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Ruina 虚無の物語-02


契約の後、左手に焼けつくような痛みが走る。
「すぐに収まるはずよ、使い魔のルーンが刻まれてるだけだから。」
言葉の通り、痛みはすぐに収まった。
左手を見ると、知識にない文字が刻まれている
「おお、これは珍しいルーンのようですな。スケッチしてもいいでしょうか?」
確認のためにルイズの方を向くと、許可が出たので頷いた。

コルベールが左手のルーンをスケッチしている途中で、聞きなれた声がした。
振り向くとネル、キレハ、エンダの3人が起きていたので手短に事情を説明する。
「ようするに、この子の使いっぱしりになったわけ?」
「使いっぱしりじゃなくて使い魔よ、あと私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!この子なんて言い方はやめなさい!」
「る、ルイズさん、落ち着いてください!」
「つまりフィーはドレイになったのか?」
「「「違う!」」」
女が3人寄ると姦しいと云う、5人ならば五月蝿いと云うのだろうか。
そんな事を考えつつ仲裁に入る。

会話でどれだけの時間がたったのだろうか。
改めて周囲を確認すると、ほとんどの生徒が去っていた。
なんと、生徒達は魔法により飛行している。
自分の知る限り魔法で飛行できるような術者は皆無に近いにも関わらず、彼らは容易く飛行しているのだ。
「嘘、空飛んでる……?」
「うわぁ、すごい!」
「おおー。」
驚きのあまり、御主人様ことルイズに尋ねてみると
「なにフライで驚いてるのよ。」
との事らしい。
どうやら、この学院は飛行の魔法さえも教えているようだ。
その生徒達の行く先に見える豪華な建築物こそがトリステイン魔法学院なのだろう。
ただの生徒が、魔法の腕には覚えのある自分でも使用できない飛行の魔法を用いているという事実に戦慄した。

なお、この世界において飛行はそこまで高位の魔法でない事をフィーが知るのは後の事である。


改めて自分が召喚した使い魔を見て困惑した。
使い魔となった白髪で赤い瞳の(恐らくは自分より年下であろう)少女は、奇妙な形ではあるが、杖を持っていた事から恐らくはメイジなのだろうと判断する。
だが何故片手に盾を持っているのだろうか。
後の3人に関しては余計にわけがわからない。
猫耳フードを被った少女はよく見ると際どい恰好をしている。まさか普段からあんな格好なのだろうか?
黒髪の女性は矢筒と琴を背負っている。弓は見当たらないが、まさかあれで矢を撃つとでもいうのだろうか?
そして竜を象った兜と甲冑を身にまとった女性は、よく見ると自分とさほど年齢は変わらないようだ。
しかも、あのような重装備を特に苦としていない。本当に人間なのだろうか?
「ねぇ、貴方達は何者なのよ?」
するとネルと名乗る甲冑を身にまとった女性は、自分は雑貨屋の娘で今は鍛冶屋の弟子をしていると答えた。
痛む頭を押さえているとそのまま声をかけられる。
「ところでフィーは使い魔になったけど私たちはどうするの?」
全く考えてなかった事を聞かれ、思わず頭を抱え込む。
考えてみると、これまでに前例がない事態とはいえ人間を召喚してしまったのだ。
いくら平民とはいえ、召喚に応えてくれた以上「あんた達は使い魔じゃないから勝手にしなさい」というのはあまりに無責任に思えた。何より、逃げられたと事情を知らない連中に勘違いされるのは不愉快だ。

「あ、あんたメイジみたいだし他の3人はあんたの従者ということにしておけばいいわ。それならば部外者扱いしなくても済むから。感謝しなさいよね、普通なら平民にこんな温情かける事ないんだから!」
悩んだ結果、結論はこのようなものになった。
「まぁ、行くあてがないよりはましよね。」
「ま、なんとかなるでしょ。」
「おおー。」
「さて、部屋に帰るわ、ついて来なさい。」
頭痛の種は多いが、留年せずに済んだのは僥倖だ。
さっそく4人を連れて部屋へ向かった。


使い魔達を案内し、部屋の扉を開けさせる。
個人用とは思えない広さの部屋を、マジックアイテムと思わしきランプがその空間を照らしている。
天蓋付きのベッドをはじめとした家具は、一つ一つが豪華ながらも嫌味を感じさせない見事なものだ。
トリステイン魔法学院の学生寮、ルイズの部屋である。
「うわ、すご……。」
「凄いわね……」
「スゲー!スゲー!」
入るなり3人は部屋の感想を口にする。
それらを無視して自分の椅子に腰をかける。
そして使い魔の方へ振りかえり、使い魔について説明する
「さて、使い魔には3つほど役目があるわ。
「1つ目は主人の目となり耳となる役目、つまり視界なんかを共有する能力が与えられるはずなのだけど…。」
視界等には特に異変がないという返事が返ってきた。
「どうやら、この能力に関しては働いてない様ね。さておき次は、主人の代わりに望む物を見つけてくる役目よ。」
主にどのような物を探すのかと尋ねられる。
「主に秘薬の材料よ。あんたもメイジなら使うことはあるでしょ?」
多少は調合の心得もあると返ってきたから、思わず笑みが浮かぶ。
只、自分達は遥かなる遠方から来たので、ここで用いる秘薬の調合はできないかもしれないと追記された。
「…まぁ、聞いたこともないような田舎から来たみたいだし仕方ないわね。」
溜息をつく。
「で、最後に、主人を守る役目もあるのだけど…、あんたどんな魔法使えるの?」
彼女は先程他の生徒が見せていたような空を飛ぶ呪文は使えないが、攻撃の魔法は心得ていると答えた。
「フライは使えない…と、じゃあレビテーションは使える?」
落胆しつつも念のために確認するが、否と答えが返ってきた。
どうやら自分が召喚したのはフライやレビテーションすら使えないメイジの様だ。
魔法を使えない自分の、唯一の魔法の成功例である使い魔がさほど魔法の使えないメイジというのはなんという皮肉だろうか。
呼び出したのがただの平民ならばまだ我慢はできたであろう。
だが実際に呼び出されたのはさほど魔法の使えないメイジというのが余計に腹が立った。
思わず涙がこぼれ出す。
何事かと尋ねてきた使い魔に思いのたけをぶつける。
「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!あんたなんかに何がわかるっていうのよ!
初めて魔法が成功したと思ったら、呼び出されたのがレビテーションすら使えないメイジって何の嫌がらせなのよ!!」

互いに魔法の体系が異なる事を知らなかった事と、早とちりが原因のすれ違いであった。


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