マチルダが赴任してから1週間。
「おっはよー♪」
元気な挨拶と共にりんが教室に入ってきた。
「わあ、リンそのワンピース可愛いー♪」
「えへへ、おニューなんだ♪ パンツもお揃いで黒だよーん」
ルイズ・りんの会話を聞いたマチルダは思わず手に力を入れ、羽根ペンのペン先を欠けさせてしまう。
(黒い下着!? 最近の学生はそんな物を穿いているのですか!?)
「どれ? 見せて見せてー♪」
目の前にある書類に集中しようと頭では思うものの、耳が勝手に3人の会話に傾く。
「じゃあちょっとだけ……」
その言葉と共にりんがスカートをたくし上げる気配に、マチルダは我慢できずそちらに振り向く。
「うっそぴょーん」
マチルダの目の前では、りんがそう言いつつスカートの下に穿いていたスパッツを見せつけていた。
「おっはよー♪」
元気な挨拶と共にりんが教室に入ってきた。
「わあ、リンそのワンピース可愛いー♪」
「えへへ、おニューなんだ♪ パンツもお揃いで黒だよーん」
ルイズ・りんの会話を聞いたマチルダは思わず手に力を入れ、羽根ペンのペン先を欠けさせてしまう。
(黒い下着!? 最近の学生はそんな物を穿いているのですか!?)
「どれ? 見せて見せてー♪」
目の前にある書類に集中しようと頭では思うものの、耳が勝手に3人の会話に傾く。
「じゃあちょっとだけ……」
その言葉と共にりんがスカートをたくし上げる気配に、マチルダは我慢できずそちらに振り向く。
「うっそぴょーん」
マチルダの目の前では、りんがそう言いつつスカートの下に穿いていたスパッツを見せつけていた。
『きゃ~!!』
「?」
廊下を歩いていたコルベールは、教室内から聞こえてきた叫び声に首を傾げた。
「?」
廊下を歩いていたコルベールは、教室内から聞こえてきた叫び声に首を傾げた。
「今先生パンツ見ようとしたあー」
「ちっ、違います! たまたま振り向いただけで……」
「えっちー」
何とか誤解を解こうとするマチルダだったが、りんは聞く耳を持とうとしない。
「はいはい、負けた人金貨1枚ね」
一方、ルイズは同級生達から金貨を受け取っていた。
「賭けていたのですか!」
呆れるマチルダに金貨を手にしたキュルケが、
「ミス・サウスゴータの事信じてたのに……」
「ミス・ツェルプシュトー!!」
と怒りの表情を見せた事でマチルダはさらに慌てる。
「(金貨3枚)かー」
「8・2で『振り向く』だったものね」
「賭け率低っ!!(信用されてません!!)」
収支計算をしていたりん・ルイズの会話に、思わず声を上げたマチルダ。
「と、とにかく! 学院で賭博なんてやってはいけません。ミス・ココノエ! お金を返しなさい!!」
強い口調でマチルダから叱責を受け、りんの瞳に涙が浮かぶ。
「ミス・サウスゴータ、酷ーい」
「自分がパンツ見ようとしたくせにねーっ」
「あっ、ミス・ココノエ、ごめ……」
自分が非難されている事に釈然としないものを感じながらもマチルダがりんの顔を覗き込むと、
「ばーか」
りんはそう言いつつ舌を出して見せたのだった。
「ミス・ココノエーっ!」
「購買行ってくる!!」
「待ちなさい!」
教室から飛び出していったりんを追って廊下に出たマチルダだったが、すぐにつまずき転倒してしまった。
「わっ……」
その結果丁度コルベールを押し倒す形になっている事に気付き、マチルダは思わず赤面する。
「ミ……、ミスタ・コルベール……?」
「ちっ、違います! たまたま振り向いただけで……」
「えっちー」
何とか誤解を解こうとするマチルダだったが、りんは聞く耳を持とうとしない。
「はいはい、負けた人金貨1枚ね」
一方、ルイズは同級生達から金貨を受け取っていた。
「賭けていたのですか!」
呆れるマチルダに金貨を手にしたキュルケが、
「ミス・サウスゴータの事信じてたのに……」
