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騎士の使い魔(2)

召喚という拉致に遭ってから五分後、他人のサモン・サーヴァントの邪魔にならないよう脇に下がっていた統夜とキュルケ。

最初サモンとコントラクトの意味を良く分かってなかった統夜は、キュルケの情報提供をほぼ右から左に流して、ただ目の前で繰り広げられる召喚に目を輝かせたものだ。

 目を皿にして観察する彼の前に出るわ出るわビックリドッキリマグマ獣……ならぬ召喚動物達。

ネズミに牛に虎にウサギに竜…………十二支もかくやといった感じの動物は勿論、飛ぶ目玉や二首の小鳥なんかも居た。

そんな動物を見た統夜は使い魔とは凄いものだなと呟いたのだが……………





「じゃあこのマークは使い魔とやらになった証な訳か?」
「ふぁい」
統夜は額に青筋を浮かべて【ご主人様】と向かい合っていた
対するキュルケは気の抜けた返事をするのだが、彼女に統夜を馬鹿にする意図は無い。
「キスは契約を履行する為の儀式と?」
「ふん」
キュルケに統夜を馬鹿にする意図は無い。
「何となく焼ける様な痛みが有ったのはマークを刷っているからだな?」
「ほうひょ」
馬鹿にする意図はry
 「ほうほう、拉致の上に奴隷契約を結ばされたと…………ちょっとおイタが過ぎるんじゃないかぁ!?」
「いはいいはいいはいぃぃ!!」
怒りの統夜と痛がるキュルケ。
統夜の鍛えられた指が、キュルケの柔らかい両頬を力いっぱい握り、断ち切らんとばかり引っ張っていた。


「うぅ………もうお嫁に行けない」
赤く見事に膨らんだキュルケの両頬。
彼女はそんな頬を押さえながらほんのりと涙目になっていて、そんな彼女の様子に統夜はほんの少し………本当に少しだけ同情した彼は一言
「ドンマイ」
と言って彼女の肩を叩いてあげた。


「貴方がやったんでしょうが…………はぁ」
キュルケは深いため息を吐き、頬から手を離すと他の生徒へ目を向けた。

 涙は未だ収まってないのだが、彼女の瞳からはなにやら妙な色を湛える。
からかうような慈しむような………手の掛かる妹に対する愛情だろうか?

カティアがテニアを見るような眼だ、と統夜。


その統夜が視線をたどれば見付かるのは二人の人間。
一人は禿げた教師で一人は小さな女生徒。


「次はルイズだから見逃せないわねー」
「ん、ルイズとはあの桃色か?」
「えぇ、そのピンクの娘よ。性格は胸と同じくお子ちゃまだから、貴方も絡まれないようにね」
二人の内どちらを指すのか分からずに聞いた統夜。
それを律儀に返すキュルケは、まぁ親切なのだろう。

内容はピンクの娘………ルイズを馬鹿にしているが、内に込められた物はあくまでプラス感情。

――悪友みたいなものなんだな――
キュルケの表情と言葉から、統夜はそう解釈した。
「さぁミス・ヴァリエール、最後は貴女だ…………大丈夫、貴女なら出来ますよ。私が保証しますから」
「ミスタ・コルベール…………はい!」
知性に優しさを兼ねた瞳でそう言われたピンクのルイズは、元気の良い返事の生き見本となる返事をして虚空をカッと睨む。



「ふぅ………出来る出来るやれるやれる、諦めるな諦めなければ出来る!絶対出来る頑張れ頑張れ私超頑張れ!!」
親の仇を見る眼はそのままに独特の気合いを入れて、ルイズは深く息を吸い込み、勇気をひねり出すよう叫んだ。


「我が名は松岡……じゃなかったルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!!五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし"使い魔"を召還せよぉぉ!!!!」
切実な心の叫びが辺りを揺らし、それを聞いた者達の心に寒気と同情を植え付けた。



