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Mission 13 <プリンセス・オブ・アンリエッタ> 後編



「わたくしをお友達と呼んでくれるのね……ルイズ・フランソワーズ。とても嬉しいわ」
アンリエッタは何かを決心したかのように頷いて、語り始めた。
「今から話すことは、誰にも話してはいけません」
現在、アルビオンでは内乱が勃発している。これまで王家に従ってきたはずのアルビオンの貴族達は王家に牙を向き、今にも倒れそうなのだという。
反乱軍が勝利を収めたら、次は小国であるトリステインを攻めてくることが予測されるために、トリステインは隣国のゲルマニアとの同盟を画策しているらしい。
小国であるトリステインがこれからの時代を生き残るためには、常に先を読み、先手を打たなければならない。
そして、その同盟の条件としてアンリエッタとゲルマニアの皇帝の結婚があるのだという。
いわゆる政略結婚であり、アンリエッタはそれを望んではいないが、好きな相手と結婚などできないことなど物心がついた時から分かっているため、王族としての責務を果たすべくその結婚を受け入れるのだそうだ。
だが、アルビオンの反乱軍はそれを望んでいない。そのため、婚姻を妨げるための材料を血眼になって探しているのだという。
「では、もしかして……姫さまの婚姻を妨げるような材料が…?」
「おお、始祖ブリミルよ……。この不幸な姫をお許しください……」
アンリエッタが顔を両手で覆い、床に崩れ落ちる。
スパーダはその光景を無表情だが、厳しい視線でアンリエッタをじっと睨んでいた。
一々、大袈裟に芝居がかった仕草をする彼女を見ていると不快を感じる。
アンリエッタによるとアルビオンの皇太子、ウェールズ・テューダーという人物に送った手紙があるらしく、それがゲルマニアに対して明るみになった場合、即座に結婚は破談になり、トリステインは一国でアルビオンの反乱軍と戦わねばならなくなるらしい。
手紙の内容は何なのかとルイズが問いただすが、アンリエッタはそれには答えようとはしなかった。
……もっとも、この場合はその内容にほとんど見当がつくのだが。
「ああ! 破滅です! ウェールズ皇太子は、遅かれ早かれ、反乱軍に囚われてしまうわ! そうしたら、あの手紙も明るみに出てしまう!
 そうなったら破滅です! 破滅なのです!」
「では、姫様、私に頼みたいことというのは?」
「無理よ! 無理よ、ルイズ! わたくしったら、なんてことでしょう! 混乱しているんだわ! 考えてみれば、貴族と王党派が争いを繰り広げているアルビオンに赴くなんて危険なこと、頼めるわけがありませんわ!」
(この女狐め)
あまりにもわざとらしい、興奮した態度で戯言を口にしている。
スパーダはより厳しい視線をアンリエッタに送り、眉間に僅かな皺を寄せていた。もはや彼女には嫌悪しか沸いてこない。
そして、興奮したように膝をついて恭しく頭を下げるルイズにもその視線を向けた。
「何をおっしゃいます! たとえ地獄の釜の中だろうが、竜のアギトの中だろうが、姫さまの御為とあらば、何処なりと向かいますわ!
 姫さまとトリステインの危機を、ラ・ヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ、見過ごすわけにはまいりません!
 土くれのフーケを倒した、このわたくしめに、その一件、ぜひともお任せください!」
興奮し、熱した口調で言うルイズはアンリエッタの手を握る。
そろそろこの興奮を冷めさせてやらねば。取り返しのつかないことになりそうだ。
「姫さま! このルイズ、いつまでも姫さまのおともだちであり、まったき理解者でございます! 永久に誓った忠誠を、忘れることなどありましょうか!」
「ああ、忠誠。これが誠の友情と忠誠です! 感激しました。 わたくし、あなたの友情と忠誠を一生忘れません! ルイズ・フランソワーズ!」
二人は互いに自分の言葉に酔いながら抱擁し合って〝友情〟を確認し合っているが、
それを見せられ続けるスパーダとしては不愉快極まりない光景だ。この王女はその〝友達〟を相手に、こんなくだらない芝居を打っている。
おまけにその目には涙を滲ませているが、それは本物の涙ではないのも拍車をかける。
「アルビオンへ赴きウェールズ皇太子を捜して、手紙を取り戻してくれば良いのですね?」
「ええ、その通りです。〝土くれ〟のフーケを討伐したあなた達なら、必ずこの困難な任務をやり遂げると信じています」
「断る」

