あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのドリフターズ-23



 沸き上がり続ける大喚声は、それ自体が一つの融合した音の衝撃波として全身を打つ。
一人一人の叫びも、集まればかくも強大になりうる――塵も積もればなんとやら。
しかしそれらが全て"自分達"に向けられていると思うと、否が応でも躰が強張り、気持ちが高まる。
恐らくは相対する者も似たような心地だろう。

 白の国アルビオン。首都ロンディニウムより少し――街道から離れていても大きく見える場所に"それ"はあった。
一時的に作られた"大会場"。中央には円形の闘技舞台、その上で競われ刻まれる戦士達の極技。

 円形舞台を囲むように、人が座れるほどのゆったりとした大きな階段状の客席が、高く重ね上げられている。
いずれも熟練の土メイジ達の手によって、何十日と掛けて創り上げられたもの。
段状客席は人という人で埋め尽くされ、知人がいても顔などは確認出来ぬほどの大盛況。
出張してきた出店は数多く、また売り子が客席内を回っている。

 それらはお祭り。正直どうかと誰もが思ったかも知れないほどの規模。
それでももはや誰もそんなことは気にしていない。人々は楽しきに流れる。
一丸となって見出す喜びは、何物にも代え難いものなのだった。

 統一された数え切れないほどの意思の渦中は、さながら一個の巨大な生物の腹の中を思わせる。
双方に色々と交錯し思うことこそあれ、今だけはただただ純粋に――

 互いに構えて睨み合う。互いに笑い合う。互いに地を蹴って飛び出す。

 ――闘争を楽しむとしよう。

 勝つという意志を唯一の理として、戦士達は狂宴に踊る――


 トリステイン魔法学院に夏休みがやってきた。 
同盟と婚姻の諸々で慌ただしかったシャルロット。そしてルイズも無事に休暇を迎えることが出来た。
大半の生徒たちは実家へと帰省するが、シャルロット達はアルビオン大陸くんだりまでやって来ていた。
次期アルビオン王ウェールズに招待されたというのがその理由である。

 アンリエッタと結婚し、女王即位より遅れること二ヶ月弱。
国内の貴族派を排斥し、オルテもトリステインとの挟撃によって撃破し落ち着いた今。
ようやくアルビオン王の即位と戴冠式を行うことになった。
ただその前に一つだけと、ウェールズは一つの企画を通した。
後顧の憂いもなくなり、気分も一新されたウェールズ。
若き彼は王として落ち着く前に・・・・・・最後に無茶をやることにした。

 貴族派の有力人物の失脚と凋落。接収した土地や財産はともかく、保有していた軍事力をもそのままとはいかない。
貴族派が追い詰められた段階で離反し、在野に眠り、燻ぶっている有能の士を集めるべく。
武人の気質が強いウェールズが催したのが、武技大会という名の『トーナメント』であった。


 シャルロットは一人、会場の下見と同時に出場登録まで終えてから首都へと赴く。
アルビオン上陸から大会までには余裕があった為、皆はそれぞれバラバラに集まる予定。
"所用"で最も遅くなったシャルロットは、一部開放された城の一角へと向かった。

「遅かったわね」
「ホントだよ~、来ないかと思ったじゃん」
「野暮用」
招待された人達とは別に個人でついてきたキュルケとジョゼットに、シャルロットは返す。
そして改めて立て札に書かれている大会ルールを見返した。


 一、優勝賞金は1万エキューとする――他、希望があれば厚遇する。
 二、身分問わず――能力ある者は予選の段階から広く募る。
 三、攻撃魔法の禁止――相手に直接作用を及ぼすものを禁ず。
 四、防御壁魔法及びそれに準ずる魔法の禁止――あくまで白兵技能を競うものである。
 五、ゴーレムや遍在の禁止――決闘はあくまで一対一である。
 六、殺人の禁止――その他、試合中の加害規定は別項参照のこと。
 七、人道より逸脱した諸行為の禁止――その他、各詳細規定は別項参照のこと。
 八、武器は当該規定に依ること――刃の使用を禁ず。基準は別項参照のこと。
 九、勝敗は、時間による判定、降参、戦闘不能、戦意喪失、武器破損、反則行為――その他、審判の判断により決せられる。
 十、大会により負った被害は全て王家が責任もって補償する――気兼ねなく戦うべし。


