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第十一話「ゼロ暗殺計画」


ウルトラマンゼロの使い魔
第十一話「ゼロ暗殺計画」
凶悪宇宙人ザラブ星人 登場



 道中バードンの襲撃を受けた『イーグル』号だが、ウルトラマンゼロに助けられたことで犠牲は出なかった。
そして遂に空飛ぶアルビオン大陸までたどり着くと、大陸の抜け穴を通ってニューカッスルの秘密の港に到着した。
とうとう目的の場所へ到達したルイズたちなのだが、彼女らは大量の硫黄を入手したことによるウェールズと
家臣の会話を耳に挟んで衝撃を受けた。
「これだけの硫黄があれば、王家の誇りと名誉を、叛徒どもに示しつつ、敗北することができるだろう」
「栄光ある敗北ですな! この老骨、武者震いがいたしますぞ」
 何と、ウェールズたち王軍は敗死するために戦うつもりなのだった。戦力の差は百倍以上。
万に一つも勝ち目はないという……。そのためルイズは、アンリエッタの手紙を返却してもらった際に、
アンリエッタの気持ちを察してウェールズに亡命を強く勧めたが、皇太子の務めを最期まで果たすためと
貴族派にトリステインへ攻め込む口実を与えないようにと考えるウェールズにあえなく断られてしまった。
 そして開かれる、王党派の最後の晩餐会。それに出席を許された才人は、ワルドから信じられないことを告げられた。

「明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」
 才人は一瞬、何を言われているのかわからなかった。
「こ、こんなときに? こんなとこで?」
「是非とも、僕たちの婚姻の晩酌を、あの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくなってね。
皇太子も、快く引き受けてくれた。決戦の前に、僕たちは式を挙げる。きみも出席するかね?」
 その問いに、才人は否定で答えた。
「ならば、明日の朝、すぐに出発したまえ。きみとはここでお別れだな」
 ワルドはそれだけ告げて去っていく。才人はその後ろ姿に、見えなくなるまでじっと目をやっていた。

 その後、才人は真っ暗な廊下の途中で、ルイズが月明かりに照らされながら涙を流していた。
才人に気づいて目頭をぬぐうが、また涙が零れてきて、才人の体にもたれかかった。
「なんで泣いてんだよ……」
 才人が聞くと、ルイズは泣きじゃくりながら尋ねかける。
「いやだわ……あの人たち……どうして、どうして死を選ぶの? わけわかんない。姫さまが
逃げてって言ってるのに……恋人が逃げてって言ってるのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」
「大事なものを守るためだって、言ってた」
「なによそれ。愛する人より、大事なものがこの世にあるっていうの?」
「そんなの、俺にわかるもんか。王子様が考えることなんて、俺にはわかんねえよ」
「わたし、説得する。もう一度説得してみるわ」
「ダメだ。お前は手紙を姫さまに届けなくちゃいけないだろがよ。それがお前の仕事だろ」
 そう言われては、ルイズも返す言葉がない。そのため、今度はゼロに向けて言う。
「ゼロ、聞いてるんでしょ? このままだったら、ウェールズ皇太子が、姫さまの愛した人が死んじゃうわ。
でも、あなただったらそれを覆せるでしょ? あれだけの力があれば、貴族派の兵士が何万いたって……
姫さまのために、貴族派を追い払ってよ。アルビオン王家に、勝利をもたらしてあげて」
 ルイズの心からの、必死の頼みだったが、ゼロは本当に申し訳なさそうに返答した。
『悪いが、それは、それだけは出来ない』
「……! 何でよッ! このままじゃ、みんな死んじゃうのよ!? それを見殺しにするつもり!?」
 激昂するルイズに、ゼロは理由を話す。
『俺のような、別の星、文明からやってきた人間は、その星の文明に過度な干渉をしちゃいけないんだ……
どんな形であっても。それが宇宙の絶対の掟。これを破ったら、どんな理由があろうと、
クール星人どものような侵略者と変わらなくなっちまう。戦争でどっちかの勢力に肩入れするなんて、
