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第七十三話「吸血鬼!くらやみ少女」


ウルトラマンゼロの使い魔
第七十三話「吸血鬼!くらやみ少女」
吸血魔獣キュラノス 登場



 二ヶ月前から吸血鬼の被害に見舞われるようになったサビエラ村。タバサはその吸血鬼を
退治するために派遣された。そしてサビエラ村を中心に強力な負の気配が生じていることを
感知したミラーナイトもまた、サビエラ村の調査をした。その二人の前に現れたのは、
こうもり怪獣バットン! 悪の牙を剥くバットンであったが、見事ミラーナイトが撃破した。
これでサビエラ村は救われた。
 そのはずだが……。

「村長さん、その後村の人たちに何か異常はないでしょうか?」
 バットンとの戦いから一夜明けたサビエラ村。バットンの血液から作った血清を村人たちに
打って回ったので、もう何の心配もいらないはずなのだが、ミラーとタバサは未だこの村に
留まっていた。未知の怪獣がどんな影響を及ぼしているか分からないので、数日様子を見たい
というのが表向きの理由だ。
「はい、村中の者が元気にしておりますじゃ。吸血鬼の脅威が去ったので皆久々に晴れ晴れとした
顔をしてまして……それもこれも、騎士さまとあの巨人のお陰ですな」
「そうですか、それは何よりです。……しかし、後になってからあの怪獣の悪影響が出てくるかもしれません。
やはり私どもは、もうしばらくここに残らせていただきます。よろしいでしょうか?」
「もちろんですじゃ。お忙しいでしょうに、こんな小さな村のためにそこまでしてくださるとは……
まことにありがたいことですじゃ」
 村長からの許可を得て、ミラーたちはサビエラ村に留まることが決まった。村の人々は彼らに
いたく感謝しており、村長の言った通りに昨日までが嘘のような晴れやかな顔つきをしている。
 だがそれとは対照的に、ミラーとタバサの表情はどこか釈然としないものであった。
「……どうして、まだここにいるの?」
 タバサが小声でミラーに問いかける。彼はこう答えた。
「恐らく、タバサさんの考えてることと同じですよ。……本当に吸血鬼事件が解決したのか、疑問が残ります」
 二人とも、事件の結末には違和感を覚えていた。ミラーがそのことを詳しく語る。
「吸血怪獣は確かに倒しました。しかし三つほど解決してない謎が残ってます。一つは、初めに私が
感じ取った負の気配の正体。あれがあの怪獣のものだったとは思えません。二つめは、怪獣は人の血を
吸って吸血鬼を増やすことを本能としてる種類にも関わらず、この村にはそれらしい人がいなかったこと。
そして最後は……村長さんの宅に侵入された時、何故怪獣は窓ガラスを割ったのかということです」
 村に二人目の被害が出てから、村人は誰も夜に出歩かなくなり、家々は固く閉ざされた。
それにも関わらず、吸血鬼は扉も窓も破壊することなく家内に侵入し、犠牲者を出し続けた。
閉ざされた家の中に入り込むには、狭い煙突を通るしかない。
 バットンは体長40cmほどの宇宙コウモリに変化することも出来る。その能力なら煙突も楽々
通過できるだろうが……ならば何故村長宅の時もそうしなかった? 村長の家にももちろん
煙突はあるし、あの時封鎖などはされていなかった。それなのにどうして大きな音を立ててまで
窓を割ったのだろうか? 説明がつかない。
 ミラーもタバサも、その答えを見つかるためにこの村に留まるのであった。

 日が傾き、また夜がやってきた。ミラーたちは村長の厚意で、今晩も彼の屋敷で夕食を預かる。
「うッ、このサラダは何とも苦いですね……」
 そのメニューのサラダを口に運んだミラーは、端整な顔立ちを少々歪ませた。特段好き嫌いの
