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第百五話「魅入られた少女」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百五話「魅入られた少女」
毒ガス幻影怪獣バランガス 登場



 リシュの引き起こした事件が解決し、クリスが帰国してからしばらく経ったある日のこと。
朝もやの中、ヴェストリの広場に、一人、一人と生徒が現れた。いずれも、地獄のアルビオンから
生還した生徒たちである。
 軽く緊張した面持ちの彼らの目の前に、二人の男子が立つ。ギーシュと才人だ。
 その内の才人が、かちんこちんのギーシュの肘をつついた。
「な、なんだね?」
「お前、隊長だろうが。ちゃんと挨拶しろよ」
「うう……」
「なんだよ?」
「い、胃が痛い……」
 集まった生徒たちが爆笑した。
「……しっかりしてくれよ」
「やっぱり、きみが隊長になったほうがよかったんじゃないかね? 水精霊騎士隊(オンディーヌ)の
隊長なんかぼくには荷が重すぎる」
 困った顔でギーシュが言った。
 リシュの件で、才人が囚われの身となり、ルイズも一時命の危機に瀕したことを知ったアンリエッタは、
二度と同じようなことが起きないようにするため、表向きは怪獣や宇宙人に関わるような怪奇事件を調査する
目的の、実態は才人たちの支援組織となる新たな騎士隊の結成を学院に対して発令したのだった。騎士隊の
名称は、英雄たちウルティメイトフォースゼロを助ける騎士たちとして相応しい名誉ある名を、とアンリエッタが
かつて存在した伝説の近衛隊の呼び名からつけたのであった。
 才人はゼロに変身する都合上、隊長だと色々と不都合が生じるし、ハルケギニアのルールに
疎いところもあるので、副隊長の座に着いた。代わりの隊長はギーシュだ。人柄と実力と経験に
不安は残るが、父親は元帥だし、他に適任もいなかった。
「由緒がどうした。気にしたってキリがねーだろ」
「で、でもな……、さすがにぼくがその、伝説の騎士隊の隊長というのは、うーむ……」
「おいギーシュ! サイト! いつになったら訓練を始めるんだよ! 毎朝グダグダじゃないか!」
 二人がもたもたしていると、隊員の間から野次が飛んだ。
「ほら、お前が、もたもたしてるから文句言われたじゃねーか」
「きみがうだうだ文句ばっかりつけるからじゃないのかね!」
「お前が情けないからだろうが!」
「だから隊長はきみがやれって言ったじゃないか!」
 才人とギーシュで言い争いになると、才人が小馬鹿にした調子で言い放った。
「……ったく、そんなだからモンモンに許してもらえねえんだよ」
「モンモンとのことはきみにかんけぇええええないだろぉおおおおおおおッ!」
 キレたギーシュが才人に殴りかかった。
「やりやがったな! いいぜ、今日の訓練の初めはお前とのぶつかり稽古だぁぁぁッ!」
 才人の方もギーシュに飛びかかってやり返す。彼らの熱に当てられた隊員たちもギーシュ側、
才人側の二つに分かれて壮大な取っ組み合いを開始した。
 その様子を見ていたルイズが呆れ返ってつぶやいた。
「……毎度毎度、飽きもせずによくやるわね」

 その日の午後、昼食の席。オンディーヌが結成されてから、才人はルイズの隣ではなく
騎士隊の者たちとかたまって食事することが多くなっていた。
 その席で、ギーシュやマリコルヌがある話題を上げていた。
「今年のスレイプニィルの舞踏会に、オールド・オスマンが女王陛下を来賓に仰いだが、
キャンセルされたと教師たちが噂してたよ。ああ、舞踏会の席で女王陛下にお目通り
出来たら望外の喜びだったのに……。実に残念だよ」
「でもそれは仕方ないだろ。女王陛下は連日激務に追われていらっしゃるそうだし。所詮は
学院の一行事にお越しいただくという方が無理ってもんさ」
 二人の話を耳に入れた才人が尋ねかける。
「スレイプニィルの舞踏会?」
「そうだよ、今度、新学期が始まるだろ?」
「新学期で、どうして舞踏会なんかやるんだよ」
「そりゃ、歓迎に決まってるじゃないか。新しく入ってきた貴族の少女たちは、社交界が初めて
という子も少なくない。そんな子たちに、ぼくが手取り足取り、大人の社交を教えるのさ! 
