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ゼロと魔王-12

ゼロと魔王 第12話 ガリア王ジョゼフ



ルイズは朝早くに目を覚ましていた。
それと言うのも、今日はアルビオンに出立する日であり、それは朝早くに出なければいけないからである。

「さて、ラハールを起こすかしら。昨日なかなか帰ってこなかったけど、さすがに帰ってるでしょう」

そう思い、ラハールがいつも寝ている棺桶を開けてみると、たしかに寝ていた・・・もっとも、それは六角帽子をかぶった子供であったが・・・

「え?ど、どういう事・・・?」
「う~寒い・・・」
「あ、ごめんなさい・・・じゃない!あなた誰よ!?」
「ん~?誰あなた?」
「それはこっちのセリフよ!ラハールの代わりになんであんたが入ってるのよ!?」
「ラハールちゃんを知ってるの?それならラハールちゃんから伝言があるって」
「え?」

どうやら、色々話を聞いてみると、この子はラハールの従妹でシャスと言うらしい。
なぜこんな所に来たのかと聞くと、知らないと答えた。
だが、そのこと自体は問題ない・・・いや、結構あるがそんなのはどうでもいい・・・問題はラハールがガリアに行ったと言うのだ。

「ちょっと!?それってどういう事!?」
「ん~っとね、なんかジョゼフ?とか言う人に喧嘩を売られたから買いに行くんだって」
「ジョゼフ?・・・ジョゼフってまさか・・・!?ガリア王の事!?」
「知らないけど、ラハールちゃんはそこに行くからお前はお前で先に行ってろだって」
「え・・・?何それ・・・冗談じゃないわよ・・・」

ルイズは途方に暮れる、それもそうだろう、ハッキリ言ってこの任務はラハールがいなければ誰が身を守ると言うのかと言う話である。
まず間違いなく、どこかで山賊や空賊に襲われれば終わりである。

「そうだ!?あなたもしかして強いの!?」

仮にも魔王であるラハールの従妹である。
それなりの力を持っており、それでこの子を私に預けたのかもしれないと考えた。

「ん?知らない。戦った事ないし」

ラハールとしては、単純にシャスがいると面倒な事になるだろうからルイズに預けただけで、その辺を全然考えていなかった。

「嘘でしょ・・・」



ルイズは絶望感を感じながら学院を出ようとする。
ちなみに、シャスと言う子供も一緒である。
なぜ一緒に行くのかと聞くと、ラハールについて行けと言われているらしい。
だが、いざ学院から出ようとしたら、出口のところに人影が見える。
一体誰だろうかと思っていると、それは自分の婚約者である子爵のワルドだった。

「し、子爵様!?なぜこのような所に!?」
「シッ!そんな大声を出してしまったら、皆が起きてきてしまうよ。僕のルイズ」

ルイズは色々な気持ちがごちゃごちゃになり、少しの間固まったがなんとか現実に戻る事ができた。

「子爵様、このような朝早くに一体・・・」
「簡単な話さ、私は君の護衛を姫殿下から仰せつかったのさ。あと、そんな堅い言い方はよしてくれ、君と僕の関係じゃないか」

その言葉に少し頬を朱に染める。
ワルドは自分の許嫁で、小さいころからもよく助けられており、憧れの人なのである。
だが、離れた時間が長すぎたためか、好きかどうかを聞かれると疑問である。
恥ずかしがっている内に、ワルドが話しかけてくる。

「君はいつになっても可愛らしいね。しかし、君が連れている子供は君が召喚した使い魔かい?聞いた話だと少年だと・・・」
「そ、それが・・・」

色々悩んだ挙句、ワルドに事の顛末を話した。
シャスの事、そしてラハールがガリアの王に喧嘩を吹っ掛けに行った事。
話を聞き終わったワルドは、心底驚いたようにしている。

「・・・・それは本当かい?しかし、それだと下手をすれば国際問題ではないか」
「えぇ、ですが止めに行くにもおそらく間に合わない上に、何より姫様の任務もあります」
「私のグリフォンで追えば間に合うかもしれんが・・・それをしてアルビオン王家が先に潰れてしまっては問題だからな・・・」

2人は少し考えたが、ラハールには何か目的があったように、こちらにはこちらの目的がある以上ラハール達は放っておくしかないと言う結論に至った。
考えている時に、ワルドが何か言った気がしたが、よく聞き取れなかった。



