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第八十九話「地下に眠る少女」


ウルトラマンゼロの使い魔
第八十九話「地下に眠る少女」
地底怪獣モゲドン 登場



 ……クリス発案の、平民のための舞踏会に関して、才人たちは翌日には開催許可をオスマンに求めた。
オスマンはこの企画に理解を示してくれて、授業の阻害にならない程度ならば場所と資材を自由に使って
よいという許可をくれた。ただし、学院の外聞というものがあるので、舞踏会はあくまでルイズら生徒の
完全自主で執り行い、責任は全てルイズたちで持つこと、何か問題が発生した場合は強制的に中止させる
可能性もあるという条件の上であった。
 何はともあれ、当面の問題はクリア。後は授業の合間に舞踏会の準備を進めていくのみ。
 そして今の才人はもう一つの問題に取りかかっていた。それは昨日決めた、連続する挙動の
怪しい怪獣の連続出現の原因を究明することだ。そのために朝早くから学院の様々な場所を
調べたのだが、今のところは特に怪しいものは発見できていなかった。
 放課後まで時間をかけて、地上の大体のところは調べ終わった。後に残っている場所は……
学院の地下室である。

「へ~、ここが学院の地下室か。さすがに、前に潜った公文書館みたいな危険な感じはなさそうだな」
 実際に地下室に足を踏み入れた才人が、魔法のランプの灯りに照らし出された周囲を見回して
そんなことを語った。その傍らのルイズが軽く咳き込みながら眉をひそめる。
「長年掃除されてないからか、大分ほこりっぽいわね……。こんなところに長居したくないわ。
さっさと用事を済ませてしまいましょうよ」
 どうしてルイズが一緒にいるかと言うと、舞踏会に使えそうな道具を見繕いに来たのだ。
ここは学院の備品の数々が仕舞われている物置の役割を果たしている。ちょうどいい機会なので、
才人の用件とともに何か使えそうな道具がないか調べることを一緒にやっておこうということに
なったのだ。
「でもここ、滅茶苦茶広いし、物もたくさんあるみたいだぞ。調べるのは時間かかりそうだぜ。
ていうか、こんな広い場所を物置だけにしか使ってないなんて、もったいなくないか?」
「もったいないことはないわよ。地下室なんて、物を保管しておくくらいしか使い道ないもの」
「そんなもん? しっかし、ほんとに何があるのか把握するだけで一苦労しそうだな、これ」
 地下室にはベッドやカーペットのような家具から、何に使うものか見ただけではよく分からない
ものまで雑多に転がっている。恐らく、使わないものを適当に放り込んでいった結果だろう。
「そんなこと言ってたって何も始まらないわよ。ほら、とりあえずあっちの奥から始めましょう」
「へーい、分かりました」
 何であろうと、まずは最初の一歩を踏み出すのが大事。そういうことなので、ルイズと才人は
地下室の端から調べ始めようとしたのだが……。
「……ん?」
 その時に、地下室全体がかすかに揺れ出したのを才人が感じ取った。
「どうしたの、サイト?」
「いや、何か地震……?」
 そして揺れは徐々に大きくなっていく。ここに来ると、ルイズも気がついた。
「きゃッ!? な、何なに? こんな時に地震!?」
「い、いや……これはまさか……」
 才人はこれまでの怪獣退治の経験から、揺れが自然なものでないと感じた。それを裏づけるかの
ように、二人の面前に何か巨大なものが床を突き破って出現した!
「フゴッ、フゴッ……プギィ――――――!」
 二つのでかい目玉が目立つ……と見せかけてそれは模様で、実際の目は赤く小さい、
モグラのようなカエルのような巨大な首がルイズたちの前に現れた!
「きゃああぁぁッ!? 怪獣!」
「何ッ!? くそッ、直接学院に乗り込んできやがったのか!」
 怪獣の首が地下室に出現したことに度肝を抜かれる二人。そして怪獣出現の衝撃で、辺りのものが
バタバタと崩れたり倒れたりしててんやわんや。
「あわわわわ! 危ない!」
「くッ、ここで暴れさせる訳にはいかねぇ!」
 才人は咄嗟の判断でウルトラゼロアイ・ガンモードを構え、怪獣の顔面にレーザーを浴びせる。
「プギィ――――――!?」
 その一撃に怪獣は驚いたようで、首を引っ込めて土の中に消える。だが次は地上に出て
学院を危機に晒すかもしれない。放ってはおけない。
 そこで才人はウルトラマンゼロへの変身を決意する!
