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ぜろ☆すた ポケットきゃらくた~ず-03


『おじゃましまーす』
 ケバキーア街に行った次の日、こなた達4人とカトレア・ギーシュ・マリコルヌはタバサの家を訪問した。
「ありがとう、タバサちゃん。協力してくれて~」
「……うん……いや……力になれるかわからないけど……」
 そう言いつつ一同を招き入れたタバサに、ロングビルはカトレアが肩から下げている鞄から顔を出して、
「ええと……、私達出て大丈夫でしょうか……。今日お家の方は……」
 と問いかけた。
「……今日はみんな出かけてるから大丈夫……」
「そっか、なら安心ね……。じゃあ早速話し合いをしようと思うんだけど、とりあえず……」
 テーブル上でそうタバサに声をかけたルイズは周囲を見回し、
「あの3人は何しに来たか全然分かってないわね……」
「おおおっ、何という特典映像!!」
「流石コナタ、わかってるな♪」
「マルコメ、GJ!」
 と持参したアニメを再生している遠見の鏡にかじりついているこなた・マリコルヌ・ギーシュに、呆れた視線を向けた。

「えっと、そんな訳で……、小さくなった理由は私達でもわからない訳なのよね……」
 コルクの蓋に座ったルイズの説明に、かすかに表情を曇らせたカトレア。だが、
「おおー、このシーン修正されてる!?」
「あの地域だけの放送バージョンだな!」
「ファン心をわかってるね~♪」
 重くなった雰囲気をぶち壊すように歓声を上げたこなた・ギーシュ・マリコルヌに、思わず顔を引きつらせる。
「ちょっとあんたらねえ……。せっかく来てるんなら真面目に考えなさいよ!」
「ん? 考えるって何を?」
 ルイズからの指摘に、ギーシュの頭部に座っていたこなたが振り返った。
「は? そりゃ元の大きさに戻る方法でしょ」
「ん~、つまりルイズは小さいのが嫌だと?」
「当たり前でしょ! てゆーか、あんた昨日ミス・ロングビルを戻すって言ってたじゃない」
「いや~、そうなんだけどね~」
 そこまで言って、こなたはタバサにちらりと視線を向ける。
「………」
 タバサはこなたに訝しげな視線を返したが、
「『大きくなる方法』があったら、既に試してる……。そんな結論が出ちゃってねえ」
 こなたのそんな発言に胸を押さえてぴくりと反応するのだった。
「まったく……、コナタ達はここへ何しに来たのよ……」
 呆れた表情のルイズの傍らではカトレアがタバサに尋ねている。
「どうしたの?」
「……な……何でもない……」
「ルイズ、見て見て~」
「ん?」
 突然聞こえてきたキュルケの声にルイズが視線を向けると、
「シルフィードがね~、こんなに大きいの~♪」
 とキュルケがシルフィードの背中に乗って満面の笑顔になっていた。
「あれはあれで何しに来たんだか……」
「ミス・ツェルプシュトー、楽しそうですね」
 するとギーシュが何かを思いついたようにルイズの方に振り返る。
「あっ、あのさ、僕思ったんだけど、ルイズの家なら教会にも顔が聞くんだろ?」
「あ~、うん、たぶんそうだけど……」
「お祓いで何とかならないか?」
「そんな都合のいい話聞いた事無いって……」
 ルイズが呆れた視線を向けるとこなたも、
「そうそう、神頼みで大きくなるならもう試してるよね♪」
 こなたの言葉にタバサは再度ぴくりと反応し、
「あんたには罰が当たってほしいわ……」
 とルイズが今度はこなたに呆れた視線を向けた。
「一応わからない中でも言える事は……、事が起こるには必ずきっかけが存在する訳でして。一昨日の晩、私達は共に過ごし共に小さくなっています。という事は、4人に共通する何かがあるはずです。ミス・ヴァリエールの家で目覚めた時にはもう小さくなっていましたけれど、眠ったのはほぼ同時。つまりおそらく眠る前に4人がしていた事や起きた事の中にポイントがあるはずです。それを突き止めれば、解決策も見えてくると思います」
「う~ん……。でもあの時、特に変わった事なんて何もしてませんよ?」
 少々考えていたルイズだったが、特に心当たりは思いつかなかった。
「そうなると、やはり部屋主に異変があったか聞くのがいいのですが……」
「部屋主……」
 そう呟いたルイズの背後では、部屋主・こなたがコルクの蓋に乗って楽しげに滑っていた。
 即座にルイズは蓋を取り上げ頭上に振り上げる。
「あんた何してるの……?」
「カ……、カーリングを少々……」
「いっぺん死んでみる……?」
「コルクの蓋はよく滑る……」
 ルイズの堪忍袋の緒が切れた。海ほど広くないルイズの心はここらが我慢の限界だった。
「コナタ! あんたさっきからうろちょろして! もっと真剣に考えなさいよ! ケバキーア街でもあんたが勝手な行動するから面倒な事になったんじゃない! もし発見したのが知り合いじゃなかったら、私達今ここにいないかもしれないのわかってるの!?」
 ルイズに強い口調で叱責されしばらく呆然と彼女を眺めていたこなただったが、
「あ、名シーン」
 と遠見の鏡に視線を向けた。
 怒りに震えるルイズにマリコルヌが、
「まあまあルイズ、僕にナイスアイディアが♪」
 と声をかけ、
「コナタコナタ♪」
 次にそうこなたを呼び寄せた。
「ん?」
 1分後、こなたの姿は瓶の中にあった。
「……マルコメ……、これは何かな?」
「瓶だね♪ ミニミニコナタの自由を奪うには最適なアイテムだな。この中で少しおとなしくしてなよ♪」
 そう言いつつマリコルヌは瓶の蓋をしっかり締める。
「ちょ、マルコメ、裏切り者! っていうか空気穴! 空気穴が無いって、マルコメーっ!!」
「マリコルヌ結構やるわね」

