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第四十五話「全滅!ウルティメイトフォースゼロ」


ウルトラマンゼロの使い魔
第四十五話「全滅!ウルティメイトフォースゼロ」
双頭合成獣ネオパンドン
暴君怪獣タイラント
宇宙大怪獣アストロモンス
宇宙大怪獣改造ベムスター
光熱怪獣キーラ
宇宙スパーク大怪獣バゾブ
地獄星人ヒッポリト星人 登場



 地下から劇場を突き破って出現した怪獣ネオパンドンは、二つの首から赤と青の炎を吐いて
建物を焼きながら、王宮への進撃を開始した。その背中を、劇場崩落のどさくさに紛れて
逃げおおせたリッシュモンがながめる。
「あの小娘のせいで予定が大幅に狂ったが、問題ない。そのまま王宮を焼き払ってしまえ」
 自分を陥れたアンリエッタへの憎悪をたぎらせながら、両手に抱えている装置に念をこめた。
それに合わせてネオパンドンがけたたましく咆哮し、進撃の歩を早めた。
 リッシュモンが持っているのは、ネオパンドンを操作するコントロール装置。元々はゴース星人が
使っていたものを、ある作戦を進めるヒッポリト星人に与えられた。持つ人間の憎悪が深いほど、
ネオパンドンは激しく暴れ回るのである。
 本来の計画では、アルビオンへの亡命の用意が済んだところで、ネオパンドンを直接王宮に
出現させて、トリステインの中枢を破壊し尽くすはずであった。しかし、このまま王宮を襲わせれば、
結果に変わりはない。王宮の破壊が完了したら、手筈通りアルビオンへ国外逃亡するだけだ。
「その前に、一つ仕事を片づけんとな……」
 王宮の襲撃はこのままネオパンドンに任せ、リッシュモンはヒッポリト星人が、力を与える
条件として言いつけてきたある「任務」を遂行するため、また、追っ手から逃れるためにその場を離れた。

「サイト! 怪獣がまたトリスタニアに!」
 ネオパンドンの出現はもちろん、ルイズと才人も気がついていた。アンリエッタたちが
リッシュモンを逮捕するために動いていて、今回は出番なしかと思っていたが、こうなったからには
ウルトラマンゼロの出番だ。
 ネオパンドンは、既に王宮の目と鼻の先に迫っている。魔法衛士隊が慌てて攻撃を仕掛け、
足を止めようとしているが、ネオパンドンは振り返りもしなかった。
『サイト、行くぜ!』
「おう! デュワッ!」
 人気のない裏道で、才人は素早くウルトラゼロアイを装着し、ウルトラマンゼロに変身した。
「デヤァァァー!」
「キィィィィッ!」
 変身直後の飛び蹴りがネオパンドンの胸部に刺さり、ネオパンドンは後ろに蹴り飛ばされて
王宮から離された。ゼロは王宮の前に着地して、盾となる。
『ここから先には一歩も通さねぇぜ! さぁ来やがれッ!』
「キィィィィッ! キィィィィッ!」
 啖呵を切って挑発するゼロ。それに煽られたかのように、ネオパンドンはすかさず起き上がって
ゼロに突進を仕掛けていった。

「ぃよい……しょっとぉッ!」
 内側から崩落し、見る影もなくなった劇場跡の瓦礫の山から、グレンが馬鹿力を発揮して
瓦礫を下から押しのけた。かばったアンリエッタに手を差し出す。
「怪我はねぇか? ったく、あのタヌキジジイ、とんでもねぇことしやがるな」
「は、はい……ありがとうございます……」
 頬を赤らめて手を取り、瓦礫の山から這い出すアンリエッタ。それからグレンと協力し、
同じく瓦礫の下敷きとなった銃士隊員たちを救出する。不幸中の幸い、重傷の者はいなかった。
「皆の者、無事ですね?」
「陛下! 大変です!」
 状況を確認した銃士隊員の一人が、息せき切ってアンリエッタに報告した。
「リッシュモンが見当たりません! 騒動に紛れて、逃亡を図ったものかと!」
「何ですって!?」
 驚愕するアンリエッタ。ここでリッシュモンを取り逃がし、アルビオンへと逃げられたら、大変なことになる。
「まだそう遠くへは行ってないはずです! すぐに港へ続く道を封鎖! リッシュモンの邸宅も
押さえなさい! 残りはリッシュモンの捜索を! 別行動のアニエスにも連絡を!」
「はッ!」
 銃士隊は速やかに命令に従い、バラバラに駆け出していった。アンリエッタとグレンは、
未だ暴れるネオパンドンを見やる。ちょうどゼロと組み合ったところだ。
「あっちはゼロが相手してるな。なら安心だぜ。俺もジジイを捜すの手伝うぜ!」
「重ね重ね、感謝致します。ではわたくしたちも行きましょう」
 広いトリスタニアから一人を見つけ出すには、人手は一人でも欲しい。アンリエッタも
グレンとともに捜索を開始した。

