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第百十四話「自然襲来」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百十四話「自然襲来」
友好巨鳥リドリアス
地中怪獣モグルドン
電撃怪獣ボルギルス
古代暴獣ゴルメデ 登場



 ……才人がふと気がつくと、いつの間にか自分が懐かしき自分の家にいることを知った。
 台所では、母が料理を作っている。自分は、その様子を後ろから見つめている。
「母さん、何を作っているの?」
「あんたの好きな、ハンバーグだよ」
 そんな何気ない会話が、何故か胸に突き刺さる。母が振り返る。見慣れた母の顔。どこまでも
優しく、穏やかな母の顔……。
「才人、お前、どうして泣いてるの?」
「あれ?」
 才人は目をこする。気づくと、涙が溢れていた。
「変な子だね」
 そう言って笑う母の顔が、いつしかタバサの母に変わっていた。才人は驚いて、叫び声を上げた。

「うわぁ!」
 才人は自分の叫び声でベッドから飛び起きた。
「夢か……」
 脳が覚醒してきた才人は、今の自分の状況を振り返る。アーハンブラ城でタバサを救出したのが
五日ほど前のこと。それからガリアの領土を突っ切り、ゲルマニアのフォン・ツェルプストー領まで
退避することに成功したのだった。懸念されていた道中の敵の追撃は、意外にも一度もなかった。
 そして才人は、今の夢のことを分析する。故郷の夢はリシュの事件の際に何度も見せられたが、
あの件はもう終わりを迎えている。またサキュバスの能力によるものではないだろう。それに
それ以前に一度だけ、母の夢を見た記憶がある。ヤプール戦後の、瀕死のところをティファニアに
助けてもらって一時的にルイズたちと離れていた時だ。
 それ以外に自然に故郷のことを思い出すことは、不思議とほとんどなかった。もう大分長いこと
ハルケギニアに滞在しているというのに……。自分は自分で思っていた以上に薄情な人間だったんだろうか、
と才人は一瞬思ってしまった。

 フォン・ツェルプストーの屋敷にかくまってもらってから、ルイズはまずアンリエッタの元へと
タバサ救出作戦が成功した報告の手紙を送った。しかし自分たちは名目上国家反逆罪。その処罰は
如何なるものが下されるのか。
「でもぼくたちは、ガリアの元王族をトリステイン側に引き入れた形になるんだよ。政治的に
悪い話じゃない。むしろ勲功と言ってもいいくらいだ。差し引きで賞罰なしという落としどころに
なるんじゃないかな」
「あのお優しい女王陛下が、理不尽なお裁きをされるはずがないよ。特にルイズ、きみは陛下の
ご友人なんだから」
 ギーシュとマリコルヌはそんな風に気楽に構えていたが、アンリエッタからの返信を一読した
ルイズは、途端に真っ青になったのだった。
 返信の手紙には短く、一行だけこう記されていた。『ラ・ヴァリエールで待つ アンリエッタ』。
「あら、よかったじゃない。あなたの実家、すぐ隣じゃない。面倒がなくっていいわね」
 キュルケはとぼけた声で言ったが、ルイズはぽつりとつぶやいた。
「実家はまずいわ。わたし、殺されちゃう」

 そんなこんなで、ルイズたちはフォン・ツェルプストーからラ・ヴァリエール領へ向けて
出発した。一行の中でだけ、タバサの母親だけは屋敷に残してきている。彼女のことは
ミラーナイトたちが交代で警護することになったので、とりあえずは安心していいだろう。
 タバサはこっちに同行していた。キュルケは母親と屋敷に残るように勧めたのだが、何故か
頑なに拒んだのだった。
「なぁルイズ。お前、どうしたんだよ?」
 道中の馬車の中、ルイズはずっと震えっぱなしだった。そのことを才人たちは不思議そうに
見つめていた。
「アーハンブラ城に乗り込む時より、怖がってるじゃない。そんなに実家に帰るのが嫌なの? 