一方時間と場所を飛ばし、その当の本人達はと言うと、タバサの風竜の背中に乗ってタバサの母親がいると言う領地に向かっていた。
なんでも、タバサの話では、何をどうするかは知らないが、ジョゼフは間違いなく母親を殺しに行くと言うので、先に助けておきたいとの事である。
言い方は悪いが、母親の事を餌に連れてきたようなものなので、それについて反論は出来ないし、ラハール自身それについて何か言う気はサラサラなかった。

「しかし、異世界に来てみてすぐにこれか・・・まあ、ラハールがいるから僕としてはどうでもいいけどね」

オゾンがそんな風に愚痴るが、ラハールがいればどうでもいいと言うのは本気らしい。
それに対して、ラハールはしかめっ面をするが、そんなのは関係ないとオゾンはラハールに引っ付こうとする。
そうこうしている内に目的地の近くに着いたのか、風竜で地上に降り、ここからは歩いていく事になる。



半刻ぐらい歩いてようやく、屋敷の近くに来た。
だが、そこには何十・・・いや、下手をしたら百はいるのではないかと思うぐらいの兵が屋敷の周りを警備していた。

「あらら、相手も手の速い事だね。たった一晩で屋敷にこれだけの兵を集めたのか」
「あの女が報告したにしては速すぎる・・・だから、どこかで見てたのかも・・・」
「ふ~ん、まあどうでもいいけど、どうするラハール?」
「決まっておろう・・・正面突破だ!!」

ラハールは、適当に集まって周辺を警護していた兵士に向かって【メガファイア】の魔法を投げつけ、盛大に爆発させる。
ほどなくして、その爆発を聞きつけ、他の兵士たちもここに集まってくるだろう。

「おぉおぉ、派手だねぇ相棒。だがそんな考え嫌いじゃないぜ」
「お前もよく分かっているではないかデルフ。それよりおい、タバサ!ここはオレ様たちがやっておいてやる!先に行っていろ!!」

タバサは一瞬考えたが、ここはラハール達にまかせて自分は先に行くことにした。
タバサが屋敷の方に姿を消し、爆発を聞きつけた兵士たちが集まってきた。

「オゾン!さっさと片付けるぞ!!」
「任せてよラハール!!ラハールのために僕頑張っちゃうよ~!!

力を制限されているとはいえ、今のラハールでもただの兵士やメイジ程度なら束になって掛かってきても勝てるだろう。
だが今回はそれに加えて、フロンと同等の力を持っているオゾンが加わっている。
負けることはそれこそないだろう。
そこには、一方的にやられる兵士達がいるだけだった・・・



後ろの方で轟音を聴きながらタバサは玄関を抜ける。

「やはりだ、ここに真っ先に来たのは我が姪ではないか!」

するとそこには、自分の父親を謀殺し、自分の母親の心を壊した張本人であるガリア王ジョゼフがいた。
その隣にはシェフィールドがいるが怒りでどうでもよくなっている。

「これはこれは・・・賭けは私の負けでしたわね。ここには真っ先に魔王が来るかと思ったのですが」
「今まであの魔王の何を見て来ていた?この局面では真っ先に自分が囮になるであろう」
「物語の魔王とは身なりや話まで違うのですね。まさかこんなに人間臭いのが魔王だなんて」
「言うな、その事については私もがっかりだ。だが、もっと興味がわいたのも事実だ。人間臭い魔王?実に結構!ありきたりでは面白くない!そうとは思わないか?」

タバサの事などすでにどうでもいいとばかりに、ラハールの事を話しているこの二人にタバサの怒りは頂点に達していた。
こいつは、散々こっちをもてあそぶだけ弄んだのだ、それなのにもう殺すつもりもないとばかりに別の事に熱を上げている。
そんなものは納得など出来るはずもなければ、理解するつもりもない。

「ふざけないで・・・!」

そう言うと、体から今までではありえない程の魔力があふれだす。
その怒りでトライアングルメイジだったタバサは、スクウェアメイジの位になる事が出来たのは、なんとも皮肉な話である。

「ほう、怒りでスクウェアクラスになったか・・・なんだやればできるではないか、ただの小娘と思っておったがなかなか楽しませてくれる。それで、私をどうしてくれるのだ?」
「殺す!」
「私を殺す?なるほど、いいだろう。外の魔王が来るまで暇だと思っていたところだ、少し相手をしてやろう。あまり速くに倒れてくれるなよ?」
「【ジャベリン】!!!!!!!!」

