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Ruina 虚無の物語-11



一番危険な役割を生徒だけに任せるわけにはいかないと言い訳をして、フーケの捜索役になることに成功した。
後はどうにか一人になる時間を作ろうと思っていたが、
ミス・ヴァリエールの使い魔が、あのような巨大なゴーレムを作る事が出来るメイジが待ち伏せしているかもしれない所での単独行動するのは絶対に避けるべきだと言った。
同じく捜索役のミス・タバサがそれに同意し、続いて友人のミス・ツエルプストーもそれに同意してしまった為、一人抜け出すのが非常に難しくなってしまったのだ。
花を摘みに行くと言って離れようとしても、自分が付き添って周囲を見張っておくと答えられた。
そこまでして頂くわけにはいきませんと言うと、フーケはそうやって油断して一人になるのを狙っているに違いないと返された。
(何が違いないだい!大間違いだよ!私がフーケだ!)
さておき、そんなやり取りをしていると廃屋の方からミス・ヴァリエールの悲鳴が上がった。
(あれ、私は何も仕掛けた記憶はないわよ。)
一瞬疑問に思い、耳を澄ますとカエルと言う単語が聞こえた為、原因に気付く。
(ああ、あれを見てしまったのね。)
ミス・ヴァリエールに同情する。
(結局、あれはどのように使うのかがわからなかったのは残念だね。)
残念に思いつつ廃屋へと向かう。


悲鳴が聞こえた為、真っ先に主の元へ走る。
すると廃屋の中から主達が走り出てきた。
何故か、ルイズは涙目になりながら大量のカエルにまとわりつかれていた。
あまりの形相に驚きながらもそんな姿になった理由を尋ねる。
するとルイズは“精霊の箱”を取り出した。
何所かで見た記憶がある物体である。
精霊の箱を持ち、涙目のまま、ルイズは言葉を紡ぐ。
「なんで精霊の箱の中にカエルが詰まっているのよ!?」
思い出した。
自分の予想が正しければ、あれは確かに精霊から授かった箱である事には違いない。
その精霊が人をからかう事をライフワークにしているだけである。
だとすると、あの精霊はどのような方法を用いてでやってきたのだろうか。
考え、途中で止める。
そもそも会ってすらいないのだ、もしかすると似た性格の精霊がいたのかもしれない。
「ああもう、離れなさいよ!この!」
泣きながらルイズが暴れ出す。
あわててルイズにまとわりついていたカエルを取り払い“精霊の箱”の中に詰め込む。
そんな様子を皆が遠巻きに見ている。
「結局、なんで精霊の箱って言うのか分からなかったわね。」
「同感。」
「一体どうしてでしょうか。」
キュルケはルイズをからかうと思っていたが、そんな事は無く疑問を口にした。
あまりもの様子に茶化す気にもなれなかったのだろうか。
タバサとロングビルは疑問に同意して頷く。
その後、タバサがこちらに尋ねてきた。
「もしかして心当たりある?」
何故かと問い返すとタバサは淡々と答えた。
「あの時あまり驚いてなかった。しかもその後、納得した様子で何かを考えこんでいた。」
それを聞き、掴みかからんという勢いでキュルケが話しかけてくる。
「え、何何?知ってるの?ぜひ聞きたいわ!」
正確には、こう言った事をやりそうな精霊に心当たりがある。
かく言う自分も、贈り物と称して枕元にカエルの詰まった箱を置かれた事があると伝える。
精霊の箱と呼ぶ理由を学院長に訊いた方がよさそうだ。
「凄く嫌な精霊ね。」
「同感。」
全くだ。
「あの爺…」
ロングビルが小声で呟いていたのは聞かなかった事にした。

