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第百十二話「あなたは……だれ?(前編)」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百十二話「あなたは……だれ?(前編)」
集団宇宙人フック星人 登場



 艱難辛苦を乗り越えて、タバサ親子を救出することに成功した才人たち。しかしガリア王国を
抜けないことには、安心することは出来ない。そういうことなので、才人たち一行はひとまず
キュルケの実家のフォン・ツェルプストーの城を目指し、ガリアとゲルマニアの国境へと馬車の
進路を向けていた。
 その道中、荷台の中の才人とルイズは水のルビーを通して、ミラーナイトと話をしていた。
『そうですか、無事にタバサさんを救い出せて何よりです。サイトもルイズも、よく頑張りましたね』
「でも、まだガリアを脱出するまでは安心できないわ。わたしたちがタバサを奪還したことで
検問も張られてるでしょうし、それを無事に突破できればいいんだけど……」
「ガリア政府も、また新しい怪獣を差し向けてくるかもしれねぇ。用心しとかないとな……」
 不安が残るルイズたちに、ミラーナイトは告げる。
『いざという時は、私たちも助力します……と言いたいところですが、ガリア政府は想像以上に
厄介な相手のようです。すみませんが、私たちの助けはあまり期待しないでいて下さい』
「どういうこと?」
 ルイズが聞き返すと、ミラーナイトはゼロがゴーデス怪獣と戦っていた時に、彼らウルティメイト
フォースゼロに降りかかっていた事態を打ち明けた。
『ルイズが誘拐されかかった時とタバサさんの救出作戦の時の両方、私とジャンボットと
グレンファイヤー、三人とも同時に出現した怪獣の退治をしてたんです』
『それでお前たちの救援がなかったのか』
 つぶやくゼロ。
『ええ。四つの場所で怪獣が同時出現するという事態が二度も起こるなんて偶然は考えられません。
これはガリア政府の策略と見ていいでしょう』
『俺たちを分断するためにか……。確かに、ガリアは俺たちが考えてたよりもやばいかもしれないな』
『はい。……今もなお、どうしてガリアが怪獣を操れるのかが不明ですし、今度はどんな手を
打ってくるものか、予測がつきません。故に、どんな小さな異常の兆候も見逃さないように
くれぐれも気をつけて下さい』
 ミラーナイトの警告を受けて、才人は大きく顔をしかめた。
「死ぬような思いしてヤプールをやっつけたのに、まさかそれに劣らないような敵が現れるなんてな。
さすがにそういうのは嫌になるぜ……」
 ぼやきながら、ふとタバサの方に目を向けた。タバサは母親に寄り添いながら、安らかに
寝息を立てていた。
「よく眠ってるな、タバサの奴」
「一度怪獣の体内に呑み込まれたものね。その時にかなりの負荷が掛かったんじゃないかしら」
 あれからまだ一度も目を覚まさないことにはいささか心配されるが、タバサの寝顔には
大きな安堵の色があった。自分たちが助かったことを、無意識に理解しているのだろうか。
 とりあえず、タバサ自身は大丈夫そうだと才人は感じた。
「パムー」
 そして眠るタバサ親子の上に、黄色い小動物が乗っかっている。この生き物についてルイズが
才人に尋ねた。
「ところで、あの生き物は何なのかしら。アーハンブラ城跡で急にどこからか出てきたかと思えば、
ずーっとタバサにくっついて離れようとしないし。サイト、あれのこと知らない?」
「いや……端末に情報はないな」
『俺はダイナから、あんな生き物の話を聞いた覚えがあるぜ。確か、ハネジローって名前だったかな』
「ハネジロー? 変わった名前ね……」
 ルイズたちのひそひそ話を子守唄代わりにしながら、タバサは深い眠りに就いている。