今までの【ジャベリン】とは比べ物にならない程の威力とスピードでジョゼフに向かって飛来する。
ガリア王ジョゼフは、メイジではあるが、ルイズと同じく魔法はまったくと言うほど出来ないと聞く、これを防ぐすべはないだろう。
実際、ジョゼフではジャベリンを防ぐことは不可能で、シェフィールドも防ぐことは不可能。

これで終わったと思ったが、いきなりジョゼフがその場から消え、タバサの放った【ジャベリン】は屋敷の屋根だけを貫いていた。
何が起こったのかが全く分からないタバサは硬直をするが、後ろで声がして急いで振り向く。

「なかなかの威力だが・・・・当たらなければ意味がないぞ?」
「!?」

消えたと思ったジョゼフが後ろに立っていた。
【ウィンディ・アイシクル】の魔法を即座に放つが、結果は同じで、ジョゼフはその場から消え、今度は真正面に現れ、いつのまにか持っていたナイフを振り下ろして来る。
ナイフを避けようとするが、少し抉られる。
だが致命傷ではない、すぐに【エア・ニードル】の魔法で突き刺そうとするが当たらない。その後も魔法で攻撃を繰り出すが一向にジョゼフには当たらない。
タバサの魔力が限界に近づいてきたところで、ジョゼフがこう言ってくる。

「頑張るではないか、正直私はお前を舐めていたよ。いや、実に愉快だ。だが、それだけだ、興味が持てん。終わりにしてやろう、何、お前の母親もすぐに後を追わせてやる」

身構えようとした所で、自分の体が痺れて体がいう事が利かない。
どうやら、ナイフに痺れ薬でも塗られていたのだろう。
眼も霞んできたと言う事は毒も塗られている可能性が高い。
そんな事を考えていると、ジョゼフの姿が消える。
これで終わりかと思ったが、自分の後ろでガキィンと甲高い音が鳴った。
動かない体を無理やり動かして後ろを見ると、ラハールがデルフリンガーとは別の剣でジョゼフのナイフを受け止めていた。

「あぁ、あなたは素晴らしい。掛け値なしに素晴らしい!!これは実にいいタイミングだ。あなたは魔王ではなく正義のヒーローか何かか?」
「馬鹿を言うな、オレ様は正真正銘の魔王だ」
「そうでなくては面白くない!しかし、まさか私の加速の魔法以上のスピードで動くとは」

ラハールは、屋敷をぶち抜いた氷の槍を見て。
何かよくない予感がし、今まで虚空に消していたエクスカリバーを取り出し、残っている敵をオゾンに任せて自分だけ来たのだ。
【ガンダールヴ】のルーンとエクスカリバーの本当の力のおかげで、なんとか全盛期の半分ぐらいの力は出せると言ったところだ。
それでもこの世界では敵なしの強さを有しているのだが・・・・

「よく分からんが、勝手に盛り上がるな気持ち悪い!」

ジョゼフのナイフを弾き飛ばし、斬りかかるが、加速の魔法とやらのせいか避けられる。

「チッ・・・なんだあの魔法は」
「この魔法ですかな?簡単です、これが虚無の魔法という奴ですよ」
「虚無だ~?」
「えぇ、これが第0系統の魔法虚無・・・まあ、あなたの全力に比べれば遠く及びませんがね」
「そう言えばそこの女が、オレ様の事を虚無の担い手の使い魔とか言っておったな」
「えぇ、あなたの主も虚無の担い手の一人です。まあ、今は虚無の魔法を一つとして使う事が出来ないでしょうがね」
「それで、オレ様がその虚無の使い魔とやらだからオレ様に喧嘩を吹っ掛けたのか?」
「いえいえ、私にとって虚無だのなんだのはどうでもいいのですよ。ただ私は飽いている、たったそれだけの事ですよ。そんな時にあなたを見つけた時には心踊ったものですよ」
「あぁ?意味わからんことを言うな!」
「意味が分からんでしょうが、これは簡単な事なのですよ・・・まあ、今回はこのぐらいにしておきましょう。ここで色々を終わらせるのは簡単ですが、それでは面白くない」
「言っておくが逃がす気は毛頭ないぞ?貴様にはきっちり落とし前をつけてもらう」
「おぉ怖い怖い・・・ですが、いいのですかな?そっちの小娘を放っておけばあと数分もすれば死にますぞ?ここで私に構っている暇はあるのですかな?」

