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第九十一話「GO!! 地底の決死圏」


ウルトラマンゼロの使い魔
第九十一話「GO!! 地底の決死圏」
集結怪獣ガミバ 登場



「ふぁぁ~……んが!?」
 ……朝、目を覚ました才人は、ふと横に目をやってあんぐり口を開いた。
「くー……すー……」
 自分の隣に、見慣れない小さな女の子が眠っているのだ。
(な、何で俺の隣に幼女が!?)
 どうしてこんなところに、もしかして犯罪にならないだろうかと顔色を白黒させていると、
デルフリンガーが呼びかけてきた。
「相棒、なに百面相してんだ」
「ででで、デルフ! この子何!?」
 才人が問い返すと、デルフリンガーは若干呆れた声を出した。
「何って、そのちっこいのは夕べ、相棒と娘っ子が連れてきたんじゃねーか」
「……あ。そうだった……」
 指摘されて思い出す才人。昨日、舞踏会に使えそうな道具を探そうと地下室に潜った際に、
箱の中に眠っていたこの少女、リシュを発見したのだった。
 リシュはまだ目を覚ましていないが、寝言でこう発する。
「むにゃ……サイト……おに……ちゃん……」
「お、俺のこと?」
「じゃねーの? 懐かれてんねぇ」
 冷やかすデルフリンガー。
「ま、まぁな! 俺ってお兄ちゃんキャラだったんだな!」
 苦笑を浮かべた才人は、改めて寝ているリシュを観察する。
(こうしてると、ほんとかわいいなぁ。同じ小さいもの同士でも、ルイズとは違った魅力が……)
 リシュの幼い愛らしさに軽く惹き込まれ、知らず知らずの内に顔を近づける。すると、
「……サイト、何をやってるのかしら!?」
「ひぃッ!?」
 背後から怒声を浴びせられて、咄嗟に振り返る。見ると、ルイズもシエスタも目を覚ましていた。
「ル、ルイズ、シエスタ……おはよう!」
 才人はごまかすようにあえて元気よく挨拶したが、そんなものが通用するはずがなかった。
「おはようじゃないわッ! リシュの顔を覗き込んで、何をしてるのかって聞いてるのよ! 
ま、まさか、キ、キス……」
「サイトさん? 寝てるリシュちゃんにいかがわしいことをしようなんて、いくら貴族に
なったからといえども許されませんよ? 官憲さんを呼びましょうか?」
 ルイズは勝手に誤解して真っ赤になり、シエスタは笑いながら冷え切った言葉をぶつけてきた。
必死で否定する才人。
「違います! 違いますったら違いますぅ!」
「問答無用! そこに座りなさい、犬!」
「えええええ!?」
 だが聞いてもらえず、ルイズによって床の上に正座させられた。
 彼らが騒がしくしたからか、リシュもまた起床した。
「……むにゃ? もう朝ぁ?」
 才人たち全員が忙しそうなので、デルフリンガーがリシュに朝の挨拶をする。
「おー、おはよ、ちっこいの。悪いけどよ、ちょっとばかし待っててくれ。いつものが始まっちまった」
「いつもの?」
 リシュが才人たちの方を振り向くと、
「ほら、わんでしょ! 犬はわんでしょ!」
「わん! きゃわわんッ!」
 嫉妬心を爆発させたルイズが、才人を折檻していた。
「……あれ、何?」
「ちっこいのは知らなくていい世界さ」
「……」
 デルフリンガーはそう言ったが、リシュは妙に静かになって才人たちのやり取りを見つめていた。
「どーした? びっくりしちまったか?」
「ううん、何でもなーい」
 聞き直したデルフリンガーに首を振るリシュだった。
「……もうッ! 油断も隙もありゃしないんだから! 一刻も早くオールド・オスマンに相談して、
リシュの身柄を預かってもらうのが一番ね!」
 いつまで説教してもルイズはぷりぷりと怒りが冷めやらない様子だが、その時にゼロが
そっと囁きかけた。
『おい、その肝心のリシュだが、目を離してていいのか? どっか行こうとしてるぜ』
「えッ?」
 告げられてルイズたちが振り返ると、リシュはこっそりと扉から部屋の外へ脱け出そうと
しているところだった。
「リ、リシュ! 駄目じゃないか!」
「あッ……!」
 慌てて立ち上がった才人がリシュを引き止める。
「一人で出ていっちゃ駄目だぞ。お前が学院の中をうろついてたら、みんながびっくりするじゃないか」
「だ、だって……ルイルイのお話し、長いんだもん……」
「だからって、勝手なことはしないでよ。ああ、驚いた。二度とこんなことはしないでちょうだい」
「まぁまぁ、ミス・ヴァリエール。相手は小さい子供なんですから、ある程度は仕方ないですよ。
大目に見てあげましょう」
 大きくため息を吐くルイズをシエスタがなだめた。
「デルフも、どうして止めようとしてくれなかったのよ」
「無茶言うなよ。俺は自力で動けないんだぜ?」
「全く……。まぁいいわ。リシュも起きたのなら、授業までにオールド・オスマンのところへ
行きましょう」
 場を取りまとめるルイズ。皆がそのための支度をする中で……リシュは不安そうな、その一方で何かを
思案しているような、そんな表情を浮かべた。