「ミス・ツェルプシュトー!!」
と怒りの表情を見せた事でマチルダはさらに慌てる。
「(金貨3枚)かー」
「8・2で『振り向く』だったものね」
「賭け率低っ!!(信用されてません!!)」
収支計算をしていたりん・ルイズの会話に、思わず声を上げたマチルダ。
「と、とにかく! 学院で賭博なんてやってはいけません。ミス・ココノエ! お金を返しなさい!!」
強い口調でマチルダから叱責を受け、りんの瞳に涙が浮かぶ。
「ミス・サウスゴータ、酷ーい」
「自分がパンツ見ようとしたくせにねーっ」
「あっ、ミス・ココノエ、ごめ……」
自分が非難されている事に釈然としないものを感じながらもマチルダがりんの顔を覗き込むと、
「ばーか」
りんはそう言いつつ舌を出して見せたのだった。
「ミス・ココノエーっ!」
「購買行ってくる!!」
「待ちなさい!」
教室から飛び出していったりんを追って廊下に出たマチルダだったが、すぐにつまずき転倒してしまった。
「わっ……」
その結果丁度コルベールを押し倒す形になっている事に気付き、マチルダは思わず赤面する。
「ミ……、ミスタ・コルベール……?」
「子供って、わざと悪い事をして反応を見たりするでしょう?」
職員室に戻った2人。
「珍しいのですよ、ミス・サウスゴータはまだ来たばかりですから」
溜め息を吐くマチルダにコルベールは励ましの言葉をかけるが、
「頼れるお姉さんを目指していたのですけれどね……」
「ぶっ!」
コルベールの奇声に振り向くと、彼は口元をハンカチで抑えつつ激しく咳き込んでいた。
「ミスタ・コルベール?」
「いっ、いえ、何でも……」
マチルダにはそう答えたもののコルベールは内心、
(『頼れるお姉さん』と言うより、『放っておけない妹』という感じなのですよね……)
そう考えていたものの、気を取り直してマチルダに助言する。
「ですが、いくら叱責しても信頼関係が無ければ効きませんよ。馬鹿にしている相手に何を言われても聞く耳を持たないでしょう?」
「ええ……。言われました、はっきりと」
「その上、『えっち』と」
とコルベールはマチルダの背中に貼られている紙を指摘した。
「きゃあ! いつの間に!?」
職員室に戻った2人。
「珍しいのですよ、ミス・サウスゴータはまだ来たばかりですから」
溜め息を吐くマチルダにコルベールは励ましの言葉をかけるが、
「頼れるお姉さんを目指していたのですけれどね……」
「ぶっ!」
コルベールの奇声に振り向くと、彼は口元をハンカチで抑えつつ激しく咳き込んでいた。
「ミスタ・コルベール?」
「いっ、いえ、何でも……」
マチルダにはそう答えたもののコルベールは内心、
(『頼れるお姉さん』と言うより、『放っておけない妹』という感じなのですよね……)
そう考えていたものの、気を取り直してマチルダに助言する。
「ですが、いくら叱責しても信頼関係が無ければ効きませんよ。馬鹿にしている相手に何を言われても聞く耳を持たないでしょう?」
「ええ……。言われました、はっきりと」
「その上、『えっち』と」
とコルベールはマチルダの背中に貼られている紙を指摘した。
「きゃあ! いつの間に!?」
(信頼関係なんてどうしたら……。言葉も通じない気がするのに)
そんな事を考えつつ中庭を歩いていたマチルダだったが、植え込みの陰に1匹の黒猫がうずくまっている事に気付いた。
「あら。……ちっちっ」
マチルダが舌を鳴らして黒猫を呼んでいるところに、
「ニア?」
そう言って袋を持ったりんがやってきた。
「ミス・ココノエ!」
マチルダがいた事に一瞬驚愕の表情を浮かべたりんだったが、すぐに顔をしかめる。
「10日くらい前迷い込んできたの。ガリガリだったから牛乳あげたりして」
小皿に出した餌を黒猫が食べている様子をマチルダ・りんは2人して眺めていた。
