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第三十四話「凶刃の侵略者」


ウルトラマンゼロの使い魔
第三十四話「凶刃の侵略者」
光波宇宙人リフレクト星人
高速宇宙人スラン星人
奇怪宇宙人ツルク星人
暗闇宇宙人カーリー星人 登場



 マグマ星人率いる宇宙人軍団を撃退した翌日、ルイズ、才人、シエスタ、そして春奈の四人は、
パトロールのためにトリスタニアの街の捜索を行うことにした。侵略者たちの破壊工作の目的が
不明な以上、今日もまた敵が爆破騒ぎを起こすかもしれないからだ。
「あの憎き侵略者たち、また現れたら、今度はとっ捕まえて何の目的があるか吐かせてやるんだから!」
 ルイズは俄然張り切っているが、才人はそれをなだめるように言い聞かせる。
「あんまり血気に逸って、無茶するんじゃないぞ。まだ侵略者たちに、どれだけの戦力が
あるか分からないんだ。昨日みたいに、戦いに優れた奴が出てくるかもしれない。いつも
無事に勝てるとは限らないんだぜ」
「何よ、その言い方。わたしを子供扱いするつもりなの!?」
 才人の物言いにルイズは、興を削がれたような気分になって不機嫌になった。
「実際、宇宙人からしたら子供みたいなもんだろ。敵はそれだけ恐ろしいんだ」
「な、何よぉ! ご主人さまの力が信じられないって訳!?」
「だから、油断をするんじゃないってことを言ってるんだって――!」
「お二人とも、落ち着いて下さい。天下の往来ですよ……」
 些細なことで言い争いになるルイズと才人を、シエスタが慌てて止める。その構図に、
水筒の水をあおった春奈はハァとため息を吐いた。
「ふぅ……こんな調子で大丈夫なのかな……?」
 ぼやきながら、ふと視線を脇へそらすと、突然目を見開いた。
「あッ、あの鞄!?」
 と発すると、急に踵を返してどこかへ走り去っていこうとする。
「えッ!? ハルナさんどちらへ?」
「ち、ちょっと! ハルナ、どうしたの?」
 当然ルイズたちは驚き、すぐに春奈の背中を追いかける。才人が一番に追いつくと、
何事か問いかけた。
「どうしたんだよ春奈? いきなり血相抱えて」
 春名はそれの、すぐに返答した。
「わ、私のバッグを持っていた人がいたの!」
「バッグ? それがどうしたのよ?」
 ルイズには鞄に執着する理由が読めなかったが、春奈はそれについてこう語る。
「ただのバッグじゃないの。……私がこの世界に連れてこられた時に、持ってきていた
唯一のバッグなの!」
 地球からの春奈の持ち物を持っていた人がいたという。その証言に驚く才人。
「そ、それを早く言えよ。どっち行ったんだよ! そのバッグを持った奴って!」
「ええと……。あ、あっちの方!」
 焦る春奈は、鞄を持っているという者の後ろ姿が路地裏に入っていくところを目にして、
自身もその路地裏に入っていく。才人たちは出遅れてしまった。
「ま、待てって春奈! 罠かもしれないんだぞ!」
 追いかけながら警告したが、もう遅く、気がつけば春奈も見失ってしまい、無人の裏通りに
迷い込んでしまっていた。
「く、くそう! どこ行ったんだよ!」
「ハルナさん、一人で大丈夫でしょうか……?」
 才人とシエスタが周囲に目を走らせて春奈の姿を探していると、突然ゼロが声を上げた。
『ちょっと待て。様子が変だぜ』
「え?」
『まずいな……。罠に掛かったのは俺たちの方だったみたいだ。囲まれてやがる!』
『キエエエエエッ!』
 ゼロの言葉の直後に、通りの陰から、丸いシルエットが三人に飛び掛かってきて、剣を
振り下ろしてきた。
「危ないッ!」
「きゃッ!?」
 才人が反射的にデルフリンガーを抜いてルイズとシエスタをかばい、影の剣を防御した。
丸い影は背後へ下がり、石畳の上に着地する。
『フッフッフッ、地球人のくせに私の剣を受け止めるとは、なかなかやるものですねぇ』
 影の詳細な姿が、白日の下に晒される。いくつものトゲが生えた銀色の丸いボディに、