 そしてタバサは夢を見る。過去の記憶、自分が経験した冒険の一部の夢を……。

 ヤプールとの決着がついた、アルビオン戦役の以前のこと――。
「キャア―――ッ!」
「キャア―――ッ!」
「キャア―――ッ!」
 深夜のトリステインの村の外れで、ウルトラマンゼロが三人の宇宙人に囲まれていた。
 目が退化したコウモリのような首の宇宙人、その名はフック星人。宇宙人連合の構成員であり、
一つの村を丸ごと利用した侵略計画を進めていた。その内容とは、夜な夜な村の住人を全員偽の村に
移し、本物の村にはハルケギニアを攻撃する秘密基地を建造するという大胆不敵なものであった。
 しかしこの村出身の商人が、夜間に村に帰ってきたことをきっかけに計画は露呈することとなった。
昼に村にいなかった商人のことを、村人に化けたフック星人は誰も知らず、その異常の話がゼロの元まで
届いたのだ。父セブンからフック星人の話を聞いていたゼロはすぐに事件の真相に行き当たり、フック星人の
侵略計画を叩き潰すために夜の村に乗り込んだ。そしてフック星人は最後のあがきとして、巨大化して
ゼロとの交戦を開始したのだった。
「キャア―――ッ!」
「フッ!」
 フック星人の集団は一斉にゼロに飛びかかる。だがゼロは宇宙空手の達人、一人一人に
的確に打撃を入れて瞬く間に返り討ちにした。
「キャア―――ッ!」
 しかしフック星人も後がないため、そう簡単には倒れない。身軽な動きでゼロの周囲を跳び回り、
翻弄しようとする。
『そんなことしたって無駄だぜ! お前らの弱点は知ってるんだ!』
 だがゼロは慌てず、フック星人を一網打尽にするための攻撃を放った。
「シェアッ!」
「キャア―――ッ!!」
 全身をスパークさせて、まばゆい閃光を発する! これを浴びたフック星人は頭を抱えて苦しみ、
バタバタと地面に倒れ込んだ。
 夜行性のフック星人は、強烈な光にひどく弱いのだった。
『フィニッシュだぁッ!』
 両腕をL字に組んだゼロは、スリーワイドゼロショットを発射。それが全フック星人に命中し、
フック星人は消滅したのだった。
 かくしてフック星人は全滅した。朝になれば村にもトリステイン軍の手が入り、村は元の平和を
取り戻すことだろう。
「……キャア―――ッ……!」
 だがしかし……! 実は一人だけ、フック星人が生き残っていたのだ! 森の中に身を
潜めていたフック星人は、いずれゼロとハルケギニア人たちに復讐することを誓いながら、
夜の闇の中に消えていった……。

 それから時間が経ち、死んだと思われた才人がトリステインに帰還した後のこと――。
 ガリア南部の山地の中にあるアンブランという小さな村の入り口前で、グレンとタバサ、
シルフィード一行は鉢合わせた。
「おう、お前ら! 久しぶりじゃねぇか!」
「あッ、グレン」
 人間に姿を変えたシルフィードがグレンに手を挙げ返してから、首を傾げて尋ねかけた。
「わざわざこんな辺鄙なところに、何の用なのね?」
 アンブランは三方を山に囲まれた、陸の孤島のような場所だ。一番近い街からでも、徒歩で
三日も離れている。何の用事もなしに来る場所ではない。
 そのことについて、グレンはこう答えた。
「風の噂でな、この村がコボルドってのに狙われてるって聞いたもんだから、やっつけに
来たって訳よ。お前らも同じなんじゃねぇのか?」
「さすが鋭いのね。その通りなのね」
 タバサたちも、コボルド退治の任務でこの地にやってきたのだ。トリステインの戦争も
終わったことだし、これともう一つ、引きこもりの貴族の子をどうにかする任務を済ませたら
魔法学院に戻るつもりでいる。
「でも頼まれてもいないのにこんな山の中にまで、よく来るのね」
「場所は関係ねぇよ。困ってる人がいるのならどこにだって駆けつける、それが俺たちだぜ! 