 さて、ルイズたちはリシュの件をオスマンに報告しに行ったのだが、何と意外にも、オスマンでさえ
リシュのことを何一つ知らなかった。地下室に棺のような箱があり、その中に少女が眠っていたことなど、
完全に初耳だというのだ。
 何故リシュが箱の中に閉じ込められていたのか、どうしてその場所が学院の地下なのか、
誰がそれをしたのか……最近の怪獣頻出の謎と合わせて、現状では分からないことが多すぎる。
そのため、リシュの件は当分極秘事項ということになった。また、学院側でリシュを預かるのは
目立ってしまうということで、もうしばらくはルイズたちの元に置いておくこととなった。
それにはルイズは少々残念そうであったが、リシュは反面嬉しそうであった。
 そしてリシュの件を調査するに当たって、初めにリシュが眠っていた箱を調べることとなった。
リシュ自身が入れられていた箱が、一番の手掛かりであろうと。
 そういうことで、箱を発見したルイズと才人がオスマンをその場所へと案内することになった。

 地下室に下りると、オスマンはふうと大きく息を切らしながら腰を叩いた。
「やれやれ、この老齢にもなると、勝手知ったる学院の中でさえも移動するだけでひと苦労じゃわい」
「大丈夫でしょうか、オールド・オスマン」
 オスマンの身体を気遣うルイズ。
「ああ、構わんよ、ミス・ヴァリエール。はぁ、こんな時にミスタ・コルベールがおったら
よかったんじゃが」
 コルベールの名前を聞き、才人は一瞬表情に影を落とす。
「あッ……今のは失言じゃったな。気にせんでくれ。それより、例のミス・リシュが入れられていた
という箱はどこかな?」
「確か、あちらの方だったかと」
 地下室の一画を指差すルイズ。地下室は昨日あんなことがあったばかりなので、手つかずのまま
荒れ放題になっている。モゲドンが開けた大穴もそのままだ。
「ひどい具合じゃな。後で片づけの計画を立てんと。穴をふさぐには、土系統のメイジが何人も
必要になりそうじゃ。それも見繕わねばならんのぉ。全く、仕事ばかりが増えるわい。いい加減
新しい秘書を探そうかのう」
 ため息だらけのオスマンを一瞥して、校長先生って大変なんだな、と才人は感じた。
 しかし落ち着いていられるのはそこまでだった。突然、彼らを大きな揺れが襲ったのだ!
「うわッ!?」
「あいたッ! 尻を打ってしまったわい……!」
「お、オールド・オスマン! 立てますか?」
 揺れによってしりもちを突いてしまったオスマンを、ルイズが助け起こす。
「今の揺れ……まさか、昨日の今日なのに、また!?」
 ルイズが顔を青ざめていると、彼らの耳にガリガリと何かがかじられるような音が聞こえた。
「な、何よ、この音……?」
「あッ! あそこだ! あそこに変な生き物がたくさん!」
 才人が指した先には、暗い緑色の軟体生物が大量に湧いていた! モゲドンの開けた穴から
地下室に侵入してきたのか。
「あのくねくねしたナメクジみたいのが、箱をかじってる!」
 その軟体生物たちは、例の箱の周りに発生していて、箱や家具等をガジガジかじっているのだった!
「あぁーッ! リシュの手掛かりを、何てことするのよッ!」
「二人とも、下がっていなさい! ここは先生のわしがあれらを退治してみせよう!」
 オスマンがその魔法の実力を以てして軟体生物たちを退けようと杖を握り直した。
 が、その時に彼の腰から、グギッ、と嫌な音が響いた。
「はがッ! こ、腰が……」
 ぎっくり腰であった。さっきのしりもちで痛めてしまったようだ。
 才人はついがっくりと肩を落としたが、気を取り直してデルフリンガーを抜いた。
「ルイズは校長先生を連れてここから退避してくれ! 俺が追っ払ってくる!」
「頼んだわ、サイト!」
「すまんのう、サイト君。あいたたた……」
 オスマンに肩を貸したルイズが地上への階段まで下がっていくと、才人はデルフリンガーを
構えて一気呵成に軟体生物の群れに斬りかかっていった。
「はああぁぁぁッ!」
 ひと纏まりになっている軟体生物たちを袈裟に切り払う才人。すると生物たちは才人を
敵と見なして、一斉に飛びかかってきた!
「うわッ! このぉッ!」
 しかしその程度にはひるまない才人は、ガンダールヴの力を発揮して片っ端から軟体生物を
斬り捨てていく。
 だがひと際大きな生物を斬ったかと思うと、その生物の三つに分かれた破片はそれぞれが
小さな生物に変化した!
「な、何ッ!?」
 しかも三体の生物は寄り集まって、再び元の大きさの生物に合体した。よく見れば、他の生物も
それぞれで集まって大きな生物へと合体をしていっている。
「こいつら、一匹一匹が合体して大きくなるのか! それとも一個の生物が分裂してるのか……!?」
 驚く才人をデルフリンガーが叱咤した。
「相棒、惑わされるな! 分かれる大きさには限界があるみたいだ。小さい奴から斬っていきゃあ、