手足が生えているという、一見するとコミカルな姿だが、トゲや手の甲から伸びる剣は
紛れもない凶器だった。
「何あの、ウニみたいな奴!」
『お前は、リフレクト星人!』
 ゼロは宇宙人のことを知っていた。過去にウルトラマンメビウスがなすすべなく敗れたことがある、
強敵武闘派宇宙人、リフレクト星人だ。
『如何にも、私はリフレクト星人。下等な虫けらの諸君、御機嫌よう。もっとも、すぐ
お別れすることになりますがね』
「む、虫けらですって!?」
 リフレクト星人の口ぶりとは正反対の無礼さに、ルイズがプライドを傷つけられて憤怒した。
が、リフレクト星人は構わずに続ける。
『それと、連れの者たちも紹介しましょう。出てきなさい!』
「グウオオオオオ!」
 ルイズたちのいる場に、細身のシルエットがどこからともなく飛び出てきた。だが新手の影は、
移動スピードが信じられないほど速く、ルイズやシエスタの目では残像しか捉えられなかった。
才人がウルトラゼロアイで射撃するが、新手は難なく回避し、三人の背後に来てようやく停止する。
「キュキュウーイ!」
「ファア―――!」
 敵はそれだけではなかった。更に左右から、両手に刃を生やした怪人と両肩に三日月状の
とがった角を取りつけた怪人の二人が襲い掛かってくる。
「きゃああッ!」
「ぐぅッ!」
 さすがに二人同時の攻撃は防御し切れない。才人を含め、ルイズたちは咄嗟に転がって、
向かってきた刃をかわす。才人は端末で、新たに出現した敵三人の情報を引き出した。
「スラン星人! ツルク星人に、カーリー星人!」
 どれもが攻撃性の高い、凶悪な宇宙人だ。才人たちは四人もの宇宙人に囲まれてしまい、
逃げ場を失ってたじろいだ。そんな中で、リーダー格であるリフレクト星人が口を開く。
『あなた方のことはよく聞いてますよ。つい昨日も、我々宇宙人連合の計画を妨害してくれたとか。
そういうことですので、まずは邪魔者を片づけてからゆっくりと計画を遂行するために、私たちが
派遣されたという訳です』
「くッ、先に俺たちを狙うことにしたのか……!」
 脂汗を浮かべて歯軋りする才人。この状況はまずい。狭い空間に敵が四人など、この場で
ゼロに変身したとしても、ルイズとシエスタを守り切れるかどうか分からない。
『雑談はこのくらいにしましょう。さっさと仕事を片づけさせてもらいますよ!』
 リフレクト星人たちは考えを練る時間も与えてくれずに、四人一斉に飛び掛かってきた。
それで才人はいちかばちか、ゼロアイで変身しようとする。
 その瞬間に、頭上から火炎と氷の槍が宇宙人たちに降りかかり、足を止めて才人たちの窮状を救った。
『何!? 誰だッ!』
 リフレクト星人が顔を振り上げると、彼らの上空に、一匹の風竜が漂っていた。そして
その背の上に乗っているのは、もちろん……。
「キュルケ! タバサ!」
「ハァイ、ルイズ。あなたたちは、いつもピンチの真っ只中にいるわね」
「間一髪」
 いつものキュルケとタバサのコンビだ。ルイズがすぐに尋ねかける。
「もう大体予想つくけど、どうしてここにいるのよ?」
「そりゃもちろん、あなたたちが王宮に呼び出されて、日付が変わっても帰ってこないから、
また面白そうなことに関わってると思って……」
「グオオオオ!」
 キュルケが話している途中で、スラン星人がシルフィードへと光弾を発射した。シルフィードは
スイッと下がって、光弾を回避する。
「ちょっと、レディの会話をさえぎらないでもらえる? 育ちが悪いわね」
「言っても無駄」
 タバサがひと言つぶやくと、キュルケとともに炎と氷の攻撃を宇宙人たちに降り注ぐ。
リフレクト星人は前腕に装着した盾で防ぎ、他の三人は素早く飛びすさってよけた。
『ええい、うっとうしい! 虫けらは虫けららしく、踏み潰してやりましょう!』
 キュルケたちの加勢に苛立ったリフレクト星人が高く跳躍すると、スラン星人たちもそれに
続いてジャンプする。
