ウルトラマンゼロの使い魔
第百三十五話「三冊目『ウルトラマン物語』(その2)」
月光怪獣再生エレキング
悪質宇宙人メフィラス星人
宇宙の帝王ジュダ
ジュダの怪獣軍団 登場
第百三十五話「三冊目『ウルトラマン物語』(その2)」
月光怪獣再生エレキング
悪質宇宙人メフィラス星人
宇宙の帝王ジュダ
ジュダの怪獣軍団 登場
ルイズを救うための本の旅を行う才人とゼロ。三冊目の本は、ウルトラマンタロウの成長物語
であった。この世界では、最初は少年の年代になっているタロウをゼロは鍛えて立派なウルトラ
戦士にしていく。そしてタロウが青年に育つと、彼に地球で暗躍するメフィラス星人とその手下の
エレキングの退治の命令が下った。タロウはゼロに見守られながら、地球に向かって出発したのだった!
であった。この世界では、最初は少年の年代になっているタロウをゼロは鍛えて立派なウルトラ
戦士にしていく。そしてタロウが青年に育つと、彼に地球で暗躍するメフィラス星人とその手下の
エレキングの退治の命令が下った。タロウはゼロに見守られながら、地球に向かって出発したのだった!
ウルトラ族が使用する宇宙船に当たる赤い球により、タロウはM78星雲からはるばる太陽系
銀河への移動を完了した。赤い球を解くと、宇宙空間から青い地球をじっと見つめる。
「これが地球か……。ウルトラの星に似て、美しい惑星だ」
いつも兄たちの活躍の話に聞くだけで、実際に目にしたことは一度もなかった地球の光景に、
タロウは感慨を覚えた。
だがそんな時間も長くはなかった。タロウの超聴力が、地球の人間たちが怪獣の暴力によって
苦しむ声を捉えたのだ。
「はッ、いかん! 人々の悲鳴が聞こえる! 急がねば!」
我に返ったタロウはまっすぐ地球に向かって飛んでいき、大気圏を抜けて地上へと急いでいった……。
銀河への移動を完了した。赤い球を解くと、宇宙空間から青い地球をじっと見つめる。
「これが地球か……。ウルトラの星に似て、美しい惑星だ」
いつも兄たちの活躍の話に聞くだけで、実際に目にしたことは一度もなかった地球の光景に、
タロウは感慨を覚えた。
だがそんな時間も長くはなかった。タロウの超聴力が、地球の人間たちが怪獣の暴力によって
苦しむ声を捉えたのだ。
「はッ、いかん! 人々の悲鳴が聞こえる! 急がねば!」
我に返ったタロウはまっすぐ地球に向かって飛んでいき、大気圏を抜けて地上へと急いでいった……。
その頃、地球の大地の上では、メフィラス星人の放った怪獣が火を吹いて地方の村を襲い、
大きな被害を出し続けていた。
「カ―――ギ―――――!」
黄色い体色、目の代わりに伸びた二本のアンテナの役割を果たす角。エレキングである。
しかしただのエレキングではない。ウルトラセブンに倒された個体の屍が月光の力により
変質し、新たな命を得た再生エレキングである。
「カ―――ギ―――――!」
再生エレキングは蘇生前にはなかった、手先からの火炎噴射能力で村を瞬く間に火の海に
変えていく。このままでは大勢の人たちが炎に巻かれて殺害されてしまう!
