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第七十四話「闇をけちらせ」


ウルトラマンゼロの使い魔
第七十四話「闇をけちらせ」
吸血魔獣キュラノス
石化魔獣ガーゴルゴン
古代暴獣ゴルメデ 登場



 サビエラ村を襲う吸血鬼の脅威。それを調べるタバサとミラーの前に現れたのは、こうもり怪獣バットンだった。
しかしこのバットンは彼らの目をそらす身代わりでしかなく、真犯人は別にいたのだった。
 その正体はいたいけな少女の振りをして村に紛れ込んでいた吸血鬼エルザと、彼女に協力する
美しき夜の種族、そしてその神である吸血魔獣キュラノスであった! 一時は彼らの罠に嵌まってしまった
タバサたちだが、タバサの機転により闇を脱してミラーナイトが大変身! 光の力を以て暗闇の化身、
キュラノスを討ち取る!
 ……そう思われたが、キュラノスは奥の手を用意していた。その名は恐るべき石化魔獣ガーゴルゴン! 
ミラーナイトに二大魔獣の邪悪な牙が迫り来る!

「キュオォ――――――――!」
 キュラノスとガーゴルゴンに挟まれた状態のミラーナイト。まずはキュラノスが翼を広げ、
空中から襲いかかってきた。
『むッ!』
 滑空して鋭い牙を突き立てようとしてくるキュラノスから無駄のない動きで逃れたミラーナイトは、
振り向きざまにミラーナイフを放って反撃した。
「キュオォ――――――――!」
 ミラーナイフの直撃を受けたキュラノスはバランスを崩し、よろめきながら着地した。
すかさずミラーナイトは追撃を掛けようとしたが、
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 今度はガーゴルゴンの攻撃の番だった。ガーゴルゴンは両肩から伸びた蛇の首から稲妻状の光線を発射!
 その光線の威力はかなり高く、ミラーナイトの周囲を爆発で包んだ。
『くぅッ!』
 さすがにひるんでキュラノスへの追撃を中断させられたミラーナイトだが、代わりにガーゴルゴンへと
ミラーナイフを飛ばした。
 しかしその瞬間にガーゴルゴンは自分の足元に光線を撃ち込んだ。光線の起こす爆発が土砂を巻き上げ、
ミラーナイフはそれに阻まれてしまった。
『何ッ!? 怪獣があんな身の守り方を!』
 衝撃を受けるミラーナイト。今の防御の手段はかなり知能が高くなければ実行できないだろう。
少なくとも、ただの怪獣のレベルを大きく逸脱している。これが『魔獣』と呼ばれる大怪獣の実力の一端か。
 ガーゴルゴンに構っている内に、ミラーナイトにキュラノスが殴り掛かってきた。
「キュオォ――――――――!」
『ぐわッ!』
 相手の怪力を受け切れずに殴り飛ばされるミラーナイト。キュラノスの攻撃手段は打撃のみと
極めて単純だが、闇の力を持つ『魔獣』と称される怪獣だけあり、パワーはバットンを超越するレベルであった。
『くッ……この二体を同時に相手取るのは苦しい……!』
 油断ならない力の『魔獣』の二体掛かりの脅威のほどを、ミラーナイトはこの短時間にはっきりと理解した。
が、闇の効力は未だにこの周辺を覆っており、テレパシーで応援を呼ぶことは出来なかった。どうにかして、
一人でこの二体を倒さなければならない。
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 前衛はキュラノスに任せ、ガーゴルゴンは光線を乱射して砲台の役割を果たす。そしてその攻撃は
ミラーナイトを大いに苦しませ、彼の動きを封じる。
『ぐッ、うぅッ……!』
 動きを封じられるということは、ミラーナイトは己の武器の一つ、流れるような妙技を
使えないということだ。自分の長所を潰されては、戦いはとても厳しいものとなる。
 そこでミラーナイトは即席の鏡を作り出してガーゴルゴンの光線を反射させて自分に
食らわせる作戦に出た。が、
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 そうするとガーゴルゴンは肩の蛇を伸ばし、その牙で鏡を粉砕してしまった。
『うッ! 私の戦法が見破られている……!』
 どうやらミラーナイトをバットンと戦わせたのは、吸血鬼事件の犯人の偽装だけが目的でなかったようだ。
バットンとの戦いを通してミラーナイトの戦い方を観察し、その対策を講じたようである。これはパワーより
技を重要とするミラーナイトにとってかなりの痛手だ。技を見切られるのは、相当な不利である!
