「ついに来たのね……」
教室に集合したルイズ達は、憂鬱そうな表情でそうざわめいていた。
「わかっていたけどこんなに早く来るなんて、あの日が……」
「お姉様……、嫌なのね……」
「シルフィード……」
「今が辛くても終わりは来るよ」
ルイズは覚悟の表情を浮かべ、シルフィードは瞳を潤ませ、タバサはそんなシルフィードを勇気づけようと声をかけ、あぽろはそんな一同を慰めるように言った。
教室に集合したルイズ達は、憂鬱そうな表情でそうざわめいていた。
「わかっていたけどこんなに早く来るなんて、あの日が……」
「お姉様……、嫌なのね……」
「シルフィード……」
「今が辛くても終わりは来るよ」
ルイズは覚悟の表情を浮かべ、シルフィードは瞳を潤ませ、タバサはそんなシルフィードを勇気づけようと声をかけ、あぽろはそんな一同を慰めるように言った。
「そんな訳でっ、期末試験週間ですっ。みんなっ、頑張ろーね♪」
『おー……』
気合たっぷりでそう檄を飛ばしたあぽろに、他の面子は体がとろけるのではというほど弱々しい声で返した。
「何でみんな元気無いの? テスト中って授業短くなって楽なのに」
「それはそうだけど……」
一同が憂鬱な表情をしている理由がわからないという顔のあぽろに、キュルケは涙を流しつつ答えた。
「テストっていえば、学校でのあたし達の評価が出るって事でしょ? それって緊張しない?」
「ふにゅー」
「アポロは今日から勉強するの?」
「んにゃー、しないー。勉強嫌い……」
「えっ、余裕? それとも覚悟決めちゃった?」
「んむー」
自分の机に顎を乗せたあぽろの頭を撫でたりツインテールを持ち上げたりしつつ、あぽろとそんな会話を交わしていたキュルケだったが、
「こいつ馬鹿だけど頭はいいのよ。むかつくったら」
ルイズがそう言いつつあぽろの首を抱える形で机から引き離した。
「あうー♪ ルイズちゃん褒めすぎ~ん」
「褒めてないから……」
自分の胸に顔を埋めてそんな声を上げたあぽろに、ルイズは呆れた視線を向ける。
「えー、意外だね、それ」
「でしょ」
「あ、じゃあさ、しばらくアポロ先生に勉強教えてもらうってのは?」
こうして、テスト前の勉強会開催が決定した。
『おー……』
気合たっぷりでそう檄を飛ばしたあぽろに、他の面子は体がとろけるのではというほど弱々しい声で返した。
「何でみんな元気無いの? テスト中って授業短くなって楽なのに」
「それはそうだけど……」
一同が憂鬱な表情をしている理由がわからないという顔のあぽろに、キュルケは涙を流しつつ答えた。
「テストっていえば、学校でのあたし達の評価が出るって事でしょ? それって緊張しない?」
「ふにゅー」
「アポロは今日から勉強するの?」
「んにゃー、しないー。勉強嫌い……」
「えっ、余裕? それとも覚悟決めちゃった?」
「んむー」
自分の机に顎を乗せたあぽろの頭を撫でたりツインテールを持ち上げたりしつつ、あぽろとそんな会話を交わしていたキュルケだったが、
「こいつ馬鹿だけど頭はいいのよ。むかつくったら」
ルイズがそう言いつつあぽろの首を抱える形で机から引き離した。
「あうー♪ ルイズちゃん褒めすぎ~ん」
「褒めてないから……」
自分の胸に顔を埋めてそんな声を上げたあぽろに、ルイズは呆れた視線を向ける。
「えー、意外だね、それ」
「でしょ」
「あ、じゃあさ、しばらくアポロ先生に勉強教えてもらうってのは?」
こうして、テスト前の勉強会開催が決定した。
「……という風に計算してー」
「なるほど」
「へー、あたしトリステイン史って苦手だったんだけど、克服できそう」
「あ、アポロちゃん、ここはいつの事件に繋がるの?」
「どこどこー?」
あぽろ指導の元勉強会が順調に進んでいくのを見てルイズが、
(何か、こういうのって尊敬しちゃうわ。みんなもアポロの事尊敬してきちゃってるし。嬉し--)
と嬉しそうな視線を送っていたところにキュルケが、
「ルイズ……、あれいいの?」
「ん?」
赤面しつつそう声をかけてきた。
キュルケの視線の先では……、
「……この透け透けは……」
「あ、それはルイズちゃんのお姉ちゃんがくれたんだって」
タバサ・あぽろが引き出しを開けてルイズの下着を手に取っていた。
「ななななにしてるのよーっ!!」
「あのねー、ルイズちゃんの下着の説明だよー」
