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第百三十話「一冊目『甦れ!ウルトラマン』(その3)」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百三十話「一冊目『甦れ!ウルトラマン』(その3)」
恐怖の怪獣軍団
宇宙恐竜ゼットン 登場



 才人は精神を囚われたルイズを救うべく、本の世界への旅を始めた。最初は初代ウルトラマンが
地球を防衛していた時代を描いた物語。しかし肝心のウルトラマンはゼットンに敗北したことが
原因で、失意の底にあった。才人は憧れのヒーロー、ウルトラマンを懸命に励ます。そんな中出現
したのは、日本中に出現したすさまじい数の怪獣軍団! その前にゼロも苦戦を強いられ、ピグモンが
ドドンゴの攻撃を受ける。それを目の当たりにしたハヤタは遂に立ち上がり――ウルトラマンが
甦ったのだった!

「ヘアッ!」
 今一度地球を守るべく立ち上がったウルトラマンは、颯爽と怪獣たちの間に飛び込んで
ギガス、ネロンガ、グリーンモンスにチョップを叩き込んでゼロから弾き飛ばした。
「ゲエエオオオオオオ!」
「ゲエエゴオオオオオウ!」
「グウウウウウウ……!」
 更にドドンゴに飛びかかって文字通り馬乗りになり、その体勢から首を引っ張ることにより、
ドドンゴは後退させられて怪獣軍団から引き離された。
「ミ―――――イ! ミ―――――イ!」
 怪獣たちがウルトラマンにひるんでいる隙に、ゼロは体勢を立て直すことに成功した。
『助かったぜウルトラマン! せぇやッ!』
 ゼロも負けてはいられない。流れるようにマグラー、ゲスラにキックを仕掛けて張り倒し、
ケムラーの吐く亜硫酸ガスを跳躍して華麗に回避。
『もう食らわねぇぜ!』
 毒ガスは代わりにレッドキングが食らう羽目になった。
「ピッギャ――ゴオオオウ!?」
 もがき苦しんだレッドキングは岩を投げ、それがケムラーの口に嵌まってガスが詰まった。
「ヘアァッ!」
 ウルトラマンはドドンゴに乗ったまま首筋をチョップで連打してダメージを与えていくが、
ドドンゴがやられっぱなしでいるはずがない。思い切り暴れてウルトラマンを振り払う。
「ミ―――――イ! ミ―――――イ!」
「ダァッ! シェアッ!」
 しかしウルトラマンも振り落とされてすぐにスペシウム光線を発射。ドドンゴにクリーン
ヒットする。
「ミ―――――イ! ミ―――――イ!」
 その一撃によってドドンゴはたちまち絶命。横に倒れて動かなくなった。
 この間レッドキングを押さえつけていたゼロがウルトラマンに向かって告げた。
『ウルトラマン! ここは俺と科特隊に任せてくれ。あんたは他の場所の怪獣を頼む!』
 うなずいたウルトラマンが全身に力を込めると、その身体にエネルギーが集まっていく。
「ヘアッ! トワァッ!」
 エネルギーが最大に高まると、何とウルトラマンが五人に分身した!
 ウルトラセパレーション、分身の術。ウルトラマンの新しい戦法だ!
「シェアッ!」
 五人になったウルトラマンは、それぞれ別の方向に飛び立って怪獣の被害に遭っている
現場に急いでいった。
 その内の一人は沿岸で暴れているガマクジラを発見。
「グアアアアッ!」
 即座に飛行速度を急上昇させて、上空から一直線にガマクジラに体当たり!