何より、コボルドどもはこの村の人たちのほぼ全員に、無条件降伏しろなんて無茶な脅迫を
してんだろ? ますますほっとけねぇぜ!」
 義勇に燃えるグレン。彼の言う通り、アンブラン村を狙うコボルドは事前に、村に降参して
自分たちの身柄を差し出せという無茶苦茶な要求を突きつけたのだった。それが呑めなかった場合は、
コボルドは村を力ずくで壊滅させるつもりなのだ。
 タバサはこの脅迫を、いささか奇妙に感じていた。コボルドは知能が発達した亜人ではないので、
普通は脅迫なんて高度なことは出来ない。可能なのは、稀に生まれてくる先住魔法を操るほどの知能を
持ったコボルド・シャーマンだが……何故わざわざ戦力を明かすような真似をするのだろうか。自分たちが
倒されない絶対の自信でもあるのだろうか?
「ところでグレン、前会った時より何だか元気そうね」
「ああ。実はサイトの無事が分かったんだぜ! そこからも色々あってさ。まぁその辺は
追々話そうじゃねぇか……」
 グレンとシルフィードが和気藹々と会話しながら、三人は入り口の門をくぐってアンブラン村に
足を踏み入れていった。

 アンブラン村は街から離れた小さな村であるが、意外と栄えていた。村人たちは、別の土地から
来た人間が珍しいのか、タバサたち三人を人なつっこい顔で見つめている。
「何だか随分とのんびりしたところなのね」
 シルフィードも彼らの朗らかな雰囲気に当てられたのか、気軽な感じでつぶやいた。
 が、グレンはいやに神妙な顔になっている。
「……」
「あれグレン、そんな顔してどうしたのね? まだコボルド退治は始まってないのね」
 シルフィードが気づいて問いかけると、グレンはぼそりとつぶやいた。
「……何か、のんびりとしすぎじゃねぇか? 村全体が脅迫されてるってのによ、不安の色が見えねぇぜ」
「あッ。まぁ、言われてみたらそうだけど……そういう土地柄なんじゃないのかしら。そこまで
気にするようなことでもないと思うのね」
「そうかねぇ……」
 不思議そうに首を傾げるグレン。
「なーんか、変な引っ掛かりみたいなもんも感じるんだけどよ……。気のせいかね」
 タバサは内心、グレンの言葉に同意した。彼女もまた、この村には妙な違和感を覚えていた。
村人たちに、特段おかしいところがある訳ではないのだが……。
 ともかく村で一番立派な屋敷へと向かって進んでいると、その方向から時代がかった甲冑に
身を包み、槍を持った老人が忙しなく走ってきた。
「怪しい者ども! 名を名乗れ!」
 老人に槍を向けられるタバサたち。すると村人の男が呆れた声で老人をたしなめた。
「ユルバンさん、このお嬢さまは貴族ですよ。恐らく、お城からいらした騎士さまでしょう」
 ユルバンと呼ばれた老戦士はタバサを見つめる。
「ふむ……よくよく見ればマントをつけておられるな。だが、貴族さまといえど、わしの許可
なくしてこのアンブランに立ち入ることは許されぬ!」
「そう言うあんたは何者なんだ?」
 グレンが問い返すと、ユルバンは名乗りを上げた。
「わしはユルバンと申すもの。恐れ多くも領主のロドバルド男爵夫人よりこの槍を与えられ、
このアンブラン村の門番件警士として治安を預かっておる。わしの言葉は男爵夫人の言葉と
心得られよ。さて、神妙に名乗られ、当村にやってきた理由を述べていただきたい」
 シルフィードがコボルド退治で派遣されてきた件を話すと、ユルバンは何故かたちまち顔を歪ませた。
「うぬぬぬぬぬぬぬ! あれほどわし一人で十分だと申し上げたのに……ロドバルドさまは、
まだこのわしが信用ならぬとおっしゃるのか! ええい!」
 ユルバンはひょこひょこと来た道を引き返していった。グレンは周りの村人に質問する。
「あの爺さん、やたら偉そうだが一体何なんだ?」
「あのユルバン爺さんは、この村を守っている兵隊なんだが……未だに自分が優秀な戦士だと
思ってるんだよ」
「昔は相当な使い手だったらしいが、今はあの通りさ」
「一人でコボルド退治に行くって息巻いていたんだが、年寄りの冷や水もいいところだ。
いやあんた方が来てくれて助かったよ。あと三日もすればあの爺さん、痺れを切らして
