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幕間その六「父と師匠」


ウルトラマンゼロの使い魔
幕間その六「父と師匠」
二面凶悪怪獣アシュラン 登場



「ピッギャ――ゴオオオウ!」
「イヤァーッ!」
 M78ワールドのある惑星の衛星上で、宇宙怪獣に真紅の戦士が立ち向かっていた。
 怪獣は鬼のような形相の人型怪獣であるが、肉体の両面にそれぞれ赤い顔と青い顔を持った、
表裏の概念がない非常に特異な体型をしている。その名は凶悪宇宙怪獣アシュラン。高い力と頭脳を
兼ね備えた恐るべき大怪獣である。
 そして真紅の戦士は、獅子座L77星の王子であった宇宙空手の達人、猛き戦士のウルトラマンレオだ! 
レオはここの惑星で、暴力に物を言わせて好き放題に星の住民たちを苦しめていたアシュランを発見し、
衛星に追い詰めて一対一の勝負をしているところなのであった。
「デイッ! イヤァッ!」
 レオの十八番、宇宙空手の手刀や蹴りがうなりを上げてアシュランに決まっていく。だがアシュランは
前後を頻繁に入れ替えることで受けるダメージを分散するので、なかなか倒れない。
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 そして隙を見て両目からの怪光線を発射する!
「イヤァッ!」
 レオはバク転で怪光線を回避するが、アシュランは続けざまに口から火炎放射を繰り出して追撃。
レオはアシュランの後方に回り込んでいって火炎から逃れようとするものの、そうするとアシュランの
反対側の顔から火炎が放たれる。
 アシュランはただ破壊力のある怪獣ではない。前後の顔が360度をカバーする、全方位に
隙のない堅牢さを誇るのだ。この特性には、さしもの一流の戦士レオも苦戦を強いられる。
「ウゥッ!」
 火炎攻撃でダメージを負うレオの様子を、遠くの衛星の大地からウルトラマンメビウスが目撃した。
彼は今回、レオとともにこの周辺の宙域に派遣されてきたのだ。
『レオ兄さん!』
 思わず救援に駆けつけようと身を乗り出したメビウスだが、その肩をウルトラセブンが掴んで制止する。
『待て、メビウス。アシュランは狡猾な怪獣だ。ウルトラ戦士が複数になったら、すぐにでも
逃げ出してしまうだろう』
『ですがセブン兄さん、いくらレオ兄さんでも、一人でアシュランには……!』
 アシュランは並みのウルトラ戦士の力をもはるかに超える大怪獣だ。事実、かつてレオは
別個体のアシュランと戦ったことがあるが、その時は彼だけでは全く勝ち目がなく、ジャックの
助力を得て初めて倒すことが出来たのだった。
 だが狼狽えるメビウスに、セブンは言い聞かす。
『レオを信じて、見ていろ』
 その言葉に応えるかのように、追い詰められつつあったレオの動きが変わる。彼の反撃だ!
「デェイッ!」
 右腕に赤い輝きを発生させると、光球に変化させて素早く投げつけた! レオの光線技、エネルギー光球だ!
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 エネルギー光球は見事アシュランの赤い面の命中。それの引き起こす爆発が、アシュランに
無視できぬ大きな負傷を与えた。
 アシュランは青い面を前にして負傷部分を隠すが、その時にレオが走り、跳躍!
「ダァッ!」
 アシュランの頭上を跳び越えて赤い面の方に回り込み、鋭い拳の突きをお見舞いした。
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 負傷した顔面を殴られ、アシュランも耐えられずに動きが止まる。そこにレオは連続ハイキックを
入れていき、アシュランをきりきり回転させる。
 アシュランがグロッキー状態になったところで、レオが再び高く跳んだ!
「イヤァーッ!」
 アシュランの真上できりもみ回転し、足が赤熱化するとそのまま急降下! かつてセブンの
課した特訓の元に開発した、きりもみキック!