「ルイズ、なるべく安全なとこで待っててくれ! デュワッ!」
 ゼロアイを開いて顔に装着、光となって怪獣が開けた穴の中へと飛び込んでいった。

 学院の外側の地表に、先ほどの怪獣が穴を開けて飛び出す。
「プギィ――――――!」
 地下室では分からなかったが、両手がスコップのような二等辺三角形の形状に発達している。
土を掘り返しやすい、地中の環境に特化した進化を遂げた地底怪獣だ。
 名前を、モゲドンという。
「ジュワッ!」
 モゲドンが地上に出てくると、穴から続くようにゼロも飛び出してモゲドンの眼前に着地した。
『暴れるな! 大人しく元いた場所に帰りな!』
「プギィ――――――!」
 手の平を向けてモゲドンを制しようとするゼロだが、興奮し切っているモゲドンは聞き入れず、
猛然とゼロへ突進してきた!
『ちッ!』
 それを瞬時にいなすゼロ。突進を受け流されたモゲドンだが、すると地面に向けて飛び込み、
スコップ状の手を使い超高速で穴を掘る。モゲドンの姿はたちまちの内に地面の下に消えていった。
『!』
 間髪入れずにモゲドンはゼロの足元から首を出し、彼の足元をすくい上げる。
「プギィ――――――!」
『うおあッ!』
 ひっくり返されてこけるゼロ。したたかに打った尻をさすりながら立ち上がる。
『くっそ、やってくれるぜ……!』
「プギィ――――――!」
 反撃しようとするも、モゲドンは既にいくつも作った穴から不規則に顔を出しては潜りを繰り返し、
ゼロを翻弄する。まんまモグラ叩きのモグラだ。
『味なことするぜ……だがッ!』
 ゼロは意識をこらし、土中のモゲドンの気配を探る。そして、
『そこだッ!』
 一つの穴から顔を出したのと同時に命中するように、ビームゼロスパイクを投げ飛ばした!
「プギィ――――――!?」
 光弾を食らったモゲドンはそのショックで、思わず穴から全身を飛び出させてバタバタもがいた。
『はぁーッ!』
 すかさず距離を詰めたゼロ、モゲドンの首筋をバシッと叩いた。
「プギィ――――――!」
 するどい打撃を食らって大人しくなったかに見えたモゲドンだが、それは一瞬だけのことで、
お返しのようにゼロの顔面を手の平で掴み込んだ。そのまま握力をかけて締め上げる。
『うおあぁぁッ!? いてぇッ! 超いてぇッ!』
 とがった手の平に顔をギリギリ握られて、ゼロは相当な痛みを食らってもがいた。モゲドンの
すねを蹴ることで、握力を緩ませ脱出する。
「プギィ――――――!」
『はぁ、はぁ……結構やるもんだな。だったら、こいつはどうだぁッ!?』
 持ち直したゼロが、再びモゲドンに真正面から接近していく。
『おおおおおッ!』
「プギィ――――――!」
 今度は迎撃しようと待ち構えるモゲドン。ゼロが飛び込んでくるところで、腕を振るおうと構えるが、
『とぉうッ!』
 パシ―――――ンッ!! と目の前で激しい音が発生し、モゲドンは急なショックで目を回した。
ゼロがものすごい勢いで手の平を叩き合ったのだ。
 今のはねこだまし……ウルトラねこだましといったところだ!
