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デュープリズムゼロ-01

第一話『デュープリズムゼロ』


「あ~・・・もうっ!!折角ここまで来たのに何なのよ、結局ここには遺産の『遺』の字も無いじゃ無い!!あの情報屋いい加減な事言って、街に戻ったらボコボコにしてやるんだから!」

憤りを隠す事も無く、吠える様に叫んだミントが遺跡の古びた祭壇の上で地団駄を踏む。その度に朽ちかけた天上からはパラパラと風化した砂等が零れ落ちた…

「ハハハッ、まぁまぁ落ち着きたまえ、残念だが仕方ないよミント君。宝探しなんてそんなものさ。さて、それじゃあみんなも心配してるだろうからそろそろ外に戻るとしようか。」
「クラウスさんの言う通りだよミント、それにもしかしたらベルやデューク達の方で何か新しい情報を掴んでるかも知れないよ?」
お人好しな考古学者クラウスと最大最強のエイオン、ヴァレンに作られた人形の少年ルウが苦笑いを浮かべつつも馴れた様子で不機嫌きわまりないミントを嗜める。

「ハァ・・・あんたは良いわよねルウ・・・デュープリズムの力でクレアさんは生き返ったわけだしさ。・・・・・結局あたしの夢は・・・願いは・・・」
今回の旅が徒労に終わったショックかその場にへたり込んだミントは溜息をこぼして恨めしげにルウを見た。

「・・・ミント」

「まぁまぁ、ミント君そういう事は言わないで、それにこんな事で遺産探しを諦める君じゃあ無いだろう?さぁ戻ろう。」
言って微笑んだクラウスが一足先に祭壇から離れ、それにルウが追従していく。




今は滅び去ったかつて古き時代に栄えた太古の魔法使いエイオン、その力は空を割り、天の星々さえも動かしたと言われる程である。そのエイオン達が残した万能の魔宝は『遺産』と呼ばれその莫大な力を手に入れた者はどんな願いさえも叶える事が出来ると言われる。

その遺産を求め以前ルウとミントはそれぞれの目的を果たす為にカローナの街で出会い、共に冒険をした。クラウスともその街で出会ったのである。
因縁と策謀が入り乱れ右位曲折を経ながらもその旅の結果、最大最強のエイオンであるヴァレンの遺産『デュープリズム』はヴァレンの聖域と共に世界から消失し、結果ルウは最愛の人クレアを救う事に成功した。

…が、ミントだけは結局後一歩という所で遺産の力を手にする事が出来なかった。



ルウが未だにミントに付き合って遺産を探すのもその辺りの負い目があったからだ。



「とにかく!いつまでもこんな所でグダグダしてらんないわ。早いとこ何としてでも遺産をゲットして!!そんでもって!!「ミントッ!!後ろ!!」・・・へっ?」

立ち上がり、決意を新たに気を取り直してガッツポーズをとっていたミントにルウが突然注意を喚起する様に叫ぶ。
振り返ったミントの足下の祭壇からの突然の発光。

「なぬっ!?」

そこから発せられた光はあっという間に大きな銀色に輝く鏡の様な物を形作ると突然の事に驚いて体を強張らせたミントの背後で一際眩く強く輝いた。

「えっ・・・えっ・・・なにっ?なにコレ?」

「くそっ、ミント!!」

何が起きているのか解らない…しかしミントを守る為に咄嗟に走り出すルウ、しかし無慈悲にもまるで吸い込まれるかの如くミントの腕が鏡に飲み込まれ始める・・・

そんな状況で慌ててミントもルウへと必死に手を伸ばす。が、二人のその手が触れるそれよりも僅かに早くより一層強い光を放ったかと思えば鏡の光はついにミントを完全に包み込んだ・・・

「ルウッ!!」

「ミントッ!!。」光の奔流の中で二人は互いの名を強く呼んだ…


「・・・一体何が?」
光が収まった後、眩んだ視界を回復させたルウの視線の先、祭壇の上からミントの姿は既に影も形も無く消え去ってしまっていた。

「うーむ・・・ルウ君、ミント君がどうなったのかは分からない…恐らくは何処かに飛ばされたんだろうけど、あんな現象は見た事も聞いた事も無いからね…とにかく今はすぐにこの状況を他の人たちに伝えよう。マヤ殿下や東天王国の人たち、それにメル達の力も借りなければ!!必ずミント君を助けよう。」
目の前で起きた謎の現象に対する驚愕に呆然としていたルウに対し、クラウスは学者らしく努めて冷静に遺跡の祭壇をもう一度丹念に調べながら呼びかける。

