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第四十六話「トリスタニアの奇跡」


ウルトラマンゼロの使い魔
第四十六話「トリスタニアの奇跡」
地獄星人ヒッポリト星人
暴君怪獣タイラント
宇宙大怪獣アストロモンス
宇宙大怪獣改造ベムスター
光熱怪獣キーラ
宇宙スパーク大怪獣バゾブ 登場



 トリステイン女王アンリエッタの、突然の失踪。それは内通者リッシュモンをあぶり出すために
仕掛けた、アンリエッタの罠であった。しかしリッシュモンは既にヒッポリト星人に魂を売り渡しており、
卑劣にも故郷トリステインを焼き払うためにネオパンドンを呼び出した。その危機に立ち向かったのは、
我らがウルトラマンゼロ。彼は改造により戦闘力が上昇したネオパンドンをも打ち倒した。
 しかし、ヒッポリト星人の計画はそこで終わりではなかったのだ。ネオパンドンを倒したばかりのゼロに、
タイラントを筆頭とした宇宙大怪獣軍団が襲い掛かる。ゼロの窮地にウルティメイトフォースゼロが
駆けつけたのだが、それこそがヒッポリト星人の狙い。ウルティメイトフォースゼロは隙を突かれ、
全員ヒッポリトカプセルの中に閉じ込められてしまった!
 このままではゼロたちがブロンズ像に変えられ、トリステインは壊滅してしまう。これを救えるのは
ルイズだけだが、そのルイズにも、侵略者の手先となり果てたリッシュモンの魔の手が伸びていた。
危うし、ルイズ!

『グワハハハハハ! 怪獣どもよ、もっと暴れろぉ! 街を地獄に変えるのだぁーッ!』
 ヒッポリト星人の命令により、五大怪獣がトリスタニアで大暴れする。
「キイイイイィィィィッ!」
 ウルティメイトフォースゼロが閉じ込められて手が出せないのをいいことに、タイラントは
口から爆炎を吐き、家々を片っ端から爆破、炎上させる。
「くそッ! やめろぉッ!」
「キュイイイイイイ!」
 怪獣たちの猛威をどうにか食い止めようと奮闘している魔法衛士隊だったが、キーラが彼らに閃光を浴びせる。
「うわああああ―――――――!?」
 騎士と飛竜、どちらも視界を潰され、大多数の騎士が落とされてしまった。
「カ―――ギ―――――!」
 竜騎士たちが羽虫のようにボトボトと落ちる様を背景に、改造ベムスターは腹の口で家屋をもぎ取り、
そのまま呑み込んだ。ベムスターは腹の口で、どんなものでも捕食してしまうのだ。
「キイイィィィ!」
 アストロモンスは花より消化液を噴出し、街の一画をドロドロに溶かす。
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
 バゾブは電撃光線で、広範囲を一気に焼き払った。
「わああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――!」
「助けてぇぇぇぇぇぇぇッ!」
「ト、トリステインはもう駄目なのか!?」
 人々は怪獣の猛威になす術なく、逃げ惑うばかり。だが五体もの怪獣に追い回されて、
どこまで逃げられるだろうか。どんどん逃げ場はなくなっていく。
『くっそぉッ! あんな奴らの好きにさせたままだなんて! このッ! このぉッ!』
 ゼロは人々を踏みにじる邪悪なヒッポリト星人の軍団と、あっさりと罠に嵌まって無力化された
不甲斐ない自分への怒りをカプセルにぶつけるが、やはりヒッポリトカプセルが壊れる気配は
微塵もなかった。そうしている内にも、ヒッポリトタールによって身体が徐々に固まっていく。
焦るグレンファイヤーたち。
『や、やべぇッ! このまんまじゃ、みんなお陀仏だぜ! くっそぉ、またブロンズ像化は嫌だぞッ!』
『しかし……最早打つ手がありません……!』
『くッ! 万事休すか……!?』
『無駄だ無駄だぁッ! お前たちに出来ることは、もう死ぬことだけなのだぁッ! フハハハハハハハッ!』
 必死にあがくゼロたちを、ヒッポリト星人が余裕綽々の態度で嘲笑した。