『よっし、今だ!』
 モゲドンが目を回している隙に、ゼロはその身体にがっぷりと組みついて、高々と持ち上げる。
「ジュワッ!」
 そしてそのまま空高く飛び上がり、モゲドンをどこか別の場所へと運んでいったのであった。

 モゲドンを地底に帰してから、ゼロから変身を解いた才人は学院の地下室まで戻ってきた。
「あっちゃー……やっぱぐちゃぐちゃになっちゃってるな」
 地下室の様子を一望した才人は大きく顔をしかめた。モゲドン出現の震動により、地下室の物は
軒並み倒れてしっちゃかめっちゃかになってしまっていた。才人の隣まで寄ってきたルイズもため息を吐く。
「こんなことになっちゃ、余計に調べるのに苦労しちゃうわね。……というか、これ誰が
片づけるのかしら?」
「この場に居合わせた、俺たちだったりして」
「えぇ? 嫌よそんなの! 日が暮れちゃうわ!」
 ルイズが嫌がっていると、不意に近くからガタン! と何かが落ちる物音がした。
「うわッ!」
「きゃあ!? ななな、何?」
 才人の上げた声に驚くルイズ。
「あ、ああ。ほら、あそこのでかい箱の蓋が開いて床に落ちたんだよ」
 才人の視線の先には、長方形の箱が横たわっている。言う通り、蓋が床に落下していた。
「さっきの震動で、バランス崩して落ちたんだろうな。しっかし、何の箱だろ? まるで棺桶
みたいだけど、中身は何だろうな」
「ややや、やめてよ、棺桶なんて! ぶ、不気味じゃない!」
 才人のひと言に怯えるルイズ。そういう怪談めいたものは苦手なようだ。
 しかし才人はお構いなしに箱に近づいて、中を覗き見た。
「さーて、何だろな~。……あ?」
「ど、どうしたの?」
 すると才人は硬直する。その反応が気にかかったルイズも箱の中を覗くと……。
「えッ、ひ、人がいるわ……」
 箱の中に寝そべって目を閉ざしている、青髪の裸の少女の姿を目にすることとなった。
「どへええ!? ほ、ほんとに棺桶だったのかよ!」
 これにはさすがの才人も度肝を抜かれた。
「も、もしかして俺たち、殺人事件を目撃しちゃったのか!?」
「い、いや、何、何なのこれ! ササ、サイト! もう一回蓋をしちゃいなさい!」
「蓋したって意味ないだろ!? 見つけちゃったもんはしょうがないんだし!」
「みみみ、見なかったことにすればいいでしょ!? こんなの!」
 想定以上の事態に直面し、パニックに陥る二人。それをゼロが制する。
『落ち着け、お前ら! この子……息をしてるぞ』
「えッ……?」
「……ふぁ」
 ゼロの言葉を肯定するかのように、横になっている少女の口から吐息が漏れた。
「し、しゃべった……?」
「ほ、ほんとに生きてるの……?」
「んにゃ……?」
 次いで、少女はぱっちりと目を開く。そのままぼーっとしている少女に、才人は戸惑いながらも
呼びかけた。
「あ、あの、おはよう」
「……」
「サイト、話して大丈夫なの?」
「言葉が通じるか分かんないけど、他にどんな手段があるんだよ」
「そうだけど……」
 とりあえず、才人は少女に自己紹介をする。
「え、えっと、騒がしくしてごめん。俺は平賀才人。こっちはルイズっていうんだ」
「……」
「ルイズは見ての通り、ここの生徒。で、俺はその使い魔」
「……」
「き、君は誰? どうしてこんな地下室で寝てたんだ?」
 何を話しても、少女からの反応はなく、ただ才人の顔をじっと見つめ返すのみ。いよいよ
言葉が通じないのか、と才人は思ったが、その時、
「……サイト」
「へ?」
「サイトッ!!」
「おわッ!?」
 少女は才人の名前を繰り返すと、いきなり起き上がって彼に抱きついてきた! もちろん全裸で。
「わわわわわ~!?」
「ち、ちょっと!? 何するのよいきなり!」
 仰天するルイズだが、少女はルイズが目に入っていないかのようにひたすら才人に頬ずりする。
「サイト、サイトサイトー!」
「た、確かに俺才人ですが! あなたは誰ですか!?」
「サ、サイトッ! 早く離れなさい!」
「逆! 逆だッ! 俺が抱きつかれてんだって!」
「こここ、この犬! こんな小さな女の子まで……女なら何でもいいのか、犬ッ!」
「人の話聞けー!」
 混乱して逆上するルイズを、才人は必死になってなだめるのであった。

 その夜、ルイズと才人は地下室で発見した少女をほったらかしにする訳にもいかず、とりあえず
