「……ミス・カトレア……怪我は無い……」
「うん。タバサちゃんが守ってくれたから♪」
共に床に倒れ込む形となったタバサ・カトレアが、そんな会話を交わした。
「あの……、何か着る物って……」
「私の服でよろしければ」
「テファ、持ってきてあげてください」
上着を羽織っただけのキュルケに服を着せるべく、ティファニアはマチルダに依頼した。
こなた・ギーシュは揃って床の上でひっくり返っていた。
「え~っと……、あのさ……、私結構重要な事言ったつもりなんだけど……。ひょっとしてみんなあんまり興味無い?」
『あ』
ルイズの言葉に、こなた・ギーシュ以外全員が彼女に視線を向けた。
「うん。タバサちゃんが守ってくれたから♪」
共に床に倒れ込む形となったタバサ・カトレアが、そんな会話を交わした。
「あの……、何か着る物って……」
「私の服でよろしければ」
「テファ、持ってきてあげてください」
上着を羽織っただけのキュルケに服を着せるべく、ティファニアはマチルダに依頼した。
こなた・ギーシュは揃って床の上でひっくり返っていた。
「え~っと……、あのさ……、私結構重要な事言ったつもりなんだけど……。ひょっとしてみんなあんまり興味無い?」
『あ』
ルイズの言葉に、こなた・ギーシュ以外全員が彼女に視線を向けた。
「さて、じゃあ聞こうじゃないの」
様々な料理が並べられた食卓。
「元に戻れるという、そのるいずんの説を……」
「あんたの態度はなぜいつもそう他人事なのよ……」
皿にもたれかかったこなたが先程までかじっていた棒状焼き菓子の先端と彼女の口から、なぜか煙が立ち上っているようにルイズには見えた。
「コナタ、これはちゃんと聞いておいた方がいいと思うよ?」
「ん~? うん、まあ……」
ギーシュにそう言われて、こたながルイズの方に向き直った時、
「はい、どうぞ♪」
「あ、い……、いただきます」
とルイズはティファニアから差し出されたピザの1欠片を受け取った。
「………」
渡されたピザを食べきって、思案の表情になるルイズ。
「ほんでるいずん、まだ話してくんないの?」
そんなルイズに、ピザを両手に持ちチーズを伸ばしていたこなたが声をかけた。
「あ、うん……。えっとね……、キュルケとミス・ロングビルが戻った時の事を思い出してみると、2人とも身に着けてる物を外した直後に戻ってるの。ミス・ロングビルは眼鏡、キュルケは制服って感じに」
そう言って、ルイズはおもむろに羽織っているマントを脱ぐ。
「だから、もしかしたら身に着けている物を外したら……、って思ったんだけど。ふむ……、やっぱり違うか……」
「コナタちゃん、眼鏡とかマントとか着けてないよね……」
ルイズの言葉通り、マントを脱いだ彼女には何の変化も現れなかった。
「というか、昨夜は全部脱いでお風呂に入った訳だから、まあこの線は『まさかね』くらいで。むしろもっと戻るギリギリにあった事……」
「ギリギリ?」
「テファがキュルケに服を着せてくれた時、最後に一言こう言ったのよ。『完成』って」
そこまで言って、ルイズはキュルケに視線を向ける。
「そういえば、キュルケって人形の服を着たがってたから、私は着られてよかったねって思ったんだけど」
「えー、るいずん、私の部屋で『コスプレはやめな』って言ってたじゃーん」
「そう、そこよ」
こなたの茶々にそう相槌を打ち、ルイズは話を進める。
「あれはコスプレじゃなくて、本当に人形の服を着てたのね。それは体がこのサイズにならなきゃできない事じゃない。ミス・ロングビルが眼鏡無しで小さな文字を読めた事も、ひょっとしたら視力回復とはいかないものの、+
それの疑似体験みたいなものかもしれない……」
「確かにこの姿では、裸眼であんな小さな文字は読めないですけれど……」
「自信を持って言える訳じゃないけど……、2人の事を総合して考えてみると……、たぶん普段思ってる願望の中でこの姿じゃないとできない事を成し遂げれば元に戻れる--! ……かも」
