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ゼロツカ-02

ゼロツカ 第二話 その勝負……



ヒデオは、少女に洗濯を言いつけられたので部屋の外に出る。
しかし、そこで重大な事に気がついた。

「どうしたらいいんだ?」

まさか、洗濯機やコインランドリーがあるとは思えない。
だったら手洗いかと考えたが、生まれてこの方、手洗いで服を洗った事などない。
それ以前に洗濯板などの道具の場所を知らない。
だったら、今までこの服はどうしていたのだろうか?まさか、あの少女がやるとは思えない。
そう言えば、魔法学院と言う事は、ここに通っている学生は全員貴族と言う事になる。
そんな人たちが自分達でするはずはないだろうから、おそらくメイドなり執事なりがいるのだろう。
だったら、その人たちに任せればいいじゃないか。と思うだろう?
知らない人に話しかけるなんて行為が、引きこもりに出来ると思うか?
答えは断じてNOだ。
そうして途方に暮れていると、人に話しかけられた。

「あ、あのう……どうかなされましたか?」

知らない人に話しかけられ驚くが、話しかけられた以上、反応を示さないのは相手に悪いと思い、そちらを向いてみる。
するとそこには、やや長めのボブカットにした黒い髪と瞳を持ち、少し低い鼻とそばかすがチャームポイントなメイドがいる。
自分がそのメイドを見た瞬間、相手はビクッっとしたあたり、また自分の目付の悪さのせいだろう……異世界でもこれは変わらないらしい。

「え、えっと……し、失礼しました!!」

いきなり謝られた……だがこれはチャンスだ、自分から話しかけられない以上、ここでこのメイドに洗濯の事で困っていると言う事を言うしかない。

「いや、謝る事は、ない。ただ、元から目つきが悪いだけだ」
「は、はぁ……いきなり睨みつけられたと思ったので何か私が気にいらない事をしたのかと思ってしまいましたが……すみません、怖がったりしてしまったりして」
「気にすることは、ない。慣れているから」

何ていい子なのだろうか……今まで会ってきたイロモノなど、自分の事を殺人犯と勘違いし、逮捕してこようとするわ、いきなり横っ面を殴ってきたではないか。
それに比べてこの子は、自分に非があったと素直に謝ってくれた……これだけでも今までのイロモノ共とは天と地との差がある。
ずっと、その感動に酔っているわけにもいかないので、本題に話を移す。

「それより、洗濯をしたいのだが……どうすれば?」
「あ。洗濯ですか?それならさっきの謝罪の意味でも私がしましょうか?」
「いや、それは悪い。道具と場所さえ、貸してもらえればそれでいい」
「そうですか?それならこっちに来てください」



メイドに付いて行き、道具を貸してもらい洗濯をしようとするが、どうにもうまくいかなく、結局やり方やコツなどまでも教えてもらい、洗濯を開始する。

「ありがとう。道具を使ってやった事など、なかったから、助かった」
「いえ、それよりあなたは一体誰なんですか?」
「僕は、川村ヒデオ。ルイズとか言う子に召喚された、使い魔という奴らしい」

そう言うとメイドは納得したようだった。
人間を召喚するなどは普通ないのだそうで、もう学院中に噂が広まっているらしい。
その噂の中心が自分だと言う事を考えると気が重い、人の噂になっていると言う事は、話題の中心と言う事ではないか、そんなのは引きこもりには耐えられない。
そうこう悩んでいると、今度はメイドの方の自己紹介が始まった。

「私はシエスタと申します。ここの学院でメイドをやってます。何か困った事があったら、私に相談してください、微力ですが力になりますよ」
「それは、助かる。誰も頼れる人がいなかったから」

洗濯が終わった後、少し世間話を……と言っても、ヒデオ自身社交性が無く、ただえさえ話せないのに異世界の住人と共通の会話もなく、ヒデオはもっぱら聞く側である。
そうこうしている内に、シエスタは自分の仕事に戻ると言ってどこかへ行ってしまった。
自分もどうしようかと思ったが、特にやる事もなく、それに加えてこの世界にはインターネットなどがあるわけでもないので本当にやる事がない。
少し考え、せっかく異世界に来たのだから見物でもしてみようかと思い、洗濯を一旦部屋に置いてくる。
少し見回ってみるが、特に変な建物はなさそうだが、敷地自体がそれなりに広くいい暇つぶしになった。
そして、学生達が優雅にお茶会をしている場所に来てしまった。
リア充共が!と思ったので、そうそうに立ち去ろうとして怒声が聞こえてきた。
何事かと思い、声が聞こえた方に目を向けてみると、キザッたらしい男子生徒があげた声みたいだ。
自分には関係ないとさっさと行こうとするが、怒鳴られている相手を見てその足を止める。
相手は、自分に優しくしてくれたシエスタだった。
さすがにこれを自分には関係ないと言ってられない、ここで見て見ぬふりをしてどこかへ行ってくと自分は後悔をしてしまうだろう。
だが自分に何が出来る?これが翔希ならばさっそうと現れ、あのキザッたらしい男子生徒を倒して丸く収めることが出来るだろう……だが残念な事に自分はただの引きこもりだ。
ただの人相手にも負けるだろうし、ルイズの話では貴族は全員魔法を使うらしい……これだけで自分が勝つ確率なんてものは皆無だろう。
ならどうする?ノアレ達の力は借りれないこの状況下をどうやって切り抜ける?