 蛇の首はそのままミラーナイトの足元まで素早く伸び、足首に食らいついた!
『うわぁぁッ!』
 噛まれたまま引き倒されるミラーナイト。どうにか蛇を振り払って起き上がるが……その時には
キュラノスが背後に回り込んでいた!
「キュオォ――――――――!」
 ミラーナイトが逃げる間もなく、キュラノスは彼の肩に長い牙を突き立てる!
『ぐわぁぁぁぁぁッ!』
 皮膚を破られた上に吸血攻撃を食らい、エネルギーを奪い取られてしまうミラーナイト。
キュラノスが放した時には、力を失いばったりと倒れ込んだ。
 だがここからがキュラノスの吸血能力の恐るべき本領なのだ!
「キュオォ――――――――!」
 キュラノスの両目が先ほどのように赤く怪しく光る。するとミラーナイトの身体が、見えない糸で
引っ張られたかのように不自然に起き上がった。
 更にキュラノスが翼を翻すと、一人で勝手に転倒した。
『こ、これは……! 身体の自由が、効かない……!?』
 そう、今のミラーナイトの身体は自分の意思で動いていない。これがキュラノスの特殊能力。
血を吸われたものは、身体の自由をキュラノスに奪われてしまうのだ!
 ミラーナイトはその後も何度も転倒させられ、自分で自分の身体を傷つけていく。
『うぐあッ……! このままではまずい……!』
 そう思うミラーナイトであったが、身体は指先一本たりとも自力で動かすことが出来なくなっている。
完全にキュラノスに支配されてしまったのだ。こんな状態では、反撃することすら不可能!
「お姉さま、あのままじゃやられちゃうのね!」
 ミラーナイトの絶体絶命の危機に、シルフィードがたまらずに声を荒げた。タバサも静かに
焦りを覚えるが、今の自分たちも手一杯の状態だ。
 何せ、エルザが執拗に追い回してくれている。空に逃れているとはいえ、一瞬でも気を抜いたら
またしても枝に捕まってしまうだろう。
 こちらからも攻撃するが、氷の槍はことごとく先住魔法に防がれてしまう。やはり発動スピードが
段違いで、エルザを出し抜くことが出来ない。
「おねえちゃん、もうあきらめなよ。今更どうあがいたところで、助かる道はないんだよ。
おとなしくおねえちゃんも吸血鬼になった方が身のためだよ」
 エルザは余裕綽々でそんなことを告げてきた。夜の種族の男もまた嘲笑を浮かべて、もう勝ったつもりでいる。
「エルザさんの言う通り。あの光の者の命も、間もなくおしまいです。我が神が、眷属に命令を
下されました。ご覧なさい、光の者が石と化す、その瞬間を!」
 キュラノスに操られて、ミラーナイトは金縛りを食らって立ち尽くした。そしてガーゴルゴンに動きが起こる。
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 ふたまたの尻尾の先端をガラガラと鳴らしながら、中央の首の口がバックリと開かれる。
その中にあるのは……。
「うげッ!? あんなところに目玉があるのね!?」
 眼球がないと思われたガーゴルゴンだが、その実口の中に一つ目が存在していた! この異常な
肉体構造には、さすがのタバサも度肝を抜かれた。
 しかもガーゴルゴンはただ目玉を露出したのではない。その部分に怪光が集まっていく! 
エネルギーチャージをしているのだ!
 目玉から発射される光線こそが、ガーゴルゴンの最大の武器。当たったものは全て石へと変わってしまう、
強力な石化光線! 石になってしまえば、ミラーナイトは本当におしまいだ!
 それなのに、彼を助けられる者は誰もいない!