寮塔の部屋へと連れていった。裸のままでは色々とまずいので、ルイズの私服を着させる。
「サイトさん、終わりましたよ」
「サンキュー、シエスタ」
 畳の上で謎の少女に服を着させたシエスタが呼びかけると、それまで背を向けていた才人が振り返った。
「きゃはッ! サイト!」
「わッ!」
 途端に、少女は才人に飛びついて腕に抱きついた。それでルイズは急激に不機嫌になる。
「な、な、何なのかしらねぇ。人の使い魔に気安く触って……ッ!」
「お、怒るなってルイズ。この子、見た目からして多分タバサよりも年下だろ? そんな年頃の
子にムキになるなよ、大人げない」
「とか言いながら、サイトさんも満更ではないのでは?」
「シエスタまでそんな冷めた目ぇして~!」
 二人から責められているようで、すっかりたじたじの才人であった。
「ムキになんかなってないわッ! なるもんですか! た、ただ! 名乗りもしないでいるなんて
失礼じゃない! だからよ!」
「そういや名前聞いてなかったな。君、名前何ていうの? 言えるかな?」
 才人が尋ねかけると、少女は元気溌剌に答えた。
「リシュ!」
「リシュ? それが名前?」
「うん。リシュ!」
 リシュという少女の名前について、ルイズとシエスタが話す。
「聞いたことがないわね。少なくとも、この学院の生徒にも教師にもそういう名前の人はいないわ」
「ここで働いてる平民の誰にも、そんな名前の人はいないはずです。そもそも、いくら何でも
この子は学院にいるには小さすぎますよ」
 一方のリシュは、才人に尋ね返す。
「サイト?」
「ん? 何だ、リシュ?」
「似合う?」
「服か? うん、似合うぞ。サイズもぴったりだし、よかったな」
「うん♪」
「ぴぴぴ、ぴったりでよかったわねぇ。どど、どうしてぴったりなのかしらねぇ」
 いらいらするルイズのひと言で、シエスタがふっと冷笑した。
「シエスタ! 何か言いたいことでもあるのかしら!?」
「いえ、何でもありませんわ、ミス・ヴァリエール」
 険悪になる二人をよそに、リシュはまた才人に尋ねる。
「リシュ、かわいい?」
「おう、かわいいかわいい。すっごくかわいい」
「えへへ~」
 そのまま子供をあやすように才人が誉めると、リシュははにかんだ。
「でッ、デレデレして……」
 それでルイズとシエスタはやきもちを焼く。
「お兄ちゃん、誉めてくれてありがとッ!」
「お、お兄ちゃん!?」
「うん、サイトお兄ちゃん! リシュより大きいから!」
 満面の笑みのリシュの台詞に、才人は心の内の変なところをかき乱されて興奮した。
「お、俺は理解した! このトリステインに足りないもの! それはッ! 妹キャラだったんだーッ!!」
「わけわかんないこと言ってるんじゃなーいッ!」
「ぐべッ!」
 叫んだら、ルイズから強烈な蹴りをもらってしまった。
「あがががが……。ルイズ……蹴る時はひと言予告しようぜ……。心の準備が出来るから……」
「うるさいッ! 犬にかける言葉はないわッ!」
「お兄ちゃん、大丈夫?」
 蹴られた才人を心配するリシュ。
「……大丈夫。慣れてるから、お兄ちゃん」
「ルイルイ、ひどいね」
「ルッ……」
 今の言葉に、ルイズは一瞬顔色をおかしくした。
「ち、ちょっとリシュ? い、今のは、まさか、わたしのこと?」
「うん!」
「ここここ、公爵家の三女に向かってルイルイ!?」
「ルイズだからルイルイ!」
「な、な、なッ!」
 顔を白黒させるルイズを、シエスタが半笑いを浮かべながらなだめる。
「ミス・ヴァリエール。小さい子の言うことにそんなに取り乱されるなんてはしたないですよ」
「シエスタはシーちゃん!」
「シーちゃ……!?」
 だがシエスタも同じような呼び名をつけられ、白目を剥いた。
「お、落ち着けって、二人とも。お前たちは大人なんだから、おおらかな心で、な?」
「い、いい、いいわ。最初の内は許してあげる」
 どうにか平常心を取り戻したルイズは、ピッとリシュに指を突きたてた。
「けど、いずれきちんとルイズって呼ぶようにしつけるからね! いいこと、リシュ!」
「はーい! 分かったよルイルイ!」
 返事だけは良いリシュであった。
「んで、リシュ。どうしてあんなところにいたんだ?」
 才人がそろそろ一番気にかかっていたところに触れた。