 これによってガマクジラは一発でバラバラに四散した。ウルトラマンは上昇して別の場所へと
向かっていった。
 また別の一人はコンビナートを火の海にしているペスターを発見。
「シェアッ!」
 着地と同時にスペシウム光線をペスターの頭部にぶち込んで、一瞬で撃破した。
「キュ――――――ウ……!」
 ペスターを倒してからウルトラマンは合わせた両手からウルトラ水流を発し、コンビナートの
火災を瞬く間に消し止めた。それからまた飛行して、市街地の方角へ飛んでいった。

 五人のウルトラマンはそれからゴモラ、ヒドラ、ウー、ザンボラー、ケロニアの元へ駆けつけて
勝負を挑んでいった。
「ヘアァッ!」
「ギャオオオオオオオオ!」
 一人目のウルトラマンが空中からドロップキックを仕掛けてゴモラを蹴り倒す。
「ヘアッ!」
「ピャ――――――オ!」
 ウルトラマンの二人目はヒドラと格闘戦を繰り広げる。
「ヘアァッ!」
「ガアアアアアアアア!」
 ウルトラマン三人目はウーと取っ組み合って雪原の上をゴロゴロ転がった。
「ヘアッ!」
「ギャアアアアアアアア――――――!」
 ウルトラマン四人目は低姿勢でザンボラーにタックルして、相手の身体をすくい上げて放り投げる。
「トアアァッ!」
「パアアアアアアアア!」
 ウルトラマン五人目はケロニアに一本背負いを決めて投げ飛ばした。

 各地でウルトラマンが奮闘している間、ゼロもまた怪獣軍団相手に激しく戦っていた。
「セアッ!」
 ゼロのビームランプから発射されたエメリウムスラッシュがグリーンモンスの花弁の中心を
撃ち抜き、グリーンモンスを炎上させた。更にゼロはネロンガを捕らえて高々と担ぎ上げて
投げ飛ばす。
『せぇぇいッ!』
「ゲエエゴオオオオオオウ!」
 地面に叩きつけたネロンガにすかさずワイドゼロショットを食らわせて爆散させた。
これで一気に二体撃破だ。
 だがまだレッドキング、マグラー、ギガス、ゲスラ、ケムラーと五体もの怪獣が残っている。
「ウルトラマンにばかり戦わせてはいかん! 我々も戦うぞ!」
 そこで攻撃用意を整えた科特隊が援護を開始した。まずはムラマツがナパーム手榴弾を
マグラーに向かって投擲した。
「えぇーいッ!」
 手榴弾の炸裂を頭部に食らったマグラーはきりきり舞って、ばったりと倒れる。
「ギャアアオオオォォウ……!」
 イデはジェットビートルを駆って、ギガスの頭上を取った。
「今だ! 強力乾燥ミサイルを食らえ!」
 ビートル底部の弾倉が開き、爆弾が投下。ギガスに命中して爆発すると、ギガスは全身が
急激にひび割れて粉々になった。
 ルイズはゲスラをスーパーガンで撃ちながらゼロに叫んだ。
「背びれが弱点よ!」
 うなずいたゼロがゲスラの背後に回り込んで、素早く背びれを引き抜いた。
「ウアァァァッ……!」
 背びれを抜かれたゲスラはたちまち生命活動を停止し、その場に横たわった。
 アラシはマッドバズーカを肩に担いで照準をケムラーに向けた。
「こいつで泣きどころをぶち抜いてやる!」
 ゼロはすかさずケムラーの背後に飛びかかって、アラシが狙いやすいように甲羅を引っ張って
開き、その下に隠されている核を剥き出しにした。
「助かったぜ! 食らえッ!」
 バズーカから飛んだ弾丸がケムラーの核を見事破壊!
「カァァァァコォォォォォ……!」
 核を撃ち抜かれたケムラーだがその場では往生せず、ほうほうの体で火山まで這っていくと、
自ら火口に飛び込んで姿を消した。
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 最後に残ったレッドキングが猛然とゼロに突進していくが、ゼロは正拳でカウンターして
レッドキングを押し返した。
『てぇあッ!』
 よろめいたレッドキングに、ムラマツ、アラシ、ルイズがスーパーガンを向ける。
「アラシ、フジ君! トリプルショットだ!」
「はいッ!」
 三人がスーパーガンを重ね合わせると、発射される光線も合わさって威力三倍の必殺攻撃と