 そして四人の宇宙人たちは、40メイル級に巨大化してトリスタニアに降り立った。ツルク星人と
カーリー星人は、蜥蜴人間のような容姿に変化までしている。
「もう、ウチュウ人ってすぐこれなんだから! 卑怯じゃない!」
「退却」
 瞬く間に各地で悲鳴が沸き上がる中、タバサたちはルイズたちを回収するために一旦降下する。
才人はシルフィードの上にルイズとシエスタを乗せると、彼女らに告げた。
「お前たちは、春奈を探してくれ! あいつも狙われてるかもしれない! 俺はその間、
宇宙人たちを引きつける!」
「無理しないでよ!」
 リフレクト星人が迫ってくるので、シルフィードはすぐに飛び立って退却していった。
一人残った才人は、巨大化した剣が自分へ振り下ろされるのを見上げながら、ゼロアイを装着した。
「デュワッ!」
 直ちに変身したウルトラマンゼロは、ゼロスラッガーで剣を押し返しながら巨大化し、
リフレクト星人と激しくにらみ合う。
『ウルトラマンゼロォ……! 我がリフレクトの同胞の、ウルトラ一族への恨み、ここで
晴らしてやりましょう!』
『やれるもんならやってみなッ! 二万年早いってこと、教えてやるぜ!』
 リフレクト星人と鍔迫り合いするゼロだが、その横からスラン星人、ツルク星人、カーリー星人が
攻撃を加えようとする。
「グウオオオオオ!」
「ゲゴオオオオオオウ!」
「ギャーアーゴ―――!」
 スラン星人の手の甲から伸びた刃、ツルク星人の腕の剣、カーリー星人の肩の角がゼロへ差し迫る。
一方のゼロは、リフレクト星人と押し合っていて無防備。ゼロのピンチ!
『はぁッ!』
 その時、街の家屋のガラス窓が輝いた。そして銀色の光の中からミラーナイトが飛び出し、
ツルク星人に飛び蹴りを入れる。
『ジャンファイト!』
 はるか上空からはジャンボットが降下してきて、スラン星人にタックルを決めて弾き返す。
『ファイヤァァァァ―――――――!』
 そしてカーリー星人の眼前にグレンファイヤーが登場し、顔面にパンチを浴びせて突進を止めた。
「あッ! ウルティメイトフォースゼロだぁ!」
 トリスタニアのどこかで、子供の喜びの声が上がった。四人の宇宙人相手に、ウルティメイトフォースゼロも
四人全員出動したのだ。
『あなた方のお相手は、私たちがしましょう』
『ゼロにも人々にも、手出しはさせん!』
『さってと、とっとと始めようぜぇッ!』
 仲間たちが敵三人を止めてくれたので、ゼロは心置きなくリフレクト星人と対決することが
出来るようになった。ゼロは依然鍔迫り合いしながら問いかける。
『やい! お前ら宇宙人連合は、春奈をこの世界にさらってきたり、爆弾で街を破壊したりして、
何をたくらんでるんだ! 知ってることを話しな!』
 すると、リフレクト星人はせせら笑いを返した。
『ふふ、私は知りませんねぇ。作戦はマグマ星人の立案したもの。我々はただ、教えられた役割を
果たすだけ。どういう作戦かには興味がありませんねぇ』
『そうかい……。だったら、もう遠慮はしねぇぜ! ぶっ飛ばすッ!』
 甲高い金属音を鳴らして、ゼロスラッガーと剣が離れる。それに合わせるように、ゼロと
リフレクト星人も距離を取った。
「ジュワッ!」
 後ろへ下がったゼロはエメリウムスラッシュを発射。しかし緑色のレーザーは、リフレクト星人の
丸盾で防御されると、折れ曲がってゼロへ戻っていく。ゼロは上半身を横に傾けてレーザーをかわした。
『ちッ。お前の種族には光線技が効かないっての、ホントなんだな』
『その通りです。光線が武器の輩には、私は天敵なのですよ』
 ゼロのつぶやきに、リフレクト星人は自信満々に肯定した。
 リフレクト星人の身体は、誘電体多層膜ミラー構造という、光線の吸収率が全くない
特殊な造りをしている。そのため、ウルトラ戦士の必殺光線すら完全に通用しないのだ。
ウルトラマンメビウスはリフレクト星人との初戦時、この特性によって攻撃がことごとく
はね返され、完敗を喫したのだった。