 シャルロットは心の中で頷く。他の街中や会場の方で見たものと当然相違はない。
名目こそ人材発掘の為のものだが、公然と賭けも行われる今大会。殆どお祭りのようなものだ。
魔法は容易く人を殺してしまう。そのような優秀な人材の損失は望むところではなく。
また大衆の前でやるには血生臭すぎて忌避すべく――これらのルールが定められたのだろう。

 刃引きした武器などで白兵戦を競う大会。しかし魔法の使用そのものは禁じていない。
当然『飛行』を利用した高機動戦闘は前提としている。実力あるメイジともなれば白兵戦も強い。
実力を測るだけならば、これらのルールだけでも充分なのであろう。
そしてそんなメイジの舞台でも渡り合えるほどの平民の戦士がいれば、それはそれで登用する算段。
貴族と平民の垣根を取り除こうとするアンリエッタに感化されている面もあるに違いない。
ハードルこそ高いが、逆にこれほどの舞台で活躍する人材がいたとしたならば文句をつける者もいない。

 シャルロット自身は地位や名誉には興味はないし、金にも困っているわけではない。
されど腕試しとしては、丁度良い大会と言えた。


「あなた・・・・・・刃禁止でやれるの? 例のおかしな短剣、使えるの?」
シャルロットの右隣に並んでルールを読むキュルケが言う。
「問題ない、既に登録は済ませた」
キュルケには魔法が使える魔道具程度としか、地下水のことを説明していない。
その短剣がルール上使えぬとなれば、平民のそれと変わらない。
しかしデルフリンガーの『特性』を使うことで、問題はクリアされていた。

「あら、いつの間に。魔法無しだとコテンパンにしちゃうわよ」
キュルケは遠慮なくシャルロットを煽る。
最近は本当にたまにしか試合なんてしないが、もういつの間にかシャルロットに勝てなくなっていた。
魔法なしの純粋な試合とはいえ負けるのは気持ち良くない。
キュルケとしてはシャルロットに公の場で勝つのはどんな形であれ楽しみであった。
ルールである以上は、たとえハンデが生じたとて気にするところではない。

「ていうかさ、キュルケはデリカシーがないよ」
姉のことを言われて、姉の左隣に並ぶ妹ジョゼットが唇を尖らせる。
キュルケは姉が自力で魔法を使えないことなどお構いなし。
ズケズケと踏み込んで平気な顔をしているのは気に食わない。
「あらあら、妹ちゃんはわたしとシャルロットの絆がわかってないのね」
「なにさ」
ジョゼットとしては、その心地は正直悪い。
昔からシャルロットが劣等感を抱いていたように、ジョゼットも申し訳なさを感じている。
虚無覚醒の可能性があるらしいとはいえ、本当に目覚めるのかもわからない。
こうやってキュルケに苦言を呈すことも、姉の前ではかなり心情的にきつい。
しかし放っておけばさらにエスカレートすることも考えれば釘を刺しておかねばならない。

「気持ちは嬉しいけど大丈夫、ジョゼット」
シャルロットが宥める。親友と妹。
二人は特段仲が良いわけではない、悪くもないがシャルロット関連になるとジョゼットはついつい噛み付いてしまう。
ジョゼットもキュルケも、同学年に二人しかいないトライアングルとして比べられることが少なくなかった。
何かと反目し合うこともあり、ある意味ライバル関係でもある。