今まで黙り込んで傍観していたはずのスパーダが突然口にした一声に、ルイズは耳を疑うと同時に不快を露にした表情を浮かべた。
いきなり何を言い出すのだ。姫様の頼みを断るなんて。
アンリエッタもスパーダの言葉が予想できなかったのか、面食らったように目を見開いている。
「ちょっと! パートナーであるあなたも一緒に行くのよ!」
「私が行く、行かないの問題ではない。それ以前に、君がこの任務を無理に受ける必要もない」
「何ですって! 姫様の期待に背けと言うの!?」
スパーダの冷たい言葉に憤慨し、詰め寄るルイズ。
だが、スパーダはルイズの方を見ずに未だ動揺しているアンリエッタの方を見やった。無表情だが、厳しい視線を送って。
「何故ミス・ヴァリエールにそれ程の危険な任務を押し付ける。彼女の立場が分かっているのか」
「姫様に対して何よ! 無礼な口を聞いて!」
ルイズが二人の間に立ち、スパーダを真正面から睨みつける。
スパーダは椅子から立ち上がり、ルイズを無視したままアンリエッタの方を睨みながら続けた。
「彼女は特別な戦いのための訓練も受けていないただの学生に過ぎない。本来ならばそれだけ危険な、国の命運を左右するほどの任務は宮廷にもいるであろう実戦も豊富な手練のメイジが適任のはずだ」
「それは……わたしは……」
スパーダの厳しい言葉に、アンリエッタは沈み込む。
ルイズはアンリエッタに対して無礼な発言をするスパーダに我慢ができず、引き抜いた杖を突きつけていた。
「何よ! あんただって知っているでしょう! あたしは〝土くれ〟のフーケだって倒せたのよ! だったら、あたしにだってこれくらいの任務はやり遂げてみせるわ!」
憤るルイズへスパーダはちらりと視線を向けると、微かに溜め息を吐く。
「……思い上がるな。君は確かに自らの力の使い方を学んだ。その力でフーケを倒すという実績も残した。それは悪くは無い」
「だったら……!」
「だが、悪く言えばそれだけだ」
スパーダの冷たく、厳しい視線がルイズを射抜く。
氷のように冷め切ったその瞳にルイズは思わず、身をすくませる。

「あたし、命なんて惜しくないわ! 姫様のためだったら、喜んでこの身を捧げる! それが貴族として、王家に捧げる忠誠なのよ!」
(そんなもの、忠誠でも何でもない)
先ほどからルイズとアンリエッタのやりとりを見ていたが、彼女は幼馴染であるアンリエッタとの友情に目が眩んでいるだけに過ぎない。
ルイズは自分自身の力量をわきまえず、ただ幼馴染であるアンリエッタの力になりたい、望みを叶えたいという
一直線の思いと勢いだけでそのような危険な戦場へと突っ込もうとしているのだ。
それはもはや忠誠でも何でもない。ただ主の命令に意味もなく頷くだけの盲従、都合の良い駒に過ぎない。