あ、少年もいるけどね」
 要は新入生歓迎会のようなものか、と才人は解釈した。そういえば、自分が召喚されたのは
春の使い魔召喚の儀式の場だったから、今現在と大体同じ季節のはず。あれからもう一年が
経とうとしてるんだなぁ、と何だか感慨深いものを感じた。
「でだな、ただの舞踏会じゃないんだよ!」
 話が進むに連れ、ギーシュは興奮気味になる。
「どこがどう“ただの”じゃないんだよ」
「仮装するのさ」
「仮装? そんなの別に普通だろ。どこがすごいんだよ」
 才人が問い返した時、後ろの席の会話が才人の耳に入ってきた。
「知ってるかい? 最近、トリスタニアの上空に現れた“怪鳥”の話」
「ああ。竜騎士隊に勤める兄貴も噂してたが……、ほんとなのか?」
 才人はそちらが気に掛かり、ギーシュたちをほっぽって聞き耳を立てた。
「……なんでも、幅は百五十メイルはあったって言うぜ」
「フネじゃないのか?」
「そんなかたちのフネがあるもんか。それに鳥のようなかたちをしてたって。仮に怪獣だとしても
でかすぎだよな。まぁ、アルビオンでそれくらいの大きさの奴が現れたけど……」
「やめてくれよ……。あんな感じの化け物がほいほい出てきたらたまんないぜ……」
 才人はいささか不穏なものを感じて、席を立って話を聞きにいった。
「その話、詳しく聞かせてくれないか?」
 それは、最近宮中で噂になっていることであった。竜騎士が夜間飛行中に、巨大な“影”を見たと。
幅は百メイル以上で、およそ生物とは思えないような奇妙な音を立てていたという。しかし竜騎士の竜が
怯えて、観察する前に逃げ出してしまったそうだ。報告を受けた竜騎士中隊があがったときには、もう霞の
ように消えていたという。王宮では、雲を見間違えたという意見が主流のようだ。
 才人はその“怪鳥”の噂を考察する。やはり怪獣としても大きすぎるから、宇宙人の円盤の
一種だろうか。しかし、竜騎士に見つかるようなヘマをする円盤がウルティメイトフォースゼロの
監視をかいくぐれるとは思えない。
 いずれにせよ、この噂話だけでは情報があまりに足りないので何も断定は出来ない。
だが新手の敵かもしれないので、覚えておいた方がいいだろう。
 才人が席に戻ると、マリコルヌに見咎められた。
「おい、人の話はちゃんと聞けよ! 途中で席を立つなんて失礼極まりない!」
「んあ? ああ、ごめん。で、仮装がどうしたって?」
「もういい!」
「ごめんごめん。そう怒るなよ。お前たちも気にならないか? トリスタニアの上空に現れた
謎の巨大な影! こういうのを調べるためのオンディーヌだろ」
「夜の哨戒飛行なんて、誤認の連続だよ。そもそも空の出来事じゃあ、ぼくたちじゃ調べようがない。
裸のお姫さまが飛んでた、なんて情報なら調査に乗り出してもいいが」
 ギーシュらはへそを曲げてしまっていた。参ったな、と才人が思っていたら、眼鏡をかけた少年、
レイナールが口を開いた。
「きみたち、舞踏会も謎の影もいいが、騎士隊そのもののことももっと考えてくれよ。ぼくたちが
宮中でなんと呼ばれているか知ってるかい? “学生の騎士ごっこ”だぜ? そりゃあ、昔の偉大なる
武人たちと比べられて、“子供のお遊び”なんて言われてしまうのはしかたない。でも、ぼくたちが
それに甘んじるいわれもない。だからこそギーシュ、サイト、きみたちにはもっと真面目に考えてほしいのさ」
 ギーシュと才人は、うむむ、と顔を見合わせた。
「きみの考えは正しいかもしれんが、で、どうすりゃいいんだ?」
「もっと陣容を強力にしたい。今のところ、シュヴァリエはサイトだけじゃないか」
「といっても、シュヴァリエなんてなかなかもらえる称号じゃないし……」
「一人知ってるぜ」