飛び出していっただろうさ」
 笑う村人たちだが、その言葉に貶す響きはなかった。村人からは愛されているのだろう。
 タバサたちはそのまま、ユルバンの背中を追いかけて屋敷に近づいていった。

 屋敷の主人は、銀髪の老婦人であった。彼女がユルバンの言った、ロドバルド男爵夫人であるらしい。
 ロドバルドはタバサたちに、コボルド討伐依頼の説明をした。コボルドの群れは村から
徒歩で一時間ほど離れた廃坑に住み着き、まだ村は襲われていないが、夜な夜な数匹の偵察隊が
様子を探りに来るという。要求が受け入れられる気配がないと分かれば、すぐにでも村に攻め込んで
きそうな雰囲気のようだ。
 コボルドは夜行性なので、攻め入るなら日が出ている内だ。ロドバルドはタバサたちに、
村に泊まって夜が明けてから討伐をすることを勧めた。もちろんタバサは承諾した。
 と、説明が済むとグレンがロドバルドに質問を投げかけた。
「ところで奥さん、コボルドは村の人たちの身柄を要求してるけどよ、それが何でなのかは分かんねぇか?」
 村の人間をどうにかしてしまうつもりなら、脅迫などせずとも直接攻め入った方が効率的だろう。
そうしないということは、何らかの理由があるということになるが。
「……いえ、わたしには皆目見当がつきません。ただ、この村にはかつて『アンブランの星』という
大きな“土石”の結晶がありましたが、故あって使い果たしてしまいました。もしかしたら初めの
目的はそれで、今はないことを嗅ぎつけて腹いせにそのようなことを言い出したのかもしれません」
「そっか……」
 今度は、ロドバルドがタバサたちに告げた。
「先ほどのユルバンのことでお願いがあるのですが……。恐らく『自分も連れていけ』と
あなた方に言うと思います。その際、きっぱりと断っていただきたいのです」
 タバサは、じっとロドバルドを見つめた。
「あの通り、ユルバンはかなりの年でございます。本人は未だ若い者には負けないと申して
おりますが……亜人相手の実戦には耐えられないでしょう。彼は何十年も、わたしたちのために
尽くしてくれました。今や、夫も子もいないわたしには、家族のようなものなのです」
「……」
 ロドバルドの、ユルバンに対する慈愛で満ちた言葉を受けて、グレンは何やら思案に耽って腕を組んだ。

 その後、果たしてロドバルドの言葉通りに、ユルバンはタバサたちに討伐に連れていって
くれるように、必死に頼み込んできた。
 ユルバンのその熱意は、かつての失態を取り返すためだと本人が語った。二十年前、今回のように
コボルドの群れがアンブラン村を襲い、立ち向かったユルバンだったが敵の棍棒の一撃でたちまち
昏倒してしまった。気がついた時には、コボルドの群れはロドバルドが退けていたが、彼女はその代償で
魔法を使えなくなってしまった。ユルバンはそのことを悔い、今回で名誉挽回をするつもりなのだった。
 タバサはそれよりも、ロドバルドが魔法を使えなくなったということを気に掛けた。たとえ
どんな重傷を受けようとも、普通は魔法が使えなくなるほどの後遺症は出ない。もっともユルバンが
嘘を吐くとも思えないので、何か他に魔法を使えない理由があるのかもしれないが。
「後生です。わしを連れていって下され。なに、足手まといにはなりませぬ! こう見えても、
鍛錬を怠ったことはありませぬ! 騎士さま方に迷惑は決してかけませぬ故! なにとぞ!」
 懸命に頭を下げるユルバンに対して、タバサに代わってグレンが言い放った。
「じゃあ、足手まといにならないっていう証拠を見せてもらおうじゃねぇか」
「と、言うと?」
「ちょいと表出な。力試ししようぜ」

 屋敷の中庭で、タバサとシルフィードが見守る中、グレンとユルバンは対峙していた。
グレンがルールを説明する。
「いいか、あんたが俺にその槍で一撃でも入れることが出来たんなら討伐に連れてってやるよ。
ただし、槍を落としたらあんたの負けだ、きっぱりとあきらめな。自分の得物を落とすことは
すなわち戦士として負けだってことは、あんたほどの奴なら分かるだろ?」
「無論! わしの腕が真に若い者にも負けんということを、この勝負で証明してみせよう! 