「やってみるしかないか……」

いつまで悩んでいても仕方がない、ならばいつも自分がやっている事をやってみるしかない。
そう思い、騒ぎの中心へと向かって行き、男子生徒に話しかける。

「何を一体そんなに怒っているんだ?」
「何をって……ウッ……」

男子生徒が自分の顔を見た瞬間に恐れたような顔をする。
大方、自分の目付が怖くてそうなっているのだろう、ちょっと……いや、かなりへこむが、今はそんな事を言っている場合ではない。
シエスタの方は、何が起こっているのかわからず、混乱しているようだ。

「どうした?怖がっているのか?」
「な、何をいいだすんだ!僕は貴族だ!!君みたいな平民に恐れるわけがないだろう」
「どっちでもいいが、質問に答えたらどうだ?一体何にそんなに怒っているんだ?」
「グッ……まあいいだろう、このメイドは僕が落としてしまった香水を拾って僕に渡してきたんだ」

……は?何を言っているのだろうかこの男子生徒は……普通にいい事をしているじゃないか、それに一体なんの問題があると言うんだ?

「それがどうしたんだ?」
「事の重大さがわかっていないな君は、いいかい?そのせいで二人の麗しい女性を傷つけてしまったんだぞ!」

つまり、自分が二股をかけていたのを、シエスタが拾った香水のせいでバレたのだろう。
なぜ香水でバレるのかまでは知らないしどうでもいいが、この男子生徒が怒っているのは、こんな大勢の前で二股がバレたのを、シエスタに当たり散らして少しでも自分の立場を良くしたかったのだろう。
あまりのバカげた事に、自分のしようとしていた事も忘れて、率直な感想を言ってしまう。

「君は、アホか?」
「な、なんだと!?」

しまった……!?これでは、話を丸く収める事が難しくなってしまった。
相手がいきなり、攻撃してきた場合こちらに勝ち目などない。
と思っていたが、相手は予想外の事を言ってきた。

「平民風情がいい度胸だ!貴族を馬鹿にしてただですむと思うなよ!決闘で白黒つけようじゃないか!!」

ここで、こちらを一方的に痛めつける事も可能なのにやってこなで、決闘と言ったのはおそらく、まだ自分の立場をよくしようとするためだろう。
だから、この誘いに対して自分はこう言う……

「その勝負……断る」
「な……に……?」

当然だ、なぜ勝ち目もない戦いにこちらがそれに乗る必要があるのだ。
これは聖魔杯でも、仕事でもないないのだ。
これを受けなくてはならない状況下ではない以上、こちらが乗るメリットはない。
さすがに、今の状況でここから離れると報復の可能性があるので、言いくるめる必要があるが、戦う事に比べればいくらかマシである。

「何故僕がそれに乗る必要がある?」
「何を言っているんだ!君は平民であり、僕は貴族だ!!君に拒否権など……」
「言い方を間違えたな……なぜ僕が勝つのにその勝負を受ける必要がある?」
「は?」

ヒデオ以外の人間すべてがそのような反応だった。
ヒデオは知らなかったが、この世界では魔法を使える貴族にただの人間が勝てるわけがないと言うのが常識なのだ。
たとえ知っていたとしても、この啖呵をきっていただろうが……

「何を言っているんだ君は?ただの平民が貴族に……」
「ただの平民?いつ僕がただの平民だと言った?」
「な……に……?」
「いいか?僕は元の世界では魔眼王と呼ばれ、その目にはある能力がある……それが何かわかるか?」
「し、知るわけがないだろう」
「未来視の力だ」
「未来視の力?何を言うかと思えば、そんな力を持っている奴など見た事も無ければ聞いたこともないよ」
「そうだろうな、なぜなら僕は……この世界の人間ではないからだ」

これは言うべきか言わないべきか迷った。
それもそうだろう、ルイズとかいう少女の反応からして異世界などと言っても、だれも信用しないだろう。
実際、周りの人全員が何を言っているんだこいつと言った目つきで見始めている。
だが今の状況では、使えるものはすべて使っておきたかった……後は、これを信じさせられればこちらの勝ちは決まったようなものだ。