 だがゼロは、光線技が効かないことにひるみはしなかった。
『光線技が駄目なら、それ以外で倒すだけだぜッ!』
 離した距離を再び詰め、ゼロスラッガーで剣戟を繰り広げる。
 そう、ウルトラマンレオ直々の手ほどきを受けたゼロは、近接戦闘にも優れている。
メビウスもレオに課せられた特訓の成果により、リフレクト星人を破ったのだ。ならば
同じレオに育てられたゼロが負ける道理はない。
『ふぅんッ!』
 だと思いきや、リフレクト星人の剣によって、ゼロスラッガーが両方ともゼロの手中から
弾き飛ばされた。宙を舞ったスラッガーはゼロの頭に戻る。
『何ッ!』
『フッフッフッ。考えが甘いですね。私の剣技はリフレクト星でも随一! 私の方こそ、
近接戦闘を得意としているのですよ!』
 驚くゼロに堂々と言い放つリフレクト星人。どうやら、自身の防御性能に慢心せずに、
直接の戦闘能力も鍛え上げているようだ。これは強敵だ。
 しかし、それでもゼロは動じない。むしろ逆に、より闘志をかき立てる。
『面白いじゃねぇか! だったら剣での勝負と行こうぜ!』
 対抗心を燃やしたゼロは、円盤生物戦の時のように、巨大化させたデルフリンガーを出して
柄を握り締めた。今度は、デルフリンガーでリフレクト星人と斬り合う。
『はぁぁぁぁぁッ!』
『キェェェェェッ!』
 ゼロとリフレクト星人が気合いを発し、剣と剣を交えた。
「ゲゴオオオオオオウ!」
『はッ! たッ!』
 ゼロがリフレクト星人と戦っている一方で、ミラーナイトはツルク星人の両腕の刀から
繰り出される斬撃をかわしていた。流麗な動きで、見事に敵の攻撃を回避する。
「ゲゴオオオオオオウ!」
『……見た目に反して素早い身のこなしと太刀筋。これは厄介ですね……』
 しかし同時に、なかなか反撃に出ることも出来ずに手をこまねいていた。ツルク星人は
両手の刀を交互に繰り出す素早い二段攻撃を得意とする。その連続技の完成度は、実戦経験が
不足で未熟だった頃とはいえ、格闘の達人のレオが一度なす術なくやられたほどなのだ。
 だがミラーナイトも技巧派の戦士。連続の斬撃の間のかすかな隙を見つけ、宙返りしながら
高く跳び上がる。
『やッ!』
「ゲゴオオオオオオウ!」
 空中からミラーナイフを放つが、ツルク星人が顔面の前で交差した刀に易々と防がれた。
ツルク星人の刀は、切れ味も硬度も天下一品。攻守ともに使える恐ろしい武器なのだ。
「ゲゴオオオオオオウ!」
 そして落下してきたばかりのミラーナイトに、その凶器を振るう! ミラーナイトにかわす暇はない!
 ……が、刀が叩き込まれると、ミラーナイトの姿が粉々に砕け散った。今斬ったのは鏡。
ミラーナイフを防御したことでツルク星人の視界が塞がれた一瞬の間に作った身代わりなのであった。
「!?」
『私はここですよ! はぁッ!』
 割れた鏡の後ろから、本物のミラーナイトが飛び出す。そして両手のチョップでツルク星人の
刀と腕のつけ根を打ち、刀をへし折った。ふた振りの刃が宙を舞う。
『とぁッ!』
 ミラーナイトはもう一度ジャンプし、舞った刀を指ではっしと掴む。そして落下の勢いを乗せて、
ツルク星人の胸に深々と突き刺した。
『お返ししましたよ』
 ミラーナイトが短く告げると、ツルク星人は背後にバッタリと倒れ込んで、そのまま絶命した。
己の自慢の武器が死因となる、皮肉な最期だった。
 また他方では、ジャンボットとにらみ合っているスラン星人が、ジャンボットに問いかける。
『ウルティメイトフォースゼロよ、何故この星の人間を守ろうとする。この星の人間に、
守るだけの価値があるのか?』
『何? それはどういうことだッ!』
 ジャンボットがきつい口調で問い返すと、スラン星人はこう語り出した。
『このハルケギニアは美しい星だ。だがこの星の人間は、大地を、空を汚し始めている。
星の悲鳴が聞こえないのか』
 ハルケギニアは魔法文明なので、工業は地球と比べればほとんど発達していない。しかし
