あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ソーサリー・ゼロ-5

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八〇

 食堂の前まで戻ってきたが、学生たちの朝食はまだ続いている。
 貴族の子弟の食事ともなると、パン一枚や腸詰一本で軽く済ませるようなことはないらしい。
 君はその場に立ってルイズの戻りを待つが、近くの石造りのベンチに腰をおろし、 背嚢から食糧を取り出し、
食事をしてもよい(その場合、体力点二を加えよ)。

 やがて戻ってきたルイズは不機嫌そうな声で君に、ついてくるよう促す。
 どこに行くのかと君が問うと、まもなく今日の最初の授業があり、教室では≪使い魔≫の同席が認められているという。
 この世界の魔法の体系と修練の方法に興味を持った君は、ルイズに従って教室へ向かう。一八九へ。


一八九

 そこは奇妙な構造の部屋だ。
 部屋の一方の壁には濃緑色の大きな長方形の板が掛かり、いくつかの白墨が備え付けられており、板の前には人の胸ほどの高さがある
説教壇のようなものが設置されている。
 説教壇から少し離れて横一列に机と椅子が並び、その背後では床が数フィートほど高くなり別の机の列が、その後ろではまた床が高くなり
新たな机の列が…といった具合で、 階段状の構造が反対側の壁まで続いている。
 これなら部屋の反対側の席についていても、壁に掛かった板と壇がよく見えるのだということに気づいた君はしきりに感心するが、
ルイズはそれがどうしたと言わんばかりの態度で机と机のあいだに設けられた石段を昇り、椅子のひとつに腰をおろす。

 ルイズの隣に立つ君は、驚きの目で周囲を見渡す。
 ルイズのほかにも多くの少年少女が席についており、彼らの大多数は側に≪使い魔≫を従えている。
 ある生徒は肩にフクロウを乗せ、別の生徒は机の上で鼠に餌を与えている。
 もちろん怪物じみた≪使い魔≫を連れてきた者も多く、六本足の大トカゲや宙に浮く血走った眼球など、おぞましい姿もそこかしこに
見出される。

 やがていかにも魔女といった服装だが人のよさそうな中年の女が現れ、シュヴルーズと名乗り、授業を開始する。
 その内容は非常に興味深いものであり、君は一言一句聞き漏らすまいと集中する。
 この世界の魔法は≪火≫≪水≫≪土≫≪風≫の四系統からなり、太古には≪虚無≫の魔法も存在したが現在では失われているという。
 シュヴルーズ自身は≪土≫の魔法の使い手であり、これは金属の精錬や石材の切り出し、農地の土質の改善など、 文明の発展と維持に
欠かせない非常に重要なものなのだ。
 ≪土≫の魔法に頼らぬ通常の冶金や建築もあるにはあるが、それらはまだまだ原始的で粗末なものであり、魔法使いたちに課せられた
責任は非常に大きい。

 講義を続けるシュヴルーズは、≪土≫の魔法の基本である≪錬金≫について説明を始める。
 君が修行のために巡ったレンドルランドやガランタリアなどの諸国には多くの錬金術師が居たが、彼らの誰ひとりとして卑金属を
黄金に変えることに成功した者などいなかった。
 この世界では特殊な薬品も奇怪な儀式もなしに、杖の一振りで黄金を創り出せるというのだろうか?
 君は≪土≫の魔法に畏敬の念を抱きながら、シュヴルーズを注視する。一七二へ。


一七二

 シュヴルーズはまず自らが手本を示そうと言うと、壇の上に置かれた小さな石に向かって杖を振りかざし、短い呪文を唱える。
 たちまちのうちに石は、黄金色の輝きを放つ金属に変化する。
「き、金ですか?ミセス・シュヴルーズ!」
 朝に寄宿舎で出会ったキュルケという少女が瞳を輝かせ、身を乗り出して質問するが、シュヴルーズはこれは真鍮であり、
黄金を≪錬金≫できるのは ≪トライアングル≫の自分より高位の魔法使いであると答える。
 魔法使いなら誰もが黄金を創り出せるわけではないと知った君は、いくらか≪土≫魔法に対する畏敬の念を減じるが、それにしても
たいした魔法であることには違いない。