「いじめられてたみたいで全然触らせてくれないんだ」
「そうなんですか……」
「追い出したりしないでよ!? 大人って『動物を可愛がりましょう』って言うくせにすぐ殺すんだから!」
「しませんよ、そんな事! 私動物好きですから」
声を荒げたりんにマチルダは穏やかな笑顔でそう答えると、
「よしよし」
と指を伸ばしたが、
「痛っ!」
伸ばした指を引っかかれ逃げられてしまった。
「いたた、やられちゃいました……」
「貸して」
呟きつつ指の腹の傷を眺めていると、りんはマチルダの手を取って傷ついた指を口に入れた。
「!? ミっ(うわ、舌が……)」
マチルダがそんな事を考えてどぎまぎしているうちに、始業を告げる鐘が鳴った。
「あたし日直だから行かなきゃ! じゃあねー、せんせー」
そう言ってりんは校舎の方に駆け出していった。
彼女を見送ったマチルダがふと指の傷口に視線を向けると、出血が止まるどころか胸が高鳴ったせいで余計に疼くような痛みを感じるようになっていた。
(ああ、驚きました……)
そんな赤面するマチルダの様子を、ルイズが教室の窓から見下ろしていた。
そんな事を考えつつ中庭を歩いていたマチルダだったが、植え込みの陰に1匹の黒猫がうずくまっている事に気付いた。
「あら。……ちっちっ」
マチルダが舌を鳴らして黒猫を呼んでいるところに、
「ニア?」
そう言って袋を持ったりんがやってきた。
「ミス・ココノエ!」
マチルダがいた事に一瞬驚愕の表情を浮かべたりんだったが、すぐに顔をしかめる。
「10日くらい前迷い込んできたの。ガリガリだったから牛乳あげたりして」
小皿に出した餌を黒猫が食べている様子をマチルダ・りんは2人して眺めていた。
「いじめられてたみたいで全然触らせてくれないんだ」
「そうなんですか……」
「追い出したりしないでよ!? 大人って『動物を可愛がりましょう』って言うくせにすぐ殺すんだから!」
「しませんよ、そんな事! 私動物好きですから」
声を荒げたりんにマチルダは穏やかな笑顔でそう答えると、
「よしよし」
と指を伸ばしたが、
「痛っ!」
伸ばした指を引っかかれ逃げられてしまった。
「いたた、やられちゃいました……」
「貸して」
呟きつつ指の腹の傷を眺めていると、りんはマチルダの手を取って傷ついた指を口に入れた。
「!? ミっ(うわ、舌が……)」
マチルダがそんな事を考えてどぎまぎしているうちに、始業を告げる鐘が鳴った。
「あたし日直だから行かなきゃ! じゃあねー、せんせー」
そう言ってりんは校舎の方に駆け出していった。
彼女を見送ったマチルダがふと指の傷口に視線を向けると、出血が止まるどころか胸が高鳴ったせいで余計に疼くような痛みを感じるようになっていた。
(ああ、驚きました……)
そんな赤面するマチルダの様子を、ルイズが教室の窓から見下ろしていた。
「リン、ミス・サウスゴータの事気に入ったの?」
教室では手鏡に向かって化粧をしているルイズが、棒付き飴をくわえたりんにそう質問していた。
「えー、何で?」
「嫌いな女の指フェラしないでしょ」
「フェラて」
「何触ったかわからない指よ? きったなーい、ばっちーい、えんがちょー」
そんな不機嫌なルイズにりんは笑みを浮かべる。
「あらっ? もしかしてやきもち?」
「だーれが! ミス・サウスゴータにやきもちなんて……」
からかうようなその表情にルイズはそっぽを向いたが、
「へ? 先生? あたしじゃなくて?」
と首を傾げたりんの発言に顔中を真っ赤にしたのだった。
(ルイズ、自滅……)
ルイズの髪を梳いていたキュルケはそう溜め息を吐いたものの、
「何よっ! あんなろくに学級会も仕切れない先生!」
涙目で喚き散らし始めたルイズの頭を撫でてあげるのだった。
「ニアの事もバラしちゃって、保健所に連れて行かれても知らないから!」
