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幕間その五「その時ウルトラセブンは」


ウルトラマンゼロの使い魔
幕間その五「その時ウルトラセブンは」
宇宙斬鉄怪獣ディノゾール
宇宙斬鉄怪獣ディノゾールリバース 登場



 M78ワールド。それは皆ももうよく知っている、我らがウルトラマンゼロの故郷。M78星雲の存在する、
数多のウルトラ戦士の宇宙である。
 その宇宙の一画で現在、赤い流れ星が青い流れ星を追いかけ、広大な宇宙を横断していた。
「キャァ――――――――!」
 青い方の正体は、青みの掛かった外骨格に全身を包んだ大怪獣。日本の尻尾をたなびかせ、
四つもある眼をギラギラと光らせる。下顎は左右に二つに分かれ、金属音に似た甲高い雄叫びを上げる。
 この怪獣の名はディノゾール。驚くほどに長い歯舌を振り回し、あらゆるものを両断してしまう
恐ろしい攻撃力を持った宇宙怪獣だ。
 そしてそれを追跡する赤い流れ星の正体は、銀と赤のボディの中央に菱形の青いカラータイマーを
輝かせる、我らのウルトラ戦士だ!
「セアァッ!」
 ウルトラ戦士は十字に組んだ腕から黄金色の光線を発射! その光線はディノゾールの首に見事命中!
 首から上が丸ごと爆散したディノゾールは高度を落としていき、宇宙に漂う小惑星の表面上へと
墜落していった。ウルトラ戦士もその後を追い続け、小惑星上に飛び込んでいく。
「タァッ!」
 ダァンッ! と土煙を巻き上げて着陸した、若々しくも雄々しい雰囲気を纏った勇姿。
彼の名は、ウルトラマンメビウス!
 一方、首を失い上下逆さまに地面に刺さったディノゾールだが、命が失われたはずの肉体が
突如として不気味にうごめき出した。二本の尾が引っ込んだかと思えば、二つの新しい頭部を
持った首へと変形。手足もメキメキと形を変え、腕は脚部に、脚は背面を覆う装甲と化す。
首のあった部分からは新たな尾が伸び、上下反転した姿勢のまま別の怪獣へと生まれ変わった!
「キャァ――――――――! カァァァァァァッ!」
 この姿は通称ディノゾールリバース。肉体の極性を反転させて復活するという、数いる怪獣の中でも
他に類を見ない極めて特異な性質を持っているのだ。最大の武器の歯舌が二本となることで戦闘力は
増大するが、宇宙怪獣に最も大事な飛行能力は失われる。そのため、群れを作るディノゾールに
強大な外敵が現れた時、一匹が犠牲となって群れ全体を逃がす生存本能の発展した末に生じた
特殊な再生能力と囁かれている。
「セアッ!」
 復活したディノゾールリバースに、メビウスは勇敢に立ち向かっていく。しかし接近しようと
駆け出したその時に、ディノゾールリバースが先手を取って双頭から歯舌、断層スクープテイザーを伸ばした。
 シュンシュンッ、と線が宙を舞い踊った、かと思われた次の瞬間、メビウスの身体を恐ろしく速い斬撃が襲う!
「ウワァッ!」
 ダメージをもらうメビウスの後方で、小惑星の岩山の先端が綺麗に切断され、地面へと滑り落ちていった。
 ディノゾールの歯舌は最長百万メートルにも及ぶ長さに対して、直径はわずか一オングストロームしかない。
そのため、ウルトラ戦士の視力を以てしても見切るのは困難。しかもそれが二本となっては、メビウスの苦戦は
むしろ当然といったところだ。
「キャァ――――――――! カァァァァァァッ!」
 ディノゾールリバースは凶刃の舌の二刀流を存分に振るい、メビウスをもてあそぶように苦しませる。
メビウスは相手の猛撃に、なかなか反撃に出ることが出来ない。
 しかしメビウスも立派な勇士の一人。このくらいでは参らなかった!
「シャッ!」
 左腕に装着したメビウスブレスから引き出したエネルギーを両手に宿らせることで、手刀を文字通りの
光刃と化す。ライトニングスラッシャーだ!
「ハッ! タッ! セアァッ!」
 そして猛然と前へ駆け出すメビウス。断層スクープテイザーが飛んでくるが、メビウスは恐るべき
凶器を見事に見切り、手刀でぶつ切りにしていく!
