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Ruina 虚無の物語-07


ヴァリエール家についての説明が終わり、それでも時間が余ったので王都の店を巡る事になった。
学院は刺激が少ない事の他に、遠方から来た自分達に王都を披露したい。
そんな気持ちがありありと伺えた。
途中でルイズに頼み、武器屋へ寄ってもらう事にした。
ネルが見繕ってくれた剣を売却する為である。


裏通りで交差した剣を模した看板がある店を発見した。
寂れた雰囲気こそあるものの扉の作り等はしっかりしており、防犯に気を配っている事が伺える。
「これはこれは、貴族のお嬢様方。うちはまっとうな商売をしてまさぁ。
お上に目をつけられるような真似はしてませんや。」
雑然と武器の置かれているカウンターの向こう側で、パイプをくわえた男が話しかけてきた。
「客よ。」
ルイズの言葉に店の主人は驚いていたようだった。
「何、貴族が客じゃおかしいわけ?」
「い、いえ。樵は斧を振る、傭兵は剣を振る、陛下は手を振る、そして貴族の方は杖を振るというのがワシ等平民の間での相場ってやつでして。」
「ああ、使うのはわたしじゃなくてこっちよ。」
「なるほど、貴族の方々の間では従者に剣を持たせるのが流行っておりますからなぁ。」
「へえ、それは初耳ね。」
背後から、聞き覚えのある声がした。


目が覚めた時には日が高く昇っていた。
特に予定もないので隣人でもからかって遊ぼうと思い扉をノックする。
反応が無い。
しばらくの静寂の後、扉にアンロックをかけて部屋に入るが、人の気配は無い。
どうやら出かけているようだ。
彼女らの行き先は何所かと考え、思い出す。
(たしか、服や寝具を買いに行くという話をしてたわね。
なら行き先はトリスタニアかしら?)
今から行くには時間がかかりそうだと思い、友人を頼る事にする。
友人の部屋の扉の前に立ちノックをするが、反応が無い。
仕方が無いのでアンロックを唱え、部屋に押し入る。
部屋には質素なベッドと机と椅子そして本棚だけが配置されており殺風景だ。
その机に向かい、青い髪の少女――タバサが黙々と本を読んでいる。
その少女に今から出かけるわよと声を掛けようとして、しかし音がしない事に気付く。
サイレントだ。
仕方が無いので本を取り上げ、サイレントを解除させる。
「タバサ、今から出かけるわよ!早く支度してちょうだい!」
本を返して要件を告げる。
「虚無の曜日」
タバサがこれだけで十分と言わんばかりに反論する。
「わかってる。あなたにとって虚無の曜日がどんな日か、あたしは痛いほどよく知ってるわよ。」
「なら…」
「あなた、あのヴァリエールの使い魔達の事気にしてたわよね?
あたしも気になってたから調べようと思ってたんだけど、どうやらあのヴァリエールと一緒にトリスタニアの方へ向かったみたいなの。
多分馬に乗って行ったと思うからあなたの使い魔じゃないと追いつかないの。」
本当はルイズをからかう事も目的なのだが黙っておく。
タバサは少しの間考えこんでから小さく頷いた。
「ありがとう。じゃ、追いかけてくれるのね。」
タバサは再び頷いた後口笛を吹き、窓から躊躇いもなく飛び降りた。
自分もそれに倣い、飛び降りる。
落下感を感じる前に風竜の背に受け止められる。
タバサの召喚した使い魔の風竜であるシルフィードがタバサと自分を背に乗せて飛行していた。


友人や風竜の助けもあり、すぐに王都トリスタニアへ着いた。
ルイズ達を探すべく周囲に気を配っていると、見覚えのあるピンクブロンドの髪が見えた。
さっそくタバサと主に後をつけると、彼女達は人通りの少ない路地裏へ向かいやがて武器屋へ入っていった。
「武器屋ねぇ。あの子達も武器を持ってたと思うけど、何の用かしら?」
「興味深い」
タバサが思いがけない反応を示す。
「あら、あなたが興味を持つなんて珍しいわね。」
「彼女達の武器を以前に見せてもらった事がある。」
「へぇ、それで?」
続きを促す。
「ディテクトマジックに強力な反応を示した。」
「へぇ。それは興味深いわね。」
どうやら、あのルイズの使い魔たちはただの平民ではないようだ。
音を殺して武器屋へ入る。
どうやら武器屋の主人とルイズ達が話しているようだ。
なんでも貴族の間で従者に武器を持たせるのが流行っているのだとか。
驚かせるために声を掛けた。