「デヤッ!」
 ゼロが突き飛ばしたネオパンドンにゼロスラッガーを投擲する。これまで幾多の怪獣に
とどめを刺してきたふた振りの宇宙ブーメランは、空を切り裂いてネオパンドンへ飛んでいく。
早速勝負を決める気か。
「キィィィィッ! キィィィィッ!」
 しかしネオパンドンは素手で、両方のスラッガーをはっしと掴んで止めた!
『何ッ!?』
 十八番の武器が怪獣に掴まれて止められたことに驚きを禁じ得ないゼロ。ネオパンドンが
スラッガーを投げ返し、頭に戻る。
「キィィィィッ! キィィィィッ!」
 ゼロスラッガーを破ったことで、ネオパンドンは得意になっているようであった。身体を上下に
小刻みに動かし、嗤うように鳴き声を上げる。
『へッ、少しはやるみたいだな……。上等だ!』
 下唇をぬぐったゼロは落ち着きを取り戻し、ネオパンドンに正面から飛び込んで格闘戦を挑んだ。
『うらッ!』
「キィィィィッ!」
 取っ組み合うゼロとネオパンドン。だがネオパンドンの筋力はかなりのもので、すぐにゼロを押し返す。
ゼロの体勢が崩れたところで、側頭部に強烈なパンチを入れた。
『うぐッ!』
 傾いたゼロをそのまま引き倒し、その上に飛び乗って全体重を掛けて踏みにじる。
『うぐおぉぉッ! この野郎ッ!』
 げしげしと蹂躙されるゼロは力ずくでネオパンドンを己の上からどかしたが、直後に蹴り上げを
食らって蹴り飛ばされた。
「キィィィィッ! キィィィィッ!」
 転がっていったところに赤と青の火炎弾を連続発射するネオパンドン。爆発と炎上がゼロを襲う!
『ぐぅぅぅぅッ!』
 熱と衝撃に晒されて苦しみながらも、ゼロは果然と立ち上がった。
『くそぅ……すげぇパワーだな』
 ネオパンドンは遺伝子操作により、素の能力の時点で元のパンドンよりパワーアップがなされている。
その上、コントロール装置からリッシュモンの悪しき思念が送られ続けており、それで更に力を増している。
そのため、パンドンからは戦闘レベルが数段も上昇しているのだ。普通の怪獣とは訳が違う。
『だが、ただの力任せじゃあ、このウルトラマンゼロには敵わねぇぜ! イヤァッ!』
 しかしゼロの闘志は少しも揺るがない。宇宙拳法の構えを取り直して再度ネオパンドンに飛び掛かり、
今度は相手の攻撃を受け流すことに集中する。
「キィィィィッ! キィィィィッ!」
 ブンブンと腕を振り回して打撃を見舞うネオパンドンだが、そんな単純な攻撃は、いくら力があろうと
宇宙拳法の達人のゼロに呆気なく受け流された。そしてゼロは相手の隙を突き、片腕をはっしと捕らえて、
「デヤァァァァァッ!」
 一本背負い! ネオパンドンの巨体が大きく宙を舞い、空き地の上に落下した。そして立ち上がる相手に、
エメリウムスラッシュの一撃!
「キィィィィッ!」
 光線が直撃して、さしものネオパンドンも動きを止めた。この隙に、ゼロは一発逆転の大技を繰り出す。
『フィニィッシュッ!』
 ゼロスラッガーを宙に放って固定。そしてジャンプして横薙ぎのキックを入れた。ウルトラキック戦法だ!
 超加速したスラッガーを目で捉えることが出来ず、ネオパンドンは胸部を貫通された。
そのまま後ろにバッタリと倒れ込み、爆発四散する。
『ふぅ……思ったよりも苦戦したぜ』
 着地したゼロの頭にスラッガーが戻り、ゼロは大きく息を吐いた。これでトリスタニアは救われ、
リッシュモンの陰謀は粉砕された……。
 といつもならなるところだが、今回は違った! 突如ゼロの背後の地面が裂け、そこから
フックつきのロープが飛んできたのだ!
『なッ!?』