 自身の一番の武器を切り落としながら接近してくるメビウスにディノゾールリバースは
恐れおののいた。しかし行動を取ろうとした時にはメビウスは肉薄し切り、すれ違いざまに
相手の胴体を水平に切り裂く!
「キャァ――――――――! カァァァァァァッ!」
 大ダメージをもらったディノゾールリバースの動きが大幅に鈍る。一方で振り返ったメビウスは、
再びメビウスブレスに沿えた右手を走らせてエネルギーを引き出す。両手を頭上へ持っていくと、
輝く光の帯が無限を示すメビウスの輪を作り上げる!
「セアァーッ!」
 そして発射する、必殺のメビュームシュート! その一撃は、ディノゾールリバースを
跡形もなく吹き飛ばした!
 逆転勝利を飾ったメビウス。そんな彼から少し離れた二か所の地点に、ウルトラ戦士と
別のディノゾールが一対ずつ着陸する。
「キャァ――――――――!」
 二体の別個体のディノゾールに相対しているのは、紅蓮の鋭き眼差しの戦士と荒々しくも
女性的な柔和さを面影に両立した不思議な戦士。
 偉大なる先輩戦士、ウルトラセブン! そしてウルトラマンエース!
「キャァ――――――――!」
 ディノゾール二体は彼らに歯舌の斬撃を繰り出す。だがさすがは歴戦の勇士たち。ほぼ不可視の
攻撃を見切り、難なく回避した。
「ジュワッ!」
 セブンは頭部のアイスラッガーを投擲。ゼロスラッガーの元祖とも言える宇宙ブーメランは素早く
断層スクープテイザーを根本から切断し、ディノゾールから武器を奪った。
「キャァ――――――――!?」
「ジュワーッ!」
 ひるむディノゾールにセブンは右腕を脇に、左腕を胸の前に置いた姿勢を取り、額のビームランプから
緑色のレーザー光線を照射! これぞ必殺のエメリウム光線だ!
「キャァ――――――――!!」
 エメリウム光線の一撃はディノゾールを一瞬で爆裂させた!
「トアァーッ!」
 エースの方もディノゾールへ必殺の光線技を放とうとしていた。両手にエネルギーを溜めると
それを額のランプまで持っていき、更に増幅して集中。最後に両手から赤色光線として発射。
パンチレーザーの強化版、パンチレーザースペシャルだ!
 その攻撃により、最後のディノゾールも粉々に粉砕された。三体の怪獣を倒すと、メビウスが
二人の戦士の元まで歩み寄って話し掛ける。
『セブン兄さん、エース兄さん、この宙域の怪獣は全て倒したみたいです』
『うむ、これでひと安心だな。しかし、他の場所ではまだまだ怪獣が暴れていることだろう。
ひと息ついている暇はない』
 セブンがうなずきながらもそう語った。
 ゼロがハルケギニアに赴いた頃と前後して、M78スペース全体で怪獣が凶暴化し、各地で多大な
被害を出す事態が相次いでいた。そのため宇宙警備隊は宇宙のあらゆる場所にウルトラ戦士を
向かわせ、事態の鎮静化を図っているのだ。しかし未だにその目途は立っていない。
 メビウス、セブン、エースの三戦士も、群れから離れて人の住む惑星を襲撃しようとしていた
ディノゾールたちを発見し、被害を未然に防ぐためにやっつけたのであった。
『80によると、宇宙全体のマイナスエネルギーが増大傾向にあります。原因を突き止めねば、
どれだけ怪獣と戦ったところで事態の解決にはならないでしょう』
 とエースが意見する。
『しかし、その原因が一向に掴めないのがもどかしいところだ。私たちはその時まで、怪獣の被害を
食い止めねばならない』
 セブンがそう言い、新しい現場に向かおうとしたその時、不意に星空の彼方を見上げた。
『む……!』
『セブン兄さん、どうしましたか?』
 メビウスが怪訝そうに尋ねると、セブンは二人に向けて告げた。
『……次元の彼方から、ゼロの気配が途絶えた』
『えぇッ!?』
 この時、ハルケギニアではちょうどゼロが、己の命を引き替えにしてヤプールの膨大な闇を
祓ったところであった。セブンは親子の絆といえる超感覚により、その事態をキャッチしたのだった。
 エースとメビウスは泡を食う。
『大変なことではないですか! まさかヤプールに……!』
『セブン兄さん! やっぱり、あなただけでもゼロの元へ向かうべきですよ!』
 メビウスはそう意見したが、それを却下する声が降ってきた。
『いや、その必要はない』
『! ゾフィー兄さん!』
