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ゼロのぽややん 外伝3

 マリコルヌは、靴下の臭いをかいだ。
 ガクガク首を振る。
 間髪いれずに放たれたウインドブレイクが、巨岩を粉々に砕く。
「そう、我らにとって靴下こそ、秘薬。素人には実害でしかないその臭いを、我らは力にすることができるのです」
 マリコルヌは、コルベールの言葉を聞きながら、気を失った。
「……ふむ、まだ彼には、一週間物は刺激が強すぎるようですね」
 コルベールは、マリコルヌの手から靴下を拾い上げると、鼻にあてた。
 首をがくがく震わせ、優しく微笑む。

「これでもう教える事はありません。ソックスレジェンド。これがあなたのハンターネームです」
「ソックスレジェンド」
 マリコルヌは、かみ締めるように呟いた。
「ミスタ・コル……いや、ソックスファイア。俺はこれから、どうすれば」
「決まっているでしょ。影に生きなさい、闇に生きなさい。そして……」
 コルベールはニヤリと笑った。
「靴下を狩りなさい」

 マスターよりの指令。ギーシュの靴下を手に入れよ! 

 ギーシュは、スキップしながら去っていく平民の姿を、呆然と見送っていた。
 僕は、薔薇を見つけたのかもしれない。
「やあ、災難だったねギーシュ」
 手をさしのばす人影を見て、ギーシュが首を捻る。
「えーと、君はマルコメ」
「マリコルヌ」
 反射的に出してしまったギーシュの手を、マリコルヌは右手でがっちり掴んだ。後ろに隠した左手には、一週間物の靴下が握られている。
「い、痛いよ」
 顔をしかめるギーシュにかまわず、左手を彼の顔に近づける。
「大丈夫、ギーシュ!」
「ぶはぁぁぁ!?」
 横合いからモンモランシーに突き飛ばされ、マリコルヌが吹き飛ぶ。
「ああ、モンモランシー。僕は君に、なんて礼を言えばいいんだろ。
 ありがとう、僕の女神」
「ふ、ふんだ。あなたが無様な姿をさらすのが、嫌だっただけよ」
 ギーシュの真剣な表情に、モンモランシーは顔を赤くして、そっぽを向く。
「本当に今日はなんて日だろう。女神に救われ、薔薇を見つけるなんて」
 ぎぎっと音を立てて、モンモランシーが振り向く。
「……それ、どういう事?」
「つまりこういう事さ」
 ギーシュは、薔薇を振り上げ、立ち上がる。
「あの平民がとっても気になるってね!!」
 しばしの沈黙。
「なに変な方向に悪化してんのよ! あんたは!!!」
 綺麗に回転して蹴りを決めるモンモランシー。吹っ飛ぶギーシュ。
 さらに追い撃ちに、軽くジャンプした後で、顔面めがけて握った拳を打ち下ろした。
 地面と拳で、サンドイッチになったギーシュが動かなくなる。
 息を荒くしたまま、モンモランシーは背を向けた。
 そして二度と、振り返ることは無かった。

 マリコルヌは、ギーシュの靴下を胸元におさめながら、風にマントをなびかせた。
「結果オーライ」

~ゼロのぽややん外伝~ソックスハンター異聞録

 散り逝く薔薇に靴下を 

         完 

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