「とぉッ!」
それを救うべく今地上に降り立ったのがウルトラマンタロウだ! タロウは即座に合わせた
両手からウルトラシャワーを噴射し、エレキングの起こした火災を瞬く間に消し止めていく。
「カ―――ギ―――――!」
エレキングは破壊活動の邪魔をするタロウに背後から殴りかかった。消火活動後の隙を
突かれたタロウは殴打を食らってゴロゴロ転がる。
「うッ!」
「カ―――ギ―――――!」
エレキングが更に飛びかかってきたが、タロウもやられてばかりではない。相手の勢いを
利用した巴投げで仕返しした。
エレキングを投げ飛ばして立ち上がったタロウだが、エレキングはそこに尻尾からの火炎
放射を浴びせる。
「カ―――ギ―――――!」
「うわあぁぁッ!」
高熱火炎に焼かれて苦しめられたタロウだがそれを耐え、火炎が途切れた隙をすかさず
突いて距離を詰めると、エレキングの尻尾を抱え込んで振り回し、転倒させる。
「ふッ! ふッ!」
タロウは仰向けに倒れたエレキングに馬乗りになって、顔面に連続チョップを叩き込んで
弱らせていく。タロウ優勢だがしかし、そこに乱入者が現れた。
『私の改造エレキングを追い詰めるウルトラ戦士! 何者だ!』
煙とともに現れたのは、エレキングを再生させた犯人であるメフィラス星人だ! タロウは
メフィラス星人を警戒してエレキングの上から飛びのいた。
「ウルトラマンタロウだ!」
『ウルトラマンタロウ! よくも私の地球侵略を妨害してくれるな。しかし、これを見ろッ!』
メフィラス星人が見せつけた手の平の中には、地球人の子供たちが捕らわれていた!
「うわーん! 助けてー!」
『クックックッ、この子供たちがどうなってもいいというのかな?』
メフィラス星人は分かりやすくタロウを脅迫する。
「何ッ! 卑怯だぞ、メフィラス星人!」
『卑怯もラッキョウもあるものかぁッ! 改造エレキングよ、今の内にやってしまえ!』
「カ―――ギ―――――!」
メフィラス星人の卑劣なる策略により身動きの取れなくなったタロウの首に、エレキングの
尻尾が巻きついて締め上げる。
「ぐぅぅッ……!」
『ワハハハハ! メフィラスの悪賢さ、思い知ったかぁ!』
タロウを一方的に痛めつけさせて、メフィラス星人は高笑いして勝ち誇った。
しかしそこに青い流星が飛び込んでくる!
「シェアッ!」
ルナミラクルゼロだ! 後から地球にやってきたゼロはタロウの戦いぶりを見守っていたのだが、
メフィラス星人の卑怯なやり口に我慢ならずに、タロウの助けに飛んできたのだった。
『何ぃッ!?』
ゼロは高速ですれ違う一瞬の間に、メフィラス星人の手の中から子供たちを救い出した。
そのまま地上に下ろして逃がしていく。
「わーい! ありがとう!」
『おのれ、仲間がいたか! 余計な真似をぉ!』
激昂したメフィラス星人が突進してきたが、ストロングコロナゼロの裏拳によって返り討ちにされた。
『うわぁぁーッ!』
『タロウ、メフィラス星人は俺に任せろ! お前はエレキングの方を先にやっつけな!』
「ありがとうございます、ゼロさん!」
タロウは力ずくでエレキングの拘束から逃れ、勝負を仕切り直しにした。ゼロは宣告通りに、
その間にメフィラス星人の相手をする。
『よくもやってくれたな! 邪魔する者は誰であろうと許しておかん!』
立ち上がったメフィラス星人がゼロに肉弾戦を挑むが、筋力ならば右に出るもののいない
ストロングコロナゼロ相手にはあまりに無謀であった。超パワーと宇宙空手の技が組み合わさった
ゼロの拳によって軽く押し返される。
「セェアッ!」
『ぬぅぅッ!? これならどうだぁ!』
すぐに分が悪いと判断したメフィラス星人は距離を取り、目からレーザーを発射したが、
ゼロは射線を見切ってウルティメイトブレスレットでそれを難なく受け止めた。
『何だとッ!?』
『はぁッ!』
直後にゼロは飛び蹴りで襲い掛かり、メフィラス星人を弾き飛ばした。
「カ―――ギ―――――!」
ゼロがメフィラス星人と戦っている一方で、エレキングは口から火炎を吐いてタロウを
攻撃していた。電気エネルギーによって熱量の高められた火炎は、あらゆるものを焼き尽くす
ような地獄の業火だ。
しかしタロウはゼロの特訓によって、如何なる苦しみにも耐え得る忍耐力を身につけていた。
身を焦がすような灼熱も、今のタロウには通用しない!