言葉の最後に若干不安が入ったものの、キュルケ・カトレアは感心の視線をルイズに向ける。
「ルイズ、凄いね~。絶対それだよ」
「そ、そう?」
「名探偵みたいだね」
2人からの賞賛に赤面していたルイズだったが、菓子が並べられた小鉢にちらりと視線を向け、
「ま、問題は他にもいろいろあるけど……、ひとまず食事が済んだら私の家に戻ろう」
「え? 何で?」
キュルケが首を傾げるとルイズは、
「コナタの部屋へ戻れば、決定的な何かがわかると思う……」
様々な料理が並べられた食卓。
「元に戻れるという、そのるいずんの説を……」
「あんたの態度はなぜいつもそう他人事なのよ……」
皿にもたれかかったこなたが先程までかじっていた棒状焼き菓子の先端と彼女の口から、なぜか煙が立ち上っているようにルイズには見えた。
「コナタ、これはちゃんと聞いておいた方がいいと思うよ?」
「ん~? うん、まあ……」
ギーシュにそう言われて、こたながルイズの方に向き直った時、
「はい、どうぞ♪」
「あ、い……、いただきます」
とルイズはティファニアから差し出されたピザの1欠片を受け取った。
「………」
渡されたピザを食べきって、思案の表情になるルイズ。
「ほんでるいずん、まだ話してくんないの?」
そんなルイズに、ピザを両手に持ちチーズを伸ばしていたこなたが声をかけた。
「あ、うん……。えっとね……、キュルケとミス・ロングビルが戻った時の事を思い出してみると、2人とも身に着けてる物を外した直後に戻ってるの。ミス・ロングビルは眼鏡、キュルケは制服って感じに」
そう言って、ルイズはおもむろに羽織っているマントを脱ぐ。
「だから、もしかしたら身に着けている物を外したら……、って思ったんだけど。ふむ……、やっぱり違うか……」
「コナタちゃん、眼鏡とかマントとか着けてないよね……」
ルイズの言葉通り、マントを脱いだ彼女には何の変化も現れなかった。
「というか、昨夜は全部脱いでお風呂に入った訳だから、まあこの線は『まさかね』くらいで。むしろもっと戻るギリギリにあった事……」
「ギリギリ?」
「テファがキュルケに服を着せてくれた時、最後に一言こう言ったのよ。『完成』って」
そこまで言って、ルイズはキュルケに視線を向ける。
「そういえば、キュルケって人形の服を着たがってたから、私は着られてよかったねって思ったんだけど」
「えー、るいずん、私の部屋で『コスプレはやめな』って言ってたじゃーん」
「そう、そこよ」
こなたの茶々にそう相槌を打ち、ルイズは話を進める。
「あれはコスプレじゃなくて、本当に人形の服を着てたのね。それは体がこのサイズにならなきゃできない事じゃない。ミス・ロングビルが眼鏡無しで小さな文字を読めた事も、ひょっとしたら視力回復とはいかないものの、+
それの疑似体験みたいなものかもしれない……」
「確かにこの姿では、裸眼であんな小さな文字は読めないですけれど……」
「自信を持って言える訳じゃないけど……、2人の事を総合して考えてみると……、たぶん普段思ってる願望の中でこの姿じゃないとできない事を成し遂げれば元に戻れる--! ……かも」
言葉の最後に若干不安が入ったものの、キュルケ・カトレアは感心の視線をルイズに向ける。
「ルイズ、凄いね~。絶対それだよ」
「そ、そう?」
「名探偵みたいだね」
2人からの賞賛に赤面していたルイズだったが、菓子が並べられた小鉢にちらりと視線を向け、
「ま、問題は他にもいろいろあるけど……、ひとまず食事が済んだら私の家に戻ろう」
「え? 何で?」
キュルケが首を傾げるとルイズは、
「コナタの部屋へ戻れば、決定的な何かがわかると思う……」
しばらく後、一行は乗合馬車の停留所にやって来た。
「……ここならあまり人がいない……」
「うん、そうだね」
「少しでも人目に付かない方が安心ですからね」
ホームの端に立ってタバサ・カトレア・ロングビルがそんな会話を交わしていると、ロングビルが肩に提げている鞄からこなたが顔を出す。