 レイナールの考えとは、才人の他に学院でシュヴァリエの称号を持つタバサを騎士隊に
招き入れるというものであった。

 そんなレイナールたちにオンディーヌ加入を誘われたタバサだったが、彼女は北花壇騎士の
任務がある。つき合ってはいられないので、すげなく断ったのだった。
 そしてその日に、タバサは新たな密書を受け取った。しかしそれはいつものイザベラの
召集状とは違い、チクトンネ街のある酒場に来るようにとの指示書であった。
 その指示通りに酒場に着いたタバサを迎えたのは……かのシェフィールドだった。彼女は
タバサに対して、このように告げた。
「あなたとわたしの主人はね、こういう風に考えているの。世界に四匹しかいない竜同士を
戦わせてみたいんだけど……、どうしていいのかわからない。で、竜を捕まえることにしたってわけ」
「…………」
「竜には、強力な護衛がついている。だから、あなたにその護衛を退治してほしいのよ。
その隙に、わたしが竜を盗むってわけ」
「護衛を退治?」
「あなたもよく知っている人物よ」
 シェフィールドの見せた似顔絵を見て、タバサの目が見開かれた。
「この任務を成功させたら……、大きな報酬があるわ。あなたの母親……、毒をあおって
心を病んだのよね。その、心を取り戻せる薬よ」
 タバサは軽く唇を噛んで震え、シェフィールドに敵意を含めた視線を送った。
「あら? 天下の北花壇騎士さまが、知り合いだからって私情を挟むの? わかってるの? 
あなた、自分の母親の心を取り戻せるチャンスなのよ」

 ギーシュたちが話題にしていた、スレイプニィルの舞踏会の当日がやってきた。その舞踏会前に、
ルイズは才人に、仮装舞踏会で絶対自分を見つけることと厳命した。この命令の裏には、ルイズと
シエスタの女の勝負があるのであった。
 夢の世界で、才人との間に確かな絆があることを実感したルイズ――。しかしそういうことが
あるとすぐ調子づくのがルイズという女。主人と使い魔の絆が奇跡を呼んだのよ、これはどこぞの
泥棒猫が入り込む余地なんてないわねオホホという感じにシエスタ相手に散々自慢し、さすがに
イライラが頂点に達したシエスタが、この際ですから白黒はっきりつけましょうと勝負を申し出たのだった。
その内容こそ、スレイプニィルの舞踏会で才人がルイズを見つけられるかどうか。見つけられたら、
シエスタは才人のことをきっぱりあきらめるという条件であり、そのためルイズは気合いが入って
いたのだった。
 さて、スレイプニィルの舞踏会とはギーシュたちの言ったように、ただの仮装舞踏会にあらず。
“真実の鏡”を使用して、自分の最も憧れる人物の姿に変身するという内容である。そしてルイズが
変身した相手とは……二番目の姉のカトレアであった。
「サイトはわたしがわかるかしら」
 つぶやいたルイズは、わかるわよね、と思った。何せ、カトレアの姿なのだ。
 ホールには、それぞれ変身をした様々な人で溢れていた。伝説の勇者、偉人、有名人……、
ウルティメイトフォースゼロの姿になった人もチラホラいたので、ルイズは苦笑した。
 才人が自分の元までやってくるのを待つルイズだが、舞踏会が始まった直後に背後から名前を呼ばれた。
「ルイズ」
 早いわね! とウキウキしながら振り返ったルイズだが……残念ながらお目当ての才人では
なかった。ずっと背が低いし、何より女子だ。
「タバサ?」
 後ろにいたのがタバサだ。ルイズが名前を言うと、コクリとうなずいたので、誰かの変身ではないようだ。
「そんな姿でどうしたの? 仮装するなら、鏡はホールの入り口よ」
 入り口を指差すルイズだが、タバサは彼女の言うことには構わず、ルイズの手を取って引っ張り出す。
「ついてきて」
「え? ち、ちょっとタバサ、わたし今、大事な用があるんだけど……」