「くッ……もう時間が……!」
 地上からルイズが、だんだんと固められていくゼロたちを見上げて、彼らと同じように焦燥していた。
しかし目の前のリッシュモンが杖を向けていては、彼らを助けられない。
「無駄な抵抗をするな。私としても、女子供を無用に痛めつけたくはない」
 うそぶくリッシュモンに、ルイズは鋭い視線を飛ばす。
「リッシュモン! 貴族の誇りを捨て、祖国を裏切って、恥ずかしいと思わないの!? 曲がりなりにも
上流貴族でしょう!」
 と非難するも、リッシュモンは鼻で笑うばかり。
「フフフ、実に子供らしい青臭い台詞だな。誇りと愛国心で財産を得られ、甘い蜜が吸えるのならば、
私もそうしようではないか」
「……貴族の風上にも置けない下衆ねッ……!」
 嫌悪感を剥き出しにするルイズだが、だからと何かが出来る訳ではない。呪文が長い『虚無』の魔法では、
既に呪文を完成させているリッシュモンにどうあがいても速さで勝てない。
(トリステインもわたしも、ゼロたちも、サイトも……こんなところで終わりなの!?)
 絶望感に目の前が暗くなりかけた、その時のことである。
 突然上から、誰かが自分とリッシュモンの間に降り立ち、リッシュモンに銃を向けた。
すぐ側の家の窓から飛び降りてきたようだ。
 この事態に、リッシュモンのみならずルイズも驚く。
「えッ!?」
「ラ・ヴァリエール殿。早くお逃げを」
 リッシュモンから目を離さないまま、ルイズを助けに入った、アニエスがそう告げた。
我に返ったルイズは、すぐにその言葉に従った。
「ありがとうッ!」
 短く礼を告げて、全速力でリッシュモンと反対方向、ゼロたちの方へと走っていった。
リッシュモンは忌々しくアニエスをにらみつける。
「貴様か……。余計な真似を」
 リッシュモンは既にアニエスと顔を合わせていた。彼女が平民であることはもう知っている。
そのため、最初から舐めて掛かっていた。
「どけ。私には、貴様を殺す手間を掛ける暇もないのだ。私は既に魔法を解放するだけだし、
銃などこの距離ならば当たらぬぞ。とっとと去ねい。平民が、命を捨ててまでアンリエッタに
忠誠を誓う義理などあるまい」
 ゴミを見るような目で脅しを掛けるが、アニエスは一歩も動かない。逆に、目に憎悪を宿して
リッシュモンをにらみ返した。
「私が貴様を殺すのは、陛下への忠誠からではない。私怨だ」
「私怨?」
「ダングルテール」
 そのひと言だけで、リッシュモンは理解したようだった。下卑た笑みを浮かべる。
「貴様、あの村の生き残りだったか!」
 アニエスは唇をぎりっと噛み締めた。唇が切れて血が流れる。
「ロマリアの異端諮問“異教徒狩り”。貴様がわが故郷が“新教徒”というだけで反乱をでっちあげ、
今この時と同じように踏み潰した。その見返りにロマリアの宗教庁からいくらもらった?」
 リッシュモンは唇を吊り上げた。
「金額を聞いてどうする? 賄賂の額などいちいち覚えておらぬわ」
「金しか信じておらぬのか。侵略者につけ込まれるのももっともな、あさましい男よ」
「お前が神を信じることと、私が金を愛すること、いかほどの違いがあると言うのだ? お前が死んだ肉親を
未練たっぷりに慕うことと、私が金を慕うこと、どれだけの違いがあると言うのだ?」
「殺してやる。貯めた金は、地獄で使え」
「お前ごときに貴族の技を使うのはもったいないが……、これも運命かね」
 リッシュモンが呪文を解放し、杖の先から火の球がアニエスへと飛ぶ。それに対し、アニエスは……銃を投げ捨てた。
「なに?」
 マントを翻して火の球を受ける。マントは一瞬で燃え尽きたが、中に仕込まれた水袋が蒸発して
火の球の威力をそいだ。だが消滅はせず、アニエスにぶつかる。
「うぉおおおおおおおおおおおッ!」
 しかしアニエスは耐え、リッシュモンへ突進し続けた。そして剣を抜き放ち、リッシュモンの懐に飛び込む。
「うお……」
 リッシュモンの口からは、呪文の代わりに鮮血があふれた。胸に剣が刺さり、背中から刃が飛び出ていた。
「メ……、メイジが平民ごときに……、この貴族のわたしが……、こんなおもちゃに……」
「……これはおもちゃではない」
 リッシュモンから剣を引き抜くアニエス。貫通して出来た穴から、血液がごぼっとあふれ出た。
「剣は“武器”だ。我らが貴様ら貴族にせめて一かみと、磨いた牙だ」
 リッシュモンの身体が崩れ落ちる。アニエスは深い火傷を負った身体を強靭な精神で支え、
死体を冷ややかに見下ろした。