またタロウは勤勉であった。ウルトラの星に記録されていたセブンとエレキングの戦闘の
映像によって、エレキングの弱点を見抜いていた。
タロウはその弱点を突くべく、炎の中から高々と跳躍してエレキングに飛びかかり、角に
引っ掛かっているロープに手を掛けた。
「エレキングの弱点は、この角だッ!」
ウルトラ念力でロープを鎖に変えて強度を増し、角に幾重にも巻いて力の限り引っ張る。
角をがんじがらめにされたエレキングは大いに狼狽している。
「たぁーッ!」
そしてタロウは地を蹴り、空中に浮き上がったまま発光して驚異のウルトラパワーを発揮した。
それにより、遂にエレキングの角が頭部から引っこ抜かれる!
「カ―――ギ―――――……!」
エレキングの角は目に代わる感覚器官であり、普通でも失えば前後不覚に陥るが、再生
エレキングは肉体を動かす月光のエネルギーを吸収する器官でもあるのだ。つまり、角を
失った再生エレキングは完全に力を失い、その場に倒れ込んだのであった。
ゼロの方もメフィラス星人を捕まえ、渾身の力で投げ飛ばした。
『ウルトラハリケーン!』
『ぐわあああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』
メフィラス星人は竜巻によって吹っ飛ばされ、真っ逆さまに転落。ゼロはちょうどエレキングを
倒したタロウへ叫ぶ。
『タロウ、今だッ!』
「はいッ!」
タロウは頭上に右腕を掲げ、そこに左腕を重ねてスパークを起こし、両手を腰に添えることで
大気中のエネルギーを自身に集中させた。エネルギーの高まったタロウの全身が虹色に輝く。
そうして右腕を水平、左腕を垂直にして両腕でT字を作り、必殺光線を発射した!
「ストリウム光線!!」
これがタロウの編み出した最強必殺技、ストリウム光線だ!
『ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ―――――――!!』
ストリウム光線の直撃をもらったメフィラス星人はその場に膝を折り、斃れると同時に
跡形もなく消滅していった。
エレキング、メフィラス星人を立て続けに撃破したタロウは、大喜びしてゼロに向き直った。
「ゼロさん、やりました! これで私も、ウルトラ戦士も仲間入りですよね!」
『ああ! 見事だったぜ』
ゼロは固くうなずいて、タロウの大健闘を褒めたたえたのだった。
大きな被害を出し続けていた。
「カ―――ギ―――――!」
黄色い体色、目の代わりに伸びた二本のアンテナの役割を果たす角。エレキングである。
しかしただのエレキングではない。ウルトラセブンに倒された個体の屍が月光の力により
変質し、新たな命を得た再生エレキングである。
「カ―――ギ―――――!」
再生エレキングは蘇生前にはなかった、手先からの火炎噴射能力で村を瞬く間に火の海に
変えていく。このままでは大勢の人たちが炎に巻かれて殺害されてしまう!
「とぉッ!」
それを救うべく今地上に降り立ったのがウルトラマンタロウだ! タロウは即座に合わせた
両手からウルトラシャワーを噴射し、エレキングの起こした火災を瞬く間に消し止めていく。
「カ―――ギ―――――!」
エレキングは破壊活動の邪魔をするタロウに背後から殴りかかった。消火活動後の隙を
突かれたタロウは殴打を食らってゴロゴロ転がる。
「うッ!」
「カ―――ギ―――――!」
エレキングが更に飛びかかってきたが、タロウもやられてばかりではない。相手の勢いを
利用した巴投げで仕返しした。
エレキングを投げ飛ばして立ち上がったタロウだが、エレキングはそこに尻尾からの火炎
放射を浴びせる。
「カ―――ギ―――――!」
「うわあぁぁッ!」
高熱火炎に焼かれて苦しめられたタロウだがそれを耐え、火炎が途切れた隙をすかさず
突いて距離を詰めると、エレキングの尻尾を抱え込んで振り回し、転倒させる。
「ふッ! ふッ!」
タロウは仰向けに倒れたエレキングに馬乗りになって、顔面に連続チョップを叩き込んで
弱らせていく。タロウ優勢だがしかし、そこに乱入者が現れた。
『私の改造エレキングを追い詰めるウルトラ戦士! 何者だ!』
煙とともに現れたのは、エレキングを再生させた犯人であるメフィラス星人だ! タロウは
メフィラス星人を警戒してエレキングの上から飛びのいた。
「ウルトラマンタロウだ!」
『ウルトラマンタロウ! よくも私の地球侵略を妨害してくれるな。しかし、これを見ろッ!』
メフィラス星人が見せつけた手の平の中には、地球人の子供たちが捕らわれていた!