慌てて2人に駆け寄り、2人の手から下着を奪ってかき集めるルイズ。
「もう、やめてよ、人のパンツ広げて見るの~!」
「別に臭い嗅ぐ訳でなし、許してよ」
するとタバサが小ぶりな下着を手にあぽろに問いかける。
「……この小さなパンツにルイズの大きなお尻は入りきるの……」
「少しはみ出る」
「あほーっ!!」
あまりにあけすけな2人の態度に、ルイズは思わずキュルケの膝に顔を埋めて泣き声を上げる。
「あーんあーん、ツェルプシュト~」
「よしよし」
ルイズの頭を撫でつつあやしていたキュルケだったが内心では、
(でもあたしも、ルイズの下着は派手すぎると昔から思ってるわよ……)
と考えていた。
一方この騒ぎから1人取り残されていたシルフィードはというと……、
「猫なのねー」
窓の傍にある木の枝にいる猫に手を振っていた。
「なるほど」
「へー、あたしトリステイン史って苦手だったんだけど、克服できそう」
「あ、アポロちゃん、ここはいつの事件に繋がるの?」
「どこどこー?」
あぽろ指導の元勉強会が順調に進んでいくのを見てルイズが、
(何か、こういうのって尊敬しちゃうわ。みんなもアポロの事尊敬してきちゃってるし。嬉し--)
と嬉しそうな視線を送っていたところにキュルケが、
「ルイズ……、あれいいの?」
「ん?」
赤面しつつそう声をかけてきた。
キュルケの視線の先では……、
「……この透け透けは……」
「あ、それはルイズちゃんのお姉ちゃんがくれたんだって」
タバサ・あぽろが引き出しを開けてルイズの下着を手に取っていた。
「ななななにしてるのよーっ!!」
「あのねー、ルイズちゃんの下着の説明だよー」
慌てて2人に駆け寄り、2人の手から下着を奪ってかき集めるルイズ。
「もう、やめてよ、人のパンツ広げて見るの~!」
「別に臭い嗅ぐ訳でなし、許してよ」
するとタバサが小ぶりな下着を手にあぽろに問いかける。
「……この小さなパンツにルイズの大きなお尻は入りきるの……」
「少しはみ出る」
「あほーっ!!」
あまりにあけすけな2人の態度に、ルイズは思わずキュルケの膝に顔を埋めて泣き声を上げる。
「あーんあーん、ツェルプシュト~」
「よしよし」
ルイズの頭を撫でつつあやしていたキュルケだったが内心では、
(でもあたしも、ルイズの下着は派手すぎると昔から思ってるわよ……)
と考えていた。
一方この騒ぎから1人取り残されていたシルフィードはというと……、
「猫なのねー」
窓の傍にある木の枝にいる猫に手を振っていた。
「あっ、もうこんな時間!」
その後大きく脱線する事も無く勉強会は進み、気付いた時にはすっかり夜が更けていた。
「じゃあそろそろお開きに……」
とルイズが言いかけた時、キュルケ・タバサ・シルフィードは宿泊用具一式を取り出して彼女に見せた。
「……泊まってくの?」
「……そう……」
平然とした表情でタバサはそう答えた。
その後大きく脱線する事も無く勉強会は進み、気付いた時にはすっかり夜が更けていた。
「じゃあそろそろお開きに……」
とルイズが言いかけた時、キュルケ・タバサ・シルフィードは宿泊用具一式を取り出して彼女に見せた。
「……泊まってくの?」
「……そう……」
平然とした表情でタバサはそう答えた。
「っても、みんなこの寮に住んでるんだから、帰ればいいのに……」
しばらく後、寮の大浴場にルイズ達の姿があった。
「たまにはいいじゃん、こういうのも」
「んー」
そう答えつつ並んで背中を流し合っているタバサ・シルフィード・あぽろを湯船に浸かって眺めていたルイズだったが、
「っていうか、テスト前にこんなゆっくりしてて大丈夫なのーっ!?」
「あははっ、だね」
思わず声を上げたルイズにキュルケも笑みを浮かべた。
「でも去年よりずーっと楽しいね」
「うん……」
と呟きつつ、ルイズはシャボン玉で遊ぶあぽろ・シルフィードに視線を向ける。
「(アポロがいると楽しいと思う日が増えたわね。もうちょっと素直になろうかな)……もう今日は夜更かししちゃおうかしら」
「おっ、いいですな」
しばらく後、寮の大浴場にルイズ達の姿があった。
「たまにはいいじゃん、こういうのも」
「んー」
そう答えつつ並んで背中を流し合っているタバサ・シルフィード・あぽろを湯船に浸かって眺めていたルイズだったが、
「っていうか、テスト前にこんなゆっくりしてて大丈夫なのーっ!?」
