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第七十一話「美しい人間の意地」


ウルトラマンゼロの使い魔
第七十一話「美しい人間の意地」
冷凍怪獣マーゴドン
凍結怪獣ガンダー
宇宙海獣レイキュバス
冷凍怪獣シーグラ
宇宙海人バルキー星人 登場



「行こう、ジャンボット! みんなを救いにッ!!」
『うむ!』
 コックピット内でファイティングポーズを取り叫んだ才人に、ジャンボットは力強くうなずいた。
 ガンダーの冷凍ブレスにより回路が凍りつき、動けなくなっていたジャンボット。だが才人が内部に入り
操縦者となったことでシステムが再起動、回路も復活して再び立ち上がったのだ!
『ジャンボットが立ちました! サイトのお陰で!』
『うおおおおッ! サイト、やるじゃねぇか! この吹雪の中で!』
 ジャンボットの復帰を目の当たりにしたミラーナイトとグレンファイヤーが驚きと喜びの声を上げた。
 一方で、レイキュバスとシーグラの怪獣たちは再び動いたジャンボットに刺激されたのか、
彼を攻撃しようとする。
「グイイイイイイイイ!」
「ギャァァァアアア!」
 しかしそれを、ジャンボット同様に持ち直したミラーナイトたちが食い止める。
『おっとぉ! 勝負はこっからが本番だぜぇ!』
『彼らには私たちが手出しをさせない!』
 グレンファイヤーがレイキュバスを羽交い絞めにし、ミラーナイトはチョップやキックの乱打で
シーグラ四体を足止めした。
 怪獣たちの猛攻で追い詰められていた二人であったが、才人の勇気と頑張りが彼らの胸にも届き、
再度戦う力を与えたのであった!
 そして肝心の才人とジャンボットだが、殴り倒したガンダーが起き上がって彼らに襲いかかる!
「プップロオオオオオオ!」
 ガンダーはドリル状の爪を振るってジャンボットを引っかく。復活したジャンボットではあるが、
状況は依然として不利なまま。爪の攻撃でダメージを負う。
『うぐぅッ!』
「くぅッ! やっぱり実戦は厳しいな……!」
 現在のジャンボットのコントロールは才人が握っているが、彼はガンダーの速い攻撃になかなか
対応できないでいた。グレンファイヤーに鍛えられたものの、やはり付け焼き刃。いきなり実戦で
通用するかと言えばそういうものでもない。本当の戦いは険しいのだ。
 だが、才人はグレンファイヤーの教えを思い出しながら反撃を開始する!
「戦いには流れがある……。勢いがある! 一番大事なのは勢いを得ることだ! うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」
 振り下ろされる鋭い爪も恐れずに、鬨の声とともにショルダータックル! それが見事に決まって、
ガンダーは大きく吹っ飛ばされて雪の中に沈んでいった。
「プップロオオオオオオ!」
「よしッ! この勢いのままに行くぞ! 次は……あいつだ!」
 才人はこの状況で最も倒すべき相手を見据えた。
 それはマーゴドン。ガンダーとともにアルビオンを襲う猛吹雪を作り出している元凶だ。こいつを倒せば
こちらの動きを制限する吹雪は弱まり、状況を好転できるはずだ。
「ガオオオオオオオオ!」
 しかしマーゴドンとてそう容易くは倒されてくれない。全身から冷凍ガスをものすごい勢いで噴出させて
ジャンボットを牽制する。この冷凍ガスを攻略するのは至難の業だ。
 が、才人には既にマーゴドン打倒の作戦が閃いていた!
「ブースター点火ぁぁぁッ!」
 ジャンボットの足裏のノズルからジェットを噴き、ジェット噴流を前方に送る。それが巻き起こす突風が、
冷凍ガスを押し戻してマーゴドン自身に浴びせる。
「ガオオオオオオオオ……!」
 するとマーゴドンの肉体が瞬く間に凍りついていった! マーゴドンは冷凍怪獣の中でもトップクラスの
冷凍ガスの持ち主だが、その威力は強すぎて自身の身体までも凍ってしまうほどだったのだ。
 そして、凍ったものは衝撃に弱くなるのである。
「今だ! ジャンナァックルッ!!」
 すかさずうなるジャンナックル! ロケットパンチがマーゴドンに激突すると、怪獣の全身が
一瞬にして粉々に粉砕された。
 吹雪の発生源の一つが潰されたことで、ウルティメイトフォースゼロを襲っていた猛吹雪の勢いが弱まった!