もっての外だ』
 ウルトラ戦士は長い年月、地球を怪獣、宇宙人の脅威から救ってきた正義の味方だが、
彼らが地球人の盾となるのは必ず「人類の手には負えない、超常的な力」が相手の時だけだった。
地球人同士の争いや政治に介入したことは一度としてない。
 何故なら、それをすることは、人類の主権を侵害することであるからだ。その文明の水準をはるかに超える文明が、
力で以て星の行く末を誘導しようとするのは、たとえ善意での行いであってもその星の権利と尊厳を踏みつけ、
奴隷か都合の良い操り人形にすることになる。星の未来は、あくまでその星の住民が作っていかなければならないものだ。
だから歴代のウルトラマンは、地球の運命を、何らかの理由をつけて正当化して捻じ曲げようとする者を
誰であろうと許さなかったし、地球の未来に関わろうとする時には必ず、わざわざ地球人と同じ立場に立つようにしてきた。
それもこれも全て地球人のため。ゼロもこのハルケギニアでそれに倣うし、倣わなければいかない。
 しかしルイズは、特に感情が高ぶっている今は、ゼロの言い分に納得できなかった。
「何よそれッ! 結局あなたも、自分のことしか考えてないってことでしょ!? そうよ、
この国の人たちと同じ……誰も彼も、自分のことしか考えてない。残される人たちのことなんて、
どうでもいいんだわ」
 才人はそうじゃないと思ったが、ルイズにはどうあってもウェールズらの思いは理解できないだろうから、
余計なことは言わなかった。ゼロも同じだ。
 ひとしきり泣いたルイズは、次のことを口にする。
「ワルドがここで結婚式を挙げるって言ってたけど、とてもそんな気になれないわ。第一、
まだ結婚なんてできない。立派なメイジになれてないし……。サイト、あんたとゼロのこともあるし……。
結婚したら、ワルドにもゼロのことを教えないといけなくなるわ」
 ルイズはゼロの秘密のために、結婚をしないつもりのようだ。だから才人は、あえてこう言う。
「いいよ。俺たちのことは気にしてくれなくたっていい。だからお前は結婚しろ」
「なによ! あんたはわたしの使い魔なんだから勝手なこと言わないで! きちんと、あんたが帰るその時までは、
わたしを守ってもらいますからね!」
「俺じゃあ、お前を守れない」
 才人はきっぱりと言った。
「俺自身は、伝説の使い魔だ、『ガンダールヴ』だ、なんて言われたって、結局は普通の人間だ。
あの子爵みたいに強いメイジでもなんでもない。だから、子爵に……向こうが本気でお前を守るってんなら……
そっちに守ってもらった方がいい」
 ルイズは才人の頬をぱちーんと叩いた。
「意気地なし!」
 だが才人は表情を変えない。
「ルイズ、ここでお別れだ。俺は『イーグル』号で帰る。帰ったら、ゼロと一緒に怪獣退治の旅に出る。
今まで世話になったな」
「ばか!」
 ルイズは怒鳴った。目からぽろぽろ涙が溢れた。それでも才人は撤回しなかった。
「あんたなんかきらい。だいっきらい!」
「知ってるよ」
 ルイズはくるりと踵を返すと、そのまま暗い廊下を駆け出していった。

 翌朝、太陽が水平線から顔を出してすぐの時間の礼拝堂に、ウェールズ、ワルド、そしてルイズの三人だけがいた。
これからワルドとルイズの結婚式が行われる。ルイズは戸惑ったものの、自暴自棄な気持ちが心を支配していたので、
深く考えずにここまでやってきた。
「では、式を始める」
 ウェールズの進行で、結婚式が始まった。
「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。汝は始祖ブリミルの名において、
このものを敬い、愛し、そして妻とすることを誓いますか」
「誓います」
 ウェールズはにこりと笑って頷き、今度はルイズに視線を移した。
「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして夫と……」
 朗々と詔が読みあげられるが、ルイズの意識はそれに集中していなかった。彼女はこの場に及んでも、
ワルドとの結婚に現実感を抱いていなかった。
 ワルドのことは嫌いではない。しかし今は、ひどくせつない気持ちだ。それは何故か? 