「ふははははははッ! 光の者も、これで確実に命の終わりです!」
 夜の種族の男が勝利を確信して高笑いした。
「ああぁッ! もう駄目なのねぇ!」
 シルフィードは思わず固く目を瞑ってしまった。この先に起こる惨劇を、見ていられなかった。
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 そしてとうとうガーゴルゴンが、超弩級の石化光線を発射した! 光線は地面をなぞりながら伸びていく!
 ……が、その照準の先にいたのは何と、ミラーナイトではなかった!
「キュオォ――――――――!?」
 キュラノスだッ!
「……何ぃッ!?」
 愕然とする夜の種族の男。エルザもまた、タバサでさえ言葉を失うほど驚いた。これは一体
どういうことなのだ!?
 油断したところに光線の直撃をもらったキュラノスは、たちまちの内に石に変わり果てた。
それによりミラーナイトにかかった魔力が途切れ、彼は糸が切れたように崩れ落ちた。
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 しかもガーゴルゴンの石化光線はそれで止まらず、タバサたちの方にまで飛んできた!
「ッ!!」
 タバサは慌ててシルフィードの首を引っ張り、緊急回避をさせた。空を飛んでいることもあって
ギリギリのところで光線をかわしたが、夜の種族の男とエルザは光線の中に呑まれた。
「ああああああ――!?」
 二人は悲鳴を最後まで唱えることも出来ずに、石像に変わり果てた。
『な、何故味方を撃ったんだ……!?』
 ミラーナイトもこの展開を理解できずにつぶやいた。そうすると、ガーゴルゴンから特殊な
高周波が発せられた。
 その高周波には、確かな意味が乗せられていた。
『愚カナ。ワレハ何者ニモ支配サレナイ。ワレハ常ニ食ラウ側ダ』
『!!』
 ガーゴルゴンからの言葉で、ミラーナイトは理解した。ガーゴルゴンを操り利用していたように
見えたキュラノスだが、実際はキュラノスの方が利用されていたのだ!
 ガーゴルゴンは石にしたキュラノスからエネルギーを全て吸い取った後、稲妻状の破壊光線を放って
用済みになったキュラノスを粉々に破壊した。魔獣キュラノスの、あまりにあっけない最期であった。
 キュラノスが破壊されると同時に、夜の種族の男もまた力が失われたのか、砂となって風に吹かれていった。
『コレダケデハ足リヌ。ワレハコノ星ノ全テノえねるぎーヲ食ライ尽クス! マズハオマエカラダ!』
 仲間割れでキュラノスを葬ったガーゴルゴンだが、結局はミラーナイトにもとどめを刺そうと
襲いかかってきた! ミラーナイトは立ち向かおうとするが……。
『ぐわあああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』
 ガーゴルゴンの光線の猛攻にまるで敵わず、嬲られてしまう! 既にキュラノスにエネルギーを
吸い取られてボロボロに痛めつけられたので、ただでさえ強いのにエネルギーを食らって更に力を強めた
ガーゴルゴンに刃向かえるだけの力が残っているはずがなかったのだ。
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 ミラーナイトが最早ろくに戦えないのをいいことに、ガーゴルゴンは蛇の首で捕らえて
引き寄せると、彼にも石化光線を浴びせた!
『うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』
 ああ、何ということ。ミラーナイトも下半身から徐々に石化していく! このままでは、
ガーゴルゴンによってハルケギニア中が石にされて死滅してしまう!
「あぁぁぁ! どうしたらいいのね!?」
 ミラーナイトの大ピンチに激しく取り乱すシルフィード。しかし一方でタバサは、ある大きな
賭けに出ることにした。シルフィードに短く囁いて命令する。
「えええええッ!? そ、そんな怖いこと出来ないのね!」
 シルフィードは嫌がったが、タバサは有無を言わせぬ無言のプレッシャーを放った。
「うぅ、分かったのね。どうせ、このままじゃシルフィたちも終わりなのね。こうなったら自棄なのねーッ!!」
 シルフィードは弾かれたように、ガーゴルゴンの顔面めがけ一直線に向かっていく! 