『いよっしゃあぁぁぁッ! これで動きやすくなったぜぇッ!』
 それによりグレンファイヤーの挙動が目に見えて良好になった! レイキュバスのハサミの振り下ろしを
前転でかわし、ミラーナイトを囲んでいるシーグラたちへ向けて熱エネルギーを溜める。
『いっくぜぇぇぇッ! グレンスパァァァ―――――クッ!』
 それまでの鬱憤を晴らすかのような、もしくは才人の熱気に負けないとするかのような、いつも以上に
パワーを込めた攻撃。ミラーナイトが跳躍して逃れた直後に、シーグラ四体のど真ん中に着弾した!
「ギャァァァアアア!!」
 巻き起こる大爆発! シーグラたちは纏めてその爆炎の中に消え去った。
「プップロオオオオオオ!」
 積雪の中からガンダーが飛び出した。ジャンボットの背後に回り込み、さっきのお返しとばかりに
不意打ちを狙っている。
 だがそれをミラーナイトが許さなかった!
『はぁぁぁぁッ!』
 空中から放ったミラーナイフ二連発がガンダーの両腕を根本から切断。そしてシルバークロスが
炸裂してガンダーは十字に切り裂かれた。
 ガンダーも倒されたことで吹雪は完全にやんだ。空を覆い隠していた黒雲は去り、雪に埋まった
森に日光が差し込む。
『雪なんてもう見飽きたぜ! ファイヤァァァァァァァッ!』
 その積雪も、グレンファイヤーの発した熱波であっという間に解けていった。これで戦況は完全に
こちら側に傾き、残るはレイキュバス一体だけ。
「グイイイイイイイイ!」
 しかしここからレイキュバスが粘る。ハサミを振り回してグレンファイヤーの接近を阻み、目の色を
赤と青に切り替えながら火炎弾と冷凍ガスをばら撒いて、ミラーナイトとグレンファイヤーに猛然と
攻撃を加えた。二人の遠距離攻撃は、強固な装甲に弾かれてダメージとならない。
『ちッ! 存外に骨があるじゃねぇか! 甲殻類なのに!』
『思った以上の難敵ですね……』
 数の差にも負けないレイキュバスの底力にてこずるミラーナイトたち。これが大怪獣の意地なのだろうか。
 だが、意地ならば人間の才人も負けてはいなかった!
「よし! バトルアックスだ!」
 相手は防御の固い相手なので、破壊力の高いバトルアックスを手に取る。そして勇敢にも
レイキュバスの正面から挑んでいく!
「グイイイイイイイイ!」
 迎え撃つレイキュバスのハサミは、バトルアックスにも劣らぬ恐ろしい切れ味だ。だが、才人は再び
グレンファイヤーからの教えを思い返す!
「ハサミの動きだけじゃない、奴全体を見るんだ。そうすれば、軌道が見えてくる!」
 才人の意識が、視線が、レイキュバスに集中する。そうして――。
 レイキュバスの巨大なハサミを、アックスで切り払った!
「出来た! やれる! あいつの動きについていける!」
 両のハサミの乱打をかわし、あるいは打ち払っていく才人。しかし途中でデルフリンガーが声を上げた。
「相棒、右じゃねえ! 口からの攻撃だ!」
 咄嗟にその言葉に従うことで、フェイントからの火炎弾も回避することが出来た。
「経験の足りねえ分は、俺が補佐してやるぜ」
「デルフ、ありがとう!」
 デルフリンガーの協力で、徐々にレイキュバスを追い詰めていく。
 そしてハサミを上に弾いたことで、レイキュバスが大きく仰け反る!
「グイイイイイイイイ!」
「今だぁッ!」
 その隙を見逃さず、グルリとその場で回転してアックスに遠心力を乗せた!
『必殺! 風車ぁぁぁぁぁぁッ!!』
 ジャンボットと声が重なり、必殺の兜割りを叩き込む!
 レイキュバスの甲殻に大きな亀裂が走った!
『シルバークロスッ!』
『グレンスパークッ!』
 そこにダメ押しの援護攻撃! それが突き刺さったことで、レイキュバスは木端微塵に爆散した!