「ならば、君がアルビオンで死んだ後はどうなる?」
スパーダは二人の顔を交互にじっと睨みながらそう問いかけた。
ルイズもアンリエッタも、より冷たくなったスパーダのその言葉に顔面が蒼白となる。
スパーダの厳しい視線が、ピタリとアンリエッタに向けられた。
「彼女はまだ書生の身の学生。たとえアルビオンで命を落とそうが、戦略上は何も問題はない。確率はゼロに等しいが無事に任務を果たせばそれで良し。そうでなくとも、別の策を実行すれば良い。
……これでは君にとって、ミス・ヴァリエールは都合の良い"駒〟だな。〝友人〟と聞いて呆れる」
絶えず続けられるスパーダの刃のように鋭く冷たい糾弾に、表情を曇らせたアンリエッタはもの悲しそうに俯いた。
「な、何を言い出すのよ……?」
スパーダの口から出たとんでもない発言にルイズは低い声で呟き、杖を握る手に力が入る。
何故、ここまでこの男はこんな無礼なことを言い続けるのか。
それも、まるで〝悪魔〟のようにいたぶるかのごとく。
「有り体に言えば、この王女は君を利用しようとしているだけだ。幼馴染である君との〝友情〟をエサにしてな。先ほどの三文芝居も、君が彼女の頼みを断ることなどできないことを見越して演じたものに過ぎん」
スパーダは厳しい視線を意気消沈しているアンリエッタへと向けたまま続ける。
「本当に友人であるならば、あんな芝居をしてまで自分の尻拭いをさせはしない。お前は彼女の〝友人〟である以前に貴族を従える〝王族〟のはずだ。王族であるならば堂々と、忠誠を誓う貴族に命を下さなければならない。
だが、お前はそれをしなかった。あんなくだらない芝居をしてまで、お前が〝友人〟と呼ぶミス・ヴァリエールの良心につけこんで都合良く利用しようとするとはな。……私はお前のような、偽りの〝心〟を示すような人間の頼みなど、断じて受けはせん」


「……いい加減にしなさい!」
激昂したルイズが杖を振り、スパーダの立っている場所に爆発を起こした。
小さな爆発がスパーダに直撃し、吹き飛ばされはしなかったものの爆風に包まれたスパーダは僅かに顔を腕で覆っていた。
アンリエッタを庇うようにスパーダの前に立つルイズは杖を突き付けたまま、詰め寄って来る。
「これ以上、姫様を侮辱するのは許さないわ!
あんたは!
あたしの!
使い魔!
使い魔は!!
大人しく!!
主人に従っていれば!!
それでいいのよ!!」
一言一言、けたたましい怒りの言葉を吐き出す度に杖をさらに強く突き付けて来るルイズ。
パートナーだからと、同等の関係だからと調子に乗って。
本来ならば自分は彼の主人であり、彼はそれに従う使い魔のはずなのだ。
なのに、彼は使い魔としてではなくパートナーとして接するために自分の思うように動いてくれない。
今まで心の奥底で感じ続けていたスパーダに対する不満と苛立ちが、親友であるアンリエッタを侮辱されたことで爆発していた。
「……やめて。ルイズ」
スパーダの厳しい糾弾をほとんど黙って受け止め続けていたアンリエッタは、毅然とした声音でルイズを制する。
俯いたままのその表情は悲痛と自責の念で満ちていた。先ほどまで大袈裟に演じていた芝居のようなものではなく、自分の心を正直にさらけ出している。
「でも、この男は姫様を!!」
しかし、アンリエッタはふるふると首を横に振った。
「いいえ……この方の言う通りだわ。……わたくしは、あなたを都合の良い駒のように利用しようとした。どんな言葉で飾り立てようと、それは変わらない」
「姫様、そんなことは……」
「わたくしは、あなたの友達である資格もないのかもしれない……。許して、などとは言わないわ……。でも……あなたの気持ちを踏みにじってしまったことは……心より詫びます……。ごめんなさい……ルイズ・フランソワーズ……」
今にも本当の涙を流しそうなアンリエッタはルイズに向かって、深く頭を下げていた。
アンリエッタがとった思いもせぬ行動にたじろぎ、ルイズは慌ててその肩を掴む。
「いいえ!いいんです!わたしはずっと姫様の友達です!姫様を責めたりなんか致しません! ですからどうか、お顔を上げて下さい!」
「……こんなわたくしを、まだ友達と呼んでくれるのね……ありがとう……」
アンリエッタの目元に薄っらと涙が浮かぶ。芝居による偽りの涙ではなく、心を震わせて流した、本当の涙だった。