 いつになく強引なタバサに戸惑うものの、今まで何度も助けられているので、袖にするのは
忍びない。ルイズは手を引かれるままにホールから外へ連れ出されていった。

 才人がホールにやってきたのは、ルイズが連れ出された後だった。彼は周りを見回してひと言、
「うわッ、ゼロたちの格好までいるぜ! しかも仮装っていうか、ほぼそのまんまだ! これどういうことかな?」
 ゼロは透視を行って、仕組みを見破る。
『魔法で姿を変えてるみたいだな。まぁ魔法の学校の仮装だから、当然ってとこだろうな』
「そうか、ギーシュたちが話してたのはそういう意味だったのか」
『だがルイズが誰なのかは教えねぇぜ。それじゃフェアじゃねぇからな』
「ああ、分かってるよ」
 才人はちゃんと己の判断力でルイズを見つけ出そうとする。しかし一歩踏み出したところで……
異常が発生した。
 周囲の人たちの容姿が一瞬にして変化し、見慣れた学院の生徒たちのものとなったのだ。
変身が解除されたみたいだ。
「うわ! 魔法が解けた!」
「まだ舞踏会は終わってないぞ!」
 騒然となるホール。才人は何事かと呆気にとられる。
「何だ何だ? 何か事故でも起きたのか?」
 一方、ゼロは訝しげな声を発する。
『妙だな……。ホールのどこにもルイズの姿がねぇぞ。魔法が解けたのなら、この場にいなけりゃ
いけないだろうに』
「え? それってどういうことだ……? 俺に見つけろって言っておいて、自分はここにいない?」
 才人が、訳が分からずに首をひねっていると、ゼロの声が不意に緊迫の色となった。
『! 学院の外に異様な気配が現れたぜ! まずい、ルイズの身に何か起こったのかもしれねぇ!』
「何だって! やばい、すぐ行かなきゃ!」
 才人はマントを翻し、急いでホールの出口へ向かって走り出した。

 その少し前……ルイズはタバサに連れられ、学院の外、明かりが届かないような場所まで来ていた。
夜の帳に覆われた野外まで連れられ、ルイズも不審に感じる。
「ねぇタバサ、ここはもう学院の外よ。こんなところに連れてきて、何のつもり……あら?」
 気がついたら、タバサの姿がなくなっていた。自分が目を離した一瞬の隙に、どこかへ
行ってしまったのか。だが何のために?
「た、タバサ? どこ行ったの? 変な冗談はやめてちょうだい、あんたには似合わないわよ……」
 また、自分の姿がいつの間にかカトレアから元に戻っていることにも気がついた。
「え? 舞踏会が終わるには早すぎるはず……」
「確かにお目当ての子に間違いないわね。悪いけれど、確認のために魔法は解かせてもらったわ」
 闇の中から、知らない声音が聞こえてきた。ルイズは咄嗟に身構えて、杖を抜いた。
「誰ッ!? 姿を見せなさい!」
「これは失礼」
 自分の前方から、マジックアイテムの明かりとともに黒髪の見慣れぬ容貌の女が現れた。
ハルケギニア大陸では見ないような顔の作りだ。
「わたしは、こっちではもっぱらシェフィールドと名乗ってる者。けれど、あなたには……」
 女の前髪が揺れ動き、隠されていた額が露わになった。
 そこには、ルーン文字が刻み込まれている。
「ミョズニトニルン、と名乗った方がいいかしら?」
 その名と、額のルーン文字――才人の左手の甲のガンダールヴの印と酷似した刻印で、
ルイズは驚愕した。
「“虚無”の使い魔!?」
「うふふ、こうして顔を合わすのは初めてね、わたしの主人と同じ力を持った娘さん」
 シェフィールドこと、才人以外の“虚無”の使い魔が目の前に出てきたことに、ルイズは
呆気にとられた。ティファニアとの出会いで、虚無の担い手は四人いることは既に知っていた。
そしてまだ見ぬ他の二人が使い魔召喚をしていたら、才人以外の人間の使い魔が出来ているはず。