そう考えていると、才人の顔を思い出して顔を赤らめた。ようやく、昨晩に才人の胸に飛び込んだ理由に気づいた。
でも、それはほんとに気持ちなのか? わからない。わからないのに、式が続いている。
 ルイズはこの迷いの答えを、自分で決めねばならないことを理解した。そして深く深呼吸して決心し、
詔の途中で首を振った。
「新婦?」
「ルイズ?」
 怪訝な顔で顔を覗き込んだワルドに向き直ったルイズは、悲しい表情を浮かべた。
「ごめんなさい、ワルド、わたし、あなたとは結婚できない」
 いきなりの展開に、ウェールズは首をかしげた。
「新婦は、この結婚を望まぬのか?」
「そのとおりでございます。お二方には、大変失礼をいたすことになりますが、わたくしはこの結婚を望みません」
 はっきりと口にすると、ワルドの顔に、さっと朱がさした。
「子爵、誠にお気の毒だが、花嫁が望まぬ式をこれ以上続けるわけにはいかぬ」
 ウェールズが告げるが、ワルドはそちらに見向きもせずに、ルイズの手を取った。
「……緊張してるんだ。そうだろルイズ。きみが、僕との結婚を拒むわけがない」
「ごめんなさい。ワルド。憧れだったのよ。もしかしたら、恋だったかもしれない。でも、今は違うわ」
 するとワルドは、今度はルイズの肩をつかんだ。その目がつりあがる。
「世界だルイズ。僕は世界を手に入れる! そのためにきみが必要なんだ!」
 ルイズは、ワルドの突然の豹変振りに思わず怯えた。
「……わたし、世界なんかいらないもの」
「僕にはきみが必要なんだ! きみの能力が! きみの力が! きみは始祖ブリミルに劣らぬ、
優秀なメイジに成長するだろう! きみは自分で気づいていないだけだ! その才能に! 
きみの才能が僕には必要なんだ!」
「ワルド、あなた……」
 ワルドの言葉で、ルイズは自分が虚無の魔法の使い手だという可能性がある、ということを思い出した。
そうすることで、ワルドの本心を理解して顔をゆがめた。
「そんな結婚、死んでもいやよ。あなた、わたしをちっとも愛してないじゃない。あなたが愛しているのは、
あなたがわたしにあるという、魔法の才能だけ。そんな理由で結婚しようだなんて。こんな侮辱はないわ!」
 ただならぬ事態に、ウェールズがワルドを引き離そうとした。しかし、ワルドに突き飛ばされ、
顔に赤みが走って杖を抜いた。
「うぬ、なんたる無礼! なんたる侮辱! 子爵、今すぐにラ・ヴァリエール嬢から手を離したまえ! 
さもなくば、我が魔法の刃がきみを切り裂くぞ!」
 ワルドは、そこでやっと手を離した。優しい笑顔を浮かべるが、それは嘘に塗り固められていた。
「こうまで言ってもダメかい? ルイズ。僕のルイズ」
「いやよ、誰があなたと結婚なんかするもんですか」
 はねつけられ、ワルドは天を仰ぐ。
「この旅で、きみの気持ちをつかむために、随分努力したんだが……こうなってはしかたない。
目的の一つは諦めよう」
「目的?」
 ワルドの笑みが禍々しく変化する。
「そうだ。この旅における僕の目的は三つ。一つはルイズ、きみを手に入れることだ。
しかし、これは果たせないようだ」
「当たり前じゃないの!」
 人差し指の次にワルドは、中指を立てた。
「二つ目の目的は、ルイズ、きみのポケットに入っている、アンリエッタの手紙だ」
 ルイズははっとした。
「ワルド、あなた……」
「そして三つ目は……」
 すべてを察したウェールズが、杖を構えて呪文を詠唱した。
 しかし、ワルドは二つ名の閃光のように素早く杖を引き抜き、呪文の詠唱を完成させると、
風のように身を翻らせ、ウェールズの胸に杖を突き立て……。
「ワルドッ! てめえええええッ!」
 その時、礼拝堂の壁が轟音と共に崩れ、デルフリンガーを抜いた才人が飛び込んできた。
「サイト!」
 才人の乱入に気を取られたワルドは、呪文を放つことなくウェールズから離れ、彼からの魔法から逃れた。
そして三人全員を警戒しながら、才人に問いかける。
「帰ったのではなかったのかね?」
「気が変わってな。せっかくだから、こっそり参列した」
 才人の言葉は嘘である。ゼロの忠告が引っ掛かっていた彼は、最初から帰るように見せかけて、
ワルドに本当にルイズを守る気があるのか窺うつもりだったのだ。そしたら予想以上に悪い方向に
話が進んだので、我慢ならずに壁を破ったのだった。
「貴様、『レコン・キスタ』だな!?」
 ウェールズが詰問すると、ワルドはあっさりと認めた。
「そうとも。いかにも僕は、アルビオンの貴族派『レコン・キスタ』の一員さ。ルイズと、手紙、