 アニエスがリッシュモンに裁きを下したのと前後して、彼女に助けられたルイズは改めて呪文を唱え、
ゼロたちを捕らえるカプセルへ解き放った。
「『爆発』!」
 途端に四つのカプセルが閃光に呑まれた。それを目の当たりにして、ヒッポリト星人は言葉を失う。
『な、何ぃッ!? この光は……!』
 光が収まると、カプセルは全て消え去り、タールも落ちたウルティメイトフォースゼロの四人が、
街の中に立っていた。青いカラータイマーを胸に光らせるゼロが、ヒッポリト星人を指差す。
『残念だったな、ヒッポリト星人……勝負はここからだぜッ!』
『ふぃ~! せまっ苦しかったぜッ!』
 グレンファイヤーが肩をグルグル回して身体をほぐした。
『おのれぇ、しくじったな! やはり人間なんぞを頼ったのが間違いだった!』
 一方、用意周到な作戦を破られたヒッポリト星人は激しく悔しがり、街を破壊している怪獣たちを呼び戻す。
『怪獣たちよ、早く集まれ! こうなったら総力戦だッ! 叩き潰してやるッ!』
「キイイイイィィィィッ!」
「キュイイイイイイ!」
「カ―――ギ―――――!」
「キイイィィィ!」
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
 命令するヒッポリト星人の前に五大怪獣が並び、ウルティメイトフォースゼロに突撃していく。
『望むところだ! みんな、行くぜぇーッ!』
『うおおぉぉー!』
 ウルティメイトフォースゼロも雄叫びを上げ、怪獣軍団と再度激突した!