「あんなところ?」
「あなたがいたのは学院の地下室。長いこと物置としてしか使われてなかった場所で寝ているなんて、
ありえないじゃない」
 とルイズが質問するも、リシュは首を傾げるばかりだった。
「リシュ、よく分かんない。箱の中でずーっと寝てたの」
「いつから寝てたんだ? 誰がリシュを箱の中に入れたんだ?」
「分かんない」
 何を聞いても、リシュはその一点張りだった。ルイズはやや語気を強める。
「リシュ、嘘吐いたって駄目なんだからね? 正直に言いなさい」
 しかしリシュの回答は変わらなかった。
「嘘吐いてないもん。ほんとに分かんないもん」
 それでルイズは眉をひそめる。
「妙な話ね。閉じ込められていたにしては元気すぎるし、だからといって自分の意思であそこに
いたとも思えないわ」
「うーん……。ここはやっぱり学院長に報告かなぁ? 地下室なんて、先生たちくらいしか
行かないだろ?」
「!!」
 才人がそう言った途端、リシュは顔を強張らせた。
「そうね、それがいいでしょ。学院の地下にいたんだから、オールド・オスマンなら何かご存じでしょうし」
「それではわたしが学院長室まで行ってきます」
 シエスタが立ち上がろうとしたが、その袖をリシュが掴んで引き止めた。
「リシュ? どうした?」
 才人が何事かと問うと、リシュは不安げな表情で聞き返す。
「お兄ちゃん。リシュをどっかに連れてくの? 怖いよ……。お兄ちゃんたちの傍がいい……」
 リシュに潤んだ瞳で見つめられ、才人はうっ、と言葉を詰まらせた。
「ルイルイ、シーちゃん……。リシュ、邪魔?」
 ルイズとシエスタまでも何も言い返せず、ルイズはため息を吐いた。
「……はぁ。今日はもう遅いわ。オールド・オスマンもお休みかもしれないし、明日にしましょ」
「ええ、そうですね」
「ありがとッ!」
「べ、別にお礼を言われる理由はないわ! こんな時間に訪問したら失礼って言ってるの!」
 小さな女の子にまで意地っ張りのルイズに、才人とシエスタは苦笑を浮かべた。
 リシュの方は安心したからか、かわいいあくびをする。
「ふ、ふぁぁぁぁ~。眠くなってきた……」
「さっきまでずーっと寝てたんじゃないの?」
「……ねむ……い……」
 ルイズのツッコミに構わず、リシュはこてんと畳の上に横になった。
「あ、おいリシュ……。もう寝てるよ……」
 すぅすぅと寝息を立てるリシュ。彼女が寝入ってから、才人はゼロとジャンボットに質問する。
「ゼロ、ジャンボット、お前たちもリシュのこと、何か分からないか? さすがにあんなところで
ずっと寝てたなんておかしいよ」
『そうだなぁ……』
 二人はリシュの肉体を超感覚で軽く調べる。
『普通の人間じゃあないみたいだが、ハルケギニアのどの種族にも当てはまらないみたいだな。
宇宙人って訳でもなさそうだが』
『うむ。少なくとも、現在ハルケギニアに生きるあらゆる種族の特徴には適合しない。もしや、
新種の人類なのではないだろうか』
「新種の人類って……そんな大発見が、学院の地下であるものなのかしら」
「デルフも知らないよな、リシュのこと」
 デルフリンガーにも尋ねる才人。
「こんなちっこいの知らねーなぁ。地下室で寝てたってからにゃ、訳ありなんだとは思うが」
『だろうな……。おまけに怪獣の連続出現の最中での発見だ。それと何か関係があるのかもしれねぇ』
 デルフリンガーの言に同意するゼロ。
『けど、こんな小さい子に怪獣を意のままに操るだけの力があるとは思えないが……。それらしい
力の波長も感じられないしな』
『邪気もない。ひとまず、直接的な危険はないだろう』
「そうか……」
 ゼロたちの判断に、才人ら三人は余計困惑するばかり。リシュについて、調べるほどに謎が深まる。
『とりあえずは様子を見ようぜ。一緒にいる内に、何か分かることが出てくるかもしれないからな』
「そうするか……。じゃあ今日はこれでおしまいにして、続きはまた明日からだな。おやすみ、
ルイズ、シエスタ」
「おやすいなさい、サイト」
「おやすみなさいませ、サイトさん」
 眠るリシュをベッドの端に運んであげて、三人もまた就寝していったのだった……。


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