 回転キックは無抵抗のアシュランの脳天に突き刺さった。前後に顔を持つアシュランも
頭上だけはお留守であった。
「ピッギャ――ゴオオオウ!!」
 アシュランは両方の口から黄色い血をダラダラと垂れ流し、バッタリと倒れて大爆発。
こうしてまた一つ、宇宙の悪が散って命ある星が守られたのだった。
『レオ兄さーん!』
 レオがアシュランを討ち取ると、メビウスとセブンが彼の元へ駆けつける。
『お見事でした、レオ兄さん! あのアシュランを一人でやっつけるなんて!』
『うむ、また一段と腕を上げたな、レオ』
 肩を叩いて健闘を称えるセブンに、レオは笑って答える。
『情けないところを見せたら、またあなたにどやされてしまいますからね。昔のあなたは、
それはもう厳しかった』
『ははは、言うようになったじゃないか』
 互いが地球を守っていた時代を思い出して朗らかに笑い合うレオとセブン。
 と、その時に、セブンが不意に顔を上げた。
『む……』
『どうしました、セブン兄さん?』
 メビウスが尋ねると、セブンは宇宙の彼方を見つめたままつぶやいた。
『今、確かにゼロの気配が……ゼロの光の波動が感じられた』
『えッ!?』
 驚くメビウス。しかしその声音は、前回ゼロの気配の消失を聞いた時とは異なる、喜びの響きだ。
 レオもまた告げる。
『俺も感じました、ゼロの光を。セブン兄さんの言葉の通り、ゼロは再び立ち上がったようですね』
 実はこの瞬間が、バルキー星人の前に絶体絶命だった才人が復活したゼロに変身した瞬間であった。
二人の戦士、ゼロの父と師匠はそれを感じ取ったのだった。
 メビウスが嬉々としてうなずく。
『ゼロがよみがえった……! これでもう安心ですね!』
『ああ。私はこの時が来るのを信じていた』
 と言うセブンを、レオが茶化す。
『そう言う割には、ずっと心配そうだったじゃないですか。どこかそわそわとしていて』
『むッ。レオ、お前こそ弟子の安否が気にかかってたように見えたぞ』
 咎めるようなセブンの言葉だが、口調は明るい。こんなことを言い合えるのも、二人が
安心し切ったからであり、また二人の仲の良さがあるからこそだ。
『それはまぁ、ゼロは手塩にかけて鍛え上げた弟子ですからね。気にもなります。全く、あんなに
手を焼かされた奴もいない。修行中は、本当にはねっかえりの強い奴でしたからね』
『そう言うお前にも、私は何度も手を焼かされたものだがな』
『あれ、そうでしたっけ? すいませんが、よく覚えてませんね』
 今では偉大なウルトラ戦士のレオも、恩師のセブンの前だとありし日の若々しい青年のような態度だ。
メビウスは何だかそれが新鮮に感じられた。
『それはともかく、ゼロは立派な戦士に育ってくれました。今手合わせをしたら、俺も勝てるかどうか
自信がありません。さすがはあなたの息子だけあります、セブン兄さん』
『ゼロが立派になってくれたのも、お前のお陰だ、レオ。お前に託して正解だった。感謝している』
 この星系の恒星の光が差し込む中、向かい合って言葉を交わすセブンとレオ。その様子は、
かつて二人が地球の平和を守ることを誓い合った時の構図によく似ていた。
 その様を目の当たりにしたメビウスは、二人の間の固く熱い絆を自身も感じて、感動を覚えていた。
『……しかし、ゼロが復活したからといって安心ばかりしていられない。怪獣の被害はまだ続いてるし、
マイナスエネルギーの原因も未だ不明だ。私たちの戦いは、まだまだこれからと言える』
『はい。師匠として、ゼロには俺も負けていられません』
『僕も頑張ります! ゼロが向こうの宇宙で頑張ってるように、この宇宙の平和をこの手で
守ってみせます!』
 セブンの言葉に、レオとメビウスはそれぞれ気概を表明した。セブンはそれに固くうなずく。
『うむ! では私たちの力を必要としてるところへと向かおう! デュワッ!』
 三人の戦士が衛星の大地を蹴って宇宙に飛び立ち、またはるかな戦いの旅路へと戻っていったのだった。


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