「あははっ、だね」
思わず声を上げたルイズにキュルケも笑みを浮かべた。
「でも去年よりずーっと楽しいね」
「うん……」
と呟きつつ、ルイズはシャボン玉で遊ぶあぽろ・シルフィードに視線を向ける。
「(アポロがいると楽しいと思う日が増えたわね。もうちょっと素直になろうかな)……もう今日は夜更かししちゃおうかしら」
「おっ、いいですな」
大浴場からルイズ達の部屋に戻ってきた頃には、あぽろはほとんど睡魔の誘惑に負けかけていた。
どうにかこうにか寝間着を身に着けたものの、上着部分はボタンガ2つはまっておらずズボンも膝付近までしか上がっていない。
「ほらっ、ちゃんとパジャマ着て」
そんなあぽろの上着のボタンをはめているルイズの元に、
「……お菓子持ってきた……」
[わーいっ]
と菓子入りの鉢を持ってタバサが戻ってきた。
「どうするの? アポロは寝るの?」
「んにゅー、うー」
ルイズの問いかけにもまともな返答をせず、彼女の胸に顔をうずめるあぽろ。
「寝ちゃうね、これは」
「うん」
「じゃ、ランプだけ点けてお話しするのねー」
「……だね……」
そう言ってシルフィードが部屋の照明を消し、一同はランプを囲むように集まる。
「アポロには秘密なんだけどさ……」
「……何何……」
その夜、ルイズの部屋では深夜まで談笑が絶えなかった。
どうにかこうにか寝間着を身に着けたものの、上着部分はボタンガ2つはまっておらずズボンも膝付近までしか上がっていない。
「ほらっ、ちゃんとパジャマ着て」
そんなあぽろの上着のボタンをはめているルイズの元に、
「……お菓子持ってきた……」
[わーいっ]
と菓子入りの鉢を持ってタバサが戻ってきた。
「どうするの? アポロは寝るの?」
「んにゅー、うー」
ルイズの問いかけにもまともな返答をせず、彼女の胸に顔をうずめるあぽろ。
「寝ちゃうね、これは」
「うん」
「じゃ、ランプだけ点けてお話しするのねー」
「……だね……」
そう言ってシルフィードが部屋の照明を消し、一同はランプを囲むように集まる。
「アポロには秘密なんだけどさ……」
「……何何……」
その夜、ルイズの部屋では深夜まで談笑が絶えなかった。
翌朝。
「寝坊したーっ! 急げ急げ!」
寮から教室まで全力疾走するルイズ・あぽろ。
と、何かに躓いたのか体力の限界が来たのか、あぽろはルイズの後方で転倒した。
「はう~」
「アポローっ!」
「あ、あたしはもうらめ……。構わず先に行ってえ……」
息も絶え絶えという様子でそう告げるあぽろにルイズは、
「わかったわっ、じゃあね!」
そう言うとあぽろを残し駆け出していってしまった。
1人残されたあぽろが目に涙を浮かべつつ起き上がろうとした時、戻ってきたルイズがそっと手を差し伸べた。
「ルイズちゃん……」
「早く立ちなさいよ、のろま」
「うん」
「世話焼かせすぎよっ」
そう言いつつも、ルイズはあぽろを背負い校舎への道を急ぐのだった。
「寝坊したーっ! 急げ急げ!」
寮から教室まで全力疾走するルイズ・あぽろ。
と、何かに躓いたのか体力の限界が来たのか、あぽろはルイズの後方で転倒した。
「はう~」
「アポローっ!」
「あ、あたしはもうらめ……。構わず先に行ってえ……」
息も絶え絶えという様子でそう告げるあぽろにルイズは、
「わかったわっ、じゃあね!」
そう言うとあぽろを残し駆け出していってしまった。
1人残されたあぽろが目に涙を浮かべつつ起き上がろうとした時、戻ってきたルイズがそっと手を差し伸べた。
「ルイズちゃん……」
「早く立ちなさいよ、のろま」
「うん」
「世話焼かせすぎよっ」
そう言いつつも、ルイズはあぽろを背負い校舎への道を急ぐのだった。
そして数日後……。
(あー、やっぱり遅刻したから全部できなかったものね……)
お世辞にもいいとは言えない点数の答案用紙を見てそんな事を考えていたルイズの元に、
「見て見て、98点♪」
と満面の笑みで自分の答案を見せに来たあぽろの姿に、思わずルイズの頭部から鮮血が噴出した。
(あー、やっぱり遅刻したから全部できなかったものね……)
お世辞にもいいとは言えない点数の答案用紙を見てそんな事を考えていたルイズの元に、
「見て見て、98点♪」
と満面の笑みで自分の答案を見せに来たあぽろの姿に、思わずルイズの頭部から鮮血が噴出した。