あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと獅子-02


 朝、目が覚める。一瞬己の現状に眉間にシワを寄せるが、すぐにルイズのことを思い出した。
 起き上がると布団を畳み、音をたてないように外に出る。
 学園の壁を飛び越えて外に出てきたにスコールは、ガンブレードをしっかりと握ると、いつもの自主訓練を始めた。
 毎朝1、2時間程度(最近は学園のこともあり、やれない日ややれても数十分だけだったが)ガンブレードを用いた訓練をしている。
 仮想敵をイメージし、それを相手にどう効率よく戦うか……イメージトレーニング。
 まずはガルバディア兵を四人イメージする。
 二人が同時に剣を降り下ろす、それをガンブレードで防ぎ、一人を蹴り飛ばす。
 後方から銃を乱射してくるのでもう一人をガンブレードで弾き飛ばしたあとに跳んでかわす。
 銃を持った一人の目の前まで跳んだスコールの目の前に援護待機していた兵が剣を構えていたので、ガンブレードのトリガーを引いたフリをして、剣もろとも叩き斬る。
 驚いた銃兵もそのままガンブレードで斬り飛ばし、後ろから迫っていた兵の顔を掴み、少し後ろにいた兵に投げ飛ばす。
 そのまま追いかけて斬り飛ばし、沈黙する。
 息をあらげることもないスコールの脳内に直接声が聞こえてきた。
「フッ……主よ、空虚と戦っていても落ち着けぬであろう? たまにはワレが相手になってやろう」
「バハムートか……」
 確かにその通りだった。スコールはどうにか心を落ち着けようと憂さ晴らししていたのだ。
 みんなは何をやってるのか? どうすれば戻れるのか? これから俺はどうなるのか? 何故俺が呼ばれたのか? はやく帰りたい。何故こんなところに俺はいるんだ。もしかしたらこのまま戻れないのかもな。そんなの嫌だ。
 一晩たってもどうにもならないものは仕方がない。
「……あぁ、頼む」
 バハムートの呼び声にスコールは応じ、バハムートを召喚した。
「……主よ……再びワレに力を示してみよ……」
 最初から容赦のないバハムートの攻撃、メガフレアが襲ってくる。
 途方もない高威力のそれは、スコールを傷つけることはなかった。空中に逃げているスコールに、しかしお見通しとばかりにバハムートの突進がスコールを直撃した。
「ぐっ……!」
 宙に放り出され、なんとか体勢を立て直そうとしたが、バハムートの尾が追撃で放たれる。
 キスティスの鞭より鋭いな……そんなことを考えながら、転げ回るように着地する。
 そのスコールの着地地点にメガフレアがほぼノータイムで降り注がれた。
 流石にこれには為す術もない、スコールは何度もメガフレアの直撃を身体に受ける。

 大ダメージを負ったスコールは立ち上がるが、それでも膝をついてしまう。
「主よ……さぁ、来るがいい」
 その言葉を発した瞬間には、スコールは既にバハムートの眼前に迫っていた。
 ダァン! という衝撃音と共に、バハムートの頭部が上に跳ね上がる。
 無意識に翼を前に出して顔を守ろうとしたバハムートの、その翼に降り立ったスコールは翼にガンブレードを振り下ろす。
 体勢を崩したバハムートの頭へ跳び、ジャンプしてガンブレードを上から振り下ろす。そのまま地面に落ちて行くバハムート。
 空中から更に落ちたバハムートへ向けて追撃を放った。
 地面でもがくバハムートめがけて走り、ガンブレードで切り上げる。と同時に闘気がバハムートの身体を空中に飛ばし、再度地面に踵落としで叩きつけた。
 フィニッシュブロー・ラフディバイド、その攻撃を受けたバハムートは羽ばたくが、どこか弱弱しい。
「流石だ、主よ……迷いは晴れたか?」
「さぁな……」
 バハムートはにやりと笑うと、スコールの体内に戻っていった。曖昧に返したものの、若干スッキリしているスコールだった。
 とりあえず、色々な悩みは置いておくことにする。
 ガンブレードを戻し、さてと遠巻きからの視線に目を向ける。
 最初にバハムートからメガフレアを受けた少しあとから人が増えていたのだが、気にしないことにしていた。
 視線の一つには、ルイズもいた。
「だ、大丈夫なの……?」
「少し、訓練をしていただけだ」
「訓練ってなによ! あんな化け物と戦って、こんなにデコボコにしちゃって!」
 言われてから、そういえばメガフレアで大地が抉られたりしているのに気が付いた。
 しまったな……そこまで考えていなかった、考える余裕の無かった自分に驚かされるスコール。
「すまない」
「すまない…じゃないでしょ!!」
 ヒートアップするルイズの頭に手を乗せ、そのまま歩き去っていく。
「ちょっと!」
 そんな自由なスコールの後に続いていくルイズ。