「で、本当に何も気付いた事は無いのね? 部屋主!」
「ありませんよ~♪ これーっぽっちも~」
 改めて尋ねたルイズに、こなたは親指・人差し指で小さな隙間を作って答えた。
 彼女の頭上では、マリコルヌが金槌・錐で蓋に空気穴を開けている。
「……そう、コナタがわからないんじゃあね……」
「私も時々見てますけど、特には……」
 そう言ったカトレアの様子をしばらく見ていたタバサだったが、
「……あ……あの……何か私……ごめんなさい……」
 と申し訳無さそうに言った。
「え?」
「……協力するって言ったのに……何も思いつかなくて……」
「そんな事無いですよ、ミス・タバサ」
「そうよ。一緒に考えてくれてるだけでも十分有難いものよ」
 タバサの言葉をロングビル・ルイズが否定するとカトレアも、
「そうだよ、タバサちゃん! タバサちゃんは凄く良くしてくれてるよ!! タバサちゃんは自分から手伝ってくれてるし、話し合う場所も用意してくれたし、そ、それに、それに……、昨日私が具合悪かった時に見つけてくれたの……凄く嬉しかった。タバサちゃんは、もうたくさん助けになってくれてるんだよ」
「ミス・カトレア……」
 見つめ合い2人の世界に浸っているカトレア・タバサの周囲がまるできらめいているかのように、ルイズ・ロングビルには見えた。
(あ、あれ、何か真面目そうに見えて話は全然進んでないように見えるんだけど……。あれ?)
 その時、ルイズはキュルケが今まで沈黙していた事に気付く。
「……あ。ねえキュルケ、あんたさっきから何も言ってないけど……、何か気付いた事とかあったら言ってよ? ……キュルケ?」
 しかしそう言って視線を向けた先に、キュルケの姿は無かった。
「えっと……、キュルケは?」
「あれ? さっきまでそこで寝てたけど……。シルフィードもいないな」
「コナタ、知らない?」
「うんにゃ。いいんじゃないの、少しくらいどっか行ってても」
「そうはいかないわよ。この姿じゃ普段普通な事が結構危険なんだから」
 ルイズ・こなたのやり取りにロングビルも、不安げな表情になる。
「心配ですね……」
「うーん」
「シルフィードちゃんも一緒なら安心じゃないかな?」
「……シルフィードはおとなしくてい子だから……たぶん……大丈……」
 そう言いかけてタバサはギーシュの、
(え? おとなしい? 僕結構襲われてるよ……? 左手とか左手以上とか……)
 とでも言いたげな視線に言葉を止めた。
「とにかくミス・ツェルプシュトーを探しましょうか」
「そ、そうね。悪いんだけど私達も連れてってもらえる?」
「……あ……はい……」
「僕もちょっと手伝うよ」
「シルフィードを見つければいいんだな?」
「心当たりの場所とかはあるのですか?」
「……よくいる場所なら幾つか……」
 と言って一行は部屋から出ていった。
 1人瓶の中に残されたこなたは、
「何かわかんないけど出てっちゃった。キュルケには悪いけど、チャンスだね。さ~、ちょっと遠見の鏡遠いけど、これでゆっくりアニメが見られ……」
 と言いかけて遠見の鏡の方に向き直り、ラベルが鏡の方に向けられている事に気付いて愕然とする。
「どわーっ! ラ、ラベルが鏡の方に!? これじゃ見られないじゃん!! ひょっとしてマルコメ、わかってやってる!?」

