あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのペルソナ-33


世界 意味…新しい世界・調和の崩壊

ルイズがワールド・ドアを発動すると銀色の鏡のようなものが現れた。
それは銀色の波を立てながら何かを吐き出していく。
発動された虚無魔法を見て、何を行っているかわからずキュルケたちは呆然とした。
しかしルイズは知っている。銀鏡は完二を呼び出したときと同じものであることを、世界と世界を繋ぐ扉だということを。
そして呼び出されたのは自分の使い魔の仲間だということも理解した。
現れたのは5人の少年少女。
彼らを見て完二たちは心底驚いたといように目を開く。
三人とも何か言いたそうであるが驚き過ぎて声も出ないという様子だ。
一人は前は空けていて白いシャツが見えるが全身が黒い服を着た少年。
その意匠は陽介と完二が着ているものと同様だ。
髪の色は灰色で、上のほうのボリュームが多く少し不恰好な印象を与えかねないが、全体として見れば不思議と悪い感じはしない。
もう一人ディテールに差異はあっても同型の服を着ている者がいた。
顔は非常に整っていて中性的な雰囲気を放っており、立ち姿から男女の区別は付け難いが男性にしては小柄だ。
残り三人の少女の内の一人はプリーツスカートに緑色の上着を合わせている。髪は短く切り揃えられ活発な印象を与える。
別の少女の着衣は同じスカートに赤いカーディガンだ。
カーディガンと同じ色のカチューシャを黒い長髪につけている。
その髪は絹のようであり、手入れが行き届いていることがわかる。
最後の一人は全体的に黒の服を着ている。
スカートであるがその意匠から陽介や呼び出された少年たちと同じ系統の服であるとわかる。
そのことから他二人の少女は自分なりにアレンジしたもので、彼女の着こなしが基本であることが推察された。
髪型はツーサイドアップで、ニーソックスを履いているのが特徴的だ。
現れた5人と完二、陽介、クマたちはそれぞれを見て呆然とし、驚き過ぎて声も出ないという様子だったが、やがて声が戻ってくると一挙に怒涛の勢いで言葉が行きかう。
「せ、センパイたちどうしてこんなトコに!?」
「は、花村!?それに完二くんたちも!?っつかここドコなのさ」
「おいおいおいおい!!どうしてお前らが出てくんだ!?ワケわかんねえぞ!?」
「あ、えっ?カンジ!あれ、なんで他にも人がテレビの中に?というかここテレビ?」
「み、みんなどうしてこの世界にこれたクマ!?」
「周りにいる人たち変な格好してるけど一体何!?ひょっとしてマヨナカテレビ!?」
ハルケギニアの住人たちは知るよしもなかったが完二たちにとってはよく見知った仲間との久しぶりの、そして不意を打った邂逅である。
その驚きは尋常ではない。
「落ち着いてください、みなさん。これでは話が進みません」
「落ち着け」
男服を着た二人が返答のない質問のぶつけ合いをやめさせようとする。
「う、ごめん」
「でも本当にここはどこなの……?」
「それはわたしが答えるわ」
異世界から呼び出した張本人であるルイズが彼らの前にでる。
「うお、魔法使いみたい……コスプレ?」
「なんかりせちゃんの声に似てない?」
「えー私の声あんなんじゃないよ」
少女たちは進みでたルイズを見て思わず口をついて出たという風だ。
ルイズの頬がピクリと動く。
「お、おい、ルイズのことをあんまそんな風に言うなって」
「完二知り合いなの?でもマントはないでしょ」
「というかお姫さまみたいなドレス着た人もいるんだけどやっぱりここってテレビの中なの?」
「いや、そうじゃなくてアレはマジでお姫さまで……」
「うるさいうるさいうるさーーい!!!」
陽介の言葉はルイズの張り上げた声でぶっつりと途絶える。
陽介だけでなくその場の全員で声を発せず会話を途絶させた少女を見る。
「アンタたちわたしが話すって言ってるのよ!黙って聞きなさい!」
少女の放つピリピリした雰囲気に当てられてさきほどまで騒がしかった少女たちは声をつぐんでいる。
「なんか久しぶりな気がするな」
「そっすね…」
こそこそと話をする2人の使い魔を睨みつけると二人は慌てて会話を止めた。
自身に注意が集まっていることを確認して、話を始めた
「この世界はハルケギニア。
 わたしは由緒正しきヴァリエール家の息女のルイズ・フランソワーズ、誇り高きメイジ。
 あちらにいらっしゃるのはアンリエッタさまとタバサよ!
