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ゼロの使い魔シナリオ4・ワードナの逆襲

フーケに奪われた秘宝、禁断の兜を求めて、ルイズとその使い魔ワードナは学院近くの森に来たのであった。
ルイズの友人キュルケとタバサも付いて来ている。

そして森の中にある小屋には、ひとつの箱が置いてあった。
これは、と思い漁ってみると、中からあるものが出てきたのである。

「禁断の兜」

タバサが難しい顔でそう言う。
秘宝というが、しかし、それにしてもこれは……

「なんと。これが禁断の兜じゃというのか」

ワードナも難しい顔で言った。ただ、この難しい顔具合は、タバサのそれとは違うようだ。

「間違いないわね。あたし、見たことあるわ。
 ……その時も思ったんだけど、これが秘宝っておかしいわよね」

呆れ顔になるキュルケだが、それも無理はない。
何しろその禁断の兜とやらは、どう考えてもただの……

「ハゲヅラよね、これ。パーティーグッズじゃあるまいし」

ハゲ頭のカツラである。
魔法も糞もないような単なるお笑い用品にしか見えない代物だ。

「オールド・オスマンは何を考えてこんなものを……」
「いやいや、これは極めて強力なアーティファクトじゃぞ」

しかし、ワードナだけは難しい顔を崩さないまま、そう言った。
キュルケもタバサも、不思議そうに老魔術師を見る。

「どういうこと? お爺ちゃん」
「これが、アーティファクト?」
「うむ。恐ろしく強力な魔力を秘めた代物じゃ。
 これを装備するだけで、装備者の魔力は大幅に増強され、かつ装備者が受ける攻撃的な魔力を大幅に軽減する。
 この世界で言うなら……装備者がドットであればラインに、ラインはトライアングル、トライアングルはスクウェア……
 それほどに増強されるという強烈な魔法の道具なのじゃ」
「……これが?」

キュルケには、ただのハゲヅラにしか見えない。
しかしワードナは、こう見えて相当熟達したメイジ……だと言う話である。
ルイズが召喚した時は、いきなり棺おけから出てきて吸血鬼か何かかと錯覚された老人なのだ。
そのわりに、魔法のひとつもろくに使えない弱さなのだが、しかし秘薬などの知識や魔法の使い方など、
そういう知識面では凄まじいものがあって、だからこそキュルケも一目置いてはいるのだ。

「そうは見えないわね」
「伝説級のアーティファクトとなれば、そう簡単には正体を現さぬものなのじゃ」
「胡散臭い」

まったく老人を敬わぬ若者に、ワードナはふんと鼻を鳴らす。

「疑うなら被ってみるがよい。たちまち強烈な魔力が得られるであろう」
「そうはいってもねえ……」

あまりにも怪しい道具なので、ワードナの言葉はまるで信じられなかった。
しかし小屋を出て、合流したルイズとロングビルにその話をすると、ロングビルの方は興味深そうに禁断の兜を手に取る。

「これが、そんな道具だというのですか」
「信じられませんわよね? ミス・ロングビル」
「ワードナの言うことなんてどうせデタラメよ」

ルイズはまるっきり信じていない様子である。

「ええい、生意気な小娘が! 世が世なら一国を恐怖に包んだ邪悪なる魔術師、このワードナになんという言い様!」
「自分で邪悪とか言ってる時点で大人気ないわ。ボケてるんじゃない?」
「おのれおのれ! これだから王侯貴族という奴は!」

ルイズもルイズだがワードナもワードナだ。
この醜い主従の争いを放置して、キュルケとタバサはロングビルの方を向く。
すると彼女は、おもむろにカツラを手に取ると、すっぽりと被ってしまった。

「ミス・ロングビル……?」
「なるほど、確かにこれは……」

そしてロングビルは杖を振る。
すると、なんと、驚いたことに……
突如として、天を衝くような巨大なゴーレムが出現したではないか。
その大きさは実に数百メイルにも及ぶだろうか。頭にあたる部分が、あまりに高すぎてよく見えない。