命がけの全力により、その速度は弾丸と見間違えるほどだ。
 振り下ろされないように全力でしがみつきながら、タバサは十分に接近したところで用意していた
呪文を解き放った!
「『ウィンディ・アイシクル』!」
 慣性の乗った氷の槍が超速で飛び……ガーゴルゴンの目玉に突き刺さった! 彼女はガーゴルゴンの
目玉が、一番の武器であると同時に弱点であると踏んだのだ。
「アァオ――――――――ッ!?」
 ガーゴルゴンはたまらずにもがき苦しみ、ミラーナイトの拘束を解いた。そのミラーナイトの
石化も解かれ、元の肉体に戻っていく。
 タバサの決死の読みは的中した。一つ目はガーゴルゴンの武器と同時に急所であり、ここに損傷を
受けると石化させたものが元に戻るという副作用まであるのだった。
『あ、危ないところだった……。タバサさん、ありがとうございます……!』
 感謝するミラーナイトだったが、しかしまだ助かったと思うのは早計だった。
 何故なら、ガーゴルゴンの細胞は急速に再生して目玉が復活しつつあるからだ。武器も兼ねた急所なので、
ここの再生速度は異常に早いのだった。
『!! 一気に勝負を決めないといけませんね……!』
 ミラーナイトの方も、残っている力はわずか。一発勝負を決めに行く他はない!
『行くぞッ! はぁぁッ!』
 ガーゴルゴンが攻撃を再開するより早く、ミラーナイトは足元にミラーナイフを一発撃ち込んで
土埃を巻き上げた。その煙幕で己の姿をガーゴルゴンから隠す。
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
 当然ミラーナイトの行方を捜して辺りを見回すガーゴルゴン。目玉も既に再生を完了し、
今度こそミラーナイトを完全な石にしてやろうとしている。
 その時に、ミラーナイトが背後から飛びかかってきた!
 だが蛇の首が伸びて、ミラーナイトに一撃を加える。それで彼の姿が粉砕された。鏡の分身だったのだ。
『しまったッ!』
 ミラーナイトは別方向から飛びかかろうとしていた。ガーゴルゴンはすかさずそちらへ石化光線を発射! 
動揺したミラーナイトはかわせない……。
 そう思われたが、光線はミラーナイトの姿に当たると反射されてガーゴルゴン自身に戻ってきた!
「!!?」
 自分の光線を食らって石になっていくガーゴルゴン。最後に見た光景は、正面のミラーナイトの
姿が割れるところだった。
 本物のミラーナイトは、やはりガーゴルゴンの背後にいた! 実は最初の鏡の分身は見破られることを見越して、
二つの分身を用意していたのだ。動揺した振りをして油断を誘い、本物は最初の鏡の後ろに隠れていたのである。
『これが最後……! シルバークロスッ!』
 完全に石化したガーゴルゴンへ十字の光刃を放つミラーナイト。その刃がガーゴルゴンを分割し、
ガーゴルゴンは粉微塵となって砕け散った。

 一時はギリギリまで追い詰められたが、タバサの決死の助力のお陰で、どうにか逆転勝利を収めた
ミラーナイト。サビエラ村を覆う闇も、これで本当に払われた。
 だが、まだ一つ、どうにかしなければいけないことがある。それがこれ……。
「さて……エルザさんの処遇なのですか……」
 ミラーとタバサはムラサキヨモギ畑の真ん中で、失神して倒れ込んでいるエルザを見下ろしていた。
ミラーナイトが元に戻ったタイミングで、彼女も石化から解放されていたのだ。だがそのショックのためか、
あれから気を失ったままだった。
「……彼女は、人間の敵。やっぱり、倒さなければ」
 タバサはエルザの目が覚めない内にとどめを刺そうとしたが……それをミラーが押しとどめた。
「待って下さい。日頃怪獣退治をしている私ですが……命は出来る限り尊重されるべきです。
彼女は吸血鬼とはいえ、元からこの世界に存在する命。彼女自身には悪意自体もありません。
どうにか、助けられないものでしょうか」