スパーダはちゃんと涙を流せたアンリエッタを見て嘆息をつき、部屋を後にしようと扉の取っ手に手をかける。
ふとその向こう側に気配を感じた。
(まだいるのか)
微かに感じる魔力の特徴から誰なのかは分かっている。先ほどからずっと盗み聞きをしていたようだが、何の用なのだ。
「いつまでそうしているつもりだ。ギーシュ」
扉の向こう側にいるであろう人間に向かって声をかけるスパーダ。
ルイズとアンリエッタもその言葉に反応して扉の方を振り向く。
スパーダも数歩下がると、ガチャリと音を立てて扉がゆっくりと開いた。その向こうには……。
「ギ、ギーシュ!?」
異世界におけるスパーダの弟子、第一号であるギーシュ・ド・グラモンが立っていた。
「い、いやあ……薔薇のように見目麗しい姫殿下が、この部屋に入っていくのを見かけたものでね」
ギーシュは気まずそうに後頭部を掻きながら、ハハハと乾いた笑みを浮かべていた。
「それにしても、スパーダ君。この像は何とかならないのかい? 君の所有物だっていうのは聞いているけど、邪魔でしょうがないよ」
ギーシュは薔薇の造花で、部屋の外のすぐ横に堂々と置かれている時空神像を指して不満そうに言う。
「そこしか置ける所がないのでな。お前は別にこの寮の人間ではないのだから、問題はあるまい」
「だからって、あたしは困るわよ。大きすぎて邪魔だし、やたらと目立つし。……っていうか、何でギーシュがここにいるのよ!」
わめくようなルイズの言葉に、ギーシュは何かを思い出したかのようにハッとすると、部屋の中にズンズンと押し入ってきた。
そして、アンリエッタの前で恭しく跪きだす。
「姫殿下!話は聞かせてもらいました!!その困難な任務、ぜひともこのギーシュ・ド・グラモンに――あたっ!」
熱く語るギーシュの頭を、閻魔刀の鞘で小突くスパーダ。
「お前は話を聞いていたのか?」
「な、何をだい?」
閻魔刀で叩かれた頭を押えてギーシュは横に立つスパーダに尋ねる。
「この任務は、ミス・ヴァリエール……いや、この学院の生徒には荷が重すぎると言ったはずだ。実戦をまともに経験したこともないお前達が無理にアルビオンへ行く必要はない」
スパーダの厳しい言葉に、ギーシュは泣きつくようにスパーダへと縋ってきた。
「し、しかしだねぇ……姫様が困ってるんだよ?僕だって、確かにまだ未熟だけど……トリステインの貴族として姫様のお役に立ちたいんだよぉ」
「あの……グラモン、ということはあなたはグラモン元帥の?」
「はいっ!息子でございます。姫殿下」
アンリエッタが覗きこむようにギーシュを見つめると、本人は振り向くと同時に気障ったらしく態度を一辺させて跪いた。
そういえばアンリエッタに対して憧れを抱いているということらしいが、ここまで酔うものだろうか。
「あなたも……わたくしの力になりたいと?」
「はい!そのような大任の一員に加えてくださるなら、これはもう望外の幸せにございます」
アンリエッタはニコリと、憂いを帯びた笑みを浮かべる。
「……ありがとう。お父様も立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいるようね」
「もったいないお言葉でございます!姫殿――」
「でも……ごめんなさい」
唐突に頭を下げたアンリエッタに、ギーシュは呆気に取られる。
「へあ?」
「わたくしは、危うく大切な友達を死地へと追いやる所でした。
ならば、その学友であるあなたも同じように、死地へと追いやるわけにはいきません」
「姫様!」
「姫殿下!」
ルイズとギーシュが信じられない、といったような表情で同時に叫んだ。