資源の大量採掘や森林伐採、工場の排煙による大気汚染などの環境破壊はゲルマニアなどで
徐々に進行している。いずれは、地球と同じように環境問題に頭を悩ませるようになることだろう。
『その前に、我々スラン星人がこの星をもらい受けることで、この星を救うのだ。星を苦しめる者どもを
守ることに何の価値があるというのだ!?』
 と突きつけるスラン星人に、ジャンボットは言い返した。
『侵略行為による救済など、間違っているぞ!』
『何だと!?』
『確かにこの星の人間は、貴様の言うような過ちを犯している。だが人間には、過ちを正そうという
心がある。人間は自らの手で、星を、自身を救えるはずだ。私は信じている!』
 惑星エスメラルダを護ってきたロボット、ジャンボットは見届けた。外宇宙から現れた
「ベリアル」という最大の脅威を、人間たちが紡ぐ「光」が打ち破ったことを。その未来を
掴む「光」は、ハルケギニアの人々の心にも宿っているはずだ。
『昨日今日やってきただけの外来者に、この星の未来を語る資格はない!』
 ジャンボットに言い切られると、スラン星人は頭をかきむしって憤慨した。
『黙れ、屑鉄ロボットが! 何と言おうと、我々がこの星を頂くのだ!』
『ふッ、どれだけ言葉で飾ろうと、貴様は所詮傍若無人な侵略者に過ぎないのだな! 態度が
物語っているぞ!』
『えぇい、うるさいッ! 我が動きについてこれるかッ!?』
 スラン星人は体勢を直すと、超高速で横にスライドし出した。ジャンボットは一瞬にして、
周囲全てをスラン星人の残像に取り囲まれる。
『むッ!? 何というスピードだ!』
「グウオオオオオ!」
 スラン星人は超高速移動を行ったまま、両腕から光弾を連続発射する。移動と発射の合わせ技により、
ジャンボットは360度から攻撃を食らう。
『ぐううぅぅぅぅぅぅッ!』
 相手のあまりの速さにより、どこから撃ってくるかが見切れず、ジャンボットは食らうがままになる。
しかし鋼鉄のボディと熱い正義の心を持つ彼は、それしきの逆境ではくじけない。
『私は鋼鉄の武人、ジャンボット! その程度の目くらましでは、私は翻弄されないッ!』
 レーダーと電子頭脳をフル活用して、スラン星人の動きのパターンを捕捉する。そして
左腕を上げて、相手の残像の一箇所に狙いを定める。
『ジャンナックル!』
 ロケットパンチが飛んで、残像の列に飛び込むと、見事スラン星人の実体を殴り飛ばした!
「グオオオオオ!?」
『ビームエメラルド!』
 すかさず頭部から発射口がせり上がり、必殺レーザーを照射した。ビームエメラルドは
狙い違わずスラン星人に命中し、一撃で粉々に吹っ飛ばした。
「ギャーアーゴ―――!」
 カーリー星人は腰を折って両肩の角を前に突き出すと、その姿勢のままグレンファイヤーへ
一直線に突進を仕掛けた。グレンファイヤーは速く、同時に重い突進攻撃を正面から食らう。
 カーリー星人の最大の武器は、角を活かしたこの突進。その威力は、ウルトラマンレオの
巨体を軽々と吹っ飛ばしたほどもある。
『へッ! 今のが体当たりのつもりなのかよ!』
「ギャーアーゴ―――!?」
 だが、グレンファイヤーは角をガッシリと掴んで、突進を受け止めていた。捕らえられた
カーリー星人は、拘束を振りほどくことが出来ずに慌てふためく。角から電撃を放つも、
それでもグレンファイヤーの手は離れない。
 グレンファイヤーはパワー型の熱血戦士。肉体を駆使した正面対決ではカーリー星人の方が、
分が悪かったようだ。
『テメェの突進なんて、ジープなんかと比べりゃちっとも大したことねぇぜ! ファイヤァァァァァ――――――――!』
「ギャーアーゴ―――!」
 グレンファイヤーは胸のシンボルを浮き上がらせ、全身を燃え上がらせる。その炎はカーリー星人に
燃え移り、そのまま大爆発を引き起こした。
『へっへーん! ざっとこんなもんよ!』
 カーリー星人を爆散させたグレンファイヤーは、頭部の炎をかき上げて見得を切った。
