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Ruina 虚無の物語-08


店を出てから改めてデル公という剣を改める。
「ったく、いきなり鞘に押し込むたぁひでぇ事しやがる。」
鞘から抜いた瞬間、剣が騒ぐ。
「フィー、何でまたこんなの買ったの?」
「こんなのとはひでぇな嬢ちゃん。これでもオレサマにはデルフリンガーって立派な名前があんだぜ。まぁデルフとでも呼んでくれや。」
「おお、これスゲーな」
質問に答えようとするが、勝手に話が盛り上がっていく。
「なんていうか、騒がしい剣ね。」
「同意」
全くだ。
なお、デル公ことデルフリンガーを購入した理由は興味深いからである。

「お前ぇさん、本当におっかねぇメイジだな。ってかオレサマの出番あんのか?」
手にしたデルフが愚痴る。
もしかして自分の事が解るのかと尋ねてみる。
「おう。しかしお前ぇさんただ者じゃねぇな、その精神力量は王族か何かか?。」
カチカチと鍔元を鳴らしながら訪ねてくる。
「まさか、ただの田舎村で薬師してたって聞いてるわよ?」
ルイズは疑いの視線を
「なにそれ、まさか平民じゃなかったの?」
キュルケは興味を此方へ向けた。
皆の視線が自分に集中したので、
自分は捨て子だった所を師に拾われたため、出自はわからないと説明した。
ここに召喚される前までは村の外れで薬師をしていたと付け加える。
「そうよね、いくら魔法が使えるとはいっても貴族だったと言う話は聞いてないわ。」
ルイズは、安心したように呟く。
「でも、本当に貴族や王族の血を継いでいたりなんかしたら面白いわね。」
「低確率。」
キュルケとタバサが興味深そうにこちらを見ている。
実の所、大昔に滅びた帝国の皇帝の血を濃く継いでいる事が判明してはいるのだが、忌まわしい記憶を掘り返す事になるので黙っておく。
「フィー、その剣私にも見せてくれる?」
ネルにデルフを手渡す。
「ねえデルフ、私はどうかな?」
「こいつぁおでれーた!お前ぇさんなんでこんなに力強えんだ? まるで熊みてぇだ。」
「誰が熊女よ!」
「言ってねぇ!?」
言い合いが始まった。
本当に、騒がしい剣だ。

結局、あれから更に本屋や古物商を見て回り、古びた地図を何枚か買ったり本を買おうとして字が読めない事に気付いたりした。
文字は後日に主人から教わるつもりだ。

買い物を終え、魔法学院へと帰る。
4頭の馬が街道を歩き、その上を1頭の竜が飛んでいる。
太陽は徐々に高度を下げており、沈む前に学院に着くかどうかという所だ。
皆が疲労と満足感を胸に歩いている中、王都で見た物事について思いを馳せる。
話には聞いていたが、ハルケギニアでは生活に魔法が大きく絡んでいる事を改めて思い知らされたのだ。
主流となっている宗教の違いも原因の一つだろうが、平民達が魔法の恩恵を受けている光景は大河流域ではそう見られない物である。
その為か、自分は身に付けた力で何を為したかを振り返り…
ふと、師が自分に何かを伝えようとしていた事を思い出す。
師はあの時に何と言ったのか。
しばらく悩んだが、答えは出てこなかった。

日が沈む前に学院に辿り着く。
夕陽を背に聳え立つ寮塔は美しく、皆が思わず息を飲む。
この学院を建てる時も魔法を用いたのだろうか。
明日になったら教師に質問しようと決心した。


皆が寝静まる時間帯を見計らい、部屋の外に出る。
月明かりが照らす夜空の下、黒いローブを身に纏い本塔の外壁を伝い歩く。
宝物庫の外壁までたどり着いた後、土メイジ特有の探査能力を駆使して壁の厚さを測る。
執拗なまでに固定化をかけてある為、自分の錬金では手も足も出ない事は調査済みである。
それ故にゴーレムによる突破を思い立ったのだが……
「物理的な力には弱いって聞いてたけど、この厚さじゃそう突破できそうにもないじゃないか!忌々しい。」
思わず愚痴を口にする。
「これじゃ『精霊の箱』を奪うのは難しいねぇ。どうしたもんだか。」
何らかの方法で壁を脆くしておく必要がありそうだが、その方法は思い浮かばなかった。


翌日、いつものように服を洗濯してからルイズを起こし、掃除を済ませてから厨房へ向かうと声が聞こえた。
「おお『我らの鎚と竪琴』よ、よく来たな!もうすこしで出来上がるから待っててくれ。」
「親父さん、その呼び方はやめてほしいかな。」
「その呼び方どうにかならないかしら。」
料理長がネルとキレハに話しかけているようだ。
何故そのような呼び方をされているか尋ねる。
すると料理長はこちらへ振り向いて言った。
「ああ、よく斧なんかの手入れをしてもらったり面白い話や曲を聴かせてもらっているからな。」
納得の回答である。
「そう言えば親父さん、土くれのフーケって聞いたことある?」
「あ?ああ、貴族相手に盗みを働いてるって奴かい。なんでまたそんな話を。」
「昨日街に行ったときに耳にして気になったからね。ちょっとショックだったし。」
「あら、何故かしら?」
「だって、わたしが憧れてた魔法使いって人のために魔法使う人だったし。」
「はっはっは、本当にメイジだったらよかったのによぉ、我らの鎚よ。」
「親父さん、その呼び方恥ずかしいよ。」
雑談が続く。
その様子を眺めつつ、自分も何か皆の為にできる事をやろうと決心した。

後日、安価で治療薬を調合した事により料理長達から『我らの薬』と呼ばれるようになったのは余談である。

午後になり時間が空いた。
召喚されてから時間が経ち、使い魔との相互理解も十分にできただろうとの事で授業の際、教室に使い魔を連れ込む必要が無くなったのだ。
ルイズが授業を受けている間に自分は部屋の掃除やクローゼット内の衣服の手入れ等を済ませる。
その後、シエスタの部屋に向かい
「おい、フィー。エンダと遊べ。」
「あ、フィーさん。今エンダさんが遊びに来ていまして……。」
ハルケギニアの文字を教わりに来た先でエンダと遭遇した。
シエスタは疲れた表情をしており、苦労をかけてしまった事が伺える。
彼女の持つ雰囲気が知り合いに近いため、エンダが懐いてしまったようだ。
エンダを宥めてからシエスタの部屋に入る。
部屋には質素だが頑丈にできている机が一式と小さな本棚が配置されており、本がまばらに並べられている。
窓はガラス製で可愛らしいカーテンがそれを彩っていた。
その脇にナイフ掛けが複数個吊るされており、どのナイフもよく手入れされているようだ。
シエスタの部屋を眺めていると
「シエスタ、薪割り終わったよー。」
「差し入れ持ってきたわよ。」
ネルとキレハもやってきた。
「フィー、何でまたここに?」
シエスタに文字を教わりに来た事を打ち明ける。
「あ、わたしもいいかな?」
「私もいいかしら?」
「よし、エンダにも教えろ。」
気付けば皆が教わる事になっていた。
「では、まずはこの本から始めましょうか。」
シエスタが本を片手に話し始めた。



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