「や~、気を遣わせるねえ」
そう言ったところで、キュルケの姿にこなたは違和感を覚える。
「あれ? キュルケ、制服……?」
「え? うん、制服も大きくなってたから着替えたんだ♪」
「そうじゃなくて、汚れてないじゃん。洗濯したの?」
「汚れが目立たないだけじゃないかな? 服だけが大きくなって、汚れはそのままだったから」
カトレアの言葉に目を凝らしてみると、確かにぽつぽつと小さな汚れが付着していた。
「おー、なるほどー」
「こら、コナタ!」
「ん?」
聞こえてきた声にこなたが下を向くと、ルイズが睨みつつ見上げていた。
「また鞄から顔出して! 中で大人しくしてなきゃ駄目でしょ!」
「芸人に『大人しくしろ』と言うのは、逆に『大人しくするな』の意であり……」
「あんたはいつから芸人になった!?」
「大丈夫だよ、るいずん。ここなら向こうと違って人も少ないし……」
その時、鞄の外からロングビル・カトレアの声が聞こえてくる。
「そういえば、ミスタ・グランドプレとミスタ・グラモンはどちらへ?」
「何か、今度映画化されるアニメの告知ポスターがあるって、見に行ったよ」
そう聞いてはこなたも見ずにはいられない。
「カトちゃん、向こうへ行って! 向こうへー!」
「待ちなさいってば!!」
「オタクたる者、欲しい時が買い時……、見たい時が見る時と見つけたり!」
「そんなオタク道、知らないわよ!!」
自分を止めようと片脚にしがみついたルイズを、こなたはもう片方の足で蹴りつつカトレアに指示を出す。
そんな2人のやり取りが聞こえてくる鞄を困惑の表情で眺めているカトレアだったが、
「コ、コナタちゃん、私喉渇いたから飲み物買いに行くついでにちょっとだけ見に行こうか?」
と言った途端、ぴたりと鞄が静かになった。
「OK、カトちゃん、わかってるね。忍んで行こう!」
「う、うん……」
「ちい姉様が忍ぶ必要は無いっつーの!」
ホーム中程にある看板の前で、ギーシュ・マリコルヌが「遠話の手鏡」で看板を撮影していた。
「グラモンさーん、マルコメさーん」
『お?』
カトレアが声をかけると、2人は揃って声がした方向に視線を向ける。
「あはは、やっぱり来たね」
「ちょっと見たらすぐ戻るから」
「あはは、もうすぐ馬車来るよ」
「これがそう?」
「うん、ここにあるなんて珍しいんだよ♪」
カトレア・ギーシュの会話を聞いていたこなたは鞄から顔を出し、
「ぎーしゅ~ん、私も写メ取って~♪」
「コ、コナタ、流石にそれは自重だ……」
そこへ自動販売機の前にいたタバサが声をかける。
「……ミス・カトレア……どれ飲む……」
「あ、え~っと……」
『間も無く~、2番線に馬車が――』
「来たよ~」
「うん、今行くよ~」
ギーシュの声に、カトレアは慌てて飲み物を買いそちらに行こうとする。
一方こなたは、
「見えづらい……」
と呟いて更に鞄の内側をよじ登ろうとしていた。
「コナタっ! それ以上は駄目!」
「ほ、ほら、この面子だったら視線はみんな萌え要素満載のロングビルさんに釘付けだから……」
「みんながみんな、あんたみたいな思考じゃないでしょうが……。それにコナタがよく言うニーズってやつ、それにちい姉様が当てはまる人はどうなるのよ?」
ルイズからの指摘にこなたはしばらく沈黙していたが、
「確かにねえ……。鞄持ってるのがるいずんだったら、安心して顔を出せたのに……」
「それ、ものすっごく失礼な事言ってない……?」
「ま、どちらにしろこれだけ人が多ければ、逆に目立たないよん♪」
そう言うと鞄の縁に足を掛け、さらに身を乗り出そうとする。
「あっ、コナタ!? 何度言えばわかるの! 外に出たら危ないって――」
「あっ、すみませんっ」
その時、カトレアが向こう側から歩いてきた通行人の肩に接触してしまった。
「!?」
衝撃でバランスを崩したこなたの体は、空中に投げ出される。
「コっ……、コナタ!?」
こなたはそのまま自動販売機の隣に置かれていたゴミ箱に入り、