「プッ……クハハハハ!異世界?何を言い出すかと思ったら。そもそも、ゼロのルイズが召喚した使い魔なんだ、普通かそれ以下に決まってるじゃないか」

ゼロのルイズ?それがどういうものか分からないが、どうやら自分のご主人様の評判はあまりよろしくないようだ。
だが、この情報はこれで使えるかもしれない……

「何故そう思う?」
「何?」
「使い魔と言うものがどういうものかは知らないが、実際に僕はこうして召喚され、ここにいる……確か平民を召喚したなどと言うのは聞いたことがないそうじゃないか」
「それがどうかしたのかい?まあ、ルイズが召喚したんだからそれはそれで納得……」
「そこから間違っているんだ」
「何を言って……」
「なぜそうやって、自分のいいようにいいように解釈しようとしているんだ?怖いのか?」
「何が怖いものか、たとえ君が言った事が本当だとしても、魔法の成功確率が0のルイズがどうやってそんなものを召喚できるのかと言っているんだ。もし本当だとしたら素直に負けを認め、メイドにも謝ってやるよ」

なるほど、ゼロのルイズとはそういう事か……だが、あともう少しでここにいる全員をだませる……そう確信できた。
だが、あともう少しが、自分の力だけでは無理だ……だからこれは一か八かの勝負になる。

「なら見せてやろう、君たちが知らない力を」
「見せてくれるなら見せてほしいものだね」
「なら、まず僕に攻撃してみろ。そうしたら見せてやろう」
「そうかい?なら遠慮はしないからそのつもりでいたまえ」

そう言うと、男子生徒が造花のバラを振り、地面から人の形をしたものを作り上げた。
そして、作られたそれには剣が握られており、斬られれば命はないかもしれない。
だがそれでいい……いや、そうでなくてはならない。

「僕の二つ名は〝青銅〟のギーシュだ。そしてこれは青銅のゴーレム〝ワルキューレ〟だ」
「前口上はいい、それより殺す気で斬りかかってこい」
「いいだろう。やれ!!」

ギーシュとか言う奴が、作ったゴーレムに命令を出し、ヒデオに斬りかかってくる。
周りの人間は、目を覆うもの、興味津々と言った者とで色々だ。
そして、剣がヒデオを真っ二つにしようとした所で異変が起こった……ゴーレムがいきなり崩れたのだ。
ギーシュを始め、皆が何が起こったのかはわからない……ただ1人ヒデオを除いて。
やはり、いたのかノアレ。
そう、これをやったのは、闇の精霊であり、自分の守護精霊である闇理ノアレだった。
〝あら?確信はなかったんじゃなかったのかしら?〟
確かに確信はなかった、でもロソ・ノアレ自身が言ったんじゃないか、どこにでもいると……だからもしやと思っただけだ。
〝そう……でも今回のはちょっとズルじゃないかしら?〟
そうかもしれないが、他に方法が思い浮かばなかったんだ。
〝まあ、今回だけは大目に見てあげるわ。さて……これからどうしますか?聖魔王閣下〟
なら、出来れば派手にここに出て来てくれないか?そうすれば、おそらく信じさせることが出来る。
〝了解しました〟
そして、ヒデオの隣には、ゴスロリを来た小学生ぐらいの少女が現れる。
身なりに少し不安があるが、インパクトのある登場をしてくれたため、大丈夫だろう。

「これで分かったか?僕はこの世界の人間ではないと」

ギーシュや他の人間も、全員が考える。
確かに、異世界とだけ言われても信用が出来ないが、今見せられたものは錬金でも先住魔法でもない、別の何かだ……そして、この世界で魔法以外のものでこんな事が出来るはずもなく、信用するしかない。
それに加えて、さきほど出てきた少女も明らかにいなかった所にいきなり出現した……まるで別の世界から出てきたようにだ。
未来視の方だって、異世界の住人ならもしかして?と思ってしまう。
全員が異世界などという物はやはり信じられないが、否定も出来ないでいた。

「わ、わかった……君の言葉を信じよう……そしてすまなかった許してくれ」

そう言ったのは、ギーシュだった。
これで、ヒデオは勝ったのだ。
そして、ノアレはその言葉を聞き、出てきたように戻っていった。

「僕に謝る必要はない、それより、シエスタと泣かせた子に言うんだ」
「わかった……そして、僕が悪かった。許してもらえないだろうか?」
「い、いえ、私も気が利かなくてすみませんでした」
「いや、僕が悪かったんだ……それじゃあ、僕が泣かせた二人のレディにも謝ってくるよ」

そう言い、この場を去っていく、これにて一件落着したので自分の部屋に戻る事にした。
何より、こんな注目には耐えられない。
〝ヒデオ、色々と台無しよ?〟
ははは、どんなに嘘とハッタリで固めようと、自分などただのヒキコモリなのです。
〝さっきまでの度胸はどこいったのよ……〟
そして、去ろうとした所で、シエスタに呼び止められた。

「あ、あのヒデオさん!!」

なんだろうか、と思いシエスタの方に体を向ける。

「あの、何て言ったらいいかわかりませんが、助かりました」
「気にしなくて、いい。色々助けてもらった、お礼です」

そう、何も気にすることはない。これは所詮嘘とハッタリで固められた勝利なのだから……それに結局ノアレに助けてもらったのだから、自分の力ですらない。
そして、今度こそ部屋に戻る事にした。



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