いつかは確実に倒し切れる! お前さんの根性を見せてみな!」
「分かった! 根性なら負けないぜ! おおおおおッ!」
 鬨の声を上げた才人は助言通りに、小さい生物から着々と撃破していく。その甲斐あって、
軟体生物は少しずつでも数を減らしていく。
 しかし軟体生物の方も学習するようだった。バラバラに戦っていては敵わないと見たか、
全個体が一斉に一箇所へと集合していくのだ。
「これは……やばいッ!」
 以前としておびただしい量がいる。それらが全て合体するとしたら……すぐに想像がつく。
「ギュイイイイイイイイン!」
 果たして全部が合体した軟体生物は、鋭い角と牙、たくましい両腕と大きく開いた口を備えた、
最早ナメクジのような容貌を超えた怪物へと姿を変えた。
 これこそが複数の個体が合体し合って一個の巨大生物の姿を形作る、集結怪獣ガミバの真の姿である!
「ギュイイイイイイイイン!」
 ガミバは太い腕を猛スピードで才人へ振り下ろす!
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
 才人は受け止めることはもちろん逃げることも出来ず、呆気なくガミバの手の平の下敷きに
なってしまった……。
 かと思われたが、ガミバの手が徐々に押し上げられていく。
「ギュイイイイイイイイン!?」
「セェェェアッ!」
 手の平を押し返して下から現れたのは、ウルトラマンゼロだ! 才人は押し潰されそうに
なったその時に、危ないところでゼロアイの装着をしていたのだ。
『でりゃああああッ!』
 ゼロは等身大の状態でウルトラゼロキックを決めた! 飛び蹴りはガミバの喉元に突き刺さり、
派手に転倒させる。
「ギュイイイイイイイイン!」
 今の攻撃で驚いたらしいガミバは、その場に穴を穿ってより深い地底へと逃走していく。
だがガミバは地形に影響が出るほどの途方もない量の岩石を食らい、大地震や大地の陥没を
引き起こしてしまう危険な怪獣だ。放っておけば、大惨事が起こりかねない。
「ジュワッ!」
 そこでゼロはハルケギニアの安全を守るために、ガミバの後を追いかけて穴に飛び込んでいった。
 ゼロは飛びながら徐々に巨大化していき、マグマの川が流れる地底の大空洞に出た時には
いつものサイズとなっていた。ガミバの方も、広い空間に出たことで更に巨大化しており、
ゼロを待ち構えていた。
 今この地底空間において、ゼロとガミバの決闘が始まる!
『でぇりゃぁッ!』
 まずはゼロの先制攻撃だ。瞬時に間合いを詰め、脳天にチョップを叩き込む。
「ギュイイイイイイイイン!」
 咆哮を上げるガミバだが、元々軟体生物故か、さほど効いているように見えない。打撃は効果が薄そうだ。
「ギュイイイイイイイイン!」
 ガミバからの反撃が来る。開かれた口から黄色い液体がゼロ目掛け吐き出される!
『おっと!』
 さっとかわすゼロ。液体は背後の岩壁に掛かると、壁は煙を上げてドロドロに溶けていく。
強力な溶解液、それがガミバの武器だ。
『こいつは食らう訳にはいかねぇな。せぇりゃッ!』
 ゼロは溶解液を警戒しながらも、怒濤のラッシュをガミバに叩き込む。その勢いに押され、
ガミバの動きが大きく鈍る。
『これでフィニッシュだぜ!』
 そこにゼロはワイドゼロショットを放つ。打撃が効果なくとも、光線で細胞の一片まで
焼き払ってしまえばいいだけのことだ。
 だが、ワイドゼロショットが着弾する寸前に、ガミバの身体が無数に分裂して光線をかわした!
『何ッ!?』
 分裂したガミバは素早く飛んでゼロの背後に回り込み、そこで再集結して巨大怪獣に戻る。
群体がひと纏まりに合体した怪獣だからこそ出来る荒業だ。
「ギュイイイイイイイイン!」
『うおぉッ!』
 振り返ったゼロに、ガミバは口を、ゼロを丸呑みに出来るほどに拡大して食らいついてきた。
ガミバの肉体は本当に自由自在に変化するのであった。
 咄嗟に両手と足でガミバの口を抑え、呑まれるのを阻止したゼロだが、マグマの川の方へ
押しやられて、淵に立たされた。このままではマグマの中に突き落とされてしまう!
『くっそ……!』
 一転して防戦一方のゼロ。カラータイマーも点滅し始めた。そろそろタイムリミットも近い!
『何のこれしきぃッ! せぇぇぇいッ!』
 しかし才人がそうしたように、ゼロも根性を見せた。抑え込まれた状態でエメリウムスラッシュを
発射。ガミバの口の中に!
「ギュイイイイイイイイン!!」
 体内に光線を撃たれたガミバは、身体の内側から燃焼を起こす。バタバタもがき苦しみ、
その隙にゼロは脱出した。
 炎上していくガミバは悶えながら、自分がマグマの川に転落した。巨体が完全に没し、
二度と上がってこなかった。高熱のマグマの中で燃え尽きたのだろう。
「デュワッ!」
 一発逆転、ガミバを倒したゼロは通ってきた穴をそのまま引き返し、元の地下室へと舞い戻っていった。