 ゼロたちと怪獣軍団の激突を、マンティコアにまたがる魔法衛士隊隊長ド・ゼッサールは
苦々しく見守っていた。
「結局はこうなるのか……。やはり我々は、無力な存在なのか……」
 ゼロたちの奇跡の復活を喜ぶ反面、本来国を守る役目を担う自分たちが怪獣に歯が立たず、
助けられてばかりというのは胸が苦しい思いだ。しかし現実として、自分たちに出来ることはない……。
 思い詰めていると、一人の竜騎士が慌ただしくゼッサールの元に飛んできて、次のことを告げた。
「報告します! 王立魔法研究所(アカデミー)で開発中だった、対怪獣用兵器が完成したとのこと! 
また、その使用許可も下りました!」
「何!? 遂に完成したのか!」
 驚くゼッサール。アカデミーはその名の通り、トリステインの魔法研究施設で、現在は相次ぐ
怪獣被害に対抗するための新兵器開発を推し進めていた。それがとうとう完成し、しかもすぐに使えるという。
 それを知ると、気を落としていたゼッサールは、たちまちの内に士気を盛り返した。
「分かった! ハルケギニアは、我々人類の手で守らねばならん! すぐに使用しよう! 何回使える?」
「残念ながら、怪獣一体分が限度とのことです」
「それで十分だ。では……」
 空から戦場の様子を見下ろすゼッサール。
「キイイイイィィィィッ!」
「カ―――ギ―――――!」
『うおぉぉッ!』
 タイラントと改造ベムスターがゼロの前後から、腹からの冷凍ガスと光線を食らわせていた。
さすがのゼロも、挟み撃ちにされて手を焼いている。それを援護するのが最も良いと、
ゼッサールは瞬時に判断した。
「あの平たい怪獣に狙いを絞るぞ! 総員、集合せよ!」
 まだ飛んでいる騎士を集めたゼッサールは、二つの新兵器の仕様を聞き出し、即座に作戦を打ち立てた。
その手筈を、全員にしっかりと伝える。
「まずは怪獣の動きを止めるところからだ。この役目は、私が引き受ける」
「隊長自ら!? 危険です!」
 一人の騎士が泡を食って止めに掛かったが、ゼッサールは不敵に笑ってそれをさえぎった。
「我々が、これまで暴威を振るってきた怪獣に反旗を示す栄誉ある一番槍を、お前たち若造に
譲ってやる訳にはいかんな。……何、命だけは拾って帰るさ」
 ゼッサールの言葉は、半分は本当だった。一番危険な役目を部下に任せられないという気持ちもあるが、
今度の新兵器と作戦は、平民が貴族に対抗する牙として「剣」を磨いたように、怪獣に対抗するための
自分たちの牙なのだ。それを自身の手で成功させたい。人類が決して無力な存在ではないことを、この身で示すのだ!
「万事ぬかるんじゃないぞ! では、作戦開始!」
 指示を出し、ゼッサールはマンティコアを駆って改造ベムスターの頭上へ慎重に移動した。
相手がこちらに気づかない内に……その顔面に飛び移る!
「とうッ!」
 命を省みない、捨て身の作戦。しかしその甲斐あり、改造ベムスターの眼球の真下に張りつくことが出来た。
そして『エア・ニードル』の呪文で、相手の下まぶたの内側を切り裂く!
「カ―――ギ―――――!!」
 たちまち黄色い血が噴水のように噴き出し、改造ベムスターは激痛に耐え切れずにゼロの背後から離れた。
 あらゆる攻撃を受け止める驚異の防御力を持つ怪獣といえども、身体の全てが固い訳ではない。
特に、普通ならまず攻撃が当たらないまぶたの裏はブヨブヨ。普通の刃物でも切り裂くことが出来る。
狙うのは当然非常に危険だが、その効果は十分にあった。
 血が片方の目玉にベッタリ付着して、遠近感を失った改造ベムスターは立ち尽くす。そこにすかさず、
作戦の第二段階が発動した。
「怪獣め! この特製火石をたっぷりと味わえ!」
 竜騎士二人が、人工的に作った巨大火石を抱え上げて、改造ベムスターへと接近していく。
これは大量の火石を、何人ものスクウェアクラスメイジが数日間休まずに作業して、一つにしたもの。
莫大な火力が石の中に眠っている、最早火石ではなく強力な「エネルギー爆弾」だ。一つ作るだけでも
手間と人員が掛かりすぎるので、人間の戦争に利用できるものではないが、怪獣相手の切り札には十分に使える。
 改造ベムスターが腹から家屋を呑み込んだので、腹が口だということは理解している。
竜騎士たちは、腹の口にエネルギー爆弾を放り込んだ。
「カ―――ギ―――――!」
 何でも食らうベムスターだが、爆弾のエネルギーが大きすぎるため、吸収に手間取る。
そして魔法衛士隊は、とうとう作戦の最終段階に移行した。
「これで、とどめだッ!」
 ゼッサールを部下が救助すると、四匹の飛竜が改造ベムスターの正面に回った。飛龍は、金色の巨大な大砲を
吊り下げている。これこそが本命の新兵器。トリステインの魔法技術の粋を集めて作り出した、ハルケギニア史上初の光線砲である。
 トリステインは、侵略者の脅威の科学力と兵器を逆利用できないものかとずっと考えていた。
そこで、ゼロたちが撃破した円盤やロボットの残骸を密かに回収し、研究していたのだ。
だが現実は甘くなく、宇宙人の科学の産物の仕組みは全く理解できなかった。しかし始祖ブリミルは、
完全に見放してはいなかったらしい。唯一キングジョーに搭載されていたビーム砲が生きていて、
連日に亘る錬金による、杖に血がにじむような努力が実って、制御することに成功したのだ。
それがこの光線砲。名前は、キングジョーから取り、『キング砲』だ!
「行くぞ! キング砲、発射ぁッ!」
 竜騎士の魔法がスイッチとなり、キング砲から稲妻状の光線が発射された。光線は改造ベムスターの
腹の中の、エネルギー爆弾に命中する。
 瞬時に発生する、壮絶な爆発! 改造ベムスターは身体の内側からの熱と衝撃に耐えられず、
木端微塵に吹っ飛んだ!
「やった、成功だ……! やったぞぉぉぉぉー!」
 その光景を目にして、ゼッサールは大歓声を上げた。自分たちが、初めてウルトラマンたちの
手も借りずに、怪獣を撃破したのだ。
 だが、仕組みを理解している訳ではないキング砲を使用できるのは、たった一回きり。
残りの怪獣たちは、ゼロたちに任せることとした。