ない彼だが、それでも顔をしかめるとはどんなサラダなのか。
 給仕の娘が慌てて説明する。
「し、失礼しました。村の名物で、ムラサキヨモギっていうんです。物凄く苦いんですけど、
身体にはよくって……」
「そ、そうでしたか。それではいただくべきですね……」
 と言うミラーなのだが、額には脂汗が浮かんでいてどうも手が伸びない。
 それとは反対に、タバサはムラサキヨモギのサラダを既に三杯も完食していた。と、その様子を
見ていたエルザがぽつりとつぶやいた。
「ねえおねえちゃん、野菜も生きてるんだよね」
 タバサはうなずいた。
「スープの中に入ってたお肉も、焼いた鳥も、全部生きてたんだよね?」
「うん」
「全部殺して食べるんだよね。どうしてそんなことをするの?」
 短くタバサは答えた。
「生きるため」
 すると、エルザはきょとんとした声で、
「吸血鬼も同じじゃないの? 吸血鬼がにんげんの血を吸うのだって生きるためじゃないの?」
「そう」
「だったら、なんで邪悪だなんて言うの? やってることは同じなのに……」
 給仕の女の子は、そんなエルザをたしなめた。
「エルザちゃん、吸血鬼に血を吸われて死んじゃったらイヤでしょう?」
「うん。でも、牛さんだって野菜だって、食べられたらイヤなはずでしょう?」
「お肉やお野菜は、おいしく食べられて幸せなんだよ。わたしたちの身体になるんだから」
「だからそれは、吸血鬼も同じじゃないのってわたし思うの」
 給仕の女の子は、言葉に詰まった。
 するとエルザは、再びタバサの顔を覗き込んだ。
「ねえおねえちゃん。どうして? なんで人間はよくって、吸血鬼はいけないの? どうして?」
 タバサが答えないでいると、代わりというようにミラーが口を開いた。
「確かに、生きるために食べるという点では違いはありませんね。しかし、一つ大きな違いがあります。
それは、吸血鬼の食べる対象は人間という、その一点です」
 エルザは親をメイジに殺されて、メイジを嫌って怖がっている。実際、騎士の振りをしているミラーのことも怖がっていた。
 そのはずだが、今は何故かミラーがしゃべっていても怯えた様子は見せなかった。
「別に私は、人間というだけで他の生き物とは違う、特別な存在なんだと言うつもりはありません。
しかし、人間は良くも悪くも大きな『感情』と『力』を持ってる生き物。生きるために仕方なく、でも
殺された人の家族や友人は怒りと恨みを抱きます。殺した者への復讐のために『力』を振るうかも
しれません。殺される人が多いほど、恨みの『力』は大きく広がっていって、やがて世界中を
壊してしまうかもしれません。それを防ぐために、吸血鬼が人間を殺すのは止めないといけないんですよ」
 それは、ミラーたちウルティメイトフォースゼロが怪獣と戦い、人間を守る確かな理由の一つであった。
「……」
 その説明を、幼いエルザが理解したかどうかは分からない。しかし彼女は黙ったまま、
それきり何も言わなくなった。

 夜がいくらか更けた頃、エルザがタバサの部屋を訪れてこう告げた。
「あ、あの! おねえちゃんに見せたいものがあるの!」
「見せたいもの?」
「うん。おねえちゃんの大好物。この村のおみやげにどうかなって」
 タバサはちょっと考え込んだが、うなずいた。
 そうして二人は村長の屋敷を離れ、月明かりの夜道を進む。
「こっちこっち」
 エルザは無邪気に村はずれの森へとタバサを誘っていく。
 柵の切れ目で、タバサは口笛を吹いた。
「口笛? 上手だね」
「魔よけのおまじない」
「夜に口笛を吹いちゃいけないんだよ。えんぎがわるいんだよ」

 森の中に、開けたムラサキヨモギの群生地はあった。
「すごいでしょ! こんなにたくさん生えてるの! ほら! ほらほら!」