教室では手鏡に向かって化粧をしているルイズが、棒付き飴をくわえたりんにそう質問していた。
「えー、何で?」
「嫌いな女の指フェラしないでしょ」
「フェラて」
「何触ったかわからない指よ? きったなーい、ばっちーい、えんがちょー」
そんな不機嫌なルイズにりんは笑みを浮かべる。
「あらっ? もしかしてやきもち?」
「だーれが! ミス・サウスゴータにやきもちなんて……」
からかうようなその表情にルイズはそっぽを向いたが、
「へ? 先生? あたしじゃなくて?」
と首を傾げたりんの発言に顔中を真っ赤にしたのだった。
(ルイズ、自滅……)
ルイズの髪を梳いていたキュルケはそう溜め息を吐いたものの、
「何よっ! あんなろくに学級会も仕切れない先生!」
涙目で喚き散らし始めたルイズの頭を撫でてあげるのだった。
「ニアの事もバラしちゃって、保健所に連れて行かれても知らないから!」
『下校の時刻になりました。校内に残っている人は……』
「ニア、ニア?」
下校時刻になった事を伝える校内放送と共に、りんの声が響く。
「ニア?」
「いないわね」
「まさか……」
ルイズ・キュルケと共に探すものの見つからず不安になり始めたりんの耳に、
「ニャ~」
と猫の泣き声が聞こえてきた。
「!」
「ニア、ニア?」
下校時刻になった事を伝える校内放送と共に、りんの声が響く。
「ニア?」
「いないわね」
「まさか……」
ルイズ・キュルケと共に探すものの見つからず不安になり始めたりんの耳に、
「ニャ~」
と猫の泣き声が聞こえてきた。
「!」
「お先にー」
「お疲れ様です」
職員室で一足先に帰宅する同僚とそんな挨拶を交わしていたマチルダに、
「ミス・サウスゴータ、よろしかったら夕食をご一緒しませんか?」
とコルベールが声をかけてきた。
「あ、いいですよ。もう終わりますから」
するとその時、
「ミス・サウスゴーターっ!」
叫び声を上げてルイズが職員室に入ってきた。
「ミス・ヴァリエール!?」
「どうしたのですか、いったい!?」
「ニアが木から降りられなくなって……、リンが……!!」
「お疲れ様です」
職員室で一足先に帰宅する同僚とそんな挨拶を交わしていたマチルダに、
「ミス・サウスゴータ、よろしかったら夕食をご一緒しませんか?」
とコルベールが声をかけてきた。
「あ、いいですよ。もう終わりますから」
するとその時、
「ミス・サウスゴーターっ!」
叫び声を上げてルイズが職員室に入ってきた。
「ミス・ヴァリエール!?」
「どうしたのですか、いったい!?」
「ニアが木から降りられなくなって……、リンが……!!」
「リンちゃーん、行っちゃ駄目ー!!」
細い枝の先で動けなくなっているニア目指し枝の上を進んでいくりんを見上げて、キュルケは涙ながらに絶叫した。
「ミス・ココノエ!?」
「梯子を取ってきます!」
そう言ってコルベールが駆け出している間にもりんは前進し、彼女達の体重を支える枝が細くなっていく。
「危ない、ミス・ココノエ! 動かないで!!」
マチルダが必死で上げた声にりんは首を振り、
「だって! 可哀想なんだもん、この子。今までずっといじめられて……。助けてあげなきゃ。優しい人間もいるんだって!!」
そう言いつつ、威嚇されていてもかまわずニアに手を伸ばすりん。
「おいで、ニア。大丈夫、おいで」
そしてりんがニアを抱きかかえた瞬間、鈍い音を立て1人と1匹が乗っていた枝が折れた。
「!!」
「ミス・ココノエ!!」
慌てて落下点に駆け寄ったマチルダの頭部に、りん・ニアが直撃した。
「ニャ~……」
ニアの声でりんは我に返り、気絶しているマチルダの顔を心配そうに覗き込む。
「……せんせー?」
そっと声をかけたものの、マチルダはぴくりとも反応しない。
「動かしてはいけません! 頭を打ったかもしれません」