なり、レッドキングを撃ち抜いた。
「ピッギャ――ゴオオオウ!!」
 トリプルショットをまともに食らったレッドキングは仰向けに倒れ、力尽きた。これで
この場の怪獣たちは全滅した。
「シェアッ!」
 怪獣が全て倒されると、ゼロは空に向かって飛び上がっていった。

 五人のウルトラマンたちの方もまた、怪獣との決着を順次つけていた。
「ジェアッ!」
 飛んで逃げようとするヒドラに放たれたスペシウム光線が命中し、ヒドラは空中で爆発。
「ジェアッ!」
 ケロニアにはウルトラアタック光線が決まり、ケロニアの全身を吹っ飛ばした。
 大阪ではゴモラの頭部にスペシウム光線がヒット。
「ギャオオオオオオオオ!!」
 ザンボラーにもスペシウム光線が炸裂し、全身を炎上させた。
 ウーもまた倒され、五人のウルトラマンは高空で合体して一人のウルトラマンに戻り、
そしてウルトラマンは地上に光の輪を放ってハヤタの姿に戻ったのだった。
 その場に、同じようにゼロから戻った才人が駆けつける。
「ハヤタさん! 変身できたんですね!」
「平賀君……」
 才人に振り返ったハヤタの顔つきからは、勇敢な心がはっきりと見えていた。もう陰鬱と
した表情は、さっぱりとなくなっていた。
「ありがとう。君の言葉が、僕の目を覚ましてくれたよ」
「いいえ。あなたは他ならぬ自身の勇気で復活したんです。俺はそのほんの手助けをしただけです」
 ハヤタに力が戻ったことで安堵した才人だったが、その時ハヤタの流星バッジに着信が入った。
『ムラマツだ。ハヤタ、応答せよ!』
「こちらハヤタ!」
『基地周辺にゼットンが出現! 我々は先に帰投して防衛に当たる。お前もすぐに基地へ
戻って防衛に当たれ!』
「了解!」
 バッジのアンテナを戻したハヤタは、才人と視線を合わせる。
「平賀君、僕に力を貸してくれ!」
「もちろんです!」
 二人はそれぞれベーターカプセルとウルトラゼロアイを取り出し、同時に再度ウルトラマンに
変身を遂げた!
「シェアッ!!」
 二人のウルトラマンはまっすぐ科特隊基地へと飛んでいった。

「ピポポポポポ……」
 科特隊基地はゼットンの襲撃を受けていた。ゼットンの顔面から放たれる光弾によって、
基地が破壊されていく。ムラマツたちが応戦しているものの、ゼットンには敵わず押されていた。
 そこに駆けつけたウルトラマンとゼロ。まずはウルトラマンが高速回転してキャッチリングを
放ち、ゼットンを拘束した。
「ヘアッ!」
 ゼットンはキャッチリングで締めつけられながらも振り返り、ウルトラマンに狙いをつける。
 しかしそこにゼロが飛び込んだ!
『せえええいッ!』
 ゼットンの身体をがっしり捕らえて、高々と投げ飛ばす!
「ピポポポポポ……」
 地面に叩きつけられたゼットンだが、それでもキャッチリングを破って立ち上がった。
その前にウルトラマンとゼロが回り込んで、にらみ合いとなる。
 いよいよ物語のクライマックス。このゼットンを打ち破れば、一冊目の本も完結だ!
「ピポポポポポ……」
 ゼットンはテレポーテーションで一瞬にしてウルトラマンたちの背後を取った。――が、
察知したゼロが瞬時に後ろ蹴りを入れてゼットンを返り討ちにした。
『てぇあッ!』
 ふらついたゼットンに、ウルトラマンが飛びかかって渾身のチョップを食らわせた。
「ヘアァァッ!」
 追撃をもらったゼットンが後ずさりした。この瞬間にゼロはストロングコロナとなる。
『でぇぇぇあぁッ!』
 強烈なパンチが炸裂して、ゼットンは大きく吹っ飛んで地面の上を転がった。
 さすがのゼットンも、二人のウルトラマンを同時に相手することは出来ないようだ。しかも
ウルトラマンとゼロは、即席のタッグとは思えないほどに呼吸がぴったりだ!
『行けるぜ、ゼロ! その調子だ!』
『おうよ! このまま一気に物語のフィニッシュだぜ!』
 ゼロが勇み、ウルトラハリケーンからのとどめを決めようと一歩前に踏み出した。
 だがその時! ゼットンが突如として真っ赤に発光!