 月明かりの下、楽しそうな声でエルザは駆け回った。
「おねえちゃん、この苦い草、おいしいって食べてたよね! だからいっぱい摘んで!」
 タバサは促されるままにしゃがんでムラサキヨモギを摘み始めた。
 両手いっぱいにムラサキヨモギを摘んだ頃に、エルザはその耳元に口を寄せた。
「ねえおねえちゃん。ムラサキヨモギの悲鳴が聞こえるよ? いたい、いたいってね」
 タバサはムラサキヨモギを放り出し、駆け出した。
 エルザは呪文を口にする。
「枝よ。伸びし森の枝よ。彼女の腕をつかみたまえ」
 走るタバサを伸びる木の枝がつかみ、タバサは身動きが取れなくなった。“先住”の魔法であった。
「吸血鬼」
 タバサがその単語を口にすると、エルザは微笑んだ。その口の端には、白く光る牙が二個、
綺麗に並んでいる。
「そうだよ。吸血鬼は一人だけじゃなかったの。女の子たちの血を吸っていたのもわたし」
「嘘つき」
 タバサは枝から離れようともがいたが、杖を持たないメイジはただの人。枝はがっしりと
タバサの身体をつかんでいて、とても抜け出せなかった。
「嘘はついてないよ。だって、誰もわたしにお前が吸血鬼ね? なんて聞かなかったもの。
両親がメイジに殺されたのもほんとうよ。わたしの目の前で……。そのあとは一人でとぼとぼと
歩いて旅を続けたの。んーとね、三十年くらい」
 妖魔の寿命は人間のそれより遥かに長い。少女に見えても、その知能は少女のそれとは違うのであった。
 あらわになったタバサの肌を、愛しそうに少女は舐めあげた。
「おいしそう……、なんて肌が綺麗なの? まるで雪みたい。知ってる? 血が全部なくなると、
もっと白くなるんだよ。わたしが白くしてあげる。もっと綺麗にしてあげる。ねえおねえちゃん。
もう一度質問するわ。おねえちゃんがムラサキヨモギを摘むのと、わたしがこうやって、おねえちゃんの
血を吸うのとどう違うの? 今度はおねえちゃんが答えてね」
 エルザの牙がギラリと光った、その瞬間――。
 強烈な風が吹いた。烈風がエルザを突き飛ばし、タバサを拘束から助ける。
「な、なに?」
 エルザが思わず見上げると、青い鱗がまばゆい風竜が夜空に浮かんでいた。その背の上に、
タバサが乗り移っている。
「風竜? 使い魔?」
 烈風の正体はシルフィードだ。この村に来てから、もしもの時のための切り札としてずっと隠していた。
先ほどの口笛で呼び寄せたのだ。エルザはその存在に気づけなかったので、こうして不意を突かれた。
 そして口笛に呼ばれたのは、シルフィードだけではなかった。
「タバサさん!」
 飛び込んできたミラーがタバサに杖を投げ渡す。タバサはしっかりとキャッチした。
 エルザはミラーから、杖を受け取ったタバサへと素早く視線を移した。
「……やっぱり、おねえちゃんの方がメイジだったんだね。嘘つきはおねえちゃんの方じゃない」
 その口振りから察するに、エルザはタバサがメイジだと疑っていたようだ。だから夕食の席で
ミラーに怯えなくなっていたのか。
 だが彼女の視点からでは、タバサがそうだと判ずる材料はなかったはず。何故それに気がついたのか?
 その答えを大人しく待つという訳にはいかない。先住魔法はメイジの魔法よりも優れているが、
発動する前に先手を取れば倒せないこともない。タバサはエルザがまた魔法を使う前に、氷の槍を飛ばそうとする。
 しかしエルザの口から出たのは、意外な言葉であった。
「これはまずいなあ……。おねえちゃんの血を吸ってからにするつもりだったけど、あの人たちの
力を借りるか」
 その言葉を合図とするかのように……ムラサキヨモギの群生地を急速に闇が覆い出した。
 その「闇」はあまりに不自然だった。月光を侵蝕しながら広がっていく!