 トリステインとガリアの女王であられるお方よ」
彼女の説明で理解できたものは少女達の中にはいなかったが、反論しづらい雰囲気である。
その空気の中で中性的な男装の人物が落ち着いた様子で尋ねた。
「質問いいでしょうか?」
「何かしら?」
「この世界が僕たちの世界とは違うということはわかりました。
 しかしどうやって僕たちはこの世界にやってきたのでしょうか?
 そしてなぜ僕たちをこの世界に連れてきたのですか?」
質問しながら振り返った。その背後にあるのはまるで水銀をたらしてできた水溜りだ。
それが科学的なシロモノでないことは空中で波打ちながら存在することから一目瞭然である。
「虚無の魔法ワールド・ドアを使ったのよ。でもわたしの力だけでは出来なかったわ。
 あなたがそっちから力を使ってくれたからできたことよ」
あなたというところでルイズは灰色の髪をした完二と陽介同様の黒い服を着た少年を見た。
見つめられた少年は納得したという表情をする。
「きみがこの世界から」
「ええ、わたしたちがカンジたちと、カンジたちとあなたたちの間の絆がわたしたちの力と世界を繋いだのよ」
ハルケギニアの世界の住人と別世界からハルケギニアを訪れた者の絆、
そして彼らが自分たちの世界で築いた絆が虚無の力を別世界の大きな力を繋ぎ、ワールド・ドアを開いた。
発動者である2人には理屈ではなく感覚で理解できることだが、
そうでない者たちからすればやはりこれも説明不足であり、理解できた者はいなかった。
しかしルイズに質問した人物は妥協して、それ以上同じ質問を重ねることを止めて、話を核心に向かわせる。
「ええと、とりあえず先輩がわかってるみたいですからよしとしましょう。
 最も重要なことですが、なぜぼくたちをこの世界に連れてきたのですか?」
話さなければいけない。そうルイズは思った。
彼らを呼んだのはただ完二たちを元いた世界の人たちと再会させるためだけではない。
それも重要であるが、今はもっと切羽詰まった差し迫った理由がある。
「あなたたちに力を貸して欲しいからよ」
ルイズは疲労した体で腕を上げてついっと遠くを指差す。
つられて話を聞いていたものたちは振り返ってその先にあるものを見る。
数を増やし続け迫るヨルムンガント、ヴァリャーグ、火竜の軍団。
すでにエクスプロージョンで撃退した数に匹敵するほどの数がいるように見えた。
「なんつー数なの……」
「あれってシャドウ……?」
「今まで見たことないけど」
初めてその存在に気付いた者もいるようだ。
「あなたたちにあれを倒して欲しいの」
ルイズが告げた瞬間に再び視線はルイズに集中する。その目には驚愕が浮かんでいる。
突然見ず知らずの場所に呼び出されて怪物たちを倒せと言われたのだ当然過ぎる反応だ。
非常識なのはルイズも承知だが、今は彼らに頼る他ないのだ。
「お願いするわ。あなた達を頼るしかないの」
助け舟を初めに出したのは彼女の傍らに立つ完二だった。
「オレからも頼む」
そうして今まで話に加われないでいたハルケギニアの住人たちも続く。
それは君主であるアンリエッタやタバサも例外ではない。
「わたしからもお願いします。どうかこの世界を救ってください」
そういってあまつさえアンリエッタは王冠を頂くその頭を下げた。
ルイズは慌てて止めようとしたが、女王は逆に優しくルイズに諭す。
「いいえ、女王などと言っても私には何もできません。
 ハルケギニアを守ることもできない私などではむしろ足りないくらいでしょう」
「アンリエッタさま……」
先ほど怒鳴られたかと思えば次は全員から改まって懇願されて戸惑うこと仕切りであった。
「わかった」
そう言ったのは灰色の髪をした少年だ。
「いいんですか?」
「仲間が頭下げてるっていうのに断れるのか、直斗?」
「その質問の仕方は卑怯ですよ」
灰色の髪をした少年がリーダー格であり、彼の意見とみな同様であるようだった。