「ふぎゅ!」
壁のような内面と底に溜まった缶に叩きつけられ気絶してしまった。
「コナタ!! ちい姉様、コナタが……!!」
とルイズが叫んだが時既に遅し。
馬車は扉を閉めて発車してしまった。
「……ここならあまり人がいない……」
「うん、そうだね」
「少しでも人目に付かない方が安心ですからね」
ホームの端に立ってタバサ・カトレア・ロングビルがそんな会話を交わしていると、ロングビルが肩に提げている鞄からこなたが顔を出す。
「や~、気を遣わせるねえ」
そう言ったところで、キュルケの姿にこなたは違和感を覚える。
「あれ? キュルケ、制服……?」
「え? うん、制服も大きくなってたから着替えたんだ♪」
「そうじゃなくて、汚れてないじゃん。洗濯したの?」
「汚れが目立たないだけじゃないかな? 服だけが大きくなって、汚れはそのままだったから」
カトレアの言葉に目を凝らしてみると、確かにぽつぽつと小さな汚れが付着していた。
「おー、なるほどー」
「こら、コナタ!」
「ん?」
聞こえてきた声にこなたが下を向くと、ルイズが睨みつつ見上げていた。
「また鞄から顔出して! 中で大人しくしてなきゃ駄目でしょ!」
「芸人に『大人しくしろ』と言うのは、逆に『大人しくするな』の意であり……」
「あんたはいつから芸人になった!?」
「大丈夫だよ、るいずん。ここなら向こうと違って人も少ないし……」
その時、鞄の外からロングビル・カトレアの声が聞こえてくる。
「そういえば、ミスタ・グランドプレとミスタ・グラモンはどちらへ?」
「何か、今度映画化されるアニメの告知ポスターがあるって、見に行ったよ」
そう聞いてはこなたも見ずにはいられない。
「カトちゃん、向こうへ行って! 向こうへー!」
「待ちなさいってば!!」
「オタクたる者、欲しい時が買い時……、見たい時が見る時と見つけたり!」
「そんなオタク道、知らないわよ!!」
自分を止めようと片脚にしがみついたルイズを、こなたはもう片方の足で蹴りつつカトレアに指示を出す。
そんな2人のやり取りが聞こえてくる鞄を困惑の表情で眺めているカトレアだったが、
「コ、コナタちゃん、私喉渇いたから飲み物買いに行くついでにちょっとだけ見に行こうか?」
と言った途端、ぴたりと鞄が静かになった。
「OK、カトちゃん、わかってるね。忍んで行こう!」
「う、うん……」
「ちい姉様が忍ぶ必要は無いっつーの!」
ホーム中程にある看板の前で、ギーシュ・マリコルヌが「遠話の手鏡」で看板を撮影していた。
「グラモンさーん、マルコメさーん」
『お?』
カトレアが声をかけると、2人は揃って声がした方向に視線を向ける。
「あはは、やっぱり来たね」
「ちょっと見たらすぐ戻るから」
「あはは、もうすぐ馬車来るよ」
「これがそう?」
「うん、ここにあるなんて珍しいんだよ♪」
カトレア・ギーシュの会話を聞いていたこなたは鞄から顔を出し、
「ぎーしゅ~ん、私も写メ取って~♪」
「コ、コナタ、流石にそれは自重だ……」
そこへ自動販売機の前にいたタバサが声をかける。
「……ミス・カトレア……どれ飲む……」
「あ、え~っと……」
『間も無く~、2番線に馬車が――』
「来たよ~」
「うん、今行くよ~」
ギーシュの声に、カトレアは慌てて飲み物を買いそちらに行こうとする。
一方こなたは、
「見えづらい……」
と呟いて更に鞄の内側をよじ登ろうとしていた。
「コナタっ! それ以上は駄目!」
「ほ、ほら、この面子だったら視線はみんな萌え要素満載のロングビルさんに釘付けだから……」
「みんながみんな、あんたみたいな思考じゃないでしょうが……。それにコナタがよく言うニーズってやつ、それにちい姉様が当てはまる人はどうなるのよ?」
ルイズからの指摘にこなたはしばらく沈黙していたが、
「確かにねえ……。鞄持ってるのがるいずんだったら、安心して顔を出せたのに……」
「それ、ものすっごく失礼な事言ってない……?」