「やった……! 勝ったッ! 勝ったんだぁぁぁッ!」
 全ての怪獣を倒したことで、才人は大歓喜の声を高らかに発した。グレンファイヤーも祝福する。
『サイト、やったじゃねぇか! へへッ、ちょいと感動しちまったぜ!』
『あなたがいなければ私たちはやられてました。深く感謝します』
『サイト、本当にありがとう! 君はまさしく勇者だ!』
 三人から口々に称えられ、才人は若干気恥ずかしそうにはにかんだ。
 見たか、ポール星人。これが人間の力。どんな時もあきらめずに突き進む心。その精神は、どんな挑戦にも
決して負けることはないのだ。

 吹雪がやんだことで、ルイズとシエスタの視界も晴れていた。二人は並び立つジャンボットたちの
勇姿を見上げている。
「ミス・ヴァリエール、ご覧下さい! ジャンボットさんたちが助けてくれましたよ! ……でも、ゼロ……
サイトさんの姿はやはりありませんね……」
 シエスタはゼロがこの場にいないことに少し落胆した様子だった。
 しかしルイズは違った。ウルティメイトフォースゼロの戦いを知る彼女は、ジャンボットの戦い方に
違和感を覚えていた。
「ジャンボット……いつもよりも戦い方が荒々しかったような……。何というか、勢い任せというか、
やんちゃというか……」
 そしてそんな戦い方をする人間を彼女は知っていた。いつもすぐ近くで見ていた、あの……。
「まさか……サイトが乗ってるの!?」

 ルイズたちの姿を、才人の方からもコックピットから視認した。
「ルイズ!? シエスタも……。どうしてこんなところに?」
『決まってるだろう。君を捜しに来たんだ。二人とも、君の生存を信じてここまで来てくれたんだぞ』
 驚く才人にジャンボットが教えた。彼は当然、シエスタからこのことを聞いていたのだ。
『それでサイト、どうするのだ? 君はルイズに会いたくないとミラーナイトから聞いたのだが』
 ジャンボットの問いかけに、才人はこう答えた。
「いや、俺を降ろしてくれ! あの二人に、ただいまって言わなくちゃ!」
 それを聞いて、ジャンボットは笑ったようだった。
『了解した。すぐに地上へ転送しよう』
 その言葉通り、ジャンボットの足元に才人が転送される。外に出た彼はすぐに、ルイズたちの方へと駆けていく。
「おーい! ルイズー! シエスター!」
「サイト! 本当にサイトだわ……! もう……今まで何やってたのよ……」
「わぁわぁ! サイトさん、ほんとに生きてたんですね……。良かった……」
 二人は才人の無事な姿を確認して、涙ぐんでいた。そちらへ向かって、元気良く走っていく才人。
 先日までは、もう自分にルイズの側にいる資格がなくなったと言って無事を知らせるのを拒否していた。
しかし、今はそれが自分に吐いていた嘘だと分かる。本当は、弱くなった自分のありさまをルイズに
見せたくなかったのだ。その本音を認めたくなくて、ごまかしていた。
 だが今は違う。グレンファイヤーに鍛えられ、ありったけの勇気で怪獣に立ち向かったことで、すっかりと
自分に自信がついた。そしてやっぱり、ルイズたちの元にいたいという気持ちを自覚した。今度は、己に嘘は吐かない。
 ずっと無事を知らせなかったこと、ルイズは怒るかもしれない。それでもいい。もう一度、
ゼロの使い魔をやっていきたい……!
「相棒、止まれぇッ!」
 突然、デルフリンガーが叫んだ。
 その指示を聞いていなかったら、才人はいきなり降ってきた巨大な刃に潰されていたことだろう。
「えッ!?」
 驚愕する一同。見上げると、剣とリングを足したような武具を持つ、金属製の仮面のような頭部の
黒い巨人がいつの間にか現れていた!
『ハッハーッ! ユーはウルトラマンゼロの変身者だなぁ! こんなところにいるとはアメージング!』
「ば、バルキー星人!」
 正体は侵略者バルキー星人! かつて地球の海で怪獣サメクジラを操り、船舶を次々沈めて
多大な死者を出した凶悪な宇宙人だ!
『ビッグな異常気象が起きたんで、様子を見に来て正解だったぜぇ! 今のユーはゼロに変身できない
みたいだなぁ! 変身できないゼロなど恐ろしくもない! そこを仕留められるなんて、ミーはスーパーラッキーだぜぇ!』
 やはり、狙いは才人! ジャンボットたちは色めき立つ。
『待て! そんなことは許さん……!』
『シャラーップ!』
 すぐにバルキー星人を取り押さえようとしたが、バルキー星人が額の発光部から光線を放って三人を先制攻撃した!
『ぐわぁぁぁぁぁッ!』
 爆発でそろって転倒するミラーナイトたち。彼らは吹雪の中での冷凍怪獣軍団との苦闘の直後なので、
疲弊し切ってしまっているのだ。
 彼らが手出しできない内に、バルキー星人は才人を殺してしまおうとする!