「うわーん! 助けてー!」
『クックックッ、この子供たちがどうなってもいいというのかな?』
メフィラス星人は分かりやすくタロウを脅迫する。
「何ッ! 卑怯だぞ、メフィラス星人!」
『卑怯もラッキョウもあるものかぁッ! 改造エレキングよ、今の内にやってしまえ!』
「カ―――ギ―――――!」
メフィラス星人の卑劣なる策略により身動きの取れなくなったタロウの首に、エレキングの
尻尾が巻きついて締め上げる。
「ぐぅぅッ……!」
『ワハハハハ! メフィラスの悪賢さ、思い知ったかぁ!』
タロウを一方的に痛めつけさせて、メフィラス星人は高笑いして勝ち誇った。
しかしそこに青い流星が飛び込んでくる!
「シェアッ!」
ルナミラクルゼロだ! 後から地球にやってきたゼロはタロウの戦いぶりを見守っていたのだが、
メフィラス星人の卑怯なやり口に我慢ならずに、タロウの助けに飛んできたのだった。
『何ぃッ!?』
ゼロは高速ですれ違う一瞬の間に、メフィラス星人の手の中から子供たちを救い出した。
そのまま地上に下ろして逃がしていく。
「わーい! ありがとう!」
『おのれ、仲間がいたか! 余計な真似をぉ!』
激昂したメフィラス星人が突進してきたが、ストロングコロナゼロの裏拳によって返り討ちにされた。
『うわぁぁーッ!』
『タロウ、メフィラス星人は俺に任せろ! お前はエレキングの方を先にやっつけな!』
「ありがとうございます、ゼロさん!」
タロウは力ずくでエレキングの拘束から逃れ、勝負を仕切り直しにした。ゼロは宣告通りに、
その間にメフィラス星人の相手をする。
『よくもやってくれたな! 邪魔する者は誰であろうと許しておかん!』
立ち上がったメフィラス星人がゼロに肉弾戦を挑むが、筋力ならば右に出るもののいない
ストロングコロナゼロ相手にはあまりに無謀であった。超パワーと宇宙空手の技が組み合わさった
ゼロの拳によって軽く押し返される。
「セェアッ!」
『ぬぅぅッ!? これならどうだぁ!』
すぐに分が悪いと判断したメフィラス星人は距離を取り、目からレーザーを発射したが、
ゼロは射線を見切ってウルティメイトブレスレットでそれを難なく受け止めた。
『何だとッ!?』
『はぁッ!』
直後にゼロは飛び蹴りで襲い掛かり、メフィラス星人を弾き飛ばした。
「カ―――ギ―――――!」
ゼロがメフィラス星人と戦っている一方で、エレキングは口から火炎を吐いてタロウを
攻撃していた。電気エネルギーによって熱量の高められた火炎は、あらゆるものを焼き尽くす
ような地獄の業火だ。
しかしタロウはゼロの特訓によって、如何なる苦しみにも耐え得る忍耐力を身につけていた。
身を焦がすような灼熱も、今のタロウには通用しない!
またタロウは勤勉であった。ウルトラの星に記録されていたセブンとエレキングの戦闘の
映像によって、エレキングの弱点を見抜いていた。
タロウはその弱点を突くべく、炎の中から高々と跳躍してエレキングに飛びかかり、角に
引っ掛かっているロープに手を掛けた。
「エレキングの弱点は、この角だッ!」
ウルトラ念力でロープを鎖に変えて強度を増し、角に幾重にも巻いて力の限り引っ張る。
角をがんじがらめにされたエレキングは大いに狼狽している。
「たぁーッ!」
そしてタロウは地を蹴り、空中に浮き上がったまま発光して驚異のウルトラパワーを発揮した。
それにより、遂にエレキングの角が頭部から引っこ抜かれる!