変な子ね」
 呆れたようにため息を吐くキュルケ。才人は、ガリアに侵入したことを家族に怒られるのが
怖いのだろうかと思った。
「でもまぁ、取って食われる訳じゃないだろ。こないだ、参戦の許可をもらいに行く時だって、
そんなに怖がってなかっただろ」
「事情が違うわ」
 ルイズは、震える声でつぶやいた。
「事情?」
「こないだは参戦の許可をもらいに行ったのよ。“規則”を破った訳じゃないでしょ」
「規則というか、法律を破って怒るのは姫さまや王政府だろ? そりゃ、お前の父さんや
姉さんも怒るだろうけど」
「それどころじゃないわ。わたしの家には、規則を破ることが、死ぬほど嫌いなお方がおられるの」
 ルイズは両手で自分を抱きしめ、更にひどく震え始めた。
「な、何だよ! そんなに怖いのかよ! 一体どっちなんだ? お前の父さんか? それとも、
あの姉さんか?」
「か、かかか」
「か?」
「母さまよ」
 才人は、ルイズの母親のことを脳裏に蘇らせた。エレオノールに似た感じではあるが、
家族が集まった席では大人しく座っていただけだった。そんなに怖い人物にも思えない。
 ……いや、重大なことを忘れていた。その後のシャプレー星人襲撃でのこと。彼女は才人が
他に見たことがないほどの凄まじい風魔法を操り、シャプレー星人を一方的に屠ってギラドラスを
弾き飛ばしたのだった。
 その時にルイズが言っていた。母は、先代マンティコア隊隊長“烈風”カリンだと……。
 周りもルイズの母が“烈風”だと知るや否や、一気に色めき立った。それほど“烈風”の名は
トリステインで有名なのであった。
 ルイズは続けて告げる。
「で、当時のマンティコア隊のモットーが、“鋼鉄の規律”なのよ。母さまは、規律違反を
何より嫌っているの」

 馬車はいよいよラ・ヴァリエールの城に近づいてきた。城の高い尖塔が見えてくる。
 馬車の中はすっかりと重苦しい沈黙に包まれていた。それを破って、才人が口を開く。
「な、なぁルイズ……。お前の母さんが、マンティコア隊の“烈風”殿だとしてもだよ? 
三十年も経てば、人間も変わるだろ? 確かに昔は怖い怖い騎士さまだったかもしれないけど、
今はいい年なんだから、そんな無茶しないよ。罰って言ったって、せいぜい納屋に閉じ込める
ぐらいだよ」
 だがルイズは臨終の床の重病患者のように言った。
「あんたは、分かってないわ。分かりやすく言うと、わたしの母よ。あの人」
 その言葉に、馬車の中の全員が緊張した。才人はその空気に耐えられなくなり、大声で笑った。
空元気である。
「あっはっは! そんなに心配するなって!」
「そうそう! いくら伝説の烈風殿だって、今じゃ公爵夫人じゃないか! 雅な社交界で、
戦場の垢や埃もすっかり抜け落ちてしまったに違いないよ!」
 ギーシュが唱えた時、急に馬車が停止。同時に馬車に大きな影が覆い被さった。
 才人は一瞬、既視感を覚えた。
「ピィ――――――!」
 直後に、自分たちの前に青い鳥型の怪獣が着地した。ルイズと才人はその怪獣を知っている。
リドリアスである。
「ピュ―――――ウ!」
「グイイイイイイイイ!」
 更にモグルドン、ボルギルスものっしのっしとこの場に現れた。ルイズたちの到着を知って、
出迎えに来てくれたようだ。
「ひぃぃッ! 怪獣!?」
「あッ、みんな待って! この怪獣たちは危険じゃないのよ」
 リドリアスたちのことを知らないギーシュらが震え上がって逃げようとするのを、ルイズが止めた。
才人は先ほどの話の流れも忘れて、馬車から出てリドリアスたちの前に立つ。
「お前ら! 俺たちのことを覚えててくれたのか!」
「ピィ――――――♪」
 リドリアスは顔を才人に近づけて甘える。
「あはは、そうかそうか。かわいい奴らだな♪」