そしてウェールズ、貴様の命を頂戴するのが目的だったのさ」
 ルイズはワルドの裏切りが、この瞬間になっても信じられなかった。
「どうして! トリステインの貴族であるあなたがどうして!?」
「我々はハルケギニアの将来を憂い、国境を越えて繋がった貴族の連盟さ。我々に国境はない。
ハルケギニアは我々の手で一つになり、始祖ブリミルの光臨せし『聖地』を取り戻すのだ」
 滔々と語るワルドに、才人とウェールズは敵意を向ける。
「『聖地』がどうとかいうのはわからねぇが、俺が許せないのは、ルイズを騙しやがったことだ。
ルイズはてめえを信じていたのに……!」
「全くだ。騎士の風上にも置けぬ輩よ」
「目的のためには、手段を選んでおれぬのでね」
 全く悪びれた様子のないワルドがウェールズの魔法をかわすと、才人を狙って杖を向ける。
先に才人から始末してしまおうという魂胆のようだ。
「デルフ!」
「おうよ! 今度は俺の真の姿を見せてやるぜ!」
 才人が叫ぶと、デルフリンガーが錆刀から光り輝く本来の刀身に変身した。
「ほう……あの時の決闘では本気ではなかったということか。だがガンダールヴの方はどうかな!?」
 ワルドが『ウィンド・ブレイク』を唱え、猛る風を飛ばしてくる。それを才人はかわせないが……
何と、デルフリンガーがその風を全て吸い込んだ。
「はい?」
 一番驚いたのは他ならぬ才人だった。今のがどういうことか、デルフリンガー自身が説明する。
「今のはデルフリンガーさまの能力よ! ちゃちな魔法なんか全部、俺が吸い込んでやるぜ! 
この『ガンダールヴ』の左腕、デルフリンガーさまがな!」
「お、お前、早く言いやがれよ!」
「しかたねえだろ。忘れてたんだから。なんせ、今から六千年前も昔のことだからな」
「あーもう! とにかく行くぞッ!」
 非常に大事なことを忘れるデルフリンガーには呆れ返るが、とにかく魔法を吸収できるのは大きなプラスだ。
才人は遮二無二ワルドに斬りかかっていき、ウェールズが離れた位置から援護攻撃を放つ。
 ワルドはそれらをかいくぐって才人から距離を取ると、薄く笑った。
「さすがに二人同時に相手をするのはきついな。では本気を出すとしよう。風の魔法が最強と呼ばれる、
その所以を教育いたそう」
 ウェールズはワルドの思惑を見抜いて、呪文を阻止しようと風の刃を繰り出すが、
ワルドは刃を全てかわしながら呪文を完成させた。
 するとワルドの体がいきなり分身し、気づけば五体のワルドが才人とウェールズを取り囲んだ。
「風の偏在だな!」
「如何にも。風は偏在する。風の吹くところ、何処となくさ迷い現れ、その距離は意思の力に比例する」
 ワルドの分身が真っ白の仮面を被る。それを見た才人の体が震えた。フーケの隣に立っていたり、
『桟橋』で一行を襲ったりした男の仮面と同じものだった。仮面の男の正体は、ワルド自身だったのだ。
 五体のワルドが一斉に、才人とウェールズに襲い来る。しかも全員が『エア・ニードル』を唱え、
杖を青白く光らせた。
「杖自体が魔法の中心だ。剣で吸い込むことはできぬ!」
 才人とウェールズが五体のワルドに必死に応戦するが、数に押されて苦戦する。特に才人は、
二体のワルドに少しずつ切り刻まれていく。
「デルフ! 相手を一撃で吹っ飛ばすような必殺技とかないのか!?」
「んなもんねえよ。おりゃあ、剣だってよ」
「つかえねえ! 何が伝説だよ!」
「いやまあ、その程度だって」
 ウェールズは追い詰められる才人を援護しようとするのだが、彼もまた三体のワルドを同時に相手しているので、
とてもそんな余裕はなかった。
 そのとき、戦いの輪から外れているルイズが、才人を助けようと杖を掲げた。
「逃げろ! ばか!」
 才人の言葉を聞かず、ルイズは『ファイアー・ボール』を唱えた。爆発が、意識が向いていなかった
一体のワルドにぶつかって、消滅させた。
「当たった!」
 喜ぶより驚くルイズだったが、才人を攻撃していたもう一体のワルドが、ルイズに躍りかかる。
負傷している才人はそれに追いつけない。
「逃げろ!」
 警告は既に遅く。ワルドの杖が再び呪文を唱えようとしていたルイズを吹き飛ばした。
「ヴァリエール嬢!」
 ウェールズが叫ぶが、それをかき消す勢いで才人が咆哮した。
「よくもルイズを……」
 ワルドが身を翻して才人と剣戟するが、才人の動きは先ほどまでと同じ人間とは思えないほど鋭くなり、
しかも次第に速さを増していく。ワルドは驚き、問いかけた。
「どうして死地に自ら来た? お前を蔑むルイズのため、どうして命を捨てる? ルイズに恋したか? 