「くッ……! やられてたまるか!」
「サイト!」「サイトさん!」
 ルイズとシエスタを巻き込まないように、才人は全速力で二人から離れて逃げていく。
それを追い掛けていくバルキー星人。ルイズは杖を抜いて『爆発』でバルキー星人を倒そうと考えるも、
「詠唱が間に合うかしら……!?」
 『虚無』の詠唱の完成には時間がかかる。それまで才人が逃げ切れるかどうか……。しかし、
今取れる手は他にない。ルイズは才人が逃げられることを必死に願いながら、出来る限り早口で呪文を唱え出す。
 一方の才人は全力で逃走するも、巨大なバルキー星人とは歩幅が違いすぎる。とても振り払うことは
出来ず、向こうが撃ってくる光線をぎりぎりでかわすのがやっと。
「相棒、ここまで来てやられるな! 意地でも生き延びるんだ!」
「分かってるさ……!」
 デルフリンガーが鼓舞するものの、物理的に不可能なことがある。光線が才人の周囲全てを火で覆い、
彼の逃げ道をふさいだ!
「しまった!」
『ハッハッハーッ! これでゼロもジ・エンドだぜぇーッ!』
 意気揚々と剣を振り上げるバルキー星人。もう才人はそれから逃れることは出来ない。
 ああ、才人よ。人間として必死に戦い、輝く勇気を見せたというのに、本当にこんなところで終わってしまうのか!?
「負けるかぁ! 俺は……最後の瞬間まであきらめずに抗い続けるッ!」
 それでも……才人はあきらめようとはしなかった。デルフリンガーを構えて、バルキー星人の剣を
迎え撃つ態勢を取る。
 明らかに無謀。サイズ差の違いすぎる剣を受け止められる訳がない。だが、そうだとしても……
あきらめることだけは出来ない。したくない。
「人間は……どんな絶望にだって、負けないんだぁぁぁぁ―――――ッ!」
 それこそ彼が、ハルケギニアに来てから学んだこと。ゼロと一心同体になり、数々の戦いをともに
駆け抜け、立てた誓い。
 どんな状況でも消えない、希望の光。
「……!?」
 この瞬間に――それまでずっと消えていたブレスレットのランプに、青い光が灯った!
 すぐに温かい光に気がついた才人は、左腕を自分の胸の前まで持ち上げる。
 そしてウルティメイトブレスレットから……ずっと見たかった例のものが浮かび上がった。
 赤と青の縁取りの眼鏡!
「ッ!!」
 右手が導かれるかのように動き、『それ』の縁を握り締めた。そして巨大な刃がすぐ頭上に迫る中、顔に装着する!
「デュワッ!」

 バルキー星人の剣が、地面を刺し貫いた。
『サイト!?』
「サイトさん……!」
 ミラーナイトが、ジャンボットが、グレンファイヤーが、シエスタが愕然となる。
「サイトぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
 詠唱の間に合わなかったルイズが絶叫。皆が皆、血の気を失う。
『ハァーハッハハハハハハァ――――! 遂にやったぜぇぇぇぇッ! ウルトラマンゼロは、このミーが抹殺したぁッ!』
 ただ一人、バルキー星人だけは勝ちを確信して高笑いする。
 だが……彼の剣がひとりでに持ち上がる。
『ん? う、うおぉぉッ!?』
 剣は何かの力に払いのけられた。その力の『主』を目の当たりにしたバルキー星人が絶句し、
よろよろと後ろに下がった。
 剣が突き刺さった場所からは、赤と青の輝きがどんどんと大きくなっているのだ!
 そして輝きが宇宙人たちと同等の身長と化した時……輝きが収まっていき、本当の姿がはっきりと見えていく。
 皆がずっと待っていた、その勇姿!
『へへッ……待たせたな!』
 ぐいっと親指で下唇を拭うその仕草……ミラーナイト、ジャンボット、グレンファイヤーは即座に歓喜した。
『ああ……! 遂に目覚めましたか……!』
『よくぞ戻ってきてくれた……!』
『ハハッ……寝坊が過ぎるぜおいッ!』
 シエスタは思わずルイズの手を取ってはしゃぐ。
「ミス・ヴァリエール! あれを……! やっと、帰ってきてくれました!」
「うん……うん……!」
 ルイズは安堵と嬉しさの涙をつぅと流し、頻りにうなずいた。
 『彼』の中の才人も、男泣きしながら呼びかけた。
『俺……ずぅっと待ってたんだよ……! よかった……本当によかったよ……! お前も、帰ってきてくれて!』
『遅くなってすまなかったな。けど、もう大丈夫だ!』
 そして『彼』は宣言した。

『ウルトラマンゼロ、完全復活だぜッ!!』

 バルキー星人は口に手を当ててうろたえる。
『な、なーんてこったいッ! 後ちょっとってところで、ゼロが復活しやがっただとぉ!? なんてアンラッキー!』
 だがすぐに思い直してほくそ笑む。
『バーット! 病み上がりならゼロとてそこまで強くはないだろ! やっぱりこのまま、弱っちい時に
串刺しにしてやるぜーッ!』
 勢いをつけてゼロに飛びかかる! 剣呑な光を反射するバルキーの剣!