そのことは考えていたが、それが本当にいるのだと見せられたらさすがに驚きを禁じ得ない。
 同時に、この状況からして、ミョズニトニルンは穏やかな用事でルイズの前にやってきたのでは
ないことも理解した。
「わたし以外の担い手の使い魔が、こんな夜更けに何の用かしら!」
 深く警戒しながら問うと、ミョズニトニルンは変に恭しい態度で頭を垂れた。
「あなたをお招きに参ったのです。わたしの主人は、この世に三人しかいない同じ力を持った同志を、
ご自分の元へご招待するようわたしに仰せつかったので」
「ふざけないで! 要するに、わたしをさらおうってことでしょ! 誰があんたなんかの言うことなんか……」
 ミョズニトニルンの振る舞いに、逆に神経を逆なでされたルイズは怒鳴るが、どこからか
赤い煙が立ち込めてくると、その声が急速に弱まる。
「うッ、これは……!」
 毒ガスだ、と判じた時にはもう遅く、ルイズの意識が遠のいてその場に倒れかかった。
 彼女の身体を、ミョズニトニルンが操るガーゴイルが受け止め、背に乗せる。
「陛下と同じ虚無の担い手でも、所詮は小娘、呆気ないものね。後は陛下の元まで連れ帰るのみ……」
 ミョズニトニルンは自身もガーゴイルに乗っかって飛び立とうとしたが、そこに才人が駆けつけてきた。
「ルイズッ!」
「あら、護衛の騎士様はさすが有能ね。ここを突き止めるなんて。でも、一歩遅かったと
いうところかしら」
 嘲るミョズニトニルン。才人はこの状況をひと目見て、大体のところを察してデルフリンガーを抜いた。
「ルイズを返しやがれ!」
 あらん限りの殺気を向けるが、ミョズニトニルンは涼しい顔で嗤ったままだ。
「あんたの相手は、わたしじゃあないわ」
 ミョズニトニルンの背後の闇の中から……赤い毒ガスとともに巨大怪獣が出現する。
「クアァ――――――!」
 角ばった頭部と羽を持つ怪獣、バランガスという名前だ。才人は怪獣の姿によって目を見開いた。
「怪獣を操ってるだと……!?」
 ということは、ミョズニトニルンは宇宙人か? しかし、額にルーン文字が見える。あれは自分と
同じ、“虚無”の使い魔の印ではないか! ではあの女の主人は、宇宙人を使い魔にしたということ
なのか? それとも女は人間で、アルビオンの時のように侵略者が裏で糸を引いているのか? まさか
リシュではないのだから、虚無の担い手自身に怪獣を操る力はないだろう……。
 何にせよ、今すべきことはルイズを救い出すことだ。才人はウルトラゼロアイを出そうとしたが……
彼の側にタバサがひょっこりと現れる。
「タバサ!? どうしてこんなところに……いや、今はそれはいい!」
 才人はバランガスから目を離さないまま、タバサに頼み込む。
「ルイズがあいつらに捕まっちまったんだ。それを助け出す! お前も力を貸してくれ!」
 しかし……タバサからの返事が来る気配がない。
「タバサ……?」
 さすがに訝しんで振り向いた瞬間――氷の矢が放たれた!
 才人に向かって!
「なッ!?」
 咄嗟に飛びすさって回避する才人。そんな彼を、タバサは杖を向けて強くにらみつける。
 この殺気……今のが何かの間違いではないと、才人に知らしめた。タバサは、ミョズニトニルンの
側に立ち、才人を殺そうとしている!
「ど、どういうことだ!? タバサッ!」
 気を動転させる才人が問いかけたが、タバサは何も答えようとはしなかった。
 タバサに守られるミョズニトニルンは、さも楽しそうに言い放った。
「あんたの相手はわたしじゃあないけど、怪獣でもない。そのガリア王国が誇る北花壇騎士――
あんたたちの言うところのタバサだよ!」


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