『うおぉッ! すげぇ! 人間が大怪獣をやっつけたぜ!』
 アストロモンスを抑えていたグレンファイヤーが、改造ベムスターが撃破されるところを
目撃して歓声を上げた。
『よっしゃ! 俺も負けてらんねぇぜ! うらぁぁッ!』
「キイイィィィ!」
 相手の鞭の振り下ろしを受け止め、顔面にパンチを決める。アストロモンスはフラフラと後退した。
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
『むうぅッ……!』
 その一方で、ジャンボットはバゾブの磁界で動きを制限されたところに、電撃光線を食らってよろめいた。
『焼き鳥、大丈夫か!? 代わろうか?』
『私はジャンボットだ! それに、その必要はない……』
『必要はないってお前、相性最悪じゃんか……』
 心配するグレンファイヤーだが、ジャンボットはそれを振り払うように告げる。
『この星の人間が諦めずに戦っているのだ。私も、この程度で根を上げていられん! 見ていろッ!』
 ジャンボットが突然、ブースターから火を噴いて大空に飛び上がった。バゾブは思わず目で追って見上げる。
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
『うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!』
 飛び上がったジャンボットはバトルアックスを構えると、バゾブの頭上からまっさかさまに
落下を開始した! 目を見張ったバゾブが逃げようとしたが、その時にはもう遅く、
ジャンボットは頭のすぐ上へと迫っていた。
 機械の動きを止めるバゾブの電磁波だが、自由落下してくる物体を止めることは出来ない。
50メイルの質量のロボットの激突と、それに伴うバトルアックスの斬撃を食らったバゾブは、
頭頂部から真っ二つにされて爆散した。
『ふッ……ざっとこんなものだ』
『おおぉぉッ! お前も随分と無茶なことするなぁ焼き鳥』
『私の名前はジャンボットだと言っているだろう!』
 戦闘中まで相変わらずのやり取りをしたグレンファイヤーの背後から、アストロモンスが鞭を振るう。
しかしそれを気取っていたグレンファイヤーは、その鞭をはっしと掴んだ。
『うらぁぁぁぁ―――――――!』
「キイイィィィ!」
 そして豪力を発揮して、鞭ごとアストロモンスをハンマーのように振り回して投げ飛ばした。
放物線を描いて落下するアストロモンスへと駆けていくグレンファイヤー。
『ファイヤースティィック!』
 炎の如意棒を出すと、頭から落ちてくるアストロモンスの花の中央にファイヤースティックを突き刺した。
それによってアストロモンスは火炎に包まれ、爆発四散した。
『うっしゃあッ! こっちもいっちょ上がりだぜ!』
 怪獣を撃破したグレンファイヤーは、頭をかき上げて炎を燃え上がらせた。
『シルバークロス!』
「キュイイイイイイ!」
 ミラーナイトはキーラにシルバークロスを当てたが、スペシウム光線も易々と受け止めるキーラの甲殻は、
シルバークロスでも傷一つつかなかった。そしてキーラは、まぶたを閉じて閃光発射の構えを取る。
『! はぁッ!』
 ミラーナイトは、キーラが目を開けるタイミングに合わせて、自分の前面に巨大鏡を作り上げた。
「キュイイイイイイ!?」
 閃光は鏡によって跳ね返り、キーラは自身の目が潰された。そして大きくひるんだキーラに、
ミラーナイトがミラーナイフを放つ。
『やッ!』
 ミラーナイフは動きを止めたキーラの、わずかな甲殻の隙間に見事突き刺さった。全身にミラーナイフを
食らったキーラはダランと腕を垂らし、後ろに倒れ込んで爆散した。
『鏡作りが得意な私に、光で挑んだのが間違いでしたね』
 ミラーナイトは肩をすくめて、息絶えたキーラに告げた。
「キイイイイィィィィッ!」
『うおらッ! ……くッ! しぶといな!』
 最後に残った怪獣はタイラントだ。だが超獣ハンザギランの不死身に近い生命力を受け継いだタイラントは、
ストロングコロナゼロの打撃を何発も食らっても応えた様子がなかった。あらゆる怪獣の優れた点を併せ持つ
恐るべき合体怪獣を、ゼロはどうやって攻略するのか。
「キイイイイィィィィッ!」
 タイラントは再びゼロの首を締めようと、フックつきロープを飛ばす。
『同じ手食らうかよ!』
 だがその攻撃を見切っていたゼロは、ロープをはっしと掴んだ。
 この時、ゼロに名案が浮かぶ。
『この手で行くぜ! ぜあぁッ!』
 早速作戦を実行するゼロ。額からエメリウムスラッシュを発射して、掴んだロープを焼き切る。
「キイイイイィィィィッ!」
 引っ張っていたロープがいきなり切れたことで、タイラントはバランスを崩して背後に倒れ込んだ。
相手が起き上がらない内に、ゼロはルナミラクルへと再変身した。
『行くぜ! ウルトラゼロランスだぁッ!』
 フックを掲げたゼロは、ルナミラクルの超能力とブレスレットの力により、それをウルトラゼロランスに変えた。
そして、タイラントへと投擲!
 フックを変えたランスには、タイラントのパワーが上乗せさせる形で宿っている。そのパワーが、
タイラントの生命力を相殺する!
「キイイイイィィィィッ!」
 ランスが腹部に深々と突き刺さったタイラントは、大爆発を起こして塵も残さず消え去った。
『なッ!? ば、馬鹿な! 私が選りすぐった大怪獣軍団が、全滅だとぉ!?』
 怪獣たちを全て失ったヒッポリト星人は大いに動揺する。その彼に、通常状態に戻ったゼロが
指を向けて言い放った。
『残るはお前だけだ! もう観念しろ! 人間を舐め切ったテメェの負けだぜ!』
 高々と告げるも、ヒッポリト星人は負けを認めず、逆上した。
『黙れぇッ! この偉大なるヒッポリト星人が、貴様ら如きに敗北するはずがないッ!』
 頭部の突起や両眼、両手などあらゆる箇所からビーム、ミサイルを乱射して、ウルティメイトフォースゼロを
狙い撃ちにする。
『うおおぉぉぉッ!』
『くッ! あくまで悪あがきしますか……!』
『見苦しいぜッ!』
 ゼロたちは弾幕によって動きを縛りつけられる。しかしここに来てヒッポリト星人は、
人間の力を度外視していた。
「これで最後だ! 十文字作戦ッ! あの突起を狙うんだ!」
 魔法衛士隊が残った力を出し切って、頭頂部の突起に十字砲火を浴びせた。
「キョオオオオオオオオ!」
 発光部に魔法の集中攻撃を食らったヒッポリト星人が麻痺した。その隙に、ウルティメイトフォースゼロの
一斉攻撃が放たれる!
「シャッ! シェアァッ!」
『シルバークロス!』
『ビームエメラルド!』
『グレンスパァーク!』
 ワイドゼロショットを始めとした、四人の必殺技が命中。ヒッポリト星人は跡形もなく木端微塵になった。
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!!」
 怪獣軍団の首魁を倒したことで、ハルケギニア中の人々が割れんばかりの歓声を発した。
魔法衛士隊には、ゼロたちが大きく手を振る。
「隊長、見て下さい! あれはきっと、私たちへの感謝と友好の印ですよ!」
「うむ……我々はとうとう成し遂げたのだ。彼らと戦場で並び立つことを……!」
 ド・ゼッサール隊長を始めとした魔法衛士隊は、胸がいっぱいになっていた。

