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第百四十二話「五冊目『ウルトラCLIMAX』(その3)」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百四十二話「五冊目『ウルトラCLIMAX』(その3)」
機械獣サテライトバーサーク
地底文明デロス
装甲怪獣レッドキング
古代怪獣ゴモラ
機械獣ギガバーサーク 登場



 『古き本』も残すところ後二冊というところまで来た。五冊目の物語は、ウルトラマンマックスが
守った地球で起きた人類存亡の危機の大事件。地底人デロスが地上の全世界に向けて脅迫を行って
きたのだ。カイトとミズキはデロスとの交渉のために地底の世界へと突入を果たしたが、怪獣に撃ち
落とされてしまってミズキが重篤の状態に陥ってしまう。更には、デロス側も人類の環境破壊による
滅亡の危機に瀕しての行いだったことが判明し、交渉も行き詰まってしまった。地上人は自分たちの
行いの代償を支払う他はないのだろうか? 果たしてこの物語の行方はどこへ向かうのであろうか。

『何てこった……!』
 今もなお牙を剥いてくるレッドキングとゴモラをあしらいながら、ゼロはミズキの生命反応が
途絶えたことに絶句した。彼の中の才人も、激しい無力感に苛まれてグッと歯を食いしばる。
『何か……何か出来ることはなかったのか……!? 本当に……!』
 二人は後悔を覚えていたが、カイトは違った。
「ミズキが死ぬ運命なんて……俺は認めない……!」
 慟哭していた彼であったが、己に言い聞かせるようにつぶやくと、腕の中のミズキをそっと
地面に横たえ、顎を上に向かせる。そしてファスナーを下げて上着を開くと、人工呼吸と心臓
マッサージを開始した。
 カイトはミズキの鼓動が停止してもあきらめず、蘇生させようとし始めたのだ。
「ミズキ……帰ってこい……! 一緒に生きるんだ……!」
 脇目もふらない懸命な蘇生活動を行うカイト。才人とゼロは彼のひたむきな姿勢に強く
胸を打たれていた。
『カイトさん、決してあきらめることなくミズキさんを助けようと……!』
『こっちも、あいつの頑張りを絶対に無駄にはさせねぇぜ!』
 二人はカイトの姿に勇気づけられ、奮起してレッドキングたちを取り押さえる腕の力を増す。
何としてもカイトとミズキを守り抜く心構えだ。
「ピッギャ――ゴオオオウ……!」
「ギャオオオオオオオオ……!」
 しかしどうしたことだろうか。力を増したゼロと対照的に、レッドキングとゴモラは急に勢いが
衰えて大人しくなり始めたのだ。すごすごと後ずさるその様子に、ゼロはむしろ疑問を抱く。
『……? どうしたってんだ……?』
 カイトは必死にミズキの救命活動を続けているので、そのことには気づいていない。
「ミズキ……! 生きるんだ……! ミズキ生きるんだッ!」
 ……カイトのその想いが天に通じたのか……ミズキの唇がかすかに動いた。
「……あッ……!」
 ミズキが声を発した――息をしたという事実に、カイトとゼロたちは目を見張る。
「ミズキ……!」
「……カイト……」
 間違いではない。ミズキは……はっきりとカイトの名を唱えた。
「ミズキ……!!」
 一気に喜びに打ち震えたカイトは、ミズキを抱き起こして固く抱擁した。
 ミズキは命を取り戻したのだ!
『やった……! 生き返った!』
『ああ……! 大したもんだぜ……』
 才人もゼロも、束の間状況も忘れて二人の様子に見入っていた。
 しかしいつの間にか、カイトとミズキの周囲を無数のオートマトンが取り囲んでいた!
『あッ!?』
『あいつら何を……!』
 思わず身を乗り出すゼロ。だがオートマトンはカイトたちに危害を加えるような真似はせず、
じっと二人を注視しているようであった。
「地上の人間たちのせいで、君たちが苦しんでるのは分かった……! 俺たちに時間をくれ!」
 カイトが改めて懇願すると、真正面のオートマトンの中央の顔が引っ込み、現れた空洞から
露出するコアから光が発せられる。
 その光が、白いローブで姿を覆い隠したような人間のビジョンを浮かび上がらせた。
『あれは……!』
『あれがデロスの姿ってところか……』
 デロスと思しき人間のビジョンは、カイトにこう呼びかけた。
『カイト。あなたがその人を助ける姿を見て、デロスは後悔しています。地上の人類は、
命を大切にするということを認識しました』
 デロスからの告白に、カイトたち一同は驚きを覚えた。内容的には喜ばしい報せではあったが、
すぐにだから事が解決に向かうという訳ではないことを知る。
『しかし、デロスは既にバーサークシステムを起動させてしまいました。バーサークシステムは、
デロスを守るためには、あらゆる障害を排除します。我々には、バーサークを止められないのです。
ウルトラマンもまた、バーサークの攻撃対象になっています』
 デロスの語る内容に、才人が思わず毒づく。
『自分たちで止められないの作るなよ……!』
『そんなこと言っても始まらないぜ、才人』
 デロスは続けて語る。
『ウルトラマンの能力は、バーサークによって解析されています。バーサークはマックスを、
青いウルトラマンも、確率100%で倒します』
 それが先日現れたスカウトバーサークの真の目的だったのだ。ゼロの能力もまた、地上での
レギーラとヘイレン、この地底でのレッドキングとゴモラの戦いで既に解析を行われていた。
その結果からバーサークシステムが導き出した、『ウルトラマンを100%倒す』手段とは何か……。
 しかしカイトはその言葉に怯えたりはしなかった。
「その予測も……外れになるさッ!」
 カイトはおもむろにウルトラマンマックスに変身するアイテム、マックススパークを引き抜き――
それがまばゆく輝いた! 障害が解決され、マックスがカイトとともに戦う決意を抱いたことを示す
閃きであった。
「カイト……」
「戻ろう……俺たちの世界に」
 マックススパークを握り締めるカイトに、ミズキは微笑みを向けた。
「あたし……知ってた気がする。カイトがマックスだってこと……!」
 カイトもまた微笑み、マックススパークを己の左腕に装着した。
 そうすることで、カイトの肉体はウルトラマンマックスのものへと変化を遂げた!
「シュワッ!」
 ミズキを抱きかかえるマックスは、ゼロの方へ顔を上げた。ゼロはうなずき返してマックスへ告げる。
『先に行ってるぜ、ウルトラマンマックス! ともに未来を掴み取ろうぜ!』
 ルナミラクルゼロにチェンジすると、テレポートでひと足早く地上へと移動していった。
マックスはミズキを抱えたまま高く飛び上がり、大空洞の天井を突き抜けてそのまま地上を
目指していく。
「ギャオオオオオオオオ……」
「ピッギャ――ゴオオオウ」
 マックスの去っていく姿をデロスと、ゴモラとレッドキングが見守るように見上げていた。