 確かに、エルザが人を襲うのはあくまで生きるためだ。人間に悪意があって命を奪う訳ではない。
そこをどうにかして命を奪わないよう教育すれば、エルザを殺す必要もない。
 が……大きな問題がある。
「でも、彼女をしつけて考えを改めさせるなんて、無理。吸血鬼の力はとても抑えつけられない」
 エルザの思想を正せるだけの力が、タバサにはない。とても面倒なんて見られないのだ。
それはミラーナイトも同様。エルザ一人に構っている時間と余裕は、彼にもないのだ。
「困りましたね……。どうにかエルザさんが死ななくて済む道はないでしょうか……」
 悩んだ末に、ミラーナイトはあることを思い出した。
「あッ、そうです」

 ……暗い森の中を、一人の若いメイドが、息を切らしながら駆けていた。
 その背中を、エルザが追いかけている。小さな少女の姿のエルザだが、その正体は恐るべき吸血鬼。
能力は普通の人間とは比べものにならず、あっという間に追いついて捕まえてしまう。
「い、いや! 放して!」
 メイドは必死で抵抗するが、絡みついた枝は彼女のちっぽけな力では振りほどけるものではない。
無駄な抵抗をしている間に、エルザは首筋に向けて牙をちらつかせる。
「さっきあなたが摘んだ苺みたいに食べてあげる」
 メイドが絶叫する暇もなく、エルザの牙が柔肌に突き立てられる……!
「グウワアアアアアア!」
 ……その寸前に、頭上から怪獣の指が降ってきて、器用にエルザを摘み上げてメイドから引き離した。
「あッ」
 エルザはそのまま、自身を持ち上げた怪獣に抱きしめられて捕まった。
 エルザを捕獲した怪獣はゴルメデ。以前シャプレー星人にけしかけられてラ・ヴァリエール領に出現し、
暴れようとしたが、カトレアとリドリアスたち怪獣の説得によって鎮静化した。だが帰ろうにも元いた土地の
人間たちに追い立てられてしまったので、不憫に思ったカトレアがそのままラ・ヴァリエール領に
引き取っていたのだった。今ではすっかりと彼女の友達となった。
「はーなーせー」
 エルザはジタバタ抵抗するが、いくら吸血鬼とはいえ、巨大怪獣の腕力には抗えない。
先住魔法で枝を操るも、ゴルメデの剛力にはやはり無力だった。ゴルメデは涼しい顔だ。
 エルザが捕まったことで、メイドの拘束も自然に解かれた。と、そこにカトレアと
ヤマノ=キュリア星人の二人が駆けつけてくる。
「あなた、大丈夫だった? エルザちゃんにも困ったものね。まだやんちゃが抜けなくて」
「は、はい。助けていただきありがとうございます、カトレアお嬢さま」
「エルザ、また人を襲おうとしたね。全くいけない子だ。罰として、今晩はそのままゴルメデに
抱かれたままでいること。さぁゴルメデ、巣に帰りなさい」
「グウワアアアアアア!」
 ヤマノに命令された通りに、ゴルメデはエルザを捕まえたまま巣に引き返していった。
 これがミラーナイトの考え出した、エルザの助命案である。それは、カトレアたち
ラ・ヴァリエール家に預けて更生してもらうこと。怪獣と意思疎通できるほど慈愛の精神
あふれるカトレアならば、吸血鬼と心を通わすことも出来るだろうし、宇宙人と四体もの
怪獣に見張られるこの環境では凶行など出来ようはずもない。
 しかしこの現状に、エレオノールは頭を抱えた。
「まさか吸血鬼まで領地に置くなんて……。王宮に知られたら何と言われることかしら……」
「うふふ。今更ですわ、エレオノールお姉さま」
 結構な問題のはずだが、カトレアは朗らかに笑うばかりだった。確かに、怪獣を四体も領地に飼っている
インパクトには吸血鬼も霞むことだろう。
「エルザちゃんがちゃんといい子になったら、サビエラ村の村長さんという方にもお伝えしてあげましょう」
 兎にも角にも、エルザの新しい居場所は見つかった。これから彼女がきちんと更生するかどうか……
それはまだ先のことにはなりそうだが。


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