あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ときめき☆ぜろのけ女学園-10


 部屋から出たルイズは、慌ててトイレに駆け込んだ。
「び……、びっくりしたっ。思わず突き飛ばしちゃったわ……。だって……、私自分が妖怪になるなんて考えた事無かったし……。ていうか、キリがそんな……」
 頭を抱えたルイズの脳裏にキリの、
『一緒にくっつけると、私も気持ちよくなるの』
 という言葉が蘇った。
「い……、いったいここにどんな秘密が……」
 そう考えて、股覗きの要領でルイズは問題の場所を覗いてみようとする。
「……うーん、よく見えないわ。鏡で見ればいいかしら」
 と流しに足を掛けたところで、背後の個室から小柄な少女が出てきた。
「あ、うわーっ! ちょ……、えっと、別に私は怪しい者では……っ」
「……やかましい……あれ……」
 そこまで言ったところで、少女は眼鏡の奥の瞳を訝しげに光らせる。
「……あなた……人間でしょう……」
「ええっ!?」
 突然言い当てられて、思わず大声を上げたルイズ。
「わ……、私はルイズ、せ……、西洋妖怪……ハッグっ!!」
「……久しぶりに図書館から出たら……面白い事もある……私は風龍のタバサ……久しぶりに人間を見た……」
「ち……、違っ、だから私は西洋妖怪ハッグで……!」
「……いい……隠さないで……わかるから……」
 続いてタバサが口にする言葉は、ルイズを驚愕させるものだった。
「……だって……私も元人間だから……」
「元……人間? 人間なのに妖怪になったっていう事は……」
「……ああ……あなた知ってるのね……そう……つまりそういう事……妖怪とする事をした……」
 タバサの言葉にルイズは彼女に詰め寄る。
「何で!? どうして!?」
「……好きになったから……だから寝た……何しろ相手は好色な『龍』……言葉より体の方が通じ合えると思った……」
「……つまり、タバサは望んで妖怪になったって事よね。でも妖怪になったら、もう人間には戻れないんでしょ? タバサはそれでよかったの?」
「……後悔はしてない……ただ難を言えば……お互い好色な風龍同士……相手の浮気が心配の種……」
「そうなの……」
 思ったよりも上手くやっている様子のタバサに苦笑混じりに答えたルイズだったが、
「……でも体の相性は最高だから上手くいってる……」
「わああああ!!」
 あまりにあけすけなタバサの言葉に思わず叫び声を上げた。
「……と言うより……後悔するしない以前に……妖怪の世界で生きるなら妖怪になるより他に手は無い……」
「え」
「……人間のままだと……いつ他の妖怪に見つかって襲われて……どんな妖怪にされるかわかったものじゃないし……最悪……食べられるかもしれない……」
「そ……、そんなっ!」
「……それなら早く好きな相手とする事をして……同種になった方が幸せだと思う……あなた……ルイズだった……少し無防備すぎるから注意して……」
 顔面蒼白になったルイズに囁きかけるようにタバサは言葉を続け、彼女の頬を舐めた。
「……私だって妖怪……ルイズが美味しそうに見える……」
「きゃああああ!!」
 体格差にも構わず腰に手を回し押し倒そうとしてきたタバサを押し退け、ルイズはトイレから飛び出した。
「あ……、危なかったわ……! 危うく風龍にされるところだったわ」
 トイレから離れてようやくひと心地ついたルイズは乱れた制服を整える。
「でもびっくりしたわ、元人間って! もっとたくさん話を聞きたかったわ」
(……少し無防備すぎるから注意して……)
「でも……、危ないわね。うん、気を付けよう」
 タバサの言葉を肝に銘じて、ルイズは自室に戻るのだった。

 その夜。
 --コン、コン、コン……
 扉を叩く音でルイズは目を覚ました。
「? 誰かしら、こんな時間に……はい?」
 扉を開けると、そこには1人の少女が立っていた。
 顎まである金髪に金の瞳、頭には2つのとんがりがある帽子を被り、ゆったりした長袖のロングスカートの裾からは金の狐の緒が9本。
「タバサさんに聞きましたよ。ルイズさん、人間なんですってね」
「ええっ!?」
 気が付くと、彼女の背後には異形の翼と羽状の耳を生やした鳥人の少女・桶から上半身を出している白い和服姿の少女・ネズミの耳と尻尾を生やしその尻尾の先には子ネズミ達が入った籠を吊るしている少女・額に札が貼られている血色の悪い少女……と、多種多様な妖怪達が並んでいた。
「人間」
「人間」
「人間」
「人間」
 少女達の様子に、ルイズは慌てて扉を閉める。
 するとその物音に目を覚ましたようで、ペロが目を擦りつつ上半身を起こしていた。
「ルイズ? どうしたの?」
「ペロ……、どうしよう! 人間だってバレたわ!」
「ありゃりゃ」
 そう言いつつもペロはルイズを布団に寝かせ、下半身の上に馬乗りになる。
「……って何してるのよ!?」
「他の奴に取られるくらいなら、あたしが♪」
「ペロ!! こんな時に冗談……っ!」
「ルイズはちょっと無防備すぎる。あたしだって妖怪なんだ。--いただきまあす♪」
「やだー!!」

 次の瞬間、ルイズは勢いよく布団を跳ね上げた。
 隣で熟睡しているペロを見て安堵の溜め息を吐いたのも束の間、
「夢……。でもタバサに知られちゃったのは事実だわ……。どうしよう、私やばいかも……!」
 それからしばらく後、ルイズは決意の表情で廊下を歩いていた。
 そしてある部屋の前で立ち止まって扉を開ける。
(決めたわ)
 布団の中にいる獣耳少女を見据え、ルイズは改めて決意する。
(私、猫股になるわ)


新着情報

取得中です。