背後から聞こえた声に思わず振り返る。
キュルケとタバサの二人がそこにいた。
「な、なな何でツエルプストーもいるのよ!」
「つれないわねえヴァリエール。暇つぶしならあたしも誘ってくれればいいのに。」
「誰があんたなんかと!」
「あ、あの-。」
激昂するルイズをキュルケが軽くいなし、ネルがそれを止めに入る。
最近よく見るようになった光景である。


仕方が無いので無視して主人に話の続きを促す。
「へ、へえ。なんでも“土くれ”のフーケって盗賊が出るようになって、それに備えるために従者に剣を持たせているようでさぁ。」
なるほどと頷く。
「ところで従者様はどんな武器をお求めで?」
片手で扱える軽い剣、あるいは短剣が見たいと返事をする。
すると武器屋の主人が装飾のついた細身剣を持ってきた。
「これなんかどうでしょう。貴族の方々がよく持たせてる奴でさぁ。」
許可を得てから、試しに振ってみる。
儀礼用の剣ではあるが思った以上に鉄の質がよく、実用にも耐える事が伺える。
気付くとネルも興味深そうに刀身を眺めている。
ルイズとキュルケは言い争いに疲れたのか両者とも黙り込んでいる。
「おじさん、私にも1本見せてくれないかな。もっと大きい奴。」
「ではコイツなんてどうでしょう。かのシュペー卿が鍛えた物でして、鋼鉄ですら切り裂けるって業物でさぁ」
主人が宝石で彩られた大剣を持ってきた。
ネルはその剣を手に取っては眺め、時に刀身を軽く叩いたりしている。
「ねえおじさん。確かに良い鋼鉄使ってるけど、鋼鉄を切り裂くのは難しいんじゃないかな。柄のあたりで変な音がするから無理に使うと抜けそうだよ。」
言いながら刀身を軽く叩く。すると、根元では確かに音が違っていた。
「おでれーた!ただのガキ達かと思ってたが、なかなか見る目があるじゃねぇか!」
背後から聞き覚えのない男の声が響いた。
「なに、今の。」
「誰もいない、よね?」
「今の誰だ?」
皆が辺りを見回すが、他には誰もいない。
「やいデル公、てめぇお客様を驚かせてんじゃねぇ。」
「いいじゃねえか、久々に見る目がある客が来たんだ。少しぐれぇ喋ってもいいじゃねぇか。」
主人の視線は中古と思わしき剣ばかりが立てかけられている箇所へ向けられている。
よく見ると、そこには鍔の飾りをカチカチと動かしながら喋る剣があった。
「これ、インテリジェンスソードよね。」
ルイズが呆然と呟く。
興味がわいたので、手に取って確かめてみる。
長さは自分の身長よりやや長く150サント前後、刃の部分以外が錆付いた刀身がやや不自然な片刃の剣だ。
持ってみると外見の割には軽く、振り心地等から推測するに先程の細身剣よりも品質が高い事が伺える。
また、知性を付与してあるからか魔力も感じられ、魔法の焦点具としても用いる事ができそうだ。
「おでれーた。お前ぇさんおっかねえメイジな上に“使い手”か。俺を買え、損はさせねぇやい。」
主人に値段を聞くと新金貨100枚で十分だと返ってきた。なんでもたまにこうやって声を出しては客に色々と言うらしく、商売を邪魔するそうだ。
厄介払いをするついで不要となった剣を引き取ってもらえないか提案してみる。
主人は少し考え、そして是と答えを返した。
「なに?こんなボロ剣が気に入ったの?」
頷く。
ついでにネルに持ってきてもらった剣の内、片方を主人へ渡す。
すると、ネルから受け取った剣を眺めながら主人が呟いた。
「この剣は一体どこで?」
東方で入手した物だと答える。
また、こう言った物は引き取ってもらえるのか尋ねる。
店主は暫く考えこみ、そして提案してきた。
「デル公にいくらかオマケをつけるから、この剣と交換するって事でどうでしょう?」
ルイズの方を見る。
渋々ながらも同意しているようだ。
交換に応じる事にした。
「お、おい――」
「あ、そうそう。うるさいと思ったら奥までしっかりと鞘に納めれば黙りまさぁ。」
店主がデル公なる剣を鞘に納める。
「さて、交渉を始めましょうかい。」

ネルが持ってきた剣を売却する事により、デル公なる剣とその鞘、そして研ぎ石と200エキューを入手した。


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