「カ―――ギ―――――……!」
エレキングの角は目に代わる感覚器官であり、普通でも失えば前後不覚に陥るが、再生
エレキングは肉体を動かす月光のエネルギーを吸収する器官でもあるのだ。つまり、角を
失った再生エレキングは完全に力を失い、その場に倒れ込んだのであった。
ゼロの方もメフィラス星人を捕まえ、渾身の力で投げ飛ばした。
『ウルトラハリケーン!』
『ぐわあああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』
メフィラス星人は竜巻によって吹っ飛ばされ、真っ逆さまに転落。ゼロはちょうどエレキングを
倒したタロウへ叫ぶ。
『タロウ、今だッ!』
「はいッ!」
タロウは頭上に右腕を掲げ、そこに左腕を重ねてスパークを起こし、両手を腰に添えることで
大気中のエネルギーを自身に集中させた。エネルギーの高まったタロウの全身が虹色に輝く。
そうして右腕を水平、左腕を垂直にして両腕でT字を作り、必殺光線を発射した!
「ストリウム光線!!」
これがタロウの編み出した最強必殺技、ストリウム光線だ!
『ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ―――――――!!』
ストリウム光線の直撃をもらったメフィラス星人はその場に膝を折り、斃れると同時に
跡形もなく消滅していった。
エレキング、メフィラス星人を立て続けに撃破したタロウは、大喜びしてゼロに向き直った。
「ゼロさん、やりました! これで私も、ウルトラ戦士も仲間入りですよね!」
『ああ! 見事だったぜ』
ゼロは固くうなずいて、タロウの大健闘を褒めたたえたのだった。
しかしタロウは地球での戦闘後、すぐにウルトラの星に呼び戻された。宇宙警備隊本部の
トレーニングルームで、ウルトラの父からあることを言い渡される。
「タロウ、訓練はまだ終わった訳ではないぞ」
「えッ!? まだ特訓をやるんですか? どうして私だけ、そんな重点的に……」
疑問を持つタロウと、話に立ち会っているゼロに対して、ウルトラの父は打ち明ける。
「タロウ……この話はまだ早いと思っていたが、お前は私の予想以上に鍛え上げられた。
よってお前に与えられた最重要任務の内容を教えよう!」
「私に、最重要任務!?」
「心して聞け」
念押しして、ウルトラの父が語り聞かせる最重要任務とは。
「お前は宇宙の歪みが生み出した、宇宙最大の悪魔、ジュダを倒す超ウルトラ戦士にならねばならん!」
「宇宙最大の悪魔!?」
ジュダ。ゼロはその名前を知っていた。数万年周期でよみがえり、破壊の限りを尽くして
宇宙全土を恐怖のどん底に叩き落とす恐るべき宇宙の帝王。現実のM78ワールドでも、ウルトラ
戦士との死闘の末に退治されたという話を聞いたことがある。
そうか、この本の世界の最終目的は、ジュダを打ち倒して世界に平和をもたらすことだったのか。
「ジュダは宇宙の歪みそのものであり、実体がない。そんなジュダを倒すには、宇宙の歪みを
正す以外方法はないのだ。そしてそれには莫大なエネルギーが必要なのだ! それが出来るのは、
私と同じウルトラホーンを持つタロウ、お前以外にいない!」
ウルトラホーン。タロウやウルトラの父に生えている角だが、これはただの突起ではない。
他のウルトラ戦士の全てのエネルギーを吸収することが出来る神秘の器官なのだ。現実の
タロウも、ウルトラベルを入手するのにウルトラ族の肉体でも耐えられない環境を作っている
ウルトラタワー内に立ち入る際に、ウルトラホーンの力でウルトラ兄弟と合体し、スーパー
ウルトラマンとなったことがある。
「私は年老いた。ジュダを倒すには、若いお前の力が必要なのだ! 早速超ウルトラ戦士に
なるための特訓を始めるぞ!」
「はいッ!」
タロウに施す特訓に取り掛かろうとするウルトラの父に、ゼロが問いかける。
『ウルトラの父、俺にも何か手伝えることはないでしょうか?』
しかしウルトラの父はゼロの申し出を断った。
「気持ちはありがたいが、いつまでも君に頼りっぱなしではいられない。それにこの特訓は
エネルギーの消耗が激しい、危険なものだ。他人に任せる訳にはいかない」
『けど……』
「大丈夫だ。年老いたこの身だが、己の息子に稽古をつけるだけの力は残っている。君はタロウが
超ウルトラ戦士の資格を得ることに成功することを祈っていてくれ」
『……分かりました』
ウルトラの父にそこまで言われては、反論することは出来ない。ゼロも大人しく身を引いた。
タロウの最後の特訓は、ウルトラの父が放つエネルギー光線をウルトラホーンで受け止め、
エネルギーを余すところなく吸収するというものである。しかし己の許容量を超えるエネルギーを
その身に受け止めるなど、容易に出来るものであるはずがない。ゼロに丹念に鍛えられたタロウに
とっても非常に困難なことであった。
「うぅッ、くぅッ……!」
それでもタロウは、何度失敗しようともめげずに特訓に向き合い、チャレンジしていった。
全ては宇宙の悪魔ジュダを打ち破り、真の平和を世界にもたらすため。本当のウルトラ戦士に
なるという熱い思いが、タロウの身体を支えているのだ。
だがしかし、ジュダはタロウの特訓の完了を待ってはくれなかった!