「グウワアアアアアア!」
 怪獣たちの中にゴルメデも混じってきた。
「お前、あれからここに居ついたんだな」
「サイト君」
 リドリアスの背中から、一人の男性が降りてきた。ヤマノ医師……ハルケギニアに流れ着いて、
ラ・ヴァリエールの掛かりつけの医者となったキュリア星人である。
「ヤマノ先生、お久しぶりです! でもどうしてここに?」
「あー、それはだね……これから起こることのために、医者があらかじめいた方がいいだろうと
思って来たんだ。どうにか奥さまより先に到着できたようだ」
 その言葉を聞いて、才人はこれから待ち構えていることを思い出して白目を剥いた。
「せ、先生……これから起こることって……!」
 ヤマノは才人の問いに答えず、代わりに忠告した。
「いいかね? なるべく姿勢を低くしておくように! ボーッと突っ立っていたら吹き飛ばされて
しまうよ!」
「そんな嵐が来るみたいなこと!」
「いかん! 悪いが私は退避させてもらうよ。どうにか怪我を少なく済むようにしてくれ!」
 慌てて脇の林の中へ逃げていくヤマノ。四体の怪獣たちも、散り散りになって避難していった。
直後に、馬車道の先から巨大な竜巻がこちらに向かってものすごい勢いで向かってきた。
 シャプレー星人やギラドラスに向けられたものと、まるで見劣りしない規模であった。
「ぎゃあああ――――――――――――――――――――ッ!!?」
 嵐が来る方がまだマシであった。

 才人たちは、“烈風”カリンの苛烈さが実力同様全く衰えていないことを、たっぷりと
思い知らされる結果となった。
 しかしルイズの盾となった才人が受け止めた竜巻は、反射的にルイズが唱えたディスペルに
よってかき消された。それにカリーヌが驚いて杖を止めた隙にアンリエッタが慌てて仲裁に
入ったことで、彼女の強烈な処罰は終わりを迎えた。
 娘への罰としてはあまりに過激なようであったが、ここまでのことがされたという事実があれば、
ルイズたちへの処分に関して異を挟む者が現れることはないだろう。カリーヌはアンリエッタの
顔を立てながら、彼女がルイズたちを不問に処し、それぞれのマントを返すことが出来るように
取り計らったのだった。
 そしてルイズが“虚無”の担い手であることが、ディスペルによってとうとう彼女の家族に
知られることとなった。しかしルイズの家族は、それを問題なく受け入れた。ラ・ヴァリエール
公爵などは、アンリエッタがルイズを戦争の道具として扱うならば、長年の忠誠を捨てて国に
反逆するとまで言い切った。それはまさしく、父としてルイズを深く愛しているという証拠であった。
 才人はルイズの家族の愛情に感動を覚えるとともに、心のどこかで何かちくりとするものを
感じていた……。

 その後、コルベールがアニエスに連れられて一行の無事を確認しにやってきた。彼はどうにか
アニエスと和解できたようだ。結果的に何もかもが上手く行って、万々歳であった。
 ……しかし、才人は心のどこかにかすかなしこりを残したまま、夜間にヤマノの医務室で
カリーヌから受けた傷の上に巻いた包帯を交換してもらっていた。
「あいっだだだ……!」
「大丈夫かい? いやしかし、ひどい傷だな。奥さまも無茶をなさる」
 ヤマノが包帯を取り外し、看護服姿の少女の持つ盆に乗せた。……使用人だとしても大分
幼い見た目の少女である。
「ヤマノ先生、その子は?」
「ああ、彼女はエルザ。色々あって、私の助手をしてもらってるんだ。言っておくと、エルザは
人間とは異なる種族で、私同様見た目通りの年齢ではないよ」
 とヤマノは紹介した。その少女エルザは、受け取った血がにじむ包帯を見下ろし、次いで
才人の身体の傷痕に視線を移した。
「血……」
 ゆっくりと才人に近づこうとしたエルザを、ヤマノが制した。