 次は生徒のうち誰かひとりに≪錬金≫を実践してもらうとシュヴルーズは言い、居並ぶ生徒たちの顔を見渡して、やがてルイズを指名する。
 名を呼ばれたルイズはすぐには動こうとせず、困惑の表情を見せる。
「どうしました、ミス・ヴァリエール?」と、
シュヴルーズが問いかけるが、それをキュルケの悲鳴に近い声がさえぎる。
「先生、危険です!」と。
 指名の取り消しを懇願するキュルケと、失敗は恥ではないと優しく促すシュヴルーズの声に耳を傾けていたルイズだが、やがて
「やります」と宣言して壇へと向かう。

 主人を名乗る少女の魔法の実力が確かめられると興味津々で見守る君は、周囲の生徒たちの奇妙な行動に気づく。
 キュルケをはじめとした大勢の少年少女が、落下物から身を守るかのように、机の下に身を隠しているのだ。
 彼らにならって机の下に潜りこむか(一四五へ)?
 ルイズの≪錬金≫を見守るか(八八へ)?


八八
 シュヴルーズと君が見守るなか、ルイズは杖を振りかざし、眼を閉じたまま短く呪文を唱える。
 壇に置かれた石に向かって杖を振り下ろすと――凄まじい爆発が発生する!
 運だめしをせよ。
 吉と出たら一一へ。
 凶と出たら一七九へ。


一七九

 爆風とともに飛んできた壇の大きな破片を額に受ける。
 体力点二を失う。
 生徒たちの悲鳴と≪使い魔≫たちの吠える喧騒のなか、君は爆発の起きた方向に駆け寄り、徐々に薄れる白煙の中へと踏み込む。
 爆発のすぐそばに居たシュヴルーズは仰向けに倒れているが、呼吸を確かめてみたところ、命に別状はないようだ。
 この騒動の張本人であるルイズ自身はといえば、顔が煤で黒く汚れ、服のあちらこちらが裂けているが、目立った怪我はない。
「ちょっと、失敗しちゃったみたいね」
 平然とした顔で、ルイズがつぶやく。
「また失敗しやがった、≪ゼロのルイズ≫め!」
「一度くらいまともに魔法を使ってみろ!」
 浴びせられる生徒たちの罵声を聞きながら、君はルイズの二つ名の由来を理解する。二七九へ。


二七九

 君とルイズは、彼女の魔法の失敗によって壇が砕け、窓のガラスが割れ、あちらこちらに破片が散らばったままの教室に居る。
 爆発に巻き込まれたシュヴルーズが気絶したので授業は中止になり、ルイズ以外の生徒たちは他の教室へと移動したため、
ここに居るのは君たち二人だけだ。 
 罰として、破損した机や窓枠の交換と、教室の掃除を言いつけられたのだ。
 君が机を抱えて運ぶ一方、この事態を引き起こしたルイズは黙々と机の埃をぼろ布で吹いている。

 あれだけ自分は貴族であると偉そうにしていたルイズだが、どうやら彼女にはこの世界の貴族にとって不可欠な、魔法の才覚が
ひどく欠けているらしい。
 生徒たちは、男も女も教室を出て行く前に彼女を罵倒していた。
「家柄だけの≪ゼロ≫」「退学させてしまえ」「平民との私生児」と。

 昼前に作業は終わるが、働いたのはほとんど君ひとりである。
 疲労によって、体力点一を失う。
 君は、気晴らしにこの薄情な少女を≪ゼロ≫とからかうか(一三二へ)?
 黙って彼女の次の命令を待つか(二一八へ)?


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