 地底の世界から地上の日の下へと戻ってきたゼロだったが、彼を待ち受けていたのは想像を
はるかに超えるような敵だった!
『な、何じゃこりゃあッ!?』
 一体いつから現れていたのか、街のど真ん中に恐ろしく巨大な鋼鉄の塊のようなロボット怪獣が
そびえ立っているのだ。その全長、何と990メートル! 重量は9900万トンにもなる! 比較すると、
巨人のはずのウルトラマンゼロが指人形に見えてくる! 最早ロボットというより機動要塞だ!
 これは機械獣ギガバーサーク。バーサークシステムが作り出した対ウルトラマン用の最終最強の
戦闘兵器なのだ!
『圧倒的な質量で押し潰すってのが出した答えって訳か……。単純だが却って効果的なのかもな……!』
 ただ立っているだけでも肌にひしひしと感じるほどの威圧感を放っているギガバーサークを
前にするゼロだが、だからと背を向けるようなことをするはずがないのだ。
『面白れぇ! やってやるぜッ!』
 それだけでゼロの何十倍もある機首から、途方もない直径の光弾が発射され始めた。ゼロは
それに一切の恐れもなく駆けていく!
『はぁッ!』
 光弾の間を上手く抜けながら空に飛び上がるゼロ。相手が大きすぎるので、地上戦では
著しく不利との判断だ。
『ミラクルゼロスラッガー!』
 しかし空中戦で優位になれるという訳でもなかった。六枚のスラッガーを縦横無尽に駆け巡らせて
ギガバーサークを何度も斬りつけるのだが、常識外の巨体のためほんのかすり傷にしかなっていないのだ。
『くッ、これじゃアリんこが象に挑んでるみてぇだ……うおッ!?』
 ギガバーサークの周囲を飛び回るゼロへ、ギガバーサーク後部の刃が振り下ろされる。
その刃もゼロを両断するどころか粉微塵にしてしまうほどのサイズなので、ゼロはたまらず
回避した。
『危ねぇ……ぐあぁッ!!』
 だが刃はかわせてもすぐに迫ってきたギガバーサーク本体からは逃げられず、ゼロは地表に
叩き落とされてしまった。あまりの質量差のため、ギガバーサークが少し身動きしただけで
ゼロには大ダメージになるのだ。
『ぐッ……くぅッ……! 確率100%とか豪語するだけのことはあるじゃねぇか……!』
 どうにか身を起こすゼロだが、今の一撃で通常形態に戻っていた。カラータイマーも既に
赤く点滅している。先ほどの戦闘より休憩なしで継戦しているので、元からエネルギーの
残量がわずかなのだ。このままでは極めて厳しい。
「シュアッ!」
 そこにゼロに後れて地上へ戻ってきたマックスが駆けつけてきた。……が、マックスも
変身してから地上まで掘り進んで帰ってくるのにエネルギーを消費しているため、カラー
タイマーが点滅している。残り時間は一分がいいところであろう。
 それなのに、二人のウルトラマンでもギガバーサーク相手では正直焼け石に水だ!
「ジュアッ!」
 ひるむことなくマクシウムソードを飛ばしてギガバーサークに立ち向かっていくマックスだが、
彼もやはり全く有効打を与えられていない。しかもギガバーサークの表面から伸びてきた鎖が四肢に
巻きつき、拘束されて磔にされてしまった!
「グアァッ!!」
『マックスッ!!』
 磔にされたマックスを電流が襲って苦しめる。助けようと走り出すゼロだが、ギガバーサークの
光弾の雨の前に近づくことすら出来ない。
『くそぉ……!』