「医者を!!」
「せんせー!」
そんな声を遠くに聞きつつマチルダは、
(――ミス・ココノエ……。彼女……、猫みたいですね。鈴が付いててしっぽが2本。――ああ、そうですか。もしかして……、人を信じられなくなっているのは……)
そんな事をぼんやり考えていた。
細い枝の先で動けなくなっているニア目指し枝の上を進んでいくりんを見上げて、キュルケは涙ながらに絶叫した。
「ミス・ココノエ!?」
「梯子を取ってきます!」
そう言ってコルベールが駆け出している間にもりんは前進し、彼女達の体重を支える枝が細くなっていく。
「危ない、ミス・ココノエ! 動かないで!!」
マチルダが必死で上げた声にりんは首を振り、
「だって! 可哀想なんだもん、この子。今までずっといじめられて……。助けてあげなきゃ。優しい人間もいるんだって!!」
そう言いつつ、威嚇されていてもかまわずニアに手を伸ばすりん。
「おいで、ニア。大丈夫、おいで」
そしてりんがニアを抱きかかえた瞬間、鈍い音を立て1人と1匹が乗っていた枝が折れた。
「!!」
「ミス・ココノエ!!」
慌てて落下点に駆け寄ったマチルダの頭部に、りん・ニアが直撃した。
「ニャ~……」
ニアの声でりんは我に返り、気絶しているマチルダの顔を心配そうに覗き込む。
「……せんせー?」
そっと声をかけたものの、マチルダはぴくりとも反応しない。
「動かしてはいけません! 頭を打ったかもしれません」
「医者を!!」
「せんせー!」
そんな声を遠くに聞きつつマチルダは、
(――ミス・ココノエ……。彼女……、猫みたいですね。鈴が付いててしっぽが2本。――ああ、そうですか。もしかして……、人を信じられなくなっているのは……)
そんな事をぼんやり考えていた。
翌日。
「皆さーん、そろそろ鐘が鳴りますよ。教室に入ってくださーい」
廊下の窓から中庭にいるりん達を見下ろし、マチルダはそう声をかけた。
『はあーい♪』
ニアを中心にしてベンチに座っていた3人は、そう返事して校舎内に戻っていった。
するとコルベールが心配そうな表情で問いかけてくる。
「ミス・サウスゴータ、頭はもう大丈夫ですか?」
「ええもう。軽い脳震盪でしたし。……ただ、あの時の記憶がぼんやりしていて、思い出せないのですよね」
「ほう?」
興味深げな視線を向けるコルベールをよそに、マチルダは欠落した記憶を取り戻そうと視線を虚空に向け考えていた。
(何か大切な事を思いついたような気が……。何でしたでしょう……)
「皆さーん、そろそろ鐘が鳴りますよ。教室に入ってくださーい」
廊下の窓から中庭にいるりん達を見下ろし、マチルダはそう声をかけた。
『はあーい♪』
ニアを中心にしてベンチに座っていた3人は、そう返事して校舎内に戻っていった。
するとコルベールが心配そうな表情で問いかけてくる。
「ミス・サウスゴータ、頭はもう大丈夫ですか?」
「ええもう。軽い脳震盪でしたし。……ただ、あの時の記憶がぼんやりしていて、思い出せないのですよね」
「ほう?」
興味深げな視線を向けるコルベールをよそに、マチルダは欠落した記憶を取り戻そうと視線を虚空に向け考えていた。
(何か大切な事を思いついたような気が……。何でしたでしょう……)
「ねー、見て見て。ほら、今日いちごパンツ♪」
「あ、ほんと。可愛い」
(ミス・ココノエ……、2度も同じ手は食いませんよ)
そんなりん・ルイズの会話をスルーするマチルダだったが、彼女の背後ではりんが大胆にスカートをまくし上げ、下着をルイズ・キュルケに見せていたのだった。
「あ、ほんと。可愛い」
(ミス・ココノエ……、2度も同じ手は食いませんよ)
そんなりん・ルイズの会話をスルーするマチルダだったが、彼女の背後ではりんが大胆にスカートをまくし上げ、下着をルイズ・キュルケに見せていたのだった。