トレーニングルームで、ウルトラの父からあることを言い渡される。
「タロウ、訓練はまだ終わった訳ではないぞ」
「えッ!? まだ特訓をやるんですか? どうして私だけ、そんな重点的に……」
疑問を持つタロウと、話に立ち会っているゼロに対して、ウルトラの父は打ち明ける。
「タロウ……この話はまだ早いと思っていたが、お前は私の予想以上に鍛え上げられた。
よってお前に与えられた最重要任務の内容を教えよう!」
「私に、最重要任務!?」
「心して聞け」
念押しして、ウルトラの父が語り聞かせる最重要任務とは。
「お前は宇宙の歪みが生み出した、宇宙最大の悪魔、ジュダを倒す超ウルトラ戦士にならねばならん!」
「宇宙最大の悪魔!?」
ジュダ。ゼロはその名前を知っていた。数万年周期でよみがえり、破壊の限りを尽くして
宇宙全土を恐怖のどん底に叩き落とす恐るべき宇宙の帝王。現実のM78ワールドでも、ウルトラ
戦士との死闘の末に退治されたという話を聞いたことがある。
そうか、この本の世界の最終目的は、ジュダを打ち倒して世界に平和をもたらすことだったのか。
「ジュダは宇宙の歪みそのものであり、実体がない。そんなジュダを倒すには、宇宙の歪みを
正す以外方法はないのだ。そしてそれには莫大なエネルギーが必要なのだ! それが出来るのは、
私と同じウルトラホーンを持つタロウ、お前以外にいない!」
ウルトラホーン。タロウやウルトラの父に生えている角だが、これはただの突起ではない。
他のウルトラ戦士の全てのエネルギーを吸収することが出来る神秘の器官なのだ。現実の
タロウも、ウルトラベルを入手するのにウルトラ族の肉体でも耐えられない環境を作っている
ウルトラタワー内に立ち入る際に、ウルトラホーンの力でウルトラ兄弟と合体し、スーパー
ウルトラマンとなったことがある。
「私は年老いた。ジュダを倒すには、若いお前の力が必要なのだ! 早速超ウルトラ戦士に
なるための特訓を始めるぞ!」
「はいッ!」
タロウに施す特訓に取り掛かろうとするウルトラの父に、ゼロが問いかける。
『ウルトラの父、俺にも何か手伝えることはないでしょうか?』
しかしウルトラの父はゼロの申し出を断った。
「気持ちはありがたいが、いつまでも君に頼りっぱなしではいられない。それにこの特訓は
エネルギーの消耗が激しい、危険なものだ。他人に任せる訳にはいかない」
『けど……』
「大丈夫だ。年老いたこの身だが、己の息子に稽古をつけるだけの力は残っている。君はタロウが
超ウルトラ戦士の資格を得ることに成功することを祈っていてくれ」
『……分かりました』
ウルトラの父にそこまで言われては、反論することは出来ない。ゼロも大人しく身を引いた。
タロウの最後の特訓は、ウルトラの父が放つエネルギー光線をウルトラホーンで受け止め、
エネルギーを余すところなく吸収するというものである。しかし己の許容量を超えるエネルギーを
その身に受け止めるなど、容易に出来るものであるはずがない。ゼロに丹念に鍛えられたタロウに
とっても非常に困難なことであった。
「うぅッ、くぅッ……!」
それでもタロウは、何度失敗しようともめげずに特訓に向き合い、チャレンジしていった。
全ては宇宙の悪魔ジュダを打ち破り、真の平和を世界にもたらすため。本当のウルトラ戦士に
なるという熱い思いが、タロウの身体を支えているのだ。
だがしかし、ジュダはタロウの特訓の完了を待ってはくれなかった!