「ま、どちらにしろこれだけ人が多ければ、逆に目立たないよん♪」
そう言うと鞄の縁に足を掛け、さらに身を乗り出そうとする。
「あっ、コナタ!? 何度言えばわかるの! 外に出たら危ないって――」
「あっ、すみませんっ」
その時、カトレアが向こう側から歩いてきた通行人の肩に接触してしまった。
「!?」
衝撃でバランスを崩したこなたの体は、空中に投げ出される。
「コっ……、コナタ!?」
こなたはそのまま自動販売機の隣に置かれていたゴミ箱に入り、
「ふぎゅ!」
壁のような内面と底に溜まった缶に叩きつけられ気絶してしまった。
「コナタ!! ちい姉様、コナタが……!!」
とルイズが叫んだが時既に遅し。
馬車は扉を閉めて発車してしまった。
「え!? コナタちゃん、落ちちゃったの!?」
「そ、それは大変だ……」
ルイズが入っている鞄を覗き込み、カトレア・ギーシュは狼狽した。
「鞄の後ろ側から身を乗り出していたから、たぶんそのままバランスを崩して……」
「どうしよう、私のせいだ……」
「……ミス・カトレアのせいじゃ……」
自責の念に駆られるカトレアに、タバサはそう言葉をかけた。
「と、とにかく次の駅で降りて引き返さないと」
ところがその時、御者が声を張り上げる。
「この馬車は、快速トリステイン魔法学院前行きー。次のブルドンネ街には止まりませんー」
それを聞いた一同の頭部には、大粒の汗が浮かぶのだった。
「そ、それは大変だ……」
ルイズが入っている鞄を覗き込み、カトレア・ギーシュは狼狽した。
「鞄の後ろ側から身を乗り出していたから、たぶんそのままバランスを崩して……」
「どうしよう、私のせいだ……」
「……ミス・カトレアのせいじゃ……」
自責の念に駆られるカトレアに、タバサはそう言葉をかけた。
「と、とにかく次の駅で降りて引き返さないと」
ところがその時、御者が声を張り上げる。
「この馬車は、快速トリステイン魔法学院前行きー。次のブルドンネ街には止まりませんー」
それを聞いた一同の頭部には、大粒の汗が浮かぶのだった。
一方その頃、こなたはと言うと……。
「うう~ん……、あいたた……」
そう呻きつつ体を起こしていた。
「ん? ここどこ? 何かいきなり暗くなったんだけど……」
周囲を見回し、折り重なった空き缶で形成されている地面に気付いて顔をしかめる。
「……あ、ああ~っ……。ひょっとして……、ゴミ箱の中――」
そこに、放り込まれた空き缶が轟音と共にこなたのすぐ傍に落下してきた。
「あうわっ!!」
降ってきた空き缶の大きさに、流石に冷や汗をかくこなた。
「……うわあ……、ちょっとヤバめなのが降ってきたよ**」
ところが、そう言っている間にも頭上からは投入された空き缶が次々降ってくる。
「おおう! あうっ! おわああっ!!」
狙いでもしたかのように落下してきた空き缶を全部回避して壁際までたどり着いたこなただったが、空き缶からこぼれた飲み残しにげんなりとした表情になる。
「……な、中身入り……? くっ……」
しかしこなたは逆に闘志を燃やし、
「んにゃろっ、これは私に対する挑戦と見た! 受けて立とうじゃないか!! 私には必勝名古屋撃――はべしっ!!」
そこまで言ったところで、降ってきた空き缶の下敷きになった。
「うう~ん……、あいたた……」
そう呻きつつ体を起こしていた。
「ん? ここどこ? 何かいきなり暗くなったんだけど……」
周囲を見回し、折り重なった空き缶で形成されている地面に気付いて顔をしかめる。
「……あ、ああ~っ……。ひょっとして……、ゴミ箱の中――」
そこに、放り込まれた空き缶が轟音と共にこなたのすぐ傍に落下してきた。
「あうわっ!!」
降ってきた空き缶の大きさに、流石に冷や汗をかくこなた。
「……うわあ……、ちょっとヤバめなのが降ってきたよ**」
ところが、そう言っている間にも頭上からは投入された空き缶が次々降ってくる。
「おおう! あうっ! おわああっ!!」