「こ、これは……!」
 一気に動揺するミラー。彼はこの「闇」が、何かとても恐ろしいものであると直感で理解したのだ。
 タバサはエルザに攻撃しようとしたが……エルザはいつの間にか闇の中に紛れて姿をくらましていた。
エルザを目で探すタバサだったが、枝がまたも巻きついてきて、今度はシルフィードもろとも捕まってしまった。
杖も奪い取られてしまう。
「しまった……!」
「つかまえた。あはッ……」
 珍しく目に見えて動揺するタバサ。それに伴い、エルザが闇の中から姿を出した。
「……バットンを倒して大人しく帰っていればよかったものを。こうして自ら命を落としに
来ることとなるのです」
 彼女とは別に、謎の成年男性が闇の中より出現した。ただものではないことは明白だ。
「何者だッ!」
 ミラーが詰問すると、男性はねっとりとした丁寧口調で答えた。
「私はもちろん人間ではありません。こことは別の世界よりいらした夜の神に仕える、美しき夜の種族です。
そちらのエルザとは、半年前に出会ってから協力する仲でしてね。種族は違えども、同じく夜に生きる種族。
仲良くできましょうとも」
「夜の種族……。この小さな村に、まさかこんなにも吸血鬼がいたとはさすがに予想していなかったな」
 臨戦態勢を取ろうとするミラーだが……妙に身体に力が湧かないことに内心焦りを覚えていた。
この「闇」……これが力を奪っているかのようだ。
 『美しき夜の種族』と名乗る男性は、ミラーたちにサビエラ村の吸血鬼事件の真相を説明する。
「我が神は元の世界で、光に満ちた者に追われてこの世界に迷い込みましてね。神はこの地で
我ら夜の種族を再び繁栄させることを決められました。しかし大きな障害があるので、慎重に事を
運ばなければならない。そう、あなたとそのお仲間たちのことですよ。光の者!」
 夜の種族の男は憎々しげにミラーを指差した。
「案の定、我が神が夜の種族を増やそうとされた矢先に、あなたが現れた。それで我が神は
眷属の怪獣をけしかけてやり過ごそうとされましたが、あなたは怪獣を葬ってもここに残った。
それ故、こうして神が直接始末をつけなくてはならなくなったのです」
 何と、バットンはその神とかいうものの身代わりでしかなかったという! それでバットンの
行動の謎は解けたが、仮にも怪獣を眷属にするという、夜の種族の神とは何者なのか?
「さぁ、我らが美しき夜の種族の神よ! お出まし下さい! そして光の者を滅ぼしたまえ!」
 夜の種族の男の呼び声に応えるかのように、巨大な怪物が闇を破って出現した!
 見た目はバットンのようにコウモリ型の巨大怪獣だが、顔の作りや雰囲気はずっと禍々しいものだ。
こいつが真の黒幕だったのか。
 その名は吸血魔獣キュラノス! 元はネオフロンティアスペースの怪獣で、血を吸った人間を
眷属の『美しき夜の種族』に変えてしまう、「魔獣」の仇名で恐れられた大変危険な怪獣なのだ!
「キュオォ――――――――!」
 闇から現れた魔獣キュラノスは、ゆっくりとミラーへと迫り来る。このままの状態では
ミラーはひねり潰されてしまう!
「そうはいかない! 変身……!」
 ミラーは鏡の巨人、ミラーナイトへ変身してキュラノスに立ち向かおうとするが……どういう訳か
身体には何の変化が起こらない! どれだけ力を込めても、元のミラーナイトの姿にはなれなかった。
「無駄だ! この闇の中では、光の者であるお前はその力を発揮することが出来ない!」
 キュラノスが操る『闇』……それは世の中の憎しみや妬みなどが凝り固まり、出来上がった
マイナスエネルギーの塊。その高濃度の負の力の中にいては、ミラーは本来の力を封じられてしまう! 
エルザがタバサをこの森の中に連れてきたこと自体が罠だったのか!
「くぅッ……! やられた……!」
 人間の状態では、とてもキュラノスに立ち向かうのは無理だ! だが『闇』にテレパシーも
さえぎられていて、仲間たちの救援を求めることも出来ない状況。ミラーナイト、万事休すか!
 その一方で、タバサもまたピンチの最中にあった。
「ふふッ……それじゃあ、おねえちゃんの血を吸ってあげるね」
 エルザが妖しい笑みを浮かべながら、空中に捕縛したタバサを自分の元へ引き寄せようとする。
「怖がらなくても大丈夫だよ。血を吸っても、死ぬ訳じゃない。美しき夜の種族の力で、
吸血鬼に生まれ変わるだけなんだから。わたしが血を吸った人たちだって、光の者を片づけたら
吸血鬼として蘇らせてあげる。そうして夜の種族の王国を作るの! 素敵でしょう?」
 吸血鬼になどなってたまるものか。しかし、枝の拘束は強力で、シルフィードの力でも
振り払うことが出来ない。このままなす術なく、全身の血を抜き取られるしかないのか?