暗黒宇宙で、復活を果たしたジュダが高笑いを発する。
『ワハハハハハハ! わしは遂に復活した! ウルトラの戦士たちよ、五万年前の恨みは
必ず晴らしてやるからな!』
ウルトラ戦士への復讐を目論むジュダは、その手始めとして地球に目をつけた。
『わしがひと声掛ければ、全ての悪の怪獣が動き始めるのだ! ウルトラの戦士よ、お前たちが
愛した地球を、我が怪獣軍団が破壊し尽くしてくれるわ! 行けぇッ、怪獣たちよ!』
ジュダの命令により、地球に恐怖の怪獣たちが押し寄せる!
『ワハハハハハハ! わしは遂に復活した! ウルトラの戦士たちよ、五万年前の恨みは
必ず晴らしてやるからな!』
ウルトラ戦士への復讐を目論むジュダは、その手始めとして地球に目をつけた。
『わしがひと声掛ければ、全ての悪の怪獣が動き始めるのだ! ウルトラの戦士よ、お前たちが
愛した地球を、我が怪獣軍団が破壊し尽くしてくれるわ! 行けぇッ、怪獣たちよ!』
ジュダの命令により、地球に恐怖の怪獣たちが押し寄せる!
「ギャアアアアアアアア――――――!」
ジュダの命令の影響により、東京を走る河川の中から、液体大怪獣コスモリキッドが出現!
「アハハハハハ! アーハハハハハハハハハッ!」
更に河川敷の地中からは再生怪獣ライブキングが現れた!
二体の怪獣は口から火炎を吐き、町を手当たり次第に焼き払い始める!
ジュダの命令の影響により、東京を走る河川の中から、液体大怪獣コスモリキッドが出現!
「アハハハハハ! アーハハハハハハハハハッ!」
更に河川敷の地中からは再生怪獣ライブキングが現れた!
二体の怪獣は口から火炎を吐き、町を手当たり次第に焼き払い始める!
「ゲエエオオオオオオ!」
コンビナートにはムルロア星から飛来した宇宙大怪獣ムルロアが襲来した!
コンビナートにはムルロア星から飛来した宇宙大怪獣ムルロアが襲来した!
「キイイィィィィィ!」
野山を突き破り、百足怪獣ムカデンダーが姿を現して町を攻撃する!
野山を突き破り、百足怪獣ムカデンダーが姿を現して町を攻撃する!
『ウオオォォォ―――――!』
市街地には泥棒怪獣ドロボンが侵入し、棍棒を振り上げて建物を叩き潰す!
市街地には泥棒怪獣ドロボンが侵入し、棍棒を振り上げて建物を叩き潰す!
「ギイイイイイイイイ!」
そして工事現場にはえんま怪獣エンマーゴが出現し、口から吐く黒煙で草木を枯らし、
辺りを死の大地に変えていく!
そして工事現場にはえんま怪獣エンマーゴが出現し、口から吐く黒煙で草木を枯らし、
辺りを死の大地に変えていく!