 見上げると、ウルトラマンによく似た容姿の戦士が彼らの元に降りてくるところだった。
胸と両肩には、点の列が飾られている。
 彼の名前はゾフィー。偉大なウルトラ兄弟の長男にして、宇宙警備隊の隊長を務める、
ウルトラの星でも特に重要なポストの戦士なのだ。
 そのゾフィーが語る。
『意識を集中すればわかるだろう。一時は異次元から強烈に感じられた、ヤプールの闇の波動が
なくなっていることに。ゼロはヤプールに勝ったに違いない』
『しかし、ゼロは相討ちになったみたいです! 彼の生存も危うい状況ですよ! ゼロの命を助けなければ……!』
 メビウスが反論するが、肝心のセブンがそれをさえぎった。
『いや、ゼロなら大丈夫のはずだ』
『セブン兄さん……!?』
『ゼロも今や立派なウルトラ戦士だ。ウルトラ戦士は、そう簡単に死んだりはしない。ここにいる全員が、
そのことを分かっているはずだ』
 どのウルトラ戦士も、楽に戦いを終わらせた経験などほとんどない。誰もが厳しい戦いをくぐり抜け、
死の淵に瀕することもあった。しかし、彼らは悪にどれほど追い詰められようとも、最後には復活して
逆転を果たした。セブンもメビウスもエースも、そんな経験をしている。
『その理由は、守るべき人たちの声が私たちの命を支えてくれたから。ゼロだって、今は気配が
感じられなくとも、助けを求める声があれば必ず再び立ち上がるだろう。私はそれを信じている』
 父親であるセブンがそう言う以上は、エースとメビウスに異論はなかった。
『セブン兄さんが信じるのでしたら、俺も信じますよ。ゼロの復活を!』
『はい! ゼロが帰ってくる日を僕も待ちます!』
 四人のウルトラマンは、宇宙の果ての更に先、ハルケギニアの宇宙のどこかにいるはずのゼロに思いを馳せた。
『ゼロ……お前の光は不滅だということを、この父に示してくれ!』
 セブンは、今はどこにいるか分からないゼロに向けて、願いを込めた。

 ……その頃の、惑星ハルケギニア。シティオブサウスゴータから南西に百五十リーグ近くも
離れた森の中に、突如として一人の少年の姿が虚空から飛び出すように出現し、そのまま地面に
うつ伏せに倒れ伏した。
 少年の背負う剣が声を発する。
「どうにか成功か……。まったく……、“使い手”を動かすなんざ何千年ぶりだ? しかもこんな
やり方は初めてだぜ……」
 嘆息したのはデルフリンガー。彼を背負う少年はもちろん、才人である。
 デルフリンガーはヤプールの闇をかき消すゼロの光が消えかけた正にその瞬間、吸い込んだ魔法の分だけ
ガンダールヴの肉体を動かす能力の応用で、ゼロのテレポーテーション能力を使ってゼロ=才人を脱出させたのであった。
「相棒、滅茶苦茶まずい状態だぜ……。俺っちももう魔法が切れちまったし、どうしようもできねえ。
近くに人がいればいいんだが……そもそもここはどこだ……」
 デルフリンガーは自分たちがどこへ飛んだのかも知らなかった。しかしそれは無理のないことだろう。
試したこともない手法をぶっつけ本番で実践した上に、テレポートの瞬間がわずかにも早かったら
ヤプールを倒し切れず、わずかにも遅かったらゼロと才人は消滅していたというシビアすぎる
タイミングだったのだ。転移先を選ぶ余裕があるはずがない。無事に着地できただけでも奇跡のようなものだ。
 それは非常に分の悪い賭けであった。しかもその賭けはまだ続いている。ここで才人が助からなければ、
結局は何の意味もないのだ。
「相棒、お前さんの運が『虚無』の魔法並みに強けりゃ、まだ助かる道があるんだがな……」
 ともかく、もうデルフリンガーは一歩も動けない。才人が助かるか否かは、天命に預けるしかない。
 ……その時、彼らの近くの樹の陰から、ガサガサと物音が立った。
「お?」
 目はないが、視線を向けるデルフリンガー。どうやら近づいてくる気配は、獣のものではないようだ。
「……へへッ。相棒、お前さんはツキに見放されてないみてえだな」
 倒れ伏す才人の元へと、人影がそっと近づいてきた。
 流れるような美しい金の髪から覗く耳は――人間ではありえないほどにとがっていた。


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