 遠目から、そんなスコールとルイズを見つめる二つの影があった。
「…彼はいったい何者じゃね?」
「分かりません。ただ、ミス・ヴァリエールの使い魔ということだけしか…」
「あのような竜を見たことは無いのぅ……すまないが、彼をここへ連れてきてはくれんか?」
「分かりました」

 コルベールと名乗るハゲ頭から声をかけられて現在スコールは校長室に呼び出されていた。
 ルイズはコルベールに言われ、現在外で待っている。
「すまんの、ミスタ…なんと?」
「…スコール・レオンハート。レオンとでも呼んでくれ」
「では、ミスタ・レオン。質問なんじゃが、あの竜はなんだね?」
「あれは、バハムート。ガーディアン・フォースだ」
「ガーディアン・フォース? それは?」
「……………使い魔みたいなもの、じゃないか?」
「ほう、使い魔! じゃが儂の見た所、君は他にも使い魔を有しているのではないかね?」
「あぁ…」
「君はどこから来たのかね?」
「………バラム…と言って分かるか?」
「バラム…ふぅむ、聞いたことも無いのぅ」
「………だろうな」
「そのバラムでは、使い魔を複数有することは当たり前なのかね?」
「さぁな…他人のことに興味を持ったことはない。基本的には一人一体のみだった気がするがな…」
「では何故君は?」
「……たまたまだ」
 細かい問答を、オスマンと名乗ったこの学園の校長としていた。
 あの時姿が見えなかったが、このオスマンもバハムートとの戦いを見ていたらしい。
「ミスタ・レオン、君の使い魔のルーンを見せてはもらえんかね?」
 少し考えたあと、左手の手袋を外し、それを見せる。
 コルベールが、おや? とスコールのルーンを凝視し、それを紙に書いていく。
 オスマンもふぅむ…とルーンを眺めている。
「ふむ、ありがとう。君の国のことも教えてもらえんかね?」
 そう問われ、スコールとしては隠すことも何もないため、スコールの身の回りのことを話し始める。

「………なんと……」
 話を聞き終えたオスマンはスコールを驚きの目で見ていた。
 無理もないだろう。こことは違う異世界から来たという話に始まり、魔女を倒す為に作られたSeeDだの伝説のSeeDだったスコールだの、眉唾な話ばかりだ。
 魔女にしても滅茶苦茶だった。時間圧縮…過去と現在と未来を融合させようとする魔女。
 そんな魔法、見たことも聞いたことも無い。時間を全て圧縮し、過去や未来という概念を消し去る…。
「信じられないのも無理はないが、全て本当の話だ」
「そうか……」
「もう良いか? 俺から話せることはこれ以上無い」
「あああああああああああ!」
 席を立とうとした所で、難しい顔をしながら本を読んでいたコルベールが大声をあげた。
「な、なんじゃねミスタ・コルベール! 急に大声をあげて!」
「これ! これですよオールド・オスマン!」
 本をオスマンの顔に突きつけるかのように見せるコルベール。その指さす所には…。
「これは……ミスタ・レオンのルーン……ガンダー…ルヴ?」
「そうです! これは伝説の使い魔、ガンダールヴの!」
 それから二人が話し合いを始めてしまったので、改めてスコールは適当に声をかけて退室したのだった。

 スコールはルイズに連れられ、アンヴィーズの食堂に来ていた。
「ホントならあんたみたいな平民はこのアンヴィーズの食堂には一生入れないのよ」
 だからどうしたとばかりに適当な椅子に座ったスコール。
 文句を言おうか悩んだが、使い魔扱いすると不機嫌になるスコールに何も言えなくなる。
「お、おい平民! そこは僕の席だぞ!」
 もちろんそれに不満を言う人間も現れた。今スコールが座っている席の持ち主だ。
「……………」
 立ち上がるスコールが、その生徒を見下ろす。
「な、なんだよ…」
 その威圧感に圧され、一歩下がってしまうが貴族のプライドでなんとか推し留まり、睨み返す。
「……悪かったな」
 そう一言だけ言うと、スコールは外に出て行く。
「どこ行くのよ!」
「別に」
「もう! なんなのよ!」
 そう叫ぶルイズだったが、教師に注意されて大人しく昼食を食べるのであった。


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