事件なのだ。
 平民が魔法使いである貴族を倒す方法は、背後から不意打ちをしかけるか、多数をもって一斉に襲いかかるくらいしかない。
 一対一の正々堂々とした決闘で、貴族が平民に負けることなどありえないのだという。

 脅し、騒ぎ、袖をひっぱるルイズを無視して、君は広場の中央に進み出る。
「逃げ出さなかったことだけは、褒めてやろう!」
 まだ、いくらか顔が紅潮したままのギーシュが、君を睨みながら言い放つ。
 君は、こっちの準備はできているから、さっさと始めろと答える。
「剣を使うようだが、そのなまくらがこの僕、≪青銅のギーシュ≫に触れることはないと思え!」
 ギーシュがその言葉と同時に、手に持った大輪の薔薇を振るうと、一枚の花びらが宙に舞う。
 花びらは瞬時に、甲冑をまとい槍を手にした女戦士の彫像に変化し、君の前に降り立つ。
「僕のワルキューレの相手になるかどうかも、怪しいところだ!」
 青銅製の女戦士像が、君に向かってくる。
 君はこの青銅ゴーレムと闘わねばならない。
 剣を使うか(二一一へ)?
 術を使うか(二六六へ)?


二一一

 青銅ゴーレムは見かけよりもずっと俊敏だ。

 青銅ゴーレム
 技術点・八
 体力点・一〇

 勝ったなら一六一へ。


一六一

 青銅ゴーレムは全身の関節を砕かれ、君の足元に倒れ伏す。

「ほう! たいした剣技だ!」
 青銅ゴーレムを倒されたギーシュだが、うろたえる様子はない。
 整った顔には、酷薄な笑みすら浮かんでいる。
 ギーシュがふたたび薔薇を振るうと、新たに六体の青銅ゴーレムが現れる。
「だが、どんなに強い剣士でも、同時に繰り出される六本の槍はかわせないだろう?」
 六体の青銅ゴーレムは、君を包囲するようにじりじりと間合いを詰める。

 これはギーシュの言うとおり、剣では手に余る相手だ。
 術で身を守るか?

 GAK・三五九へ
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 MUD・二九六へ
 HUF・三八二へ
 POP・三四〇へ

 術を使いたくないなら一四へ。



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