適わぬ恋を主人に抱いたか! こっけいなことだ! あの高慢なルイズが、貴様に振り向くことなどありえまいに! 
ささやかな同情を恋と勘違いしたか! 愚か者め!」
「恋なんかしてねえよ!」
 才人は唇をぎりっと噛んで怒鳴った。
「ただ、どきどきすんだよ!」
「なんだと?」
「ああ! 顔を見てると、どきどきすんだよね! 理由なんかどうだっていい! だからルイズは俺が守る!」
 絶叫すると、左手のルーンが光り、それを受けてデルフリンガーも光った。
「いいぞ相棒! その調子だ! 思い出したぜ! 『ガンダールヴ』の強さは心の震えで決まる! 
怒り! 悲しみ! 愛! 喜び! なんだっていい! とにかく心を震わせな、俺のガンダールヴ!」
 才人の剣さばきが更に速くなる。耐え切れなくなってきたワルドは、ウェールズと戦っている内の一体を呼び寄せ、
背後から斬りかからせるが、振り返った才人に一瞬で斬り捨てられた。
 その背に電撃を放つワルド。だが才人は空中高く飛び上がり、ワルドに接近していく。ワルドも飛んだ。
「空は『風』の領域……貰ったぞ! ガンダールヴ!」
 ワルドの杖が伸びる。デルフリンガーが叫ぶ。
「戦うのは俺じゃあねえ! お前だ、ガンダールヴ! お前の心の震えが、俺を振る!」
 才人とワルドが交差し、着地する。
 着地したのは才人だけだ。ワルドは床に叩きつけられ、斬り落とされた左腕が、一瞬遅れて地面に落ちた。
「くそ……この『閃光』がよもや後れを取るとは……」
 倒れて動けないワルドに、一体が離れたことで優勢となり、二体を破っていたウェールズが杖を向けた。
「動くな、背信者ワルド。貴様の目的は全て失敗だ」
 手詰まりを理解したワルドが、ぎりぎりと歯ぎしりした。
 そのとき、礼拝堂の扉が外から開け放たれた。
「おお、ウェールズ! これは何事か!? 結婚式を挙げておるのではなかったのか!?」
「ち、父上!? 何故こちらに!?」
 入ってきたのは意外な人物、アルビオン国王ジェームズ一世だった。ウェールズは面食らうが、
それでもワルドへの警戒は解かなかった。
「礼拝堂が妙に騒がしいから、見に来たのだ。そうしたら、このありさまだ。ウェールズよ、
一体何が起きたのかね?」
「はい。実はこのワルドは、貴族派の回し者だったのです。こやつの卑怯な杖から、その使い魔の少年が
私を救ってくれまして……」
 説明している途中で、ウェールズは不審な点に気づいた。父ジェームズは既に老齢で、
歩くだけでも苦心する身のはず。それなのに今は、誰の手も借りずに早足で歩いている。
これは一体……?
「そうか、君が……大分苦しそうだな……」
「あッ、大丈夫です。ちょっと休めば、すぐに回復するんで……」
 疲労困憊で膝をついている才人に、ジェームズが歩み寄る。そして手を差し向けると、
 その腕から、紫色の光線が放たれて才人の胸を撃った!
「がはッ!?」
「その必要はない。お前の命はここで終わるのだからな!」
「えッ!?」
 あまりのことに、起き上がったばかりのルイズも、ウェールズも、ワルドさえも驚愕した。
才人は吹っ飛んで、壁に叩きつけられた。
「サイトぉ! サイトに何するのよッ!」
「父上でないな! 誰だぁッ!」
 ルイズの爆発とウェールズの風の刃が同時にジェームズに降りかかるが、ジェームズは老人と思えぬ
俊敏な動きでかわした。そしてその先で、クックッと笑う。
『その通り……私はこの国の王ではない……』
 ジェームズの声色が変化すると、それを聞いたルイズが思わず叫んだ。
「えッ!? オールド・オスマン!?」
『違うわ!』
 否定したジェームズの姿が、銀色の角張った頭部が胴体と一体化している怪人のものに変わっていった。
その怪人が名乗りを上げる。
『私は第八銀河系からやってきた、宇宙人連合の一員、ザラブ星人だ!』


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