 一方で空の彼方より、コバとショーンの駆るダッシュバード1号と2号が飛来してきた。
マックスを救うために、アタックモードになってギガバーサークに攻撃を仕掛ける。
「ウィングブレードアタック! うおおおおお―――――ッ!」
「オオオオオ―――――ッ!」
 二機のウィングブレードでマックスを縛り上げる鎖を斬りつけるが、切断することは叶わなかった。
そうしている間にもマックスはどんどんとエネルギーを失っていく。このままではマックスの命が危ない!
 その時、ゼロが最後の賭けに出た!
『マックス! カイト! お前たちの未来を望む気持ちが本物なら……この光を扱えるはずだッ!』
 ウルティメイトブレスレットを自分の腕から外し、マックス目掛け投げ飛ばしたのだ!
『受け取れぇーッ!!』
 ブレスレットはウルティメイトイージスに変わり――光となってマックスとぶつかった!
「シュワッ!?」
『こ、これは……!? うわぁッ!』
 ウルティメイトイージスの秘めるエネルギーは絶大であり、制御できるのはこれまでゼロ以外に
いなかった。マックスとカイトもまた、イージスのエネルギーを抑え切れずに苦しむことになる。
 そんな二人にゼロが檄を飛ばす。
『それは未来への希望の想いが形となった光だ! お前たちの希望が決して消えねぇ本物なら……
必ず応じてくれる! その手で、未来を掴めぇぇぇぇ―――――ッ!!』
 ゼロの呼び声に応じるように、カイトは叫んだ!
『俺は……あきらめないッ! 俺だって……俺だって……マックスなんだぁぁぁ――――――――ッ!!』
 この時! イージスの光が鎖を砕き、マックスが解き放たれた!
「ジュワァッ!」
 空高く飛び上がったマックスの身体は、ウルティメイトイージスの鎧で覆われていた。
―-マックスはゼロから託されたイージスの力により、ウルティメイトマックスになったのだ!
『やったぜ!!』
 ぐっと手を握り締めるゼロ。これからウルティメイトマックスの反撃が行われる!
「シュッ!」
 マックス目掛けギガバーサークが光弾を乱射するが、マックスはウルティメイトマックスソードで
全弾切り払う。そしてソードレイ・ウルティメイトマックスを伸ばしてギガバーサーク本体を斬りつける。
「シュアァーッ!」
 長大な光の刃はギガバーサークの超巨体も貫き、右の刃を易々と切り落とした! 切断面が
露出したギガバーサークがスパークを起こして動きが鈍る。
「シュアッ!」
 そしてマックスは鎧を分離すると同時に伝家の宝刀、マックスギャラクシーを召喚。弓状にした
イージスの先端にマックスギャラクシーを接続して、鏃にする。
 マックスギャラクシーの膨大なエネルギーによって、イージスにエネルギーがフルチャージされた!
「イィィィィヤアァッ!!」
 マックスが弦を引き絞って放つ、ファイナルウルティメイトマックス! ギガバーサークに
炸裂し、貫通してどでかい風穴を開けた!
『バーサークシステム、停止……』
 うなだれるように力を失ったギガバーサークは粉々に分解し、消滅していった。これとともに
バーサークシステムは機能を失い、デロスタワーが地底に戻っていく。
 それをウルトラマンマックスとゼロが見届けていると、デロスが最後のメッセージを送ってきた。
『デロスは、地上の人類たちに期待しよう……。地球が元の姿を取り戻すまで、デロスは眠りに就く……』