「国の未来を担うあなた達を危険な目に合わせる訳にはいきません。今、ここで話したことは全て忘れてください」
「姫様!では、件の手紙はどうなさるのです!」
「……スパーダ殿の言う通り、信頼できる手練れの者に任せることにするわ。ルイズ、今日は本当にごめんなさい。あなたにとんでもないことを押しつけようとして……」

三度、頭を下げたアンリエッタを見てルイズは唇を噛みしめる。
幼馴染みであり、無二の友人であるアンリエッタは今まで無能呼ばわりされていた自分を頼ってくれた。
だが、今の自分はもう無能などではない。確かに実戦経験など皆無に等しい。それはスパーダの言う通りだ。
しかし、大切な友人が困っているというのに友人である自分が何も力になれないでいる、というのはどうしても我慢ができなかった。
何でも良い。戦えなくたって良い。大切な友人である、姫様の力になりたいのだ。

俯いていたルイズは意を決したように息をつくと、その場で再び跪いた。
「ルイズ?」
「姫様。……では、そのアルビオンへの密使の補佐としてわたくしめをお使いください」
ルイズの言葉にアンリエッタは怪訝そうな顔をしだす。
スパーダは腕を組んだまま壁にもたれかかり、目を伏せていた。
「わたくしはずっと姫様のお友達でございます。そして今、姫様は国の命運を左右する障害に困っております。ならば、ほんの僅かながらでも、わたくしは友人である姫様の手助けとして、お力添えをしたいのです」
「でも……」
「もちろん、決して無理はいたしません。密使の方が〝帰れ〟と言えば、すぐにでもここトリステインへと戻ってきます。ですから、どうか……」
「わたくしも、ミス・ヴァリエールと同じ考えでございます」
ギーシュまでもアンリエッタに跪いてきていた。
アンリエッタは目を伏せ、熟考する。
しばしの沈黙を置いて――。
「……わかりました。ですが、決して無理をしてはなりません。必ず、帰ってきてください。任務の詳細についてですが明日の朝、わたくしが任を命じる密使に伝えておきます。
あなた達はその方の補佐、となりますのでこの場で話す訳には参りません。後日、その方より聞いてください」
そう言って、アンリエッタは右手の薬指から指輪を引き抜くと、ルイズに手渡す。
「これは……?」
「母から頂いた〝水のルビーです〟せめてものお守りです。お金が心配なら、売り払って旅の資金に当てても構いません」
ルイズは恭しく指輪を受け取ると、頭を下げる。

そして、アンリエッタは未だ腕を組んだまま目を伏せるスパーダの方を振り向いた。
感情や考えがまるで窺えない表情だ。
「あの……スパーダ殿」
「私は偽りの〝心〟を示すような人間の頼みは受けん」
「ちょっと――」
ルイズは顔を顰めてスパーダに詰め寄ろうとする。
「だが君は今、自分の本当の〝心〟を示した」
スパーダの言葉に、アンリエッタは悲しげに俯く。
「ならば、私は君の友であるミス・ヴァリエールの身を守らせてもらう」
スパーダは決して、人間同士の純粋な争い事に関しては干渉しようとはしない。
その争いが悪魔の暗躍によって起こされたものであるなら、その裏で動く悪魔達を片付けたりはするが人間同士の戦争には絶対に関与しなかったのだ。
稀にどこかの国が傭兵などを集める過程でスパーダに自軍の味方について欲しい、などと誘ってきたりすることもあったが当然、拒んでいた。
だが、今回はあくまでパートナーを護衛するというだけ。決して、直接人間同士の争いに関与するわけではない。
そして、ルイズが積極的に戦線に立つのではないなら、密使とやらの補佐として決して無理をしないのならば構わない。
「よろしくおねがいします、スパーダ殿。この二人を、どうか守ってあげてください……」
アンリエッタは、立派な貴族としての威厳を示したスパーダに深く、恭しく頭を下げていた。



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