あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

魔法少女リリカルルイズ05


まだ視線だけで部屋を物色するキュルケにルイズはため息をつく。
「で、キュルケ。あなた、人の部屋を探り回しに来たの?」
「そんなわけないじゃない」
キュルケはようやく元の目的を思い出す。
「召喚してすぐ使い魔が怪我してたって聞いて、これでも心配して来てあげたのよ」
言い終わったキュルケは、自分とルイズを交互に見ているフェレットのユーノに視線を合わせた。
「それがあなたの使い魔なわけね」
それに気付いたユーノもキュルケに視線を合わせる。
それは互いに見つめ合うというよりも、キュルケの視線にユーノが怯えて凍り付いているようだった。
「名前はもう付けたの?」
「ユーノ・スクライア」
「ユーノはわかるけど、スクライアってどこから出てきたのよ」
「いーでしょ」
「良いけど……ふーん、ユーノね……」
キュルケはさらにユーノに目を近づける。
ユーノは背中を反らせてキュルケとの距離と保とうとした。
「普通ね。ゼロのルイズの使い魔だからもっとこー、面白いのを期待したんだけど」
「どういう意味よ」
ルイズがどことなくリスを思わせる仕草で頬をふくらませた。
「じゃあ、今度は私の使い魔を見せてあげる。来なさい、フレイム」
半分開いたままだったドアからルイズの部屋に入ってきたのは──
「これって、サラマンダー?」
──真っ赤なトカゲだった。
「そう、火トカゲよ。きれいな鱗に、太くて鮮やかな尻尾。間違いなく火竜山脈のサランマンダーよ。素敵でしょ」
それを聞いたルイズはサラマンダーを見るために下げていた頭を上げてキュルケを睨みつけた。
「なによ!私のユーノだってね……」
「ストップ」
キュルケが片手を出して、ルイズを止めた。
「あなた、汗臭いわよ」
顔をトマトのように真っ赤にしたルイズがキュルケを部屋からたたき出したのはその直後だった。


考えてみれば汗のニオイがするのもあたりまえだった。
昨日は怪我をしたユーノを召喚してから看病でずっと部屋にいて、その後は疲れて机に突っ伏して寝てしまった。
さらに夜中に目を冷ました後はユーノを追って学院の外に出て、森の中を走り回った。
その後はジュエルシードの獣と戦って学院に戻ってきた。
その間に服を木の枝にさんざん引っかけたり、土にこすりつけてしまったらしい。
上質な上着やスカートはかぎ裂きや傷がついていたし、マントも埃まみれ。
とてもじゃないが貴族にふさわしい服装ではなく、みっともないこと甚だしい。
朝食の時間は近づいていたのでルイズは急いでタンスの中から新しい下着や服にマントを取り出し、今着ているボロボロの服を脱ぐ。
「わわわっ」
ユーノがあわてて、ドアに向かって走り出す。
「る、ルイズ。僕、外で待っておくよ」
「なに言ってるの」
ルイズに止められた。
「フェレットに見られてもどうって事ないでしょ」
「あのね、ルイズ、僕はね……」
「いいから、机の上で待ってなさい」
「うん……」
ユーノは重要なことを言おうとしたが聞いてもらえない。
仕方なく机の上でルイズに背を向けて待つことにする。
「ユーノ」
「なに?」
「こっち向いて」
恥ずかしくてそんなことできない。
できないけど……今のルイズに逆らうのもできないので振り向く。
ルイズの下着姿が見えた。
目のやり場にも困るが、どうしたらいいかもわからない。
「ユーノ、右向いて」
「うん」
ルイズから目を離せるのですぐさま右を向く。
「左を見て」
「う、うん」
なるべく正面のルイズを見ないようにして今度は左を見る。
「こっち見て」
「え、えええ!?」
「はやく」
今度はルイズを見る。
ルイズがユーノを睨みつけていた。
ユーノは、もう何が何だか考えられなくなっていた。
「おかしいわね」
「な、なにが?」
「ユーノが見てるものが私見えないのよ。コントラクト・サーヴァントはすませたのに」
「そうなの?」
ルイズは眼を細めたり、開いたり、閉じたりする。
どうやってても、ユーノが見ているものが見えない。
(これはどう?)
ユーノの声が聞こえた来た。
耳からではなく、頭の中に響くように聞こえる。
「な、な、なにこれ?」
(レイジングハートを身につけて心で僕に話してみて)
「う……うん」
ルイズは畳んだ服の上に置いていたレイジングハートを手に取る。
(こう……かな?)
(そう、簡単でしょ?)
「わ……すごい。すごいわ。ユーノ」
ルイズは自分の顔が自然に笑っていくのを押さえられなかった。
「念話って言うんだ。僕の世界の魔導師なら誰でもできるものなんだ。遠くにいても話すことができるよ。ルイズの言っている目や耳になるっていうのはよくわからないけど、これじゃかわりにならないかな?」
(うん、十分よ。ねえ、聞こえてる?)
(聞こえてるよ)
ルイズは急いで服を着ていく。
また1つ魔法が使えるようになった。
これでキュルケに少しは自慢できる。
少しでも早くキュルケに自慢してやりたいと、マントも急いで着けたところでルイズは「僕の世界の魔導師なら誰でもできるものなんだ」というユーノの言葉を思い出した。
「ねえ、ユーノ。これって私の使い魔になる前から使えてたの?」
「そうだよ。僕も魔導師だからね」
ルイズは少し考え込む。そして決めた。
「ねえ、ユーノ。みんなにはユーノは普通のフェレットの使い魔って事にしておいて欲しいの」
「どうして?この学院の人はみんな魔法が使えるんでしょ?それに使い魔もいろんなのがいるし」
「うん。中にはユーノみたいに言葉を話せる使い魔もいると思う。黒猫が使い魔になったら話せるようになった、て言うのはよくあるし。でも使い魔になる前から言葉を話せて、魔法が使えて、人間に変身するフェレットていうのは聞いたことがないの。たぶん誰も知らないと思う」
ルイズはユーノを抱き上げる。
「そんなのがアカデミーに知られたらユーノが連れて行かれるかも知れないの」
「アカデミーに連れて行かれたらどうなるの?」
「たぶん……いろいろ実験されたり、体をバラバラにされたりすると思う」
「ば、バラバラはいやだよ」
「でしょ?だから、しばらくは普通のフェレットの使い魔のふりしてて。お願い」
「わかったよ。ルイズ」
扉を叩く音がした。
「ねー、ルイズまだなの?」
キュルケが呼んでいた


キュルケはわざわざルイズを待つほどには親しくはない。
少なくともルイズはそう思っている。
それなのに部屋の前にはまだキュルケがいた。
「先に行ってればよかったのに」
「そうだけど、さっきの続きを聞くのに待ってたのよ」
朝食の時間も迫っているので二人は食堂までの道を話しながら歩き始めた。
他の部屋の生徒はすでに部屋を出たらしく、周りは静かになっている。
「私のユーノだって、て言ってたじゃない。私のユーノはどうなの?」
「あ……」
考えてなかった。
ユーノの自慢できるところは思いつく。
でもそれはさっき隠しておくとユーノと相談したところだ。
「そ、そ、そ、それはね……えーと」
考える。
なにか、当たり障りのない事を考える。
「えーと」
思いついた。
「そう、そうよ。ユーノの方がずっとかわいいわ」
その後のキュルケの大爆笑は、大爆笑のしすぎで階段から転げ落ちるまでずっと、ずっと、ずーーーっと続いた。


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