(……あれ? 頭が……。なんか頭が引っ張られてる感じがする~)
 そんな事を考えつつキュルケは目を覚ました。
 すると周囲に広がる庭の風景が上下逆転している事に気付いて声を上げる。
「はうっ!? わっ、シルフィード、ここって……え、外? えっと……、どこ行くの……? みんなは?」
 そう問いかけたもののまったく反応を返さず、シルフィードはキュルケをくわえたまま庭を行く。
「……はう~、どこに行くんだろ~……きゃうっ!?」
 目に涙を溜めつつ呟いていたところ、突然シルフィードに放されて落下した。
「はうう……、頭打った~……。ここは?」
 頭を押さえてうずくまっていたキュルケが顔を上げた途端、目の前に巨大なアリが出現した。
「きゃああああ!!」
 悲鳴を上げて跳び退くキュルケの目の前で、アリはシルフィードに踏み潰された。
「あああ、ありがとう、シルフィード。っていうか、ここどこなのかなあ……?」
 その言葉が届いたのか上を見上げたシルフィードに倣い、キュルケもそちらに視線を向ける。
 そこには彼女の身長の数倍の丈がある花が一面に伸びていた。
「わっ、わーっ、凄~いっ! お花畑だ~!! タバサの家ってこんなに広いお花畑があるんだ~。……! あ……、これって凄く広いように見えるけど……、実は普通の花壇でお花畑に見えるのはあたしの体が小さいからなのかな……? ……でも、凄く……綺麗♪ ありがとう、シルフィード。こんないいもの見せてくれて。せっかくだからみんなにも見てもらおうよ♪」
 そう言って振り返ったキュルケの視線の先では、シルフィードが何やら穴を掘っていた。
「? シルフィー……ド? え? あの……、え? え?」
 そしてシルフィードはおもむろにキュルケに接近し、口を大きく開け……。

「どっ、どうしたの、キュルケ!?」
 しばらく後、居間に服が土まみれになったキュルケが運び込まれてきた。
「ねえ、キュルケってどこにいたの?」
「タバサちゃんが……」
「……シルフィードが凄く気に入ったみたいで……花壇に首だけ出した状態で埋められてて……」
(風竜の習性か!)
「小さくなったのが少し嬉しかったのに酷いよ~」
「顔以外が泥だらけだ……」
「じゃあ着替えが必要だね」
 泣き声を上げるキュルケの姿を見てそう言ったギーシュ・マリコルヌだったが、
「でも、今私達が着られる服は……」
「あ、そっか……」
「小さくなった服もそれしか無いんですよね……」
「そうね……」
 そんな会話をしているロングビル・カトレア・ルイズの傍に寄ってきたギーシュは視線をテーブルに合わせ、
「わー、眼鏡も小さいなー」
「ええ、不思議ですよね」
「見てもいいですか?」
 と尋ねた後ロングビルから眼鏡を受け取った。
 するとそこにこなたが、
「体小さいと逆に字が大きくなるから、そのままでいいんじゃない?」
「うふふ、そうかもしれませんね。確かに周りの物全てが大きくなる訳ですから、これだと眼鏡無しでも字が読めますね」
 笑みを浮かべて瓶に貼られたラベルを眺めていたロングビルだったが、突然何かを感じて目を見開いた。
 次の瞬間、白煙と共にロングビルの体は元の大きさに戻った。
『………』
 しばらく呆然とロングビルを眺めていた一同だったが、
「……は、はあああ!? ミス・ロングビル、何で元に戻ったんですかー!?」
「え? あ、あら?」
 あまりの出来事にルイズは絶叫し、ロングビルも狼狽のあまり呆然とする以外不可能だった。
「あ……、め、眼鏡も……」
「わ……」
 するとギーシュも、自分が手にしている眼鏡も元の大きさに戻っている事に気付いて口をぽかんと開けた。
「あ、あの、どうやって元に戻ったのですか!?」
「あ……、え……、えっと……」
 しばらく口ごもっていたロングビルが出した言葉は……、
「さあ?」
 その言葉に一同の後頭部に大粒の汗が浮かんだ。
 一方こなたはロングビルが元に戻った時に瓶ごと弾き飛ばされ、床の上でひっくり返っていたのだった……。


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