ドロン………


気合いの入りすぎた召喚者に比べ発生した音はあまりにも小さく、また、聞きなれない音だったにも関わらず「あ、これは外れだ」と皆に思わせてしまった。


立ち込めるピンク色の煙。
プラトーンの様に膝を衝いて天を仰ぐルイズ。
首を振るコルベール。
あまりにもあまり過ぎてゼロと馬鹿に出来ない同級生達。


長く冷たい沈黙が満ちる中、召喚した風竜の首に凭れていた青髪の少女が小さく呟く。


「動物ですらない………」

確かに出てきたのは黒い四方4メイル程の大きな鉄の箱だ。生き物ではない。


青髪の呟きにいち早く反応したキュルケは、ナイス!とばかりに目を輝かせてコルベールへ言った。

「使い魔は生き物でしたわねミスタ・コルベール!?」
「え………えぇ!そうですなミス・ツェルプストー」
一瞬の後に彼女の意図を把握したコルベールは、大袈裟に宣言する。

「まぁ一度や二度の"ミス"は仕方がないですな!さぁミス・ヴァリエール、二回目をどうぞ!!」
「みすたぁぁ………」
「頑張りなさいルイズ、ほら立って」
「うぅぅキュルケ………」
三人による小芝居が続くなか、ただ一人統夜は箱に眼が釘付け。


かといって状況は止まることなく進んでいく。

「皆……頑張る!我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、使い魔を召還せよ」
ルイズの力みの抜けたさっぱりした口調に、一同の期待は大きく高鳴った。



パンパカパーン!!


小気味良く鳴り響くファンファーレ。
やはり固まる一同。 
「「「…………」」」
彼らは互いに顔を見合わせると、立ち上る煙と中から見える物体に目を向けた。



洗礼された威厳が深く滲み出る、高さ190サント程の蒼きシルエット。
腰には鍔と持ち手のみの剣が括られ、銃と思われし道具が背中にあった。
その独特で、どことなく統夜の騎士服に通じるところのあるデザインに、目敏いキュルケは彼を見た。


しかし統夜はその視線に気づくでもなく、黒い鉄と蒼い鉄を交互に見やって困惑する。


「………ゴーレム?」
いつのまにか統夜の隣に立っていた青髪の少女が呟くように聞くと、統夜は首を振って答えた。



曰く

「オルゴンクラウド発生器と騎士機ラフトクランズ。大きさは違うが俺の愛機だ………」

「俺の?騎士機?………貴方も騎士?」
「あぁそうだ………ん?貴方もってことは君もか?」
統夜の言葉に彼女は小さく頷くと、ラフトクランズとオルゴンクラウド発生器を指差して首を傾げる。

「あれは鎧?」
「ロボ…………いや、そんなものかな」
「?」
中世レベルの文明しか持たないファンタジー世界の住民にロボットという言葉が伝わるはずもない。
言葉を濁した統夜に怪訝そうな表情を浮かべる少女の近くで、本日24回目の爆発が起きた。


シャランラーン


「もう爆音ですらないわね………」
金髪ドリルの少女が呆れを通り越して感心した様に呟くと、皆それに同意する。

「また………失敗」
すっかり煤だらけになっているルイズが、立ち込める煙を見て肩を落とす。


誰もがあーあと脱力したその時、煙がフワッと蠢いた。
その気配に気付いた統夜とコルベール、そして青髪の少女は軽く身構え、中から何が出てくるのだと警戒する。


キュキュルル?

しかし姿を表したのは小さな小さな真っ白蜥蜴。

せいぜい1メイル半程の生き物だが、その白蜥蜴が何やら気品のような物を感じさせたので、ルイズは泣きながら抱き着いたのだった。


「やれやれ、一件落着かな?」
統夜がそう言って皆が頷く。
これで終われば安っぽい学園物と言えたのだろうが、そんな事が起こるはずもなく………………





「ふむ、私は巨乳派なのだが…………まな板というのも案外乙なものだ!!」

ルイズの腕に抱かれた白蜥蜴がシレと言い放った言葉で一同に沈黙が舞い降りた…………

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