 しかしその顔面に鉄拳がめり込んだ。
『あだぁぁぁ―――――――!?』
『だぁーれが弱っちいだって? あぁん?』
 ポキポキと拳を鳴らすゼロ。バルキー星人は真っ青だ。
 そしてバルキー星人はボコボコに殴られ出す。
『お前ッ! よくもッ! 才人を! 殺そうとしてくれたな! 俺が寝てる間に! 卑怯な奴だぜッ!』
『おぐッ! あごッ! ひげッ! ぐぎゃッ! ぬげッ! いぎゃあぁぁッ!』
 右腕をグルグルと回し、渾身のストレートパンチ!
『二万年早いんだよぉぉぉぉぉぉぉッ!!』
『うっぎゃぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!』
 綺麗に放物線を描いてぶっ飛んでいくバルキー星人。しかしこれだけでは倒れはしなかった。
ふらふらと起き上がる。
『ちっくしょぉぉぉぉ……! 今日のところは一旦引き上げだ! 次会う時は海の怪獣を見せてやるッ! 
リメンバー・ミー!』
 全身が光に覆われて消えていくバルキー星人。
『待ちやがれッ!』
 追撃を掛けようとしたゼロだが、彼もガクリと倒れかけて足を止めた。その間にバルキー星人は消え去ってしまった。
『くっそ……まだ本調子じゃなかったか……』
『ゼロ!!』
 残念そうに頭を振ったゼロの周りに、ウルティメイトフォースゼロの仲間たちが駆けつけた。
『この野郎ぉー! 散々心配かけさせやがってよぉ! 起きるんならもっと早く起きろってんだよ!』
『おっと! グレンファイヤー……』
 グレンファイヤーはゼロに飛びついて、その肩に腕を回した。
『これでひと安心だ! 仲間が本当に全員そろったな! ジャンナインも元気でやってるといいが』
『ジャンボット……』
 ジャンボットは固くうなずいてみせる。
『見て下さい。彼女たちも、あなたの無事を確認して喜んでくれてますよ』
『ミラーナイト……!』
 そしてミラーナイトは、ルイズとシエスタの方に手を差し伸べた。
『ゼロ、サイトはまだ彼女たちとちゃんとした再会をしてません。サイトの元気な姿を見せてあげて下さい』
『おう、分かったぜ! 話はまた後でな!』
 ミラーナイト、ジャンボット、グレンファイヤーは一足先に空に飛び上がり、帰還していった。
そしてゼロは変身を解除し、才人の姿へと戻る。
 森の真ん中に立った才人に、ゼロはこう呼びかけた。
『才人、先に一つだけ伝えておくことがある。残念な知らせだ』
「何だ? ゼロ」
『無事に今日まで過ごしてたら、本当はお前の命は再生が完了してるはずだった。けど……
ヤプールを倒すのに俺たちの命をギリギリまで光に変換したことで、命がまた損傷した状態に戻っちまった』
 それの意味するところは、もう言われなくとも分かる。
『今度は前よりも時間は掛からないだろうが……それでも俺たちの融合を解除できる日にちが延びちまったんだ。
ようやくヤプールを倒せたってのに……。本当にすまねぇ、才人……』
「そっか……」
 才人は若干残念そうに苦笑した。地球に帰れなくなったこと、何とも思わない訳ではない。しかし、
「けど、そこまで気にはしないよ。また気長に待つさ」
『ん? 何だか前向きだな。何かいいことがあったのか?』
 意識がなくて才人に起こったことを知らないゼロの質問に、才人は笑顔を返した。
「後でゆっくり教えるさ。今は……」
 才人はルイズとシエスタがこちらへ走ってくる音を耳にした。そしてそちらへ向かって自分も駆けていく。
「サイトー!」
「サイトさーん!」
 ルイズとシエスタの呼び声とともに、懐かしい顔が見えた。才人は目一杯に叫んだ。
「ルイズー! シエスター! ただいまー!!」


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