「姫さま!」
「ルイズ! 無事でしたか!」
 アンリエッタを見つけて、駆けつけたルイズは、弾んだ声で彼女に尋ねる。
「姫さま、ご覧になりましたか? 大勝利です! それだけじゃない。トリステインの騎士が、
怪獣を討ち取りました!」
「ええ、ええ。よく見ていましたとも」
 二人も、大勢の人間と同じように、人間が怪獣から勝利をもぎ取ったことに歓喜で打ち震えていた。
アンリエッタは、小さくつぶやく。
「わたくしたちは、無力ではなかった。グレン、見ていてくれましたか……」
 そしてルイズは、アンリエッタたちを先ほど助けてもらったアニエスのところへ案内し出した。

 ハルケギニアの人間が、長きに亘る苦難の果てに、ウルトラマンゼロたちと肩を並べて戦い、
大怪獣と侵略者に勝利したこの戦いは後に、『トリスタニアの奇跡』と称されることになるのである。

 その奇跡に街中が湧く中で、アニエスは傷ついた身体を抱えていた。彼女だけは、他の人間と異なり、
その目に憎悪をたぎらせたままであった。
「……ここで、死んでたまるか。まだ、実行犯が残っている……!」
 ダングルテール虐殺の計画者、リッシュモンは討った。しかし、虐殺の実行犯がまだどこかに
生きているはずだ。それを抹殺して、ようやく復讐は完遂される。
 アニエスは暗い情熱の力により、その身体を支えていた。


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