あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

零神演義01

序章

「今日もいい天気ッスねー」
古代中国の広い広い青空を1匹の白いカバ……ではなく霊獣が飛んでいる。
いつも背中に乗せている武吉は、母の面倒を見るということで今日は一緒ではない。
というわけで四不象(スープーシャン)は一匹で人間界を飛び回っていた。
自分ひとりで飛ぶのは久しぶりッスねー、なんてことを思いながらスピードを上げていく。
最近は武吉を乗せてるし、いつもはナタクの背中を陣取っている天祥を乗せることもあった。
さらには、スープーの自称婚約者である、胡喜媚が飛び乗ってくることもしょっちゅうある。
これらは最近のこと……それまでは、ずっと長い間「御主人」が乗っていた。
彼とは歴史を変える最後の戦い以来、会っていない。
一時期は死んだと思われていたのだが、どうやら面倒ごとを全部自分たちに押し付けて
どこかでさぼりまっくているようだ。というかそうに違いない。
実を言うと今スープーがこうして人間界を飛んでいるのはその「御主人」を探すためなのだ。
いろいろな思い出に浸っていたスープーは、前方に異質なものが浮かんでいることに気づくのに遅れた。
それは明らかにその場の風景に合わない、奇妙な鏡。
(スープー!それに触れるでない!)
そのときスープーの頭に響く懐かしい声。
「ご、御主人!?どこ…………」
スープーの言葉は最後まで伝えられることは無かった。鏡はスープーを呑み込むと、それ自身消えうせた。
(……………………!)
御主人と言われた男……伏羲(フッキ)いや、太公望はスープーがこの世界から消えたことを感じ取ると、小さく呻いた。


第一話 ルイズちゃん四不象を召喚する

(成功した……!)
ルイズは煙の中から現れたその生物を見て、心の中でガッツポーズをした。
何度も何度も失敗と言う名の爆発を繰り返し、そのたびに嘲笑と野次が飛ぶ。
さすがの彼女も少し泣きそうになっていたところの成功だ。
「ゼロのルイズが召喚できるなんて!」
「でも、あれはなんだ……カバ?」
「カバだな!白いカバだ!」
確かにその使い魔はカバのような体型だ。だが、その体も、毛も、角も白い。
さらに黒色の大きな靴を履き、黄色いマントと手袋をしている。
そしてその手には、乳白色の玉が大事そうに握られていた。
今は閉じられているが大きな目と、眉毛もある…………カバかこれ?
ルイズはいろいろな疑問を一旦押さえ込んだ。
とりあえず成功したんだ。ドラゴンやグリフォンとはいかなかったが、これはこれでキレイな姿をしている。
少し太ってるが悪くない。
そんなことを考えていると、使い魔の大きな目がパチクリと瞬きした。
そしてバタバタと手足を動かし、勢いをつけて上半身だけ起こす。
「…………」
「…………」
ルイズと目が合い数秒。
「な、なんスかーココは!?」

「「「「し、しゃべったーーー!!」」」」

ルイズを含めてコルベールや多くの生徒が驚きの声を上げる。
「コ、ココはどこッスかー!?ハッ!誰スか君たち!?」
ルイズは正に心躍っていた。人語を操るなんて!
(い、韻龍ってやつかしら!いやでも太すぎるし!ああでも!)
今回の使い魔の儀で、こんな使い魔を召喚したのは自分だけだろう。

「西洋風ッス!ここは周じゃないんスか!?そもそも人間界スか!?」
何かよく分からないことを言っている使い魔を落ち着かせるため、ルイズは優しく話しかけた。
「落ち着いて。私があんたを召喚したの」
「召喚!?何するつもりッスか!?皮ッスか?皮をはいで売り飛ばすつもりッスか!?」
「そんなことしないから落ち着いて」
ルイズはさらなる笑顔で優しく話しかけた。が。
「御主人ーーーー!」
「落ち着きなさいって言ってるでしょ!!」
「ラ、ラジャーッス」
ルイズが一喝すると、その使い魔はおとなしくなった。
「敵じゃないから……あんた名前は?あるわよね?」
「四不象ッス」
「すーぷーしゃん?変な名前ね。私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
そう言いながらルイズは、スープーに近づいて呪文を唱える。
そしてスープーの大きな口にキスをした。
「ななにするッスか?」
予想外に赤くなるスープーを見て、ルイズも釣られて赤くなってしまう。
「そ、そんなに嫌がんなくてもいいでしょ!契約しただけよ!」
「契約?…………い、痛いッス!」
スープーは急に痛み出した左手を見るため、手袋を脱ぎ捨てた。
そのルーンを確認したコルベールは「珍しいルーンだな」としばらく興味深げに見ていたが
すぐに、生徒達に教室に戻るように指示した。
そして空を飛んで行くコルベールと生徒達。

「すごいッス!飛んでるッスよ!皆さん仙道さんッスか?あの棒が宝貝なんスか?ちょっと僕の存在意義が薄れるッス!」
「せんどう?ぱおぺえ?何言ってるか分かんないけど、メイジが飛ぶのは当然でしょ」
そう言って歩き出したルイズは、いまだに座ったままのスープーに声をかける。
「早くきなさいよ。あんたは私の使い魔なんだから」
「スープーって呼んで欲しいッス。えーと、ルイズちゃんは飛んでいかないんスか」
そう言いながら、スープーはルイズの横までスーッと飛んでくる。
これに、またもやルイズは驚かされてしまう。

「あんた空、飛べるの?カバのくせに!」
「カバじゃないッスよ!霊獣ッス!!」
れいじゅう…また分からない単語が出てくるが、もはやルイズはそんなことどうでもよかった。
「あ、あのさ、あんた…じゃなくてスープーの背中に私を乗せて、飛べたりする?」
「もちろんできるッスよ。むしろそれが仕事ッス」
それを聞いたルイズは恐る恐る、スープーの背中にまたがる。
「角を持っていいッスよ。大丈夫ッスね?じゃあ行くッスよ!」
音も無くスープーはフッと宙に昇っていった。
「と、飛んでる!」
「?ルイズちゃんは飛ぶのは初めて何スか?」
「う、うん」

慣れない高さと浮遊感に、思わず本当のことを素直に言ってしまう。
「じゃあ、ゆっくり行くッスね」
「え?あ、ありがと……でもルイズちゃんっていうのはやめなさい。スープーは私の使い魔なんだから、御主人様って呼びなさい」
「その使い魔っていうのもよく分かんないスよ。それに御主人って呼ぶのは……」
スープーは太公望の事を思い出していた。
今自分はワケの分からないことに巻き込まれてしまったようだが、彼ならきっと助けに来てくれるはずだ。
(御主人……)
とりあえずスープーは、今は背中に乗っている小さな御主人を、恐がらせないように運ぶことに集中することにした。

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