「やめなさい、エルザ」
「舐めるだけでも……」
「駄目だ。彼は怪我人だ。分かるね? 必要な分はちゃんと与えてるだろう」
 才人はこのやり取りに冷や汗を垂らした。エルザという少女、一体どういう種族なんだろうか。
 そんなことをしていたら医務室の扉がノックされ、カトレアが中に入ってきた。
「ヤマノ先生、ルイズのナイトくんの容態はどうでしょうか」
「カトレアお嬢さま」
「か、カトレアさん」
 才人はカトレアと間近に向き合ってドギマギした。ルイズから険しさを抜いて成長させたような、
全身から包容力を醸し出している彼女は才人の好みを直撃するので、不意に目の前に現れられると
息が詰まりそうになるのだ。
「傷は完全には塞がってませんが、全て急所は外してます。しばらくはところどころ痛む
でしょうが、生活する分には何ら問題はありませんね」
「よかったわ。ごめんなさいね、母さまが手荒なことをしちゃって。悪い人ではないのだけど、
ちょっと融通が利かないお人なのよ」
 謝るカトレアに、才人は愛想笑いを浮かべた。
「ルイズのお母さんですから。仕方ないですよ」
 カトレアもあはは、と笑い、椅子に腰を下ろして才人に話しかけてくる。
「あれから、色々大変だったんでしょう。アルビオンでは、随分と危険な目に遭われたとか。
わたし、随分心配したのよ。あなたとルイズのこと」
 才人はカトレアたちに、屋敷に参戦の許可をもらいに来てからのことをざっと説明した。
戦争のことや、行方不明になったこと、タバサを助け出す冒険のことにカトレアたちは驚き、
感心し、才人の活躍を褒めたたえた。
 才人はそんな風にカトレアと話していると、ふと母親のことを思い出した。先ほどルイズの
家族の時も、かすかに地球の母のことが頭によぎったが、今は母の記憶がどんどんと脳裏に
膨らんできて、いつの間にか押し黙っていた。
「どうしたの?」
 カトレアに尋ねられると、才人は慌ててごまかす。
「ご、ごめんなさい! 何でもないです!」
「そんな顔はしてなかったわ。どうしたの? 話してごらんなさいな」
「何か悩み事でもあるのかな。他言なんてしないから、私たちに打ち明けてみたらどうだい? 
抱え込んで精神を弱らせたら、傷の治りも悪くなってしまうよ」
 カトレアとヤマノの勧めにより、才人は母のことを考えていたことを話すことにした。
「……どうして、どうして思い出すんですかね。こっちに来てから、あんまり思い出したり
しなかったのに。変だな。ずっと忘れてたのに、どうして今になって思い出すんだろう」
「あんまり、ということは、前にも思い出したことはあったのかい?」
 ヤマノの聞き返しに、才人はうなずく。
「さっき言った、アルビオンで行方不明になってた時に。でもそれからはずっと思い返した
ことはなかったのに。まぁあれこれと毎日のように忙しかったというのもあるんですが……
今も、安心して気が緩んだからでしょうかね」
「ふむ……」
 才人の告白に、ヤマノは腕を組んで考え込む。
「望郷の念は、人間として自然な感情だ。むしろ、故郷を懐かしく思わない方が自然ではないさ。
君もこっちに来てから長いんだろう? 別におかしなことではないさ」
「はぁ……まぁ、そうかもしれませんね」
「と言うより、今日までで一度二度くらいしか故郷のことを意識しなかったというのがいささか
妙ではあるね。君くらいの年頃なら、もっと思い出してもいいくらいだろう」
 ヤマノの言葉に、カトレアが告げる。
「きっと、抑えられていたんだと思いますわ」
「抑えられていた?」
 尋ね返す才人。
「ええ。人間の心ってよく出来ていてね、何かつらいことや、とんでもないことが起こると
鍵が掛かっちゃうの。おかしくならないためにね」