 ロープはゼロの首に巻きつき、締めつける。突然の事態に激しく動揺するゼロ。
『な、何事だ!?』
 首を絞められて苦しみながらも、背後に振り返って状況を確認する。その時に激しい地揺れが起こり、
地面の裂け目が広がった。
「キイイイイィィィィッ!」
 そしてその裂け目より、五体のパーツに一貫性がなく不自然につなぎ合わされている、
丸で複数の人形をバラバラにしてパーツを一つずつ組み合わせたかのような異形の怪獣が
地上へ這い出てきた。ゼロの首を絞めるロープは、その怪獣のトゲつき鉄球になっている
左手から伸びていた。
『あいつは……タイラント!』
 ゼロが驚愕して叫んだ。大宇宙の凶悪暴君と呼ばれる大怪獣。凶悪無比! その頭はシーゴラス。
そしてその腕は超獣バラバ。胴は恐るべき宇宙大怪獣ベムスターのものだ。それが怪獣たちの怨念が
結集して誕生した、恐るべき合体怪獣タイラントである!
「キイイイイィィィィッ!」
 タイラントが地上に上がると、その後ろに続いて、更に怪獣たちが出現する。
「キュイイイイイイ!」
 甲虫が直立したような姿で、黄色く大きな両眼が爛々と顔面に輝く怪獣、キーラ。
「カ―――ギ―――――!」
 タイラントの胴体になっている、恐るべきベムスター。それもただのベムスターではない。
ヤプールの手による改造が加えられて更に強力になった、改造ベムスター!
「キイイィィィ!」
 左腕が鎌、右腕が鞭、そして腹部が巨大な花となっている、超獣よりも強い大怪獣アストロモンス。
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
 頭部が胴体と比較して異様に大きく、悪魔のような形相をしている怪獣、バゾブ。
 以上の五体の怪獣が地中から出現し、ゼロの前に並んだ。
『こいつら、宇宙怪獣じゃねぇか! どうして地中から出て来るんだ!?』
 疑問に思うゼロだが、今はそんなことを気にしていられる状況ではない。大怪獣軍団は、
示し合わせたようにゼロへの攻撃を開始したのだ。
「キイイイイィィィィッ!」
 タイラントがロープを引っ張り、ゼロを横転させて市中を引きずり回す。ゼロが無惨にやられる様に、
避難している民たちが悲鳴を上げた。
『うおおおおッ! くッ、ふざけやがってぇ!』
 振り回されてボロボロにされるゼロだが、どうにかロープを首から解いて引き回しの刑から脱した。
しかし、それを待っていたとばかりに残りの怪獣たちが一気に攻撃してくる。
「キュイイイイイイ!」
 キーラが大きな目を一旦閉じ、そしてカッ! と開く。それに伴って眼球から強烈な閃光が発せられた。
『うああぁぁッ!? くそッ、目がッ!』
 真正面から閃光を浴びたゼロは、目を焼かれて視界を失ってしまった。敵を見失って立ち尽くす
彼にアストロモンス、改造ベムスター、バゾブが迫る。
「キイイィィィ!」
『ぐああぁぁぁッ!』
 アストロモンスが鞭でゼロをビシバシ叩いた上に、花から噴射される消化液を食らわせた。
「カ―――ギ―――――!」
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
『うおああぁぁぁぁッ!』
 改造ベムスターは目からレーザーを、バゾブは頭頂部のマゲのような触覚から電撃光線を放って
ゼロの身体を焼く。
「キイイイイィィィィッ!」
『ぐああああああああ――――――――!』
 最後にタイラントが口から放射する爆炎を食らって、ゼロは大きく吹っ飛ばされた。
 さすがのゼロも、五対一では多勢に無勢。怒濤の攻勢に押され、カラータイマーが点滅を始める。