「待っててくれミント。今度は僕が君を助けるよ・・・必ず。」

ルウはミントが消えた祭壇を見つめながら堅く決意を抱いて拳を強く握りしめた。







___ハルキゲニア大陸___トリステイン王国

その中のトリステイン魔法学院の外れの広場では今、生徒達による春の使い魔の召喚、及び契約の儀が行われていた。
この行事は毎年、一年の生徒が二年への進級するために行うものであり、これができなければ進級することができないのだという。
とはいっても普通ならばまず失敗はしないので、使い魔を持つ事による一人前のメイジと成る、その為の通過儀礼のようなものと化していた。
しかしそんな中でも例外が存在する、この召喚の儀式の会場の殆どの生徒、引率教師コルベールの注目はその例外へと現在注がれていた。



「何度失敗すれば気が済むんだよー、ゼロのルイズ!」
「やっぱ、ゼロはゼロでしかないな。」
「るっさいわね!黙ってみてなさいよっ!」

周囲からの嘲りの言葉を、少女――ルイズは、怒気をはらんだ台詞で返す。
しかしその実、内心は焦りで満たされていた。いつもいつも、自分が魔法を唱えれば爆発ばかり。
誰もが簡単に成功させる筈のサモンサーヴァントの魔法も例外では無く、その失敗も既に20の大台にのりそうだ。

「ミス・ヴァリエール、心を落ち着けてもう一度挑戦しなさい。自分の使い魔を心から望み、描くのです。」
生徒達が呆れた様子で遠巻きにルイズを見つめる中、コルベールが穏やかな口調でルイズを諭す様に励ますとルイズも無言ながらまたそれに頷く形で答えた。

(お願いします・・始祖ブリミルよ・・・)
ルイズは祈りを捧げ、再び周囲からのプレッシャーを払う様に堂々たる態度で再び杖を翳して詠唱を始める。
「宇宙の果てにいるわたしのシモベよ。
 神聖で美しく、そして、強力な使い魔よ!
 わたしは心より求め、訴えるわ……
 我が導きに、答えなさい!」

瞬間、勢いよく振ったルイズの杖の先で今までの爆発を大きく凌駕する爆発が起きた。
濛々と立ちこめる土煙、その中で微かに動く影をルイズは見逃さなかった。

(成功したっ!!)

「おぉ、ゼロのルイズが成功したみたいだぞ。」
「でもあの爆発じゃ肝心の使い魔が爆死してたりな。」
「おい、煙が晴れるぞ!!」



そうして砂埃と共に風が吹き抜けた広場の中央、大爆発の爆心地には一人の少女がうつぶせに倒れていた。

スミレ色のハルケギニアでは見られない動きやすさを重視した独特のドレス。
目を引くのはまるで夕日の様に鮮やかな緋色のツインテールの髪。
背中には何か大きな金色のリングが二つ、しっかりと背負ったリュックに固定されている。

「女の・・・子?」

ルイズは地面に倒れたままの女の子としか形容できない自分の使い魔の姿に思わず言葉を失った。
ルイズは魔法が使えない分座学の知識は誰よりも優れている、だからこそ断言できた、古今人間が召喚されるなど聞いた事は無い。

「あいたたた・・・何なのよ一体?何かに引きずり込まれたと思ったら・・・ん?」

ようやくのそのそと体を起こしたミントはそこがさっきまで自分のいた遺跡では無い事に気が付いた。
(何ここ?ていうかこいつら誰?)



「平・・民・・・だと?」
「わははは!傑作だゼロのルイズめ随分手の込んだ事しやがる!!」
「え、ちょっと…マジで?平民って。」

状況を理解したらしい周囲の生徒達から途端にルイズに対する嘲りと嘲笑が始まった。

「ミスタ・コルベール、もう一回やらせてください!!」
ルイズも周囲の人間と同じくミントを平民と思い召喚のやり直しをコルベールへ申請する。

「それはできません、ミス・ヴァリエール、春の使い魔召喚は神聖な儀式だ。
そう簡単にやり直しは認められない、いずれにせよ呼び出されたのは彼女だ、それならば彼女を使い魔にするしかない。」
「でも平民ですよ!!」
語気を荒げながらそう主張するルイズはミントを指さしてコルベールへと切に訴える…

(それにしても同じ恰好した人間がまぁいっぱいいるわね~、何かみんなこっち見てるし・・・多分転送系の魔法のトラップか何かがあの祭壇に仕込まれてたのね。・・・・ハァ、めんどくさ。)
何やら煩いルイズとコルベールのやり取りを視界の端に捉えつつミントは早くも今の自分の状況を確認し始めていた。
実家である東天王国から飛び出して2年以上、各地を冒険してきたミントにとっって見知らぬ土地等むしろ馴れた物である。

「それでもだ、例外は認められない、さあさっさと契約したまえ、君のおかげで次の授業の時間がおしているのだよ。」
「そんな・・」
そうばっさりと言い切られてルイズはがっくり肩を落とすとミントに向き直り契約の為ゆっくりと歩み寄っていった。

(とりあえずここがどこか聞かないとね~。うん?あのこっちに歩いてくる子に聞くとしましょう!)