 ふと、タバサはキュラノスに追い詰められるミラーを一瞥した。そして一瞬の閃きが頭によぎり、
それに従って自分の命運を彼に賭けることにした!
 まだかろうじて動く片手を、力を振り絞って自分の顔面へと引っ張っていく。そして眼鏡に
指をかけると、上に高く弾いた!
「!?」
 クルクルと高く飛んでいく眼鏡。そのレンズがひと筋の月光を反射し……光はミラーへと差し込んだ!
「はッ!? とぅあッ!」
 ミラーの判断は実に素早かった。彼も力を振り絞って闇の中から、眼鏡の反射光へと向けて跳び出した!
「何ッ!? しまった!」
 夜の種族の男が動揺したが、もう遅かった。
「はぁぁぁぁッ!」
 光を浴びたミラーはたちまち変身、巨大化し、闇を突き破ってミラーナイトの巨体を森の
真ん中に降臨させる! その威圧感は、キュラノスにも少しも負けていない!
「キュオォ――――――――!」
 タバサの機転のお陰でどうしようもない状況から一発逆転を果たしたミラーナイトに、
キュラノスはひるんでいるように見えた。
『ふッ!』
 ミラーナイトは小さなミラーナイフを飛ばし、タバサとシルフィードの拘束を千切った。
自由になったシルフィードが大空へ逃れ、ミラーナイトは彼女たちに親指を立てて感謝の意を示した。
「ああッ! あと少しだったのに!」
 タバサに逃げられたエルザは激しく悔しがる。
『吸血鬼よ! 人を襲い、この世を闇に覆わんとするお前たちの野望、許す訳にはいかない! 
観念してもらおう!』
 ミラーナイトはキュラノスと美しき夜の種族へ啖呵を切る。これから光の刃が闇を切り裂くのだ!
 ……そのはずなのだが、どういう訳かミラーナイトの変身を許したにも関わらず、夜の種族の
男の顔には余裕があった。
「ふふふ……あの状況から抜け出したのにはいささか驚かされましたが、光の者が変身する
この事態を想定していなかった我が神ではないのですよ」
 その言葉に驚きを見せるミラーナイト。まさか、自分たちと戦うための何かの切り札を
用意しているのか!
「さぁ、神よ! 我らが憎き敵、光にお見せ下さい! あなたさまの最強の眷属を! そして光を
完全に消し去りたまえぇッ!」
 夜の種族の男の求めに応じるかのように、キュラノスが赤い両眼を怪しく輝かせた。
 その瞬間、夜空の一部に穴が開いたかと思うと、そこから光球がミラーナイトの背後へと降ってくる。
そしてその光球は、瞬時に異形の大怪獣へと姿を変えた!
「キュウッ! アァオ――――――――ッ!」
『あの怪獣は……!?』
 眼がなく、内側に曲がった角を頭部に生やす爬虫類のような容貌。両肩からは蛇のような
長い首が伸びていて、ガラガラヘビを思わせる尻尾はふたまたに割れている。しかしミラーナイトが
何より驚いたのは、その怪獣から途轍もないパワーとそれに負けぬほど膨大な『悪意』の感情が
感じられたことだ。明らかに普通の怪獣ではない。
 この怪獣は星々を渡り歩き、その星のエネルギーを全て食らってしまう凶悪極まりない大怪獣。
惑星ゴールドを始めとしたいくつもの文明を滅ぼしたことから『魔獣』と呼ばれ恐怖されている! 
その名はガーゴルゴン!
 このガーゴルゴンの脅威を、ミラーナイトはひと目見ただけで感知した。
『こんな怪獣を味方につけていたとは……! ここまでの事態になるなんて……少し、敵を甘く
見過ぎてたか……!』
 二大魔獣に挟まれたミラーナイト。暗黒の魔手に打ち勝つことが出来るのか!?


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