「……」
「きっと、いきなり別の世界に連れてこられて、心がびっくりしたんだわ。で、故郷のことを
なるべく思い出さないように鍵が掛かってしまったのね。でも、何かきっかけがあったのね。
心の鍵を外すきっかけが……」
 カトレアの言葉に、才人はタバサの母とのやり取り、ルイズの両親との絆を目にして、
内心抑え込まれていた想いが蘇ったんだろうと感じた。アルビオンでの時も、子供たちと
家族のように暮らすティファニアの様子に触発されたのだと判断する。
 才人はあらためて、地球に残している自分の家族のことを意識し、表情を曇らせた。それを察した
カトレアは、才人に申し出た。
「つらい時は、いつでもわたしに甘えていいのよ。お母さんの代わりは無理だけど、わたしが
お姉さんになってあげるから」
「あ、ありがとうございます」
 カトレアの温情に才人は照れくさく感じながらも、重くなっていた心が明るくなっていくのを
感じ取った。
「でも、今は甘えてばかりはいられません。ルイズの力を……あの“虚無”を狙っている奴が
いるんです。そいつはタバサとそのお母さんにもひどいことをした。そいつをやっつけて
ルイズを守り抜くまでは、俺はしっかりしてないと」
 才人は心に使命感を滾らせてそう言った。カトレアは才人を軽く抱きしめて、言い聞かせる。
「無理はしないでね。わたし、あなたやルイズが無事でいてくれれば、他に何も望まないわ」
「カトレアさん……」
 ゆったりとカトレアのぬくもりを肌で感じていた才人だが……いきなりヤマノが目を見開いて
席を立った。
「ヤマノ先生? 急に怖い顔をしてどうしたの?」
「……遠くから、何か不吉な気配を感じました」
 窓を開け放つヤマノ。見れば、エルザも何やら警戒しているような、怯えているような
様子をしている。
「精霊の動きがおかしい……。精霊の声が、変に歪んでいく……!」
 才人は彼らの反応に危機感を抱くと、カトレアから離れてヤマノとともに窓から夜空の果てを
見つめた。そうして、空に異常があるのを確かめて驚く。
「! 黒い雲が……いや、台風がこっちに近づいてくる!」
 ラ・ヴァリエール領の風景の空の雲が急激に渦巻いていき、風が猛烈に吹き荒れる。丸きり
台風の予兆であった。しかし、季節はまだ春を迎えようとしている頃合い。そんな時期に、
あんな大きな台風が発生するものだろうか。
 そして強風と同時に、医務室内の気温が異様な勢いで上昇していくのを感じた。どうやら熱波が、
台風と同じ方角から押し寄せているようなのだ。
「あッ……!」
「カトレアお嬢さま!」
 身体の弱いカトレアが、急な熱波に当てられてよろめいた。ヤマノが咄嗟に彼女を抱き止めて支える。
「どうなってるんだ……。異常気象か? いや、それにしたって異常すぎるぜ……」
 更に才人の視線の先で、もっと異常な事態が起こり始めた。
 領地の雄大な森から、更に巨大な木々が目に見えるほどの速度で生えていき、既存の木々を
呑み込むようにしながら成長していくのだ。まるで別の森が、元あった森を侵蝕しているようであった。
「な、何だありゃ!」
 才人は驚愕するとともに、今起きていることが自然現象などではないことを確信した。
何かの力の作用により、異常事態は人為的に引き起こされていると。
「ピィ――――――!」
「ピュ―――――イ!」
「グイイイイイイイイ!」
「グウワアアアアアア!」
 外からリドリアス、モグルドン、ボルギルス、ゴルメデの咆哮が聞こえてきた。それらには、
明確な警戒と恐怖の色が表れていた。
 台風と熱波と異常な森が、ぐんぐんとラ・ヴァリエールの城へと押し寄せてきた。


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