いつの間にか晴れていた空の下、行きと同じように馬車の手綱を引きながら物思いに耽る。
(何か使い方があると思っていたらこの有様だよ。
売り払うにもこんなモンに買い手なんてつきそうにないしねえ。
幸いにも給料だけはいいからねえ。次の目標を見つけるまでの間だけでも仕事続けようかしら。)
そして、生徒達を手にかけずに済んだ事に安堵している自分に気付く。
(まあ、必要のない殺しで面倒呼ぶのは好みじゃないからね。)
ふと後ろの会話に耳を傾けると、ミス・ヴァリエールの使い魔達に対して生徒達が質問をしているようだ。
「へえ、フィー達の故郷って大変な事になってたのねぇ。」
「遺跡から化け物が出てきたり、その遺跡が曰くつきらしくて教会から軍が派遣されてきたりして本当に大変だったよ。
遺跡の中は中で幽霊とか動く死体なんかもいたしね。」
どうやら故郷で遺跡を見つけた事により起こった騒動の話らしい。
「そう言えばあそこ、ニンゲンが沢山いたな。フィーの背中にヘンな奴がくっついてたぞ。」
「!?」
幽霊の話にタバサが反応しているのを見て、ふと孤児院の事を思い出す。
(今度休みを取ってアルビオンに帰るのもいいかも知れないね、最近はキナ臭くなってきてるって話だから。)
「どうかしたの?」
考えこんでいる途中、隣に座っている黒髪の少女が話しかけてきた。
「あ、いえ。故郷で色々とあるそうなので心配していただけですよ。」
「そう、何事もないといいわね。」
「全くですね。」
何事もない事を祈りつつ馬車を進めた。

学院へたどり着いた自分達は、すぐに報告する為に学院長室へ向かった。
自分達を見た学院長は箱を受け取る。
「おお、見事に取り返してきてくれたか!しかし何じゃ?皆のその顔は。」
皆、納得いかないという表情をしていた。
ミス・ロングビルが発言の許可を得てから問いかける。
「何故こんな箱が精霊の箱と呼ばれていたのでしょうか?それと中身がカエルなのはどういうことですか?」
顔こそ笑っているが、所々声が震えている事からその怒りが思い知れる。
「そ、それはじゃの……。」
学院長は訥々と当時の出来事を語り始める。
「30年前、森を散策していた私はワイバーンに襲われた。咄嗟に近くにあった泉に飛び込んで逃れようとしたら溺れてしまった。そこを救ってくれたのが泉の精霊と名乗る女性じゃ。
礼を言った後、帰ろうとしたら土産として精霊の箱を渡してくれてのう、宝物庫に大事に保管しておいたのじゃ。
しかし、餌やりなんぞしとらんのに中のカエルが生きておるとは、流石精霊の箱と言った所じゃの。」
確信する。
間違いなくあの精霊だ。
学院長は話を続ける。
「さてと、君たちはよくぞあの土くれのフーケから精霊の箱を取り戻した。」
皆は、納得のいかない様子を見せつつも礼をした。
「あの土くれのフーケを捕える事はならなかったとはいえ、よくやってくれた。君達の『シュヴァリエ』の爵位申請を宮廷に出しておいた。追って沙汰があるじゃろう。と言ってもミス・タバサはすでに『シュヴァリエ』の爵位を持っておるから精霊勲章の授与を申請しておいた。」
3人の顔が輝いた。
「本当ですか?」
キュルケが驚いた声で言った。
「本当じゃ。かのフーケから宝を取り戻す事が出来たのじゃから。」
「それとミス・ロングビル達は貴族ではないから『シュヴァリエ』の爵位申請こそできぬが、何らかの形で礼をする事を約束しよう。」
皆の顔が明るくなった。
「さてと、今日の夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。この通り“精霊の箱”も戻ってきたし、予定通り執り行う。
警備は厳重にしておくがの。」
キュルケの顔が輝いた。
「そうでしたわ!フーケの騒ぎで忘れておりました!」
「今日の主役は君たちじゃ。用意をしてきたまえ。せいぜい、着飾るのじゃぞ。」
3人は礼をするとドアに向かった。
ルイズがこちらを振り向いたが先に行って構わないと返す。
心配そうに見つめていたが、やがて頷いて部屋から退出した。



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