 リッシュモンの捜索中だったグレンだが、ゼロの苦戦を目の当たりにして、大きく舌打ちした。
「ゼロがやべぇぜ! アンリエッタ姫さん、悪いが手伝いはここまでだ。俺はゼロの加勢に行く!」
「ええ。どうかトリスタニアをお願いします!」
 アンリエッタにひと言断って、グレンは戦場へと駆けていく。途中で高く手を掲げて、
変身のために叫んだ。
「ファイヤァァァ―――――――!」
 ウェールズの肉体が赤く発光し、グルグルときりもみ回転しながら巨大化。燃えるマグマの戦士、
グレンファイヤーへと変わった!

「キイイイイィィィィッ!」
 タイラントを先頭に、五体の怪獣は伏しているゼロへ迫る。その前に、グレンファイヤーが立ちはだかった。
『こっから先は通行止めだぁー!』
『はぁぁぁッ!』
『ジャンファイト! ジャァンナックル!』
 グレンファイヤーと同時に、ミラーナイトとジャンボットも戦場に駆けつけた。グレンファイヤーは
タイラントと改造ベムスターに激突して押し返し、ミラーナイトはミラーナイフでキーラとバゾブを迎撃、
ジャンボットはジャンナックルをアストロモンスに食らわせた。
「キイイイイィィィィッ!」
「キュイイイイイイ!」
「キイイィィィ!」
 押し返された怪獣たちはひるんで動きを止めた。その間に、グレンファイヤーがゼロに肩を貸して立たせる。
『ゼロ、大丈夫か?』
『ああ……まだ戦えるぜ……!』
 ゼロは負傷が激しいが、戦闘続行できないほどではなかった。ウルティメイトフォースゼロの四人は
その力を一つにして、怪獣軍団へと立ち向かっていく!
『うらぁぁぁぁッ!』
「キイイイイィィィィッ!」
「カ―――ギ―――――!」
 ゼロは一瞬燃え上がってストロングコロナゼロに変身し、タイラントと改造ベムスターに殴りかかった。
二体の怪獣は、ストロングコロナの超パワーによって押し返されていく。
「ギュルウウ! ギュルウウ!」
『ぐおおおぉぉッ!?』
 バゾブがジャンボットに近づくと、それだけでジャンボットはショートし、大きく苦しんだ。
『この怪獣……触覚から強力な電磁波を放っているな! 私のようなロボットの天敵といったところか……!』
 バゾブは常に電磁波を放出し、自身の周囲に機械を狂わせる磁界を形成している。その影響は、
エスメラルダが誇るスーパーロボットのジャンボットといえども苦しむほどであった。
『おらぁぁぁー!』
「ギュルウウ!」
 ジャンボットが危ないところを、グレンファイヤーがバゾブに体当たりして引き離したことで救った。
『こいつの相手は俺が引き受けるぜ、焼き鳥!』
『私の名前はジャンボットだと言っている!』
 戦闘中でもいつも通りの二人。バゾブはグレンファイヤーに任せて、ジャンボットは背後から
迫っていたキーラに振り返って、ショルダータックルをお見舞いした。
『せいッ! はぁッ!』
「キイイィィィ!」
 ミラーナイトはアストロモンスの鞭と鎌の振り回しをくぐって、水平チョップを喉に炸裂した。
更に腹部の花に連続パンチを入れて悶絶させた。
「うおー! いいぞー!」
 五体もの恐るべき敵が相手でも、ウルティメイトフォースゼロは一歩も退かない。彼らの善戦に
民たちが歓声を上げた。
 だが四人が一旦身を寄せたところで、事態は急変した。
「キョオオオオオオオオ!」
 怪獣たちのものではない鳴き声がどこかから響くと、四人の頭上に突然巨大なカプセルが出現したのだ!
『何ッ!?』
 ゼロたちがかわす間もなく、カプセルは一人ずつに覆い被さって、四人は瞬く間に閉じ込められてしまった。
これにトリスタニアの全ての人間が驚愕する。
『フハハハハハ! ハーハッハッハッハッハッ!』
 そんな中、一人だけ高笑いする者が。怪獣たちの中央に、巨大化したヒッポリト星人が出現したのだ。
『まんまと罠に掛かったなぁ、ウルティメイトフォースゼロ!』
『テメェはヒッポリト! そうか、ここまでの全部が、お前の罠だったのか……!』
『今頃気がついても、遅すぎるぞ!』
 カプセルの中で悔しがるゼロ。ネオパンドンも、タイラントたち怪獣軍団も、全てはゼロたち全員を
誘き出して、ヒッポリトカプセルで捕獲するためのものだったのだ。
『残念だなぁ。自分で自分の最期は見られないだろう。俺は貴様らの最期を、ゆっくりと見せてもらうぞ!』
 ヒッポリト星人の頭頂部の触角が光ると、カプセルに液体がしたたり始めた。液体がゼロたちの
身体に触れると、そこがカチカチに固まっていく。どんなものでも固めてブロンズ像にしてしまう、
ヒッポリト星人の恐怖の武器、ヒッポリトタールだ!
『うあああああッ! や、やばいッ!』
『苦しめ! 苦しめ! だんだん死んでいくのだぁー!』
 圧倒的優位に立ち、ゼロたちの焦りもがく様を楽しむ、残虐なるヒッポリト星人。そしてゼロたちを
救出する者は、もういない。ウルティメイトフォースゼロは全員捕まってしまったのだ!
『くっそぉッ! どうにかして脱出しねぇと……!』
 ゼロたちは必死にカプセルからの脱出を図る。が、彼らがどんな抵抗をしても、カプセルはびくともしない。
『無駄だぁ! ヒッポリトカプセルは、内側からは絶対に壊せんのだぁ!』
 ウルティメイトフォースゼロの抵抗を嘲笑い、勝利を確信したヒッポリト星人は、怪獣たちに命令を下す。
『邪魔者はもういない! 怪獣たちよ、この街を焼き払ってしまえぇー!』
「キイイイイィィィィッ!」
 タイラントたちが再び動き出し、トリスタニアに火を放っていく。
「うわあああぁぁぁぁぁぁ―――――――!」
「きゃああああああ――――――――――!」
 怪獣軍団に街を蹂躙されていき、人間たちからは大絶叫が巻き起こった。魔法衛士隊が必死に
攻撃を仕掛けるも、精神力を振り絞っても五体もの怪獣を止めることは、彼らには出来なかった。
『うるさいハエどもだ! 叩き落としてくれるッ!』
 しかもヒッポリト星人が合わせた両手からヒッポリトミサイルを発射し、騎士たちを撃墜する。
「うわああぁぁぁぁ―――――――!」
『やめろぉーッ! くそぉーッ!』
 絶叫するゼロだが、今の彼では、冷酷なヒッポリトの軍勢の暴虐を阻止することは出来ないのだ。
それどころか、己の死が間近に迫っている。