『な、何だ!?』
 突然のことにゼロもウルトラマンも驚愕して立ちすくむ。そして赤い閃光が収まると――
ゼットンの姿が一変していた。
「ピポポポポポ……!!」
 体格はひと回り大きくなって、全身を覆う甲殻が増量して厳つくなっている。各部の発光体も
数が増えて変形し、細く尖った形をしている。この変化に合わせるように威圧感もまた増加し、
荒々しい印象を受ける。
 変わり果てたゼットンの姿を目の当たりにしたゼロが叫んだ。
『EXゼットン! 何てこった!』
『EXゼットン!? そんな馬鹿な! この時代には、まだ存在してないはずだろ!』
 混乱する才人。強化されたゼットンは最近になってから確認された存在であり、初代ウルトラマンの
時代である1960年代にはまだ影も形もないはずだ。それがどうして本の中の世界に出てくるのか。
 ゼロがその理由を推察する。
『まさか、本来なら未来の存在である俺たちが本の中に入り込んだ影響でこんな事態が発生
しちまったんじゃ……』
『何だって!? そんなことが……!』
 信じられない気持ちの才人だったが、EXゼットンが出現したのは疑いようもない事実だ。
「ピポポポポポ……!!」
 変身を果たし、力を増したゼットンがゼロたちの方へ足を踏み出し――その姿が忽然と消えた!
「!!」
 ゼットンはまたもゼロの背後にテレポートしていた。再びキックで迎撃しようとしたゼロだが、
「ピポポポポポ……!!」
 ゼットンは出現と同時にスライドしながらゼロに突進し、手に生えた凶険な爪でゼロを
はね飛ばした! ストロングコロナゼロをも上回る凄まじいパワーだ!
『おわぁぁぁッ!』
「ダァッ!?」
 代わってウルトラマンが飛びかかっていくものの、彼も腕の一撃で軽く弾き飛ばされた。
「ウワァッ!」
『ぐッ……せぇいッ!』
 ゼロは地面に叩きつけられながらもゼロスラッガーを投擲したが、それもゼットンの爪に
弾かれてしまった。
「ピポポポポポ……!!」
 ゼットンは倒れているゼロたちに全く容赦がなく、顔面から火炎弾を連射して激しく追撃する。
『うわあぁぁぁぁぁぁッ!』
「ジェアァッ!」
 反撃の余地すらない猛攻を受け、ゼロとウルトラマンは連続する爆炎にもてあそばれる。
二人のカラータイマーが激しく点滅して危機を知らせるが、ただでさえ手強いEXゼットンに
対して、両者ともここまで連戦に次ぐ連戦で疲労が蓄積していたのだ。相手の猛攻撃により、
それが響いてきた。
『ぐッ……! まだ最初だってのに、とんでもねぇピンチだ……!』
 火炎弾に襲われながらうめくゼロ。このままでは本を完結できないどころか、ゼロと才人の
命まで本当に危ない。絶体絶命の状況!
 しかし、この時戦っているのは何もウルトラマンだけではないのだ。そう、科特隊が彼らに
ついている!
「よぉーし! 今イデ隊員がウルトラマンに、スタミナを送って……!」
 イデが携帯していたケースから特殊弾頭を取り出して、スーパーガンの銃口に装着させた。
イデの行動に気づいたアラシが振り返る。
「今まで何か研究してると思ったら、それだったのか」
「アラシ隊員! このスタミナカプセルを、ウルトラマンのカラータイマーに命中させて下さい!」
「そんなことして大丈夫なのか!?」
「大丈夫です!!」
 太鼓判を押すイデ。話している間にもウルトラマンたちはゼットンに追いつめられており、
これ以上問答している余裕はない。
 アラシはイデを信用して、素早くスタミナカプセルをウルトラマンのカラータイマーに向けた。
「行くぞ!」
 発射されたカプセルは、アラシの腕が冴え渡り、見事にウルトラマンのカラータイマーに命中! 
カプセルが炸裂し、解き放たれたエネルギーがカラータイマーを通してウルトラマンに吸収された。
「ヘアッ!」
 すると途端にカラータイマーの色が青に戻り、消耗し切っていたウルトラマン自身も急激に
力を取り戻した。いや、普段以上に力がみなぎった状態になっている!
『!! こ、これは……!』
 驚いたゼロが見上げる先で、立ち上がったウルトラマンにゼットンが火炎弾を放つ。
「ピポポポポポ……!!」
「シェアッ!」
 瞬間、ウルトラマンは八つ裂き光輪を出したと思うとそれを自分の胸の前で回転させる。
その回転が、火炎弾を反射した!
「!!」
 増強されたパワーが仇となり、ゼットンは火炎弾の爆撃を自分が食らって大きくよろめいた。
これに目を見張る才人。
『すげぇ……!』
『のんきに感心してる場合じゃねぇぜ! 今こそチャンスだ!』
 ゼロは即座に通常状態に戻ってスラッガーをカラータイマーに接続、ゼロツインシュートの
構えを取る。
 ウルトラマンは八つ裂き光輪をそのままゼットンへ飛ばした。ゼットンは爪で光輪を破砕したが、
その直後のわずかな隙を狙って、ゼロとウルトラマンの二大必殺光線がほとばしる!