「ありがとう、ウルトラマンゼロ、平賀才人君。君たちのお陰で、未来を掴み取ることが出来た。
この恩は決して忘れない……」
 夕焼けに染まる海岸線で、カイトと才人が向かい合っている。カイトは才人たちに感謝の
気持ちを伝えていた。
「いえ、そんな……。それよりカイトさんは……マックスとお別れの挨拶を交わしましたか?」
 人類最大の試練が終わりを迎え、マックスもとうとう光の国に帰る時を迎えようとしていた。
カイトは才人の問いにゆっくりとうなずき返す。
「ああ。俺たちの未来は、俺たち自身の手で作っていくことを約束したよ。俺も……世代を
重ねたとしても、いつか必ず自分たちの力で宇宙に飛び出し、マックスの故郷に行くことを
誓ったんだ」
「光の国に……。その望みが叶う時が来るのを、俺も願ってます……いえ、信じてます」
 その言葉を最後に、才人はゼロアイを装着した。
「デュワッ!」
 変身するウルトラマンゼロ。同時にマックスもカイトから分離し、二人は宇宙に向かって
飛び去っていく。
「マックスー! ゼロー!」
 カイトは大きく手を振って、彼らの帰郷を見送り続けた……。

 ……現実世界に帰ってきた才人は、今しがた完結させたウルトラマンマックスの本を手に取った。
「これで五冊目の本が完結した……。残るは、遂に、後一冊……!」
 最後に残った一冊を見つめる才人。その瞳には、これまで以上の並々ならぬ熱意と決意が
宿っていた。
 才人の内側のゼロがつぶやく。
『これでルイズが本当に元通りになってくれりゃいいんだが……まだリーヴルのこととかの
謎がちっとも解決されてねぇ。上手く行くかどうか、大分不安があるぜ……』
 才人も同じ気持ちであったが、それでも自分にも言い聞かせるように述べた。
「でも、やるしかない。ここまで来たら最後までな……!」
 ルイズが本当に元に戻るか否か、いずれにせよその答えは、最後の本を完結させれば分かることだ。

 ……どこかも分からぬ暗黒の空間の中、何者かが謎の力によって才人の様子を監視していた。
『残るは後一冊か……。いよいよここまで来たか。もうじき『準備』も終わりを迎えるという訳だ……』
 謎の存在は独りごち、歪んだ微笑を交えながらつぶやいた。
『その時こそ……ルイズが僕の妃になる時ということだ……!』


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