すまぬが、素手相手といえど、わしの名誉のために加減はせんぞ」
「なに、全然構わねぇさ。本気のあんたじゃなきゃ、この勝負意味がねぇや」
 グレンがぐっと拳を握って構えると、ユルバンは槍を構えてまっすぐに突進してきた。
「たああああああッ!」
 しかしグレンは少しもひるまず、槍を手で掴んであっさりと止めた。
「何ッ!?」
 そのままグイッと槍を引っ張り、ユルバンを自分の方へ引き寄せる。
「ぬおおおおッ!」
 ユルバンを強引に間合いに入れると、すかさずチョップを仕掛けてユルバンの槍を握る手を強打した。
「ぐあぁッ!」
 ユルバンは衝撃に耐えられず、たちまち手を放してしまった。ユルバンが真っ青になる内に、
グレンは槍をひったくって投げ捨てた。
 あっという間の決着であった。
「あ、ああ……」
「……こいつで分かったろ。あんたを連れてけねぇ理由」
 がっくり、とその場で膝を突くユルバン。グレンはうながれる彼に言い聞かせる。
「これがあんたの現実だ。そりゃあ確かに、その歳になっても鍛えてはいるんだろうさ。
だが老いってのは、現実ってのは残酷なもんだよ。どんなに頑張っても、肉体の衰えってのは
どうにも止められねぇもんだ。あんたの身体も、こうして俺に簡単に負けるぐらいに衰えてたんだよ」
「……無念……。やはりわしは、あの時と同じ役立たずであったか……」
「俺が言うのも何だが、んな落ち込むなよ。男爵夫人はあんたに期待してねぇとか、そんなんじゃねぇ、
純粋にあんたに生きててほしいって思ってるから、あんたに討伐を許さないんだぜ。男爵夫人にとって、
あんたはそれだけ大きな存在だってことだよ。そこはあんた自身も誇るべきだ」
 グレンは優しい声で説いた。
「戦いってのはよ、何も敵を倒すことや名誉を回復することだけじゃねぇんだぜ。大事な人を
悲しませないようにするために、自分の命を守り抜くこと。これだって立派な戦いなんだ。
コボルドは俺たちが責任もって退治するから、あんたは自分の命を守って、男爵夫人を
悲しませないようにする戦いに励みな。男爵夫人の笑顔守れんのは、俺たちじゃねぇ、
あんたにしか出来ねぇことなんだからな」
 グレンの説得を、ユルバンがどこまで納得したのかは知らないが、彼は名誉を懸けた勝負で
負けたのだ。ベテラン戦士として、勝負の上での約束を破ることはしないだろう。
 グレンがユルバンを残してその場を後にしようとすると、彼をロドバルドが待っていた。
「戦士さん、ありがとうございます。ユルバンを止めてくれて」
「いや、礼なんかいいぜ。そもそも、俺が勝手なことをした訳なんだしさ」
「それでも言わせて下さい。恐らくあなたが考えてる以上に、ユルバンの存在はわたしたちに
とって大切なものなのです。彼の命が守られることの他に、嬉しいことはありません」
 随分と大仰なことを語るロドバルドの背中を、タバサがじぃっと見つめていた……。


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