「何てこと! ゼロたちが、一網打尽に……!」
 ほとんどの市民が逃げ、無人のチクドンネ街の一画で、ルイズは絶望的な光景を見上げていた。
このままではウルティメイトフォースゼロは全滅し、最悪の結末がやってくる。
 竜騎士の何人かはカプセルを攻撃し、ゼロたちを解放しようとしているが、彼らの火力では
破壊は叶わなかった。しかし、それが出来る者がこの場に、たった一人だけいる。
「待ってて、みんな。わたしの『爆発』なら……!」
 キングジョーをも粉砕した虚無の『爆発』ならば、カプセルの破壊も出来るはずだ。そう考えて、
ルイズは呪文を唱え始めた。実際、ヒッポリトカプセルは内側の耐久を重視しており、外側からの
衝撃にはそこまで強くない。ルイズならば助け出せるだろう。
 だが、ヒッポリト星人の狡猾な策略は、ルイズにまで及んでいたのだ。
「見つけたぞぉ!」
 突然野太い男の声が聞こえたかと思うと、足元に火の球が飛んできて炸裂した。それによって
ルイズは倒れ、呪文が中断される。
「きゃあッ! な、何!?」
 振り返ると、リッシュモンがこちらに杖を向けていた。
「リ、リッシュモン高等法院長!? どうしてこんなところに……!?」
 目を丸くするルイズだが、聡明な彼女はすぐに察しが行った。リッシュモンは敵の間諜で、侵略者の手先なのだ!
「法院長は既に元だよ。残念ながら、つい先ほど罷免を受けてな」
 リッシュモンはうそぶき、ルイズを冷酷な目つきでにらむ。
「ラ・ヴァリエール家の三女、ルイズ・フランソワーズ。間違いないな。こんなちっぽけな小娘が、
最も警戒すべき人間とは……世の中とは不思議なものだ。まぁよい。お前を捕まえ、ウチュウ人どもに
差し出す、それだけで法院長時の収入とは比較にならん莫大な富が手に入るのだ。何とも簡単な仕事よ」
 リッシュモンは、ルイズを捕らえに来たのだ。ルイズは一気に青ざめる。
 これまでのゼロたちの窮地の内の何度かは、ルイズの虚無の魔法でひっくり返した。虚無は既に、
ゼロたちの最後の切り札になっている。しかし敵はとうとう、ルイズへの対策も取ってきた。
今ここでルイズがやられてしまえば、本当にウルティメイトフォースゼロはおしまいだ!
「くッ……!」
 リッシュモンに杖を向けるルイズだが、リッシュモンは相変わらず冷たい視線を向けた。
「やめておくといい。私はもう呪文を唱え終えた。後は解放するだけだ。どう考えても、私の魔法の方が早いぞ。
変に抵抗するんじゃない。もし死んでしまったら、ウチュウ人どもにケチをつけられるかもしれないではないか」
 それがハッタリではないことは、ルイズにも分かる。身動き一つ取れない、絶体絶命の状況。
その間にも、ゼロたちはブロンズ像に変えられつつある。
 このままトリステインは、最後の日を迎えてしまうのだろうか?


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