「それに二人とも勘違いしてるようだけど、魔法は存分に使うつもり」
そう言うとシャルロットは地下水を抜いて見せる。
「そんなにボロボロだったっけ?」
「ぁ~・・・・・・」
キュルケはそこまで古くもない記憶を探るが、見た目は年季こそあっても今ほどボロではなかった筈だ。
一方でデルフリンガーの存在を知るジョゼットは思い出したように得心する。

「錬金で刃引きをした」
シャルロットはキュルケへ表向きの説明をする。
本来はシャルロットの魔力で『硬化』と『固定化』を掛けた地下水である。
錬金で錆び付かせるなどはとても容易ではない。
されど実際にはデルフリンガーの『特性』の一つ、『自分自身の姿を変える』ことを利用して登録審査を通した。
やや錆び付いたような見た目になった短剣には、鋭利な部分など先端部を含めてもはや存在しない。
それでいて硬度は保たれているのだから、なんら邪魔になることもなかった。

「ふ~ん、まあいいわ。それじゃ、手加減の必要はないのね。ジョゼット共々敗北の味を教えてあげるわ」
「望むところ」
キュルケとは魔法ありで手合わせたことはない。だからそれもまた大きな楽しみであった。
もし当たったなら、勝つにしても負けるにしても充実した時間になるに違いない。

「わたし達の序列を決めるのにはいいかもね、キュルケ」
ジョゼットも挑発に真っ向から乗っかり、キュルケは唇の端を上げる。
「正直学院じゃあなたのが上だってよく言われてるけど、そんな評価が闘争に直結しないことを教えたげる」
バチバチと視線が弾けるジョゼットとキュルケ。
ツートップとは言われるが、ジョゼットの方が基本的に優秀だ。
先の品評会の見せ物も含めて、手を抜かないジョゼットの方が目立つことが多い。


「二人とも好戦的過ぎる」
シャルロットは二人のやり取りと態度に、フッと笑いながら言う。
知人相手だからと戦いに気遣うよりは、気兼ねなく戦えたほうがスッキリする。
しかしまだ大会まで日があるというのに、今から闘争心剥き出しでは疲れてしまうだろう。
「わたしは売られた喧嘩を買うだけだし。どっかの誰かさんみたく自分から吹っ掛けるわけじゃないもん」
ジョゼットはぷぅと頬を膨らませる。いちいちとるそんなリアクションも姉から見ると可愛かった。

「あら、売る相手は選んでるわよ」
澄まし顔でそうのたまうキュルケに、ジョゼットは呆れる。
「だからってさぁ、ルイズにまではいくらなんでも・・・・・・」
「ルイズに関しては・・・・・・血、かしらね。ラ・ヴァリエールとフォン・ツェルプストーの」
「・・・・・・ルイズ? ルイズも出るの?」
「うん」
シャルロットの疑問にジョゼットは肩を落として肯定する。
キュルケは変わらず涼しい顔をしていた。

「そう・・・・・・ルイズも出るんだ」
シャルロットはイメージして眉を顰める。
はっきり言って系統魔法が使えない上に、それなりの鍛錬すら積んでいないルイズには荷が勝ち過ぎる。
思うことすら難だが、一方的にぶちのめされるような姿を見たくはない。
とはいえ予選の段階で弾かれるだろうから、問題ないかと完結する。

「でもさ、正直わたし達程度で勝ち上がれるのかな?」
ジョゼットは首を傾げつつ率直な意見を口にする。
三人とも互いの実力はそれなりに把握している。
実戦経験浅い自分達が歴戦の猛者達を倒せるなどとは到底思えなかった。
「ちょっと、さっきまでの威勢はどこいったのよ」

 そう言いつつも、キュルケも自信たっぷりというほどではないようであった。
せめて『ブレイド』の魔法が使えるならまだしも、純粋な技能勝負となると話は変わってくる為である。
『飛行』をいくら使っても埋められない差は確かに存在する。
「・・・・・・私は勝ち上がれると見てる、でも本戦出場が関の山」
二人を他所にシャルロットは冷静に分析する。