 他の三人の宇宙人は倒され、残るはリフレクト星人だけである。そのリフレクト星人は、
ゼロと激しく火花を散らして切り結んでいた。
『うりゃあッ!』
 だがゼロがデルフリンガーを大きく振り上げると、それと衝突したリフレクト星人の剣が
半ばからへし折れ、地面に突き刺さった。
『ば、馬鹿な! 私の剣が、人間如きの剣などに!?』
 大ショックを受けるリフレクト星人に、ゼロが告げる。
『デルフはただの剣じゃねぇ! 俺たちの仲間だ! テメェの魂のこもってない剣なんかじゃ、
勝てっこなかったのさ!』
『くぅぅ……! こうなったらぁッ!』
 武器を失ったリフレクト星人は、突如左腕を避難中の市民たちに向けると、丸盾からチェーンを
発射した。彼らを人質に取ろうという考えだ。丁寧な口調を使いながらも、リフレクト星人も本質は
ルール無用の侵略者。追い詰められて、化けの皮を剥がしたのだ。
「きゃあああぁぁぁぁ!」
 狙われた市民が悲鳴を上げる。だがチェーンは横から飛んできたゼロスラッガーに弾かれ、
力なく街の狭間に落下した。
『何ッ!?』
『どうせそんなことすると思ったぜ! 見え見えなんだよ、せこい考えがッ!』
 そしてこれはリフレクト星人の失策だった。気が市民にそれたことでみすみすゼロに攻撃の
チャンスを与えてしまい、懐に飛び込まれてしまう。
 そして、リフレクト星人は胴体をZ字に切り裂かれた。
『フィニッシュ!』
『うぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――!!』
 リフレクト星人は断末魔を上げ、花火のように爆発四散した。
「やった! ウルティメイトフォースゼロの勝利だ!」
「やっぱりゼロは強いやぁ!」
 刺客の宇宙人が全て倒されると、子供たちを始めとして、トリスタニアの人々が歓喜の声を上げた。
それを受けながら、ミラーナイトらがゼロに呼びかける。
『ゼロ、ハルナを探してるところだったのでしょう。早く彼女を見つけてあげて下さい』
『他に敵はいないようだが、伏兵が潜んでいるかもしれない。側にいた方がいいだろう』
『また敵が出たら、いつでも呼んでくれよ! じゃないと退屈だしな!』
『ああ、分かった。ありがとな、お前ら!』
 仲間三人が空へ飛び立つと、ゼロは縮小化し、才人の状態に戻っていった。

 ゼロから戻った才人は、すぐに春奈と、彼女を探しに行ったルイズたちの捜索に戻った。
「と言っても、春奈たちはどこなんだろうな? シルフィードが飛んでたら、目立っていいんだけど」
 戦いが終わったことで、街には人の波が戻ってきた。それに呑まれないように、裏通りを選んで走る。
しかし春奈たちの居場所に見当がつかないので、実際には右往左往していた。
 と、そんなところに、噂したばかりのシルフィードと、跨っているタバサとキュルケが近くに飛んできた。
「ダーリーン! ハルナって言ったかしら? その娘を見つけたわよー!」
「本当か!? どこだ、案内してくれ!」
「ついてきて」
 タバサの指示通り、才人はシルフィードの後を追いかけていく。そしてたどり着いたのは、
大きな劇場前だ。
「ここって確か、劇場? こんなとこに春奈が……」
 つぶやいた才人の目に、早速春奈とルイズ、シエスタの後ろ姿が映る。
「わ、私の大切なバッグなんです!」
 先頭に立つ春奈が、見知らぬ女性相手に必死に訴えていた。その女性の手には、日本で
一般的に使用されている通学鞄が握られている。
「何だか穏やかじゃない物言いね。まるで、わたしがこのバッグを奪ったみたいじゃない?」
 だが、相手の女性は春奈の訴えを退けようとしているようだった。才人は、女性の容姿をよく確認する。
 短い金髪の、顔立ちが整ったかなりの美女だ。だがそれ以上に目を引く部分が、頭頂部に存在する。
その女性は、髪の間から猫のような耳を生やしていたのだった。


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