「その代わり花村、ステーキを奢りなさいよね。ジュネスじゃなくてステーキハウスのだから」
「完二はあれ、アイリッシュクロッシェまた編んでよね。
 あんまり八十稲羽に居られないから2、3日でね。もちろん、直斗くんにもよ」
「く、久慈川さん!」
「2、3日って……まあいいけどよ」
「財布空っぽになるんじゃねえの……なんか帰りたくなくなって来たんだけど……」
「ねえねえクマは?ユキコチャン、クマにして欲しいことあったらドーンとおっしゃい」
「え、クマさんに……特にないかな」
「ガーン!」
一ヶ月ぶりの再会だが彼らの間に隔たりなどない。彼らの間の絆の強さがルイズたちにもわかる。
一瞬緩んだ雰囲気は緊張感を持った。完二たちと同様多くの戦いを潜り抜けてきたことがわかる。
「戦いに行く前に疲れてるみたいだからソーマを使え」
完二、陽介、クマは渡された青いビンの薬を回しのみをした。
それを飲むと見て取れるほど回復し、陽介もカステルモールの肩を借りる必要はなくなった。
「行くぞ」
リーダーである少年が先頭を歩き、それに彼と共に召喚された少女たちが続いて敵を迎え撃つべき最前線に向かう。
「あ、アンリエッタさん。戦いに巻き込まれないように軍を下げておいてください。あと一応そのルイズが出した銀色に誰も触らないように」
陽介、それに完二とクマも同じ世界の仲間たちと共に行こうとする。
「アンリエッタさまはヨースケの言うように軍を指揮して退かせて下さい」
ハルケギニアの命運を預けた少年たちを見送っていた女王は話しかけてきた彼女の家臣を見る。
「あなたはどうするの」
ルイズも先ほどまでアンリエッタが見ていた同じ背中を見る。違うことはそれは見送ろうとする目ではないことだ。
「わたしはカンジたちと行きます。行っても出来ることはないかもしれませんが……」
アンリエッタは溜め息のような小さな吐息をこぼす
「あなたを置いていけないと言ったのに、わたしはルイズを見送らないといけないのですね……」
「う……そ、それは申し訳ありません…」
幼馴染の困った顔に伏せた顔を上げて笑って見せる。
「お行きなさいルイズ。あなたは虚無の使い手で……あの人の主なのでしょう?」
尊敬する君主の言葉にルイズも強い意思を持って答える。
「はい!」
そして付いて行こうとするのは陽介とクマの主である2人の少女も同じだった。
「さ、わたしたちも行きましょう、タバサ」
タバサはこくりと頷く。
慌ててカステルモールが止める。
「何も陛下が向かう必要はないのではないでしょうか?」
真っ当すぎる質問にタバサは彼女らしからぬ答えを返す。
「行きたいから」
必要だから、その方が良いからではなく、行きたいという単純な重い。
抑圧された彼女の騎士団時代をよく知るカステルモールに反対できるはずもなかった。
「ヨースケ殿がいらっしゃれば間違いはないと思いますが……どうかお気をつけて」
「カステルモールも軍の後退を手伝って」
はいと忠臣は女王の命を受ける。
「何してんだルイズ、おっせーぞ」
「タバサも速く来いよ」
「置いてっちゃうクマよ~?」
使い魔たちが主を呼ぶ。なぜいつも傍らにいる彼女たちが付いてこないのかを不思議だというように、ごく自然な言葉だった。
「うるさいわね!というかアンタは使い魔なんだから待ちなさいよね!」
ルイズは完二の、キュルケはクマの、タバサは陽介の隣に行く。
彼女たちは、彼らは並んで歩いた。

ジョゼフは新たに呼び出したヴィンダールヴこと火竜の背に乗っていた。
彼の眼下には砂漠が広がるばかりでそこには銀色に光る召喚の扉も、彼の使い魔たちの姿も見えない。
ジョゼフは巨大な火竜の背中に両足をしっかりと立て、使い魔たちが向かった方向をじっと見ていた。
いや、正しく言うなら彼は使い魔と同じ光景を見ていた。
ミョズニトニルンとガンダールヴの視線の先に立つのは彼らの進行方向に立ちふさがるように存在する11人の少年少女の姿。