「まず白兵戦に秀でたメイジはそう多くない――」
メンヌヴィルがそうであったように、究極的にはメイジはあらゆる状況に対応可能な移動砲台であり盾である。
魔法を絡めつつが全ての基本であり、純白兵戦のみを専門とするメイジはまず存在しない。
ゆえにそもそも接近戦のみでも活躍出来るメイジは、もとより恐ろしく強いメイジということである。
そうなれば絶対的に数が限られてくる。

「有能なメイジなら、既にどこかに所属している筈――」
貴族派が潰れてそれなりに日にちも経っている。優秀であるほど、とっくにどこかに雇われている可能性が高い。
さらには賭けの対象として、平民達にまで見世物になることを良しとするような者は多くない。
人材募集は所詮名目でしかなく、本旨はウェールズの趣味であり、大衆向けのお祭りなのだ。
それゆえにトリステインからも盛り上げ役として、手練れが出場することになっている。

「それに杖も邪魔――」
魔法を使う以上は杖が必要である。つまり片手は必ず埋まってしまう。
通常、メイジが白兵戦をするならば『ブレイド』は必須だ。ゆえに戦い方そのものが普段と違ってしまう。
物質的な武器の重さの違いも、大いに付け込入る隙となり得る。
慣れているメイジであるほど、普段とのギャップを埋めるには苦労するかも知れない。

「後は運次第」
「でも・・・・・・お父さまも出るんだよ?」
「だからそこらへんが運」
父シャルルのように、確実に強者は存在する。
しかし弱者も同様に出て来る筈で、それらと当たれば十分のチャンスはある。

 予選の内容は明らかではないが、予め示し合わせておく者もいるかも知れない。
つまり特定の捨石を用意し、勝ち星を稼ぐことを前提で本戦まで出て来るような類の人間が。
その上で負けるのを前提に、賭けで儲けるような輩と当たらないとも限らない。
そうなれば本選二回戦にまで進めてしまうだろう。運とは何事においても重要なファクターだ。

「そういえばあなた達のお父上って、とってもダンディよね」
「ちょっと、人の親に色目使う気? 非常識よ」
「・・・・・・そうね、やめとこうかしら。あなた達に母さまなんて呼ばれるのは、いくらなんでもね」
「そんな理由!?」

 シャルロットは妹と親友の漫才を耳の端っこで聞きながら、頭の中で考えを巡らす。
父シャルルは当然強い。隙が見当たらないほどに完璧な強者。
とはいえ女王の要請で出場する盛り上げ役なので、流石に優勝まではしない――筈だ。

 次にアンリエッタ様の護衛である、三つある魔法衛士隊の内のグリフォン隊の隊長。
こちらも女王の命で出場するが、シャルル同様適当なところで負けて――欲しいところである。

 そして何を隠そう『ガンダールヴ』のルーンを左手に刻むブッチ。
単純なスペックだけなら、恐らく最強に違いない。それほどの身体強化だ。
彼に関しては個人出場な為に、間違いなく優勝候補となろう。

(とりあえず・・・・・・)
予選では絶対にかち合いたくない三人だ。仮に本戦を勝ち進めれば嫌でも戦うことになるに違いない。
なればこそ特段予選では当たりたくない実力者達。


「そういえば伯父さまもいるんだっけ?」
「いい加減にしてよ! お父さまにも伯父さまにも、愛するお母さまや伯母さまがいるんだから!!」
「・・・・・・別にただ聞いてるだけじゃない、やかましいわね」

(そういえば、二人とも楽しんでいるかな――)
シャルロットは伯父ジョゼフと姉イザベラを想う。
今頃はトリステインで親子水入らずで楽しんでいる筈である。
わざわざ発破かけたのだし、まさかとは思うものの、伯父もそこまで恥ずかしがり屋でもないだろう。