チラリとタバサを見ると、息もたえだと言った感じで、ジョゼフの言っている事もあながち嘘ではなさそうだ。

「まあ、今回はこちらもロクなおもてなしが出来なかったのもあるので、少々サービスをさせていただきましょう」
「サービスだ~?」
「えぇ、まず今回の事はこちらで無かった事にしましょう」
「ほ~そりゃあよかったな相棒、そうしてもらわなかったらオイラ達はたぶんお尋ね者だぜ」

ラハールの背中に背負われている鞘から刀身をのぞかせたデルフが言う。
そんな事は全然考えていなかったラハールは今その事実に気がつく。
そんなラハールに、ジョゼフは薬瓶を投げ渡す。

「なんだこれは?」
「これはそこの小娘の母親の心を直す薬ですよ。さて、サービスはこんなものです。では、今回はこの辺で・・・また会いましょう」

その言葉を残して、ジョゼフは猛スピードでどこかへ消えて行った。
今のラハールならジョゼフのスピードに追い付けるだろうが、タバサの事があり今回は見逃すことにした。
シェフィールドに関してはいつの間にかいなくなっていた。
エクスカリバーを虚空に消し、タバサをオゾンの所に連れて行こうかと思ったが、オゾンも丁度雑魚の掃除が終わったらしく。
こっちに来たので、エスポワールとヒールをタバサにかけさせた。
タバサをオゾンに見せておいて、屋敷の中を探して、ようやく目的の部屋に着く。
タバサの母親の部屋である。
部屋に入ると、実にぐっすりと寝ている女と、こっちを見てびっくりしている執事がいた。執事の方に色々説明し、女に薬を飲ませ外に運ぶ。
外に出ると、タバサがシルフィードを屋敷の前に呼び出していた。
タバサはすぐに母親の元に駆け寄り無事を確認する。
そうこうして、シルフィードで一度魔法学院に戻る事になった。
執事とタバサの母親を魔法学院に置いて行くからだ。
最初ラハール達はこのまま直でアルビオンとやらに行こうとしていたのだが、タバサも一緒に連れて行ってくれと言ったのだ。
タバサには別に来なくていいと言ったのだが、アルビオンへどうやって行くのか分かるのかと聞かれて何も言えなくなった。
シルフィードの背中で移動している時にタバサが話しかけてきた。

「今日はありがとう」
「悪魔にありがとうなどと言うな気持ち悪い」
「うん・・・・」
「ところでタバs」
「シャルロット」
「ん?なんだそれは?」
「私の本当の名前」
「そうなのか?しかし、それだからなんだと言うのだ?」
「あなたには本当の名前で呼んでほしい」
「・・・・?別にそれは構わんが?」

ラハールには、女心という奴が全くと言っていいほどわかってないのか、これと言って何か感じたわけではない。
だが、それでもシャルロットの方はいいらしく、気にした様子もない。

「あと、これからはあなたの役にたたせてほしい。今日は色々助けられたから」
「それは別に構わんが、オレ様の家来になると言う事か?」
「そういう事でもいい、だからこれからは、どこか行く時私も連れて行って」
「・・・・フン、勝手にしろ」
「うん・・・」

その話を最初から最後まで聴いていたオゾンだが、そのままでは自分が面白くない。
なので、ラハールの背中にいきなりくっ付きこう言う。

「ラハール、僕頑張ったろ?だからご褒美頂戴!」
「えぇい!いいからとりあえず離れろうっとしい!」
「別にいいだろ?」
「わかったわかった、何がほしいんだ?」
「もう!ラハールッたら女の子にそんな事言わせる気」
「何を頼もうとした!?」
「それはもう・・・」
「やっぱり言わなくていい、それより離れろ暑苦しい」
「えぇ~これぐらいいいだろ?」

そんな事をしていると、ラハールの顔面すれすれに氷の矢が掠る。

「ちょ!?おいシャルロット!?何を・・・!?」

そこからは、魔法が飛び交うわ、オゾンは引っ付いてくるわでめちゃくちゃだった。
最終的にはシルフィードがやめてくれと懇願してようやく収まった。
だが、その騒ぎの中では確かに心を閉ざしていたはずの少女の笑顔があった。




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