知っている者もいたが直接顔を見ることは考えてみればほとんど初めてであった。
その大半はこの世界の人間でないことはその格好からすぐにわかる。
そして彼らの力が圧倒的であることは彼の力と、何より現状が教えている。
視線の先には少年少女が立つだけだが、視界はほとんど倒れ伏した使い魔たちで埋め尽くされていた。
空間を振るわせる大爆発がジョゼフの使い魔たちが吹き飛ばし、灼熱の炎がヴァリヤーグを枯れ葉のように焼く。
隕石が降り注ぎ空を飛ぶ竜を地面へと叩きつける。それは地上のヴァリヤーグも、砲弾すら弾く固い装甲を持つヨルムンガンドすらも打ち据える。
地面に表れる黒や白の魔方陣はその上に立つ、また飛んでいる命を静かにこの世ならざる場所へ連れ去った。
雷が轟き、疾風が走る。空を飛ぶ火竜は氷に囚われる。
終わりだ。ジョゼフは静かに自分の敗北を理解した。
万を数えた彼の使い魔は著しい速さで数を減らしていた。
減った数でも小国の一つや二つを滅ぼせる力はあるが、目の前の強大な力の前には何の意味もなさないだろう。
それにその数はすぐに0に近づく。
ジョゼフがコートから火石を取り出すと、やはり火竜の背に乗らず浮遊していたビダーシャルがそれを見咎めた。
「何をするつもりだ」
ジョゼフはこの場の同席者であったビダーシャルの存在を思い出した。
「なんだ、まだいたのか。早く消えることだな。おれはお前などと心中するつもりはない」
ビダーシャルは何か言いたげであったが、ジョゼフのわずらわしそうな顔を見て、意見も飲み込みジョゼフの言った通りに姿をさっさと消してしまった。
優れたエルフの戦死は見ることはできずとも彼の敵視する三種の怪物たちがどのような末路を辿ったのか分かっていた。
ジョゼフはビダーシャルが去ったかどうかに構うことなく詠唱を始める。
エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンクサ
ジョゼフの体の中をリズムが巡っている。魔法使いが自分の系統魔法を唱えるときに覚える感覚だ。
ジョゼフが初めてこの感覚を覚えたのはいつのことだったか。小さいころから劣った兄として優れた弟に劣等感を覚え続けてきた。
だが落ちこぼれの彼に目覚めた伝説の力は彼を満たすものではなかった。初めて唱えたときもそうであったし、最後の詠唱のときもそうだ。
オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド
ジョゼフは負けを悟り、死を選んでも彼の心に波の一つも立たなかった。
わかっていたのだ。たとえ世界をもて遊んでも、滅ぼしても、エルフたちに殺されようともそんなものは彼に何も与えてくれないということは。
誰よりも憎み、妬み、そして羨望した最愛の弟の姿を思い浮かべる。
――なあシャルル、オレはどうすればよかったんだろうな――
エクスプロージョンが火石の装甲を剥ぎ取り、火石に蓄えられた力が解放された。
最後のジョゼフの使い魔が倒されたとき、空気の震えと爆音をルイズたちは感じた。
地平の果てから太陽が見えるように半円を見せているのは、火石の爆発に相違なかった。
実際にその脅威を目の前にしたことのあるルイズたちは恐ろしい光景が脳裏に甦った。
だがその恐ろしい爆発はルイズたちを襲うことなく、地平から半円の姿を見せた後に、それをピークとして収束を始めた。
みな何が起こったか理解できない中で、ルイズがポツリと告げた。
「ジョゼフが死んだわ……」
ルイズの虚無の力がもう一つの虚無の力の消失を知らせていた。目の前で起こった爆発に担い手は消え去ったのだ。
全員が爆発の起きた方向を見ている中でタバサは陽介の手を握った。
陽介は驚いた顔をしてタバサを見たがすぐに彼女と同じ方向に顔を向けた。
それから陽介も強く手を握り返した。



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