『フハハハハハハ! このジュダ様の力を思い知れぇッ!』
地球を怪獣たちに襲わせ、ジュダは満悦気味に大笑いを上げた。そしてジュダの狙いは、
ただ地球を破壊するだけではなかった。
『今ウルトラの星では、わしを倒すためにウルトラマンタロウが特訓を受けている。それが
完了する前に奴をおびき寄せ、葬ってくれる! そうすれば最早わしを止められる者は
いなくなるのだぁ!』
地球を怪獣たちに襲わせ、ジュダは満悦気味に大笑いを上げた。そしてジュダの狙いは、
ただ地球を破壊するだけではなかった。
『今ウルトラの星では、わしを倒すためにウルトラマンタロウが特訓を受けている。それが
完了する前に奴をおびき寄せ、葬ってくれる! そうすれば最早わしを止められる者は
いなくなるのだぁ!』
「大変です! 地球にジュダが怪獣軍団を送り込みました!」
地球の異変は、ルイズによって特訓中のタロウとウルトラの父にもたらされた。
「何ですって!? 地球が危ないと!?」
「ゾフィーからエースまでの五人が緊急出動しましたが、まだ手が足りていません。せめて
後一人、地球に向かわなくては……」
「うむ……」
ルイズからの報告に考え込むウルトラの父。そこにタロウが申し出る。
「私が行きます! 地球の人たちの危機に、黙っている訳にはいきません!」
「いや、タロウよ。お前には特訓を完了させて超ウルトラ戦士になる任務が残っている!
ここは私が行こう」
「ですが父さん、その消耗し切った身体では危険です!」
ウルトラの父はずっとタロウの特訓につき合ってエネルギー光線を放射し続けたため、
既に消耗が重なった状態にある。そんな身体で戦いに赴くのは危険すぎる。
「しかし……」
『大丈夫です!』
そこに飛び込んできたのは、我らがゼロだった。
『俺が行って、怪獣たちを片づけてきますよ!』
「ゼロさん! やってくれるんですか!?」
『あったり前さ! タロウ、地球のことは俺に任せて、お前は早いとこ特訓を終わらせちまいな』
ゼロの申し出を、ウルトラの父とルイズがありがたく承諾した。
「何から何まですまない。私も出来るだけ早くタロウを鍛え上げて、応援として地球に向かわせよう」
「くれぐれも気をつけて下さい。これは恐らくジュダの罠です。何が待ち受けているか、
分かったものではありません」
『了解です!』
ウルトラの父たちに敬礼したゼロは宇宙警備隊本部を飛び出し、地球に向かって飛び立った。
「ジュワッ!」
怪獣軍団の脅威に晒されている地球に急行するゼロ。ジュダのたくらみを粉砕して、この本の
世界にも平穏を与えるべく、進めウルトラマンゼロ!
地球の異変は、ルイズによって特訓中のタロウとウルトラの父にもたらされた。
「何ですって!? 地球が危ないと!?」
「ゾフィーからエースまでの五人が緊急出動しましたが、まだ手が足りていません。せめて
後一人、地球に向かわなくては……」
「うむ……」
ルイズからの報告に考え込むウルトラの父。そこにタロウが申し出る。
「私が行きます! 地球の人たちの危機に、黙っている訳にはいきません!」
「いや、タロウよ。お前には特訓を完了させて超ウルトラ戦士になる任務が残っている!
ここは私が行こう」
「ですが父さん、その消耗し切った身体では危険です!」
ウルトラの父はずっとタロウの特訓につき合ってエネルギー光線を放射し続けたため、
既に消耗が重なった状態にある。そんな身体で戦いに赴くのは危険すぎる。
「しかし……」
『大丈夫です!』
そこに飛び込んできたのは、我らがゼロだった。
『俺が行って、怪獣たちを片づけてきますよ!』
「ゼロさん! やってくれるんですか!?」
『あったり前さ! タロウ、地球のことは俺に任せて、お前は早いとこ特訓を終わらせちまいな』
ゼロの申し出を、ウルトラの父とルイズがありがたく承諾した。
「何から何まですまない。私も出来るだけ早くタロウを鍛え上げて、応援として地球に向かわせよう」
「くれぐれも気をつけて下さい。これは恐らくジュダの罠です。何が待ち受けているか、
分かったものではありません」
『了解です!』
ウルトラの父たちに敬礼したゼロは宇宙警備隊本部を飛び出し、地球に向かって飛び立った。
「ジュワッ!」
怪獣軍団の脅威に晒されている地球に急行するゼロ。ジュダのたくらみを粉砕して、この本の
世界にも平穏を与えるべく、進めウルトラマンゼロ!