「あははは! なるほどねえ、確かにこいつは強力な道具だよ!」
「何を……一体、貴方は……!?」

更にロングビルが杖を振ると、そのゴーレムは全身を金に変えてしまった。
錬金で、純金を作り出すだけでも相当な手間であるというのに、それを巨大なゴーレムの全身に施したのだ。
凄まじいまでの魔力の冴えである。

「深読みした私が間抜けだったみたいだね。単に被ればいいだけとは……
 それにしてもこの威力。こいつは大当たりだよ」
「ま、まさか、貴方は……」
「……フーケ」
「な、何じゃと!?」
「ミス・ロングビルが……フーケ!?」

ロングビル、いやフーケは邪悪な笑いを浮かべると、ゴーレムを動かした。
ただし頭部はハゲのカツラを被ったままである。

「そういうことさ。この禁断の兜、使い方がわからない……っていうよりちょっと深読みしすぎてね。
 でもそれさえ分かれば後はもう必要ない……あんた達はこいつに潰されて死んでもらうよ」
「ええい、わしを利用していたとは! 許さぬぞ!」
「許すも許さないも、お嬢ちゃん達とボケ老人に何が出来るってのさ!
 さあ、金に押し潰されて死ぬっていう、珍しい死に方を体験させてあげようじゃないか!」

得意絶頂のフーケだ。実際、これほどに巨大なゴーレムがいるとあっては勝ち目はない。
しかもワードナの言葉が正しいなら、こちらの魔法はほとんどフーケには通用しないのだ。
いかにキュルケが炎の達人で、タバサがシュヴァリエの称号を持つほどのメイジといっても、これが相手では……

「ふん、大した自信のようじゃが、迂闊じゃな、フーケとやら」

だがワードナだけは不敵に笑った。
それを見て、フーケは不審な顔で眉をひそめる。

「どういうことよ?」
「どういうことも何も……貴様、その間抜けな姿に疑問を持たんのか」

ハゲヅラを被った状態である。
まあいくら勝ち誇っても間抜けというしかない。

「う、うるさいね。どうせ終わったら外すんだから、別にどうでも……」
「……ああ、やっぱり気づかなかったか。所詮は盗賊の浅ましさじゃな!」
「何を……言って」

娘達を尻目に、ワードナだけは底意地の悪い笑みを浮かべて、フーケを哂う。

「ハゲのカツラ。そいつは確かに恐ろしく強力なアーティファクトじゃ。
 しかしそれほど強力な道具であるだけに、副作用も大きい。
 ……そいつはな、一度被ると」
「……え。ちょ……ちょ、まさか……」

たちまち、フーケの顔が青ざめた。
ルイズ達も、うっすらと悟って、

「そういうことなのね……それは、確かにちょっとアレね……」
「お気の毒様、ミス・フーケ……ってとこかしら?」
「…………」

そう言う。
つまり、だ。

「一度でも被ってしまえば、極めて強烈な呪いがかかり……
 もう一生外すことは出来なくなるのじゃよ。愚かだったな、フーケ」
「そ、そんなバカな!」

慌ててフーケはカツラを外そうとするが、これがまったく取れない。
完全に皮膚と一体化してしまったかのように、いくら引っ張ってもぴったりとくっつき、外れる気配すらないのだ。

「ど……どうにかならないのかい、これは!
 こ、こんな、こんなままじゃ……私……!」
「ふんっ、だから愚かというのじゃ。もう決してそれを外すことは出来ん。
 一生、そのカツラを被ったままで過ごすんじゃな! 愚か者め!」

フーケの目に涙が浮かんだ。
それでも必死で外そうとするが、カツラは張り付いたまままったく動かない。

「今後は二つ名も変わりそうね。土くれじゃなくって、えーっと……」
「ハゲヅラのフーケ」
「それよ」
「うううう、うるさいよあんたたち! あああ、そんな、と、取れない……!」

どうあがいても、どうも、無理らしい。
結局、フーケはそのカツラを被ったまま、泣きながら走っていった。

「うわーん、もう私の人生おしまいよぉぉぉぉ……」

でもハゲヅラ被ったままなので、あんまり気の毒には見えなかったとさ。



ゼロの使い魔シナリオ4・ワードナの逆襲…完

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