『せぇあああぁぁぁぁぁぁぁッ!!』
「ジェアッ!」
 ゼロツインシュートと、虹色に輝くマリンスペシウム光線がEXゼットンに直撃。これを
食らったゼットンは衝撃で宙に浮き上がると、そのまま壮絶な大爆発! 木端微塵になって
消滅した。
「やったぁぁぁ―――――!!」
『やった……!!』
 大喜びの科特隊。才人とゼロも、彼らと全く同じ気持ちだった。
 才人は本の主人公を立てながらも、自分たちで物語を完結に導かなければならない。そう考えて
この世界にやってきた。しかしながら、本の中のウルトラマンと科特隊は彼ら自身の力でハッピー
エンドを迎えた。物語の中でも、地球の歴史の始まりのウルトラマンと防衛チームは偉大だったと
いうことなのだろう。
 EXゼットンを撃破して、ゼロはウルトラマンと向き合った。ウルトラマンが感謝の意を
表すようにうなずくと、ゼロも同じようにうなずいてそれに応じる。
「シェアッ!!」
 そして二人は天高く飛び立ち、地上から飛び去っていく。
 ――その様子を、ピョンピョン飛び跳ねて見送る赤い影。
「ホアーッ!」
 ピグモンだ。岩雪崩に潰れそうになったその時、ゼロは一瞬ルナミラクルゼロに変身して
ピグモンにエナジーシールドを照射していたのだ。それが盾となって、ピグモンの命をつないだ
のであった。
 ゼロは上空から守った命に手を振ると、ウルトラマンに見送られながらこの地球から飛び
去っていったのだった……。

 ――『甦れ!ウルトラマン』が無事に完結を迎え、才人は現実世界に帰ってきた。
「オカエリー!」
「どうやら、無事に一冊目の本を完結させられたようですね」
 才人の帰還を迎えたのはガラQとリーヴル、それからタバサとシルフィードとハネジロー。
皆才人を待っていてくれていたようだ。
 しかし才人が真っ先にやったのは、ルイズの容態の確認だった。
「ルイズは!? 目を覚ましたか!?」
 バッとベッドの方へ向かったが、ルイズは未だに眠ったままで、良くなっている様子は
傍目からは見られなかった。
 落胆する才人にリーヴルが告げた。
「ルイズさんに精神力の一部が戻ったのは確認できました。しかしやはり、六分の一が戻った
だけでは目に見えた変化はないようです」
「そうか……。なら次の本の完結を……!」
 と言いかけた才人だったが、振り向いた途端にふらついて倒れそうになった。
「うッ……」
 それを慌てて支えるタバサとシルフィード。
「無茶なのね! あなたも大分疲れてるみたいなのね。本を終わらせるの、大変だったんでしょ?」
 シルフィードの言う通りだ。戦いに戦いを重ね、最後はEXゼットンとのバトル。これで
消耗しないはずがない。
「くッ……一冊終わらせただけでこんな調子で、ルイズを助けられるのか……」
 焦燥する才人にタバサが忠告。
「焦ってもしょうがない。無理は禁物」
「お姉さまの言う通りなのね。あなたが倒れちゃったら、桃髪の子だって永遠に助からないのね」
 シルフィードたちの意見にリーヴルも賛同した。
「今日はもうお休みになって、続きは明日からにした方がいいでしょう」
「そうだな……。そうしよう」
 才人は逸る気持ちを抑えて、ふぅ……とため息を吐いて肩の力を抜いた。
 そのままどっかと椅子に腰を下ろすと、タバサが告げる。
「わたしたちは一旦学院に戻る。必要なものがあったら取ってくる」
「ありがとう、タバサ。それじゃお願いするよ……」
 疲弊し切っている才人はタバサの厚意に甘え、ルイズが目覚めた時のための着替えなどの
生活用品を頼んだ。
「お任せなのねー! それじゃお姉さま、行きましょう」
「ん……」
 頭にハネジローを乗っけてシルフィードが退室していこうとする。その後に続くタバサだが、
ふとリーヴルを一瞥して、一瞬だけ訝しむように目を細めた――。


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