「ハァ~イ、ねぇあんた悪いんだけどここって一体どこ?教えてくんない?あたしいきなりこんな所にとばされてさー・・・」
ルイズの目の前でミントはいつもの調子で手をフリフリしながら軽い調子で訪ねる。
「(何なのよ・・・こいつ)ここはトリステイン王国魔法学園よ。あんた名前は?」
「なぬっ!?」
ルイズは腕を組んだまま胡散臭そうな者でも見る様な目でミントに答え訪ねた。

「(この高圧的で生意気な態度・・・この子マヤと何となく似てるわね。)トリステイン?聞いた事無い国ね?・・・となると結構遠くまで飛ばされてる可能性が高いか・・・」

「は?あんたトリステインを知らないって一体どんな田舎から来たのよ?」

「ん?まぁ、その辺は良いでしょ。とりあえずは街に行かないとか・・・それじゃああたしは待ってる奴らも居るし帰らないと。んじゃ~ね。」
言うが早いか手を振って走りだすミントの手をルイズは慌てて引き留めた。
「ちょっと待ちなさいよ!このばかぁ!!
我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!!」
「え・・・何?」
そのままの勢いでルイズはここ数日何度も何度も練習していたコントラクトサーヴァントの呪文を素早く唱えるとミントの腕を思い切り引っ張り、自分の唇を半ばぶつける様な勢いでミントの唇へ触れさせた。


ファーストキスはレモンの味…とはよく言ったもの・・・


「い、いいいいいきなり何すんのよ!?・・・この!!」
「キャンッ!!」
慌ててミントはルイズを引きはがして突き飛ばすととそのまま凄まじい勢いで後ずさって唇を袖で拭う。
長い冒険の旅の中でもこんな事をされたのは初めてだ。動揺もする・・・
「あんたそういう趣味の人間?このミント様の唇奪うとは良い度胸じゃない!!」
「勘違いしないでよ、今のは使い魔の契約よ。」
倒れた拍子に打ち付けたおしりをさすりつつルイズは立ち上がるとミントに杖をつきつけた。
「使い魔の契約?・・・・・・・何よそれ。何かすっごい嫌な予感がするわ。」
ミントは明らかにげんなりとした表情でルイズを見る。

「あんたは私が使い魔としてここに召喚したの。今のがその契約の儀式よ、あんたはこれから一生涯私の使い魔になるの・・・平民でしかも女の子ってのは気にはなるけど仕方ないから我慢する事にするわ。」
そう言ってルイズは鼻を不機嫌そうにフンと鳴らしてミントに宣告した…


「ふ・・」

「ふ・・・」


「ふざけた事言ってんじゃないわよっ~!!」


ミント切れる。


「使い魔として呼び出したですって?おたまとか適当にその辺のモンスターを呼べ~!!
大体誰が使い魔になるって言った!!人のファーストキス無理矢理奪っといて・・・・・あんたボコボコにされる覚悟が・・・って痛たたた!!あっつい!!」


猛烈な勢いで地団駄を踏んでいたミントが突然左手に激痛を感じてたまらず地面を転げ回る。見ればミントの左手には見た事も無い文字の様な記号の羅列がボンヤリと光を伴って浮かび上がってきていた。

「何じゃこりゃぁ~!!」
「使い魔のルーンが刻まれてるのよ。使い魔とメイジは一心同体、これからは望む望まずに限らずあなたには使い魔として私の手足になってもらうわ。」
どうやらコントラクトサーヴァントは一度で成功したのだとルイズは内心で安堵しながらも主人らしく胸を張って宣言する。

「ふざけん・・じゃ・・・」
そして立ち上がる事もままならないまま、今にもルイズに掴み掛かろうという様子で一歩前進しながらも、遂にミントは痛みに耐えきれずルイズの足下で気を失った。


「ふぅ・・・どうやらコントラクトサーヴァントにも成功したみたいですね。おめでとう。ミス・ヴァリエール。さぁこれで儀式は完了です。皆さん戻りましょう!!」
「ありがとうございます。ミスタ・コルベール。」

ようやく事態が一段落を迎えたのを確認して先程までのやり取りを見守っていたコルベールが号令を出す。



こうして数奇な運命の巡り合わせによって別世界ハルケギニアにてルイズと出会ってしまったミントはルイズの使い魔としての生活を強いられる事になったのだった…


そして…

薄れる意識の中、ミントはかつてデュープリズムが消え去った際にマヤの言っていた言葉を何故かぼんやりと思い出していた・・・













「どうやらデュープリズムは『異なる次元』へと消失したようですわね。」






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