「ルイズ、校長先生! もう大丈夫ですよ」
 ガミバを退治してから、才人は避難させた二人を呼び戻した。オスマンはまだ腰を痛めていたが、
先に箱の方を見てもらった。
 と言っても、箱はガミバによって既に跡形もなくバラバラにされてしまっていた。
「あちゃ~……木片しか残ってないよ」
「うぅむ……これではどんなことが記されてあったのかも分からんの」
 箱はほとんどが食われてしまってもいるようで、最早修復不可能。リシュの貴重な手掛かりは
完全に潰えてしまったのだった。
「こんなことになるんだったら、リシュを見つけた時によく調べておくんだったわね。もう、
タイミングが悪いわ……」
 落胆したルイズがため息を吐く。
『……』
 一方で、ゼロが意味ありげに沈黙しているので、才人がそっと尋ねかけた。
「どうした、ゼロ? 何か気になることでも?」
『ああ、いや……』
 ゼロは、ルイズの言う通りにガミバ出現がいやにタイミングが悪かったことに気をかけていた。
それは裏を返せば、箱を処分してリシュのことを隠したい者にとってはタイミングがよかったと
いうことになる。
 しかし仮にそうだったとしたら、その者は自分たちの動向をどうやって把握したのだろうか。
監視されているような気配は微塵も感じなかったが。
『……まさかな』
 ゼロはふとリシュの顔を思い返したが、それまでずっと眠っていて、起きてからもずっと
自分たちといたリシュが地底のガミバを動かせるとも考えにくいので、その考えを振り払ったのだった。

「はぁぁ~……。今日は、リシュの方もクリスの方も、何も進展しなかったなぁ……」
 夜。ルイズの部屋で、才人が大きなため息を吐いた。
 リシュの件は、唯一の明確な手掛かりである箱が破壊されてしまい、他のところを調べても
何もリシュにつながりそうなものは出てこなかった。そしてクリスの方の舞踏会の件は、やはり
生徒たちからの反発が強いのだ。根強く説得すれば理解してもらえるかもしれないが、クリスは
いつまでこの学院にいるか分からない身。そうそう時間は掛けられない。
 二つも問題を抱えてしまい、しかもどちらも解決の目途が立ちそうにない現状。才人が気苦労を
背負ってしまうのも当然であろう。
「すー……すー……」
 その一方で、リシュはもうおねむのようで、ベッドの上に横になってかわいい寝息を立てている。
それを呆れたようにながめるルイズ。
「いいご身分よね。自分のことでわたしたちがどれだけ苦労してるか、分かってるのかしら?」
「小さい子供は遅くまで起きられないのですから、仕方ありませんよ。子供はたくさん寝て
早く大きくなるのが仕事とも言いますし」
 肩をすくめたルイズをシエスタがなだめた。
 それから悩むのを打ち切った才人が言う。
「俺たちもそろそろ寝るか。うだうだしててもいい考えは思い浮かびそうにもないし、続きは明日、
また日が昇ってからにしよう」
「ええ、そうしましょうか」
「お休みなさいませ、サイトさん、ミス・ヴァリエール」
 結局本日は何も解決しなかったが、また明日からがある。翌日に向けて気持ちを一新しようと
才人たちは、この日はおしまいにすることにした……。


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