狙いでもしたかのように落下してきた空き缶を全部回避して壁際までたどり着いたこなただったが、空き缶からこぼれた飲み残しにげんなりとした表情になる。
「……な、中身入り……? くっ……」
しかしこなたは逆に闘志を燃やし、
「んにゃろっ、これは私に対する挑戦と見た! 受けて立とうじゃないか!! 私には必勝名古屋撃――はべしっ!!」
そこまで言ったところで、降ってきた空き缶の下敷きになった。
「ど、どう? コナタいる?」
「う……、う~んと……」
ようやく駅に戻ってきたキュルケ達が周囲を見回したが、こなたの姿はどこにも無い。
「見当たりませんね……」
「どっかに隠れてるのかな?」
「まさか誰かに連れ去られたとか……」
「そ、それは……」
雰囲気をネガティブな方向に向けるマリコルヌの発言を制しようとしたギーシュだったが、
「私のせいだ……。私がもっとしっかり注意してれば……、大人しくさせてればこんな事には……」
自責の念に駆られてルイズはそう呟いた。
「だっ、大丈夫ですよ!!」
「きっとどこかに隠れてるだけ--」
そんな会話を聞いていたタバサだったが、
――コン、コン……
聞こえてきたかすかな物音に、その方向に視線を向ける。
――コンコンコン、コーンコーンコーン、コンコンコン……
「………」
その視線の先には、自動販売機の隣に設置されているゴミ箱があった。
「う……、う~んと……」
ようやく駅に戻ってきたキュルケ達が周囲を見回したが、こなたの姿はどこにも無い。
「見当たりませんね……」
「どっかに隠れてるのかな?」
「まさか誰かに連れ去られたとか……」
「そ、それは……」
雰囲気をネガティブな方向に向けるマリコルヌの発言を制しようとしたギーシュだったが、
「私のせいだ……。私がもっとしっかり注意してれば……、大人しくさせてればこんな事には……」
自責の念に駆られてルイズはそう呟いた。
「だっ、大丈夫ですよ!!」
「きっとどこかに隠れてるだけ--」
そんな会話を聞いていたタバサだったが、
――コン、コン……
聞こえてきたかすかな物音に、その方向に視線を向ける。
――コンコンコン、コーンコーンコーン、コンコンコン……
「………」
その視線の先には、自動販売機の隣に設置されているゴミ箱があった。
「いや~、流石にヒヤヒヤしたよ~」
しばらく後、救出されたこなたはタバサの掌の上で一息ついていた。
「大丈夫、コナタちゃん?」
「うん、まあ余裕余裕。ちょっと危なかったけど、楽しかったよ~」
こなたの言葉にルイズがぴくりと反応する。
「コナタ……」
「ん?」
「私……とキュルケ、別行動にするわ……」
「ほへ? 何で?」
首を傾げたこなたに構わずルイズは、
「キュルケ、ポケットにでも私を入れて……」
「え……、で、でも」
「いいから」
「う、うん……」
キュルケがそう言って移し替える直前、ルイズはこなたの方に振り返る。
「コナタ……、取り返しがつかなくなってからじゃ遅いってわからないなら……、私は私で元に戻るから……。もうそっちはそっちで勝手にやって……。キュルケ、行こ……」
そう言うと、ルイズは自分をキュルケに連れて行かせてしまった。
しばらく後、救出されたこなたはタバサの掌の上で一息ついていた。
「大丈夫、コナタちゃん?」
「うん、まあ余裕余裕。ちょっと危なかったけど、楽しかったよ~」
こなたの言葉にルイズがぴくりと反応する。
「コナタ……」
「ん?」
「私……とキュルケ、別行動にするわ……」
「ほへ? 何で?」
首を傾げたこなたに構わずルイズは、
「キュルケ、ポケットにでも私を入れて……」
「え……、で、でも」
「いいから」
「う、うん……」
キュルケがそう言って移し替える直前、ルイズはこなたの方に振り返る。
「コナタ……、取り返しがつかなくなってからじゃ遅いってわからないなら……、私は私で元に戻るから……。もうそっちはそっちで勝手にやって……。キュルケ、行こ……」
そう言うと、ルイズは自分をキュルケに連れて行かせてしまった。