「――そもそもより良い男を求めるのは女の本能よ。そして男はより良い子を残す為に気が多くなるのもね」
キュルケはあしらいながらも説得するかのように主張する。
「それを理性で抑えるのが人ってもんでしょ!? 獣じゃあるまいし」
キュルケは溜息をついて、「やれやれ」と肩を竦める。
「まったく、恋の一つもしたことない小娘が一丁前に語るもんじゃないわ」
「うっ・・・・・・なによ、これでもあなたと同じくらい男を振ってるわよ」
才色兼備で社交的なジョゼットに告白して撃沈した男は多い。
そういう意味でも二人は、少し勝手が違うものの競い似ている間柄だった。

「あなた自身よ。己が身を焦がすほどの情熱を相手に向けたことがあって? 理屈じゃないのよ」
「・・・・・・そりゃぁ、わたしに見合う人いないし、わたしだっていつかは――」
「そ、わかってるならいいわ。その内ひょっこり現れるかもね、"運命"の人なんてのが」

「キュルケにしてはロマンティックなこと言う」
シャルロットは横槍を入れる。キュルケにしては珍しい台詞と感じた。
「"運命"は自分の手で引き寄せるもの・・・・・・だからね」
キュルケの自信満々な顔に、シャルロットはつられて笑う。
運命を引き寄せる、運命を切り拓く、運命は自分で決める、いいことだ。

「それに待ってるだけじゃなく、探す努力も必要よ」
ジョゼット共々、色恋事に関してキュルケとは勝負どころか舞台にすら立てていない。
興味が全くないわけではないが、いつか来たるべき時が来てからで良いくらいの心地だ。
「さって、逸れた話はこのへんにして。シャルロットが登録済みなら、ここに長居しても仕方ないわね」

 シャルロットは「そうね」と頷き、ジョゼットはピッと軽く指笛を鳴らす。
するとしばらくして青い長髪を振り乱した一人の女がやって来る。


「あっシャル姉さま~、なのね」
それは『先住魔法』の『変化』で人間そっくりになった風韻竜のイルククゥ。
アルビオンに赴くにあたっては、竜のままではまずく、人型になって楽しむ形を余儀なくされた。
イルククゥと呼んではバレてしまうので、シャルロットが"風の妖精"の意味を持つ"シルフィード"と名付けてやった。
ともすれば、今まで以上に懐かれ、名前を適当に省略されて――悪い気はしないものの――呼ばれる始末。
周囲には親と生き別れた遠い親戚という扱いになっていた。

「三人ともわたしが倒すのね!! 覚悟するがいいのね」
いきなり言い出したわけのわからない宣言、理解するまでに皆が数秒を要した。
「シルフィ、あなたまさか・・・・・・」
嫌な予感が表情に満ちるジョゼットに、えっへんとイルククゥは出場登録の証である割符を見せた。

「どう? どう? ジョゼ姉さま」
褒めて褒めてといった感じでイルククゥは見せびらかす。
ジョゼットはイルククゥとは対照的に、ガックリと肩を落として思い切り溜息を吐く。
「・・・・・・わたしはここで別れるわ」
そう言うとジョゼットはイルククゥの手をとって引いていく。
「なんなのね」と状況把握出来てないイルククゥを、登録受付のところまで引っ張って行った。

「おかしな子ね」
「・・・・・・平民として育ってきたから」
つまりはきちんとした教養がないことをシャルロットは匂わせる。言い訳としてはそれで充分だ。
幼生の風韻竜、何をしでかすかわからない。公衆の面前でチャンバラするなどもってのほか。

「ふ~ん・・・・・・それじゃ、この後はどうする?」
「城下で買物」
「いいわね、でもてっきり情報収集するとか言い出すかと思った」
「それは予選通過してからでいい。会場も既に見て来たし、まずは色々揃えたい」

 そう、"色々"と――

 シャルロットは踵を返してキュルケと共に城下町へと歩き出す。
時間は有限、何事も効率良く。過密とまでは言わないが、やりたいことは多い。

 折角アルビオンまでプライベート同然で来れたのだ。